LAD ゴードン放出は失敗だったのか?

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11 /07 2015
これからWS制覇をするためのLADの補強ポイントについて簡単に記述してみたい。

2015LADのチーム総合力はWARを見ても攻撃・防御共に非常に高いことがわかる。おそらくグリンキーとの契約さえ結べば、2016もPOへ進出できる可能性はかなり高くなる。LADの問題はPO進出ではなく如何にPOを勝ち抜くかにある以上、ターゲットをLADが短期決戦でも勝てるチーム作りという観点から、戦略的課題について眺めていこうと思う。

「なぜOAKはプレーオフで勝てないのか?」に書きましたが、奇しくもクライマックスのMVPになった内川言ったように「短期決戦というのは『どれだけ打ったか』 じゃなく『どこで打ったか』」という言葉に短期決戦の本質が凝縮されている。このようにレギュラーシーズンとポストシーズンでは選手の評価基準の違いのみならず、戦術においてもレギュラーシーズンとポストシーズン自ずから異なってくる部分がある。

まずLADがPOで勝ち抜くための補強ポイントを考える前に、2015WSを振り返って短期決戦のKC強さの秘訣についていくつかの要因について考えてみたい。短期決戦においてここ2年極めて高い勝率を誇ってきたKCとPOでどうしても勝てないLADのギャップを認識できれば、2016LADが取り組むべき戦略的課題が自ずから見えてくるはずです。


第一にはやはりここ一番での機動力がキーとして挙げられる。ALCSではホズマーのライト線へのシングルヒットで一塁からケインが決勝ホームインをしました。WS最終戦のペレスに代走を送られたダイソンが悠々と盗塁を決めて決勝点を踏んだ。僅差においてどうしても一点が欲しい時、ペナントでは重要度において後ろに後退していた機動力の価値がポストシーズンの終盤僅差の戦いになると前面にせり出してきます。その印象どおりにセイバーメトリクス的にも機動力の価値が間違いなく短期決戦の僅差ロースコアでは上がってくることがわかっている。

第二には守備力の重要さである。昨年の2014はKCの驚異的な守備力で失点を悉く防いできたわけですが、2015の事情は積極的な意味での守備力という意味よりも、むしろKCの堅実な守備力の大事さが実感させられたはずです。大事な場面で敵が次々とエラーをしてKCの勝ち越しに結びついていきました。

第三には攻撃において三振を簡単にはしないコンタクトする力、インフィールドへ打球を飛ばす力が挙げられるのではないだろうか。アウトの生産性を高めるのは状況に応じて、KCが繰り返し見せたゴロをインフィールドへ飛ばす進塁打やホズマーの犠飛によってサヨナラもしたように、前提として打球をインフィールドに飛ばさなくてはならない。三振ではアウトの生産性は全く見込めない。敵のエラーを誘うという意味でもインフィールドへ打球を飛ばす力は大事になる。逆に守備側から言うと僅差において、クローザーの奪三振力の価値が極めて大事になるとも言える。KCのブルペンの盤石な強さは今更指摘するまでもない。セーブ機会のある登板3度すべてファミリアはインフィールドに打球を飛ばされてセーブ失敗となった。守備が不安定ならKを奪う以外に道はない。

ハービィの交代時期の遅れも結果論に過ぎません。そこに至るまでハービィのピッチングは素晴らしかったし、ファミリアが盤石なら監督も交代を即断していたはずです。<ハービィの快投>+<ファミリアの過去2度の失敗>というファクターを重ね合わせて勘案した時、必ずしもワンテンポファミリアの投入が遅れたとは言い切れない。仮にケインBBで出した直後にすぐファミリアを出して、もしそこで打たれて同点にされたとしたらどうだろうか。今度は結果論のバイアスにかかっている人はこういう理屈を展開するに違いない。「なぜこれまで失敗していたファミリアを投入したのだ、コリンズは2014のWSHジマーマン交代失敗劇を教訓にしないのか。調子の良かったハービィで押してもよかったはずである」と。 (もしファミリアが過去すべてのWSセーブ機会で成功していたなら話は全く別であり、第五戦のコリンズの継投の決断は明らかに遅いと結論できる。)


2007アストロズとレッドソックスの戦いのように、一度もBOSがリードを許さずブルトーザーの如く一気に押し切るような展開であれば、緻密な野球そのものも必要とはしない。しかしNYMとKCの戦いのように僅差であり、一歩間違えば、NYMが4勝1敗でWSを制してもおかしくはなかった戦いの時、下記の3点は大事な戦いの要素となる。

◎シングルヒットの価値を何倍にも引き伸ばしてしまう機動力
◎敵に隙を与えない守備力
◎守備:インフィールドに打球を飛ばさせないブルペンの奪三振力
(攻撃:インフィールドに打球を飛ばす攻撃の力)

こうしてLADの戦力を分析するとまずポジション別ではセカンドの守備指標だけが大きく抉れてDRS-13です。LADのセカンドは大きな穴になっています。更にはLADは1点を取りたい時の攻撃オプションとして傑出したスピード・機動力が欠如している。グリンキーとさえ契約を結べれば、投手陣はブルペンの厚みを増すことに課題は絞りこまれてきます。

LADのPOを勝ち抜くための補強ポイントをざっくりまとめると

セカンドの守備改善、機動力という攻撃オプション、奪三振力の高いブルペンの整備の3点となります。

こうしてみると結果としては守備指標が飛躍的に向上しMLBを代表するスピードスターであるゴードン放出は失敗と結論される可能性が高くなってきました。しかし結果はともかくゴードンを放出した思考のプロセスそのものは決しておかしなものではない。理由については LAD新社長フリードマンのゴードンを放出した戦略とその誤算を参照ください。
結果は極めて大事ですが、結果がすべてでもない。
結果論のバイアスに嵌りこみ、そのプロセスに正しくフォーカスできなければ深い洞察力を養うことはできません。結果とプロセスのマージナル(境界線)の上を跨ぎながら、バランス良く全体像を眺めてゆくことが大事になる。どちらに偏っても広い視野を確保することできません。いずれにしてもこのミスをリカバリーしようと次にフリードマンはどんな手を打ってくるのか。次の一手が非常に楽しみになってきた。


大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。