パークファクターの基本 ドームランを考察する

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09 /26 2015
一番最後に簡単なパークファクター理解度チェックを出します。すぐに何が問題なのかを見抜けたら、パークファクターについて平均的な理解度はあると見ていいです。是非最後だけでも試してみて下さい

ヒッターズパークか?ピッチャーズパークか?いわゆるパークファクターを決定する二大要因とは HR率とBABIP率の二つによって構成されています。しかしながら1年単位で眺めてもそのボールパークの特性がわからないことがあります。例えば、2011にTEXアーリントンは1.5近くとMLB最高のヒッターズパークでしたが、2012には1.00を切るという数字になっています。1年だけで早計に判断できないのがパークファクターという指標です。純粋な球場の特性を把握するには経年で見る必要があるということですね。


ではドームランを分析する前に、いくつかを例にしてまずこのパークファクターを決定するファクターについて考察を加えることとします。

例えば BOSのフェンウェイ最大の特徴は球場の狭さを補うグリーンモンスターです。グリーンモンスターという巨大な壁のためにHR率を経年で10年近く追跡すると平均かやや低いボールパークです。しかしグリーンモンスターという巨大な壁のためにBABIP率が高い。特にモンスターがあるから2塁打の出る確率がメジャー屈指の数値になります。更にはファールエリアが極端に狭い。ファールフライも少ない。よってBOSのフェンウェイ総合判断としてはヒッターズパークになります。その逆でOAKのコロシアムなどはグラウンドも広いが、ファールエリアも広く、唯一3Bが出やすいという典型的なピッチャーズパークです。

SEAのセーフィコフィールドは、湿気が高くボールが飛びにくく球場も比較的大きいサイズであるので、典型的なピッチャーズパークであり、リグリーフィールドはシカゴが「風の街」(Windy City)と呼ばれているように、風が打者有利フォローの吹き方をするケースが多いため、典型的なヒッターズパークとなる。 TEXのアーリントンなどは乾燥が激しく湿度が低く風が打者にとってフォローであり狭い球場であって打者有利の条件がずらっと揃っています。

例えば USセルラーフィールドやグレートアメリカンボールパークはとにかく狭く経年で見るとHR率が高い。しかし 狭いということはまずこの球場三塁打の出る確率がかなり低くなり、二塁打も同様に低い。狭ければフェンスにぶつかっても外野からの返球次第ではアウトになりやすいということがある。よって基本ヒッターズパークですが、メジャーにはそれ以上の遥かに打者有利の球場があります。

メジャーでの屈指のヒッターズパークこそはメジャーでも1.2を争う巨大な面積を有するクワーズフィールドとチェイスフィールドです。ともに海抜が高く気圧が低くて乾燥しているのでボールがよく伸びる。だから広大にボールパークを設計し、HR率も高いことはすっかり有名ですが、外野が広大なために2.3塁打の長打も出やすいのは無論、打球が飛びやすいので外野手もやや深めに守るのでシングルまでも出やすい。HRも含めたあらゆるヒットも出やすいとなれば最も打者有利になるのは必然です。

球場が狭い=ヒッターズパークと言い切れるか?

基本言い切れます。しかしより打者有利になる球場がメジャーには2つ存在しており、いずれも高地に存在する通常の球場よりもビックサイズである。以上をまとめるとパークファクターを決定する要因は全部で5つあるということになります。

球場の広さ→広いほど投手有利になる(他の諸条件を揃えたら)
フェンスの高さ→高いほどHRは出にくくなる
気圧の高さ→気圧が低ければボールはよく飛ぶ
湿度の高さ→湿度が低ければボールはよく飛ぶ
風の向き 強さ→風がフォローならボールはよく飛ぶ

これらが変数となってそのボールパークの特性は導き出されることになる。以上よりドームランの原因を探求します。


東京ドームは左中間右中間までが極めて短いという特徴のあるとても狭い球場である。フェンスの高さはドーム球場としてはふつうであり、狭さを補いHRを阻むような高さではない。気圧については送風によって内部の気圧を高くしてドームを膨らませているので、気圧というファクターのみからすればどドームのボールは飛ばないという結論になる。(クワーズフィールドのようにドーム内の気圧が低いならもちろん、ボールは飛ぶようになるが気圧が低ければドームは潰れて野球はできなくなる。)東京ドームの湿度は空調で低く抑えられているので空気が乾燥し当然ボールは飛ぶ。

また風についてはカクテル光線がグラウンドの中央に向かって照射されているために、グラウンドの中央の空気の温度が高くなりそれが上昇し、風呂を焚くと下の冷たい水が温められ次第に上がり水の循環ができるように、このグラウンド中央部に上昇気流が緩やかに生じドーム内を還流している可能性はあります。またドーム内の気圧を上げるのに送風している以上、東京ドームには風が吹いているのに相違なく、ドーム内の特に外野上空をどう風が巡っているのか可視化できないために早計に結論できないわけですが、もし風が打者にとってフォローなら間違いなくドームランの一因とは成り得る。しかしアゲンストの可能性もあるわけです。尚、風速1mのフォローの風だけでも飛距離は4m伸びるとの報告もある。


結論としては、異様にホームランが出にくい名古屋ドームなどの打球の飛び方を比較すると、打者フォローの風がドームに吹いている可能性は個人的には捨てきれない。もっとも風については風速計をドーム外野上空の各所に置いて計測できない以上、個人的な推測の域を出ないしドーム内の風が打者フォローの可能性を示唆するだけに今回は留めておきたい。しかしもし仮にこの風を度外視しても客観的にドームの狭さと湿度の低さはドームランの確実に大きな要因となっていると考えてもいい。

最後にパークファクター理解度チェックです。

解説者大島がTBの本拠地でベルトレのHRが出た瞬間「ドームは気圧の関係で、よくボールが飛ぶんですよね」と言いました。この言葉の問題点がぱっと頭に浮かぶようですと、平均的な理解度はあると見ていいです。気圧の間違いについてはさすがにすぐ気づくでしょう。

まず第一にトロピカーナフィールドは気圧式のドーム型ではなく、体育館のようなかっちりした密閉式ドームである。故に大島が言うような内外の気圧差は基本ない。もし仮に大島が言う気圧式であっても気圧を高めてドームを膨らませているので、ボールが気圧によって飛ぶということは物理的に有り得ない。更には、トロピカーナフィールドはここ10年で見るとメジャーでも屈指のピッチャーズパークである。だからこそ、フリードマンGMはセイバーメトリクスを駆使してスモールなチームを作った。マドンはデータを駆使する典型的なオールドスクールであり、ソーシアの優秀な門下生である。
解説者の大島が東京ドームとトロピカーナフィールドを同一視し、気圧式ドームの典型的なヒッターズパークであると思い込んでいることが一瞬で透けて見えてくればしめたものです。トロピカーナフィールドは決して広い球場でもなければフェンスも高くもないために、大島が勘違いするのもわからなくはないのですが、密閉式ドームの典型的なピッチャーズパークである。


大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。