ロイヤルズ 最後には隙のない野球が勝つ

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11 /01 2015
ちょうど私がモニターを見たのは8回表、1点差KCの攻撃からであった。僅差のロースコア終盤。途中経過は知らなかったが、KCは敵を叩く絶好の場所までまたもやNYMを引き連れてきたのかと画面を見入った。そこからの展開はここで敢えて記す必要もないだろう。最後に登場するのは守護神ファミリアであったが、ファーストボールに強いKCにとってすれば96マイル前後のベロシティには何の怖さも感じることはなかったに違いない。ファミリアからも悉く、KC打線はインフィールドへ打球を飛ばしていた。やはり短期決戦において特にブルペンの奪三振力というツールは必須である。インフィールドに飛ばされたら何が起こるかわからない。2015POでもふつうのKCのセカンドゴロがトンネルとなり、ふつうのセカンドフライもヒットになった。よってクローザーのスタッツを見るときはシーズン中におけるセーブ成功率よりもK/BBの方がいざという時に遥かに頼りとなる。イチローがNYYにいた時にALDSで対戦したBALのクローザーが50セーブを上げていたジョンソンが成功率だけは異様に高く、リードして9回を迎えると98%前後の確率でBALは勝つという戦前のデータがあった。個人的にはジョンソンのFIPやK/9がかなり低いために特に恐れることもないだろうと予想しNYYを応援していたが、神懸ったイバネスの連続HRにBALは沈んだ。クローザーでBALはリードを守れず負けた。エラーはあったにせよ結果的にファミリアで二回失敗している。


ところでセカンドのメジャー平均守備率そのものは98.6%となっている。あの8回のホズマーのセカンドゴロは難易度からすれば平均よりもかなり低いものにカテゴライズされることは間違いなく、ふつうのメジャーのセカンドであれば限りなく100%に近い確率でアウトにできたと帰納的に予測できる。セスペデスの走塁についても、ライナーはバックするというベースラングの基本に忠実でありさえすれば確実に防げたアウトではあった。ふだん通りのことを大舞台でこなすことが如何に難しいのか。大舞台で普段通りプレーをこなすには<経験>も必要だろうし、普段から取り組んでいる細やかな<ベースボールの質>が問われているのかもしれない。

HOU、NMY、TOR、これまですべての敵は大事な場面で散々エラーを犯してきた。しかしKCはペレスを中心にした強力なセンターラインによるMLB最高の守備力を発揮し相手に付け入る隙を与えず、集中打を得意とする機動力溢れる攻撃陣を組織化し、スピード豊かな強力なブルペンによって試合のピリオドを打つというヨーストの言う「隙のない野球」を展開してきた。ヨーストの采配も短期決戦において大事とされる継投においても前年のミスを学習したためなのか、柔軟でありかつピンチが拡大する前に前倒しで継投を決断する要所を得た手腕も評価されるに値する。


個人的には2014の第四戦だけはSFをリードした時点でヨーストは全力で前倒しでブルペンを5回から総動員させるべきだったと今でも強烈な記憶が残っている。これだけは結果論ではない。なぜなら次の試合はバムガーナーだったからである。シールズは大舞台に弱い以上、まず第五戦は負けと計算し第四戦が終わった時点で3勝1敗にすればこのシリーズものにできるというはっきりとした道が、ラルーサなら見えたのではないのか、そんなことを忖度をしたりもした。しかし第四戦での継投がワンテンポ遅く、結果その試合をKCは落とした。2014のワールドシリーズは監督の技術の差でKCは負けたシリーズであったと総括している。そしてこのままいけば2015はベースボールの質の違いによってシリーズは決したと総括できる。

何が起こるかわからないのが短期決戦。魔術師・三原修の言うように、野球とは筋書きのないドラマである。それにしてもこう言わずにはいられない。経験を積み、一回り厚みを増した隙のないスモールなロイヤルズベースボールが頂点を極めるのはもう目前である。NYMが奇跡を起こすにはグランダーソンが言うように、もう一度マーフィーが、あるいはそれがコンフォートでもかまわないが、ベーブルースへ変身を遂げなければならない。合言葉はシンダーガードまで回せということになるだろうか。ベンチェラとのマッチアップならかなりの確率でNYMは勝つことになる。しかしそこにたどり着くまでの球数制限のあるハービィと疲れの見えるデグロムで勝ち抜けるのか。LADなら拙攻をしてくれるかもしれないが、その点、KCはシビアではある。


対KCに限っては力がない方が負けるのではない。ミスをした方が負けると言えるだろう。



大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。