「MLB 戦いの原理を求めて」流 2015ワールドシリーズのポイント 

未分類
10 /25 2015
KCとNYMのこれまでの戦いをレビューをしながら、ワールドシリーズのポイントについてシンプルに書いてみたいと思います

NLCSではNMYが試合中において一度もCHCにリードされるという場面すら作らせず完勝でした。相撲で言うところの横綱相撲でもあり、万全の寄り切りで勝つ。強者の戦い方と言ってもいいです。それとは実に対照的に例えばALDSではHOUが5試合すべての試合でKCを一度は必ずリードする場面があるという試合展開でした。解説武田も言っていましたが、展開としては終始HOUの勢いでKCを押し込み、KCは徳俵のところで踏みとどまり、なんとかうっちゃりをする形でALDSをKCは勝ち抜いてきたということになります。特に第4戦の8回表4点差から逆転は、シーズンでは100試合あって1試合あるかないかという劇的な試合展開でした。コレアのエラーがなければALDSで敗退であったでしょう。WPAによれば8回表で96.8%の確率でHOUが勝つと判定されているようです。そこからHOUの勝つ確率を0にまで引き下げたKCの逆転劇でした。


ここに両チームの勝ち方の特徴が実によく表現されていると感じるのです。


ALCSのTOR2戦目の7回裏の守りの乱れに乗じた連打や第6戦の9回表の1点差を守り切った守備でもそうですが、肝心な場面で自軍に有利となるような誤審や相手のエラーなどを見事に勝利に結びつけてきたKCの試合巧者ぶりは実に見事です。最後は1点でも多く得点が上回れば試合は勝ちであり、3敗してでも4勝をもぎ取ればシリーズは制することができるとする、相対的に優位な戦い方をKCは展開していると言えます。もしKCが絶対王者であり圧倒的な戦力をもっていれば最初からソフトバンクのように相手を寄せ付けずそのまま寄り切りで終了です。すなわちKCはスモールベースボールを信条とした試合巧者の相対強者と言うこともできます。自らが得意な形、7回以降接戦という場所まで相手を引き連れて、己が強者になったところでKCは相手をやっつけるという戦略を採用しています。


NYMとKCの対決はスタータを比較すればNYMが有利であり、ブルペンを比較すればKCが有利ですが、2015WS最大のポイントは強力なスターターによって前半でNYMはリードしそのまま後半戦へなだれ込み決着をつけるのか、前半をなんとかしのぎ後半戦ブルペン勝負でKCが僅差をものにするのか、そこが大きなポイントとなるに違いありません。前半と後半で力関係が変わってくるという戦いの特徴こそ2015のワールドシリーズです。前半の強者はNYM、後半の強者はKC。いずれにしてもキーポイントは前半と後半を繋ぐ継投です。敢えてNYMはコロンの使い方、KCはマドソンの使い方をシリーズの注目ポイントとして挙げておきます。


昨日はKCにしてもTORにしても8回裏から9回表の1点を争う攻防において機動力を前面に出した戦い方しました。紛れもなくスモールベースボールそのものでした。両チームとも理屈ではなく本能でそうし機動力を前面に押し出した戦いをしているのでしょうが、戦略的に見ても全く正しい戦い方です。単なる強打でじっと戦局見守っているシーンではありません。ギャンブルを効かせて、機動力で相手を揺さぶるスモールな戦い方こそ是になります。


更に言えば2015ワールドシリーズにおいて最大のピンチを守備力が救い、試合の大きな流れを変えることもあるかもしれません。ディフェンスで相手を攻めるという発想もスモールにはあります。終盤の息が詰まる攻防においてKCは相手の守備のミスでチャンスを得ることはあっても、メジャー最高の守備力を誇るKCがエラーで相手に塩を送るような展開はこれまでありませんでした。大ピンチにおいて昨年のALCSやALDSでは再三のファインプレーによって勝ち越しとなる失点を防ぎまくってきたのがKCの戦い方でしたが、それが再現されるのかどうか。 

KCを見ていると短期決戦においてはこうした鉄壁の守備力と機動力に優れた野球が機能することがよくわかります。2年連続でKCがワールドシリーズに進出できるにはそれなりの理由があるはずです。たしかに運にも恵まれているが、それを勝利に確実に結びつけるKCの緻密な野球がそこにはあります。短期決戦では投手優位の戦い方に必然的になります。スターターで圧倒するNYMか、それとも相対強者でもありスモール全開のKCか。最後は監督の勝負師としての運にも大きく左右されるものなのかもしれません。勝負をかけなければいけいない時が必ず来る。その時、勝利の女神ニケ<NIKE>は果たしてどちらに微笑むのか。例えばペナントでは誤審の運不運もある程度相殺されてきます。しかし短期決戦ではそのもっとも大事な場面の誤審があった場合、次はないというところに勝負の大きな綾があります。



大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。