したたかな日本ハムの戦略と大谷翔平の決断に凄みを感じたエンジェルスへの移籍劇

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12 /10 2017
大谷翔平の大争奪戦は獲得に対して最も遅い時期に手を挙げたチームであり、誰もが予想しなかったまさしく大穴のエンジェルスが獲得しました。

日本ハムは中垣征一郎トレーナーをすでにパドレスへ送り込んでいたように、業務提携もしているパドレスにおいて実に戦略的に二刀流受け入れの体制を築いていたことは間違いありません。たとえポスティングをしても二刀流を受け入れるチームが複数存在する保証など1年前にはなかったわけであり、日本ハムの用意周到ぶりに私は一目も二目も置かざる得なかった。パドレスがあったからこそ、私も大谷は二刀流でメジャーへ移籍すると断言できた。一年前にはメジャーで二刀流はあり得ないという意見は実はかなり根強かったのです。

一方で移籍する際には大谷翔平に日本ハムから通訳とトレーナーをつけると言っていたように、パドレスよりも理想的な環境があればどこへでも柔軟に対応できるように別途準備しており、パドレス以外に移籍しても問題のないように日本ハムは二段構えの戦略的な準備をしていたということになります。

つまり、今回のケースになることも十分に見越していたのであり、日本ハムの大谷二刀流を絶対に成功へ導くという戦略のとりあえずの目標はパドレスへ大谷翔平を送り込むことに設定して動いていたが、あくまでより一段高い戦略の目的は二刀流にとって理想的な環境ありきであった。

戦略の目標と目的は必ずしも一致しないケースがある。

過去の記事より。

「大谷翔平の二刀流は日本ハムが背後に控える巨大プロジェクトでもあり、プロジェクトを完遂すべく用意周到にパドレスを準備しつつも同時にパドレスよりも優れたオファーのできるチームがもしあれば、柔軟にそれをも受け入れるのが日本ハムというチームの持つカラーです。」

「これは決して出来レースというのでもなく、パドレスを超えてより理想的な環境を用意してくれるチームがあれば単純に大谷翔平はそこを選択することになる。ただそれは相当の難易度を極めるものとなる。」

「2012年ドジャースこそ大本命と言われた中で、日本ハムが大逆転したように大谷翔平との面談によって他のチームがパドレスをひっくり返す可能性はまだ十分に残されている。あくまでパドレスが本命ではあるが、出し抜いてくるチームが出てくる可能性があるかないかと言えば、0とまでは言い切れない。」

ちなみにエンジェルスについての考え。

「エンジェルス

ここも西海岸ではあるがそこそこのビックマーケットであり日本人選手はいない。気候も温暖快適、DH制もあるが、すでにプホルスがいる。高校時代からウォッチしてきたという話も聞かない。

率直な感想

個人的には全くのノーマークであり、万一ここへ決まったらカブス同様にそれこそ最大のサプライズ。しかしプホルスは一塁へコンバートすればいいだけであり、DHを用意できれば気候も抜群、ピッチャーズパークでもあり意外に大穴なのか。」

なぜ大穴という言葉をエンジェルスにだけ使ったかというと、プホルスさえ一塁へ動かせるならば温暖なピッチャーズパークをホームに持つエンジェルスはちょうどパドレスにDH制が加わったようなものではないかと考えたからなのです。

「パドレスがもしもアリーグだったならば、大谷翔平の移籍先は一択であったと断言できたのですが、そうではないだけに今後の展開は未だまだ不透明であることも確かです。」

とも書きました。

完全な出来レース、悲報パドレスで決まりというような考えを固定化させるのも間違っているが、同様に本命も大穴もないという物事を安易に相対化させるような一見もっともらしい考えも明らかに違う。なぜならば戦略的であるとは物事の優先順位を明確にするということだからである。何が大として何を小とするのか。最終候補が3つに絞り込まれたとしてその中にパドレスは確実に残るだろうというところまでは断言しました。

戦略的に柔軟であるとは、絶対(パドレス移籍が出来レースで100%と思い込む)と相対(本命も大穴もあるものか)という両極を去った狭間に揺らいでいるものであり、保険をかけるということとは本質的に意味が違うものです。

結論

●ヤンキース、ダイヤモンドバックスは選ばれることはない
●パドレスこそ最有力の大本命であり、最終候補の3つの中には入る

と断言し、予測はパドレス。そしてまさかの大穴のエンジェルスでthe end。見事に私の予測は外れた。

今後どういう情報が出てくるのかわかりません。ただ最後はパドレスとエンジェルスの一騎打ち、二択だったのでがないかと私自身は考えている。甲乙つけがたい状態の中で、最後はDH制の有無と面談した結果、大谷のフィーリングがぴったりとエンジェルスのフロント陣と理屈抜きに合ったことが決定打になったのかもしれない。

ふつうの人ならば金で動かされるものです。あるいはパドレスがどこよりも早い段階で二刀流の受入れ態勢を敷いていたことくらい大谷は知っていたはずであり、情に動かされたとしても決しておかしくはなかった。

しかし理想的な環境だけを純粋に求めて、一切の義理や金銭という条件を括弧に入れてしまい、すべてを白紙の上において眺めて比較考慮した結果、エンジェルスを選択した大谷翔平という人物の決断力の凄まじさを痛感させられた今回の移籍劇であった。日本ハムという組織の持つ極めて戦略的な柔軟性と大谷翔平という人物の真の意味での戦略眼に、今回は大変学ぶべきものが多い移籍劇であったと個人的には回想できるだろう。



「今回の一連の動きの中にあって最も大事にすべきことは、大谷がどこへ入るか以上に、その意思決定を如何にしたのかというプロセスを通じて、その人物像の深奥に宿る本質を正しく理解することにあります。誰もが選択するであろう何百億円もの大金を確実に得るというルートを敢えて取らない大谷翔平という人物のその背後に、<打算を遥かに超えた巨大な意志>が蠢くのをどうしても私は直感せざる得ない。

人間心を遥かに超えた偉大なる意志をもし<野球の神>というならば、文字通り、大谷翔平は<選ばれし者>ということになる。

選ばれし者とは何か。それは不可能を可能にする者でもある。

成功が保証されているわけでもなければ、本来手に入る大金が保証されてもいないこの壮大な二刀流というチャレンジがどのような結果になろうとも、当ブログでは大谷翔平をフォローし続けてゆく。「ほら、だから怪我をすると言っただろう」このような高見の見物を決め込む言葉を吐く者よりも、勇気と志を持って「誰も歩いたことのない道を歩む」大谷翔平をこれからも支持してゆく。」


大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。