statcastはベースボールをどう進化させるのか?

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10 /30 2015
statcastという新しい技術が開発されてから選手への能力の客観的な把握がいよいよ進化している。例えば昨日のエスコバーの3塁打があるが、最高20mphに達し、3塁到達時間は11.79secと記録された。トラウトは3塁到達時間は11.01secということでその驚異的なスピードでもってMLB.comでもクローズアップもされてもいる。ちなみにオコエの3塁到達時間は10.77secというのが私が測ったタイムであったが、メディアで見た情報では10.88secとあったようです。いずれにしてもあの夏の日、甲子園でオコエの3塁到達時間は11.00を確実に切るタイムで走ったことは間違いのないファクトである。MLBでもオコエのように右打者で11.00secを切る選手はほぼいない。

ところで、このstatcastの数値を見るにはちょっとした工夫の必要がある。例えば下記の数値を見てもらいたい。

17mph 76cm
18mph 80cm
19mph 84cm
20mph 88cm

これは選手が0.1secで進む距離となる。昨日のエスコバーは最速20mphであるから、0.1secで88cm進んでいるということになる。statcastでは例えば野手の動き出しのsecも記録されている。0.25secの選手もいれば0.35secのケースもある。つまり、この反応速度の0.1secが違うとある野手は同じルートで走っても最終的な守備範囲が76cm変わってくる。(守備ではボールを見ながら目測を図っているため、ベースランニング程スピードは出せない。)それはギリギリキャッチできた打球がそのわずか0.1sec違うだけ外野手の場合、長打へ変わってしまうことを意味する。もしそれがワールドシリーズの重要なシーンで0.1sec野手の反応が違うだけで天国と地獄に分かれる可能性があることも示唆している。


statcastという技術が開発された以上、チームデザインを担当する者なら、こうした0.1secの世界をクローズアップし、徹底的に戦略的アプローチをかける必要があります。

ランナーが1塁へ到達する時間が0.1sec違うだけで80cmもの距離が変わるということは、内野安打かそれともアウトかによって、試合の決勝点が左右されることもある。もちろんホーム直前80cmでアウトかセーフかというシーンだって当然ある。statcastが明らかにしたひとつは「0.1sec」 という極めて微細な攻防の中でMLBは凌ぎを削り、勝者と敗者を分かつスポーツであるという点にある。

小事を疎かにするものに大事を成すことはできない

それがベースボールの真理でもある以上、「0.1sec」の攻防においてMLBは最新のテクノロジーを持ち込みながらより進化した形でスモールベースボールへ回帰するトレンドがいよいよ明らかになってくる。必ず改革者としてstatcastという技術を戦略に生かす人物が現れてくるはずです。もちろんそれは単純に昔のドジャース戦法に回帰するということでもありません。スピードに関するツールへの評価がステロイドERAに比べるまでもなく、より一層上がることも容易に想像できます

そして残念ながら同時にそれはNPBとのレベル差がstatcastの出現によってより拡がることも意味している。いつまでもおざっぱなMLBというイメージでは到底語りきれない、新たなる時代のフェーズへ突入する入口に立っているという時代認識を持っておいてもいいのではないだろうか。
なぜ 「0.1sec」のスモールな攻防を疎かにしてはいけないのか?

その大きなひとつの理由としては、ワイルドーカードが2枚に増えてからというもの、162試合目で最後のカードが決まるのが恒例となっているからです。つまり1勝の違いがPO進出の可否を分けることを意味しています。その1勝も、「0.1sec」の攻防によってオセロの白と黒のように勝敗が簡単に反転することになる。「0.1sec」の攻防を戦略的にきっちり詰めてゆくチームがその最後の1勝で笑うことになる。


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ou812 さん。statcastに対するご指摘は鋭いです。この記事はその返信です。セイバーメトリクスに対する理解も特に間違っていないと思います。LADの防御編についてはサイヤンガーが二人もいるだけに、グリンキーを引き留められるか否かが最大の課題でしょうが、もし分析するに足るものが発見できれば記事にします。



大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

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「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。