被弾率の高い NYYエース田中の行く末

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10 /02 2015
田中の被弾率の高さはリーグ最低レベルの1.46。WHIP0.99でありリーグ1位ですがその最大の要因は抜群のBB/9とリーグ2位の低さにあるBABIP242にあります。運も良く、無駄なBBを出さないためにソロが多いという因果が成り立っています。よく田中のリーグ最下位の被弾率について擁護する意見としてソロが多いので問題ないとあります。たしかにヤンキースタジアムがHR率の非常に高い球場であることもパークファクターで分かっています。しかしヤンキースタジアムでなくても明らかにスタンドに放り込まれている大きな当たりが多いことに、注意深いファンなら気づいているはずです。あれだけライトが広いシティ・フィールドでも文句なしに2本叩き込まれていました。


ところで下記は2000イニング以上投げているMLBの投手の終身ERAと終身FIPを示しています。

野茂    4.24 4.23
ハラディ  3.38 3.39
サバシア  3.69 3.62
ペドロ   2.93 2.91
マダックス 3.16 3.26
ランディ  3.29 3.19


どの投手もERAとFIPは一年毎では大きな差異になるものの終身になると、多くの投手はE-Fは0.1~0.2前後に収束していきます。野茂やハラディなどは0.01の差です。例えば2008年の松坂は極めて運の良い投手であり ERA2.90 FIP4.03でした。2008年どれだけ松坂が運に恵まれていたのかというひとつの証明です。最終的にはキャリアでわずか700イニングしか投げていないのに終身ERA4.45 終身FIP4.35となりました。


終身E-Fの差が0.1以内外に収束することは運不運はやがて相殺されてその投手の実力はおおよそ長いキャリアの中で明らかになることを示しています。ボラス・マクラッケンのセイバー史上最大の発見BABIPという指標の有効性は明らかになっていると言ってもいいでしょう。

2015年 カーショウのERAが5月半ばにおいて4.00を超えるという時期がありました。セイバーを知らない人からは今年は調子が悪いという声が上がりましたが、カーショウのERAを悪化させている原因は BABIP(330)とFBに対するHR率の異様な高さ(15%) 及びLOB率の異様な低さ(55%)という悪運を司る三種の神器が揃っていたためにERAが悪化しているに過ぎず(よくもこれだけ3つの指標が揃いもそろってここまで悪化するものだと逆に感心しながらその数字を見ていました。)、FIPは2.00台後半という数値でした。よってカーショウのERAは2.00台へ向かってこれから下降してゆくことがふつうにセイバーを理解している人ならだれもが皆、予想できたはずです。これは結果論ではありません。

結論として基本的にあらゆる投手のERAはFIPへ向かってサンプルが多くなればなるほど近似していきます。現在2015 田中 2年通算でERA3.16 FIP3.55です。今年に限っては田中のERA3.51 FIP3.99。このままいけばの話ですが、短期的な話はともかく、田中のERAが単年度において4.00台に突入し、近い将来マスメディアから叩かれまくる日が来ることを示しています。それはセイバーメトリクスが示している厳然たるルールであり、この法則から逃れることのできる投手は基本的にほぼいません。ただしアリエッタのように投球の極意を掴んで投手としてのレベルがワンランクアップし、FIPも急激に上昇するケースもあります。ERA4.00台突入の前提としては、今のクオリティならばという話です。

田中のリーグ最下位の被弾率について擁護する意見としてソロが多いので問題ないというのは、一見分析として成り立っているように見えるかもしれません。しかしセイバーメトリクスの分析をする者としてその記事を読んで感じることは、数字を恣意的を取り出して自分の意見を強化するための道具としてセイバーメトリクスを使っても、それは決してまともな分析ではないということです。ソロかそうではないかという部分に恣意的に着目するのは問題です。被弾率及びFIPに対してあくまでフォーカスすべきです。


大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。