大谷翔平がヤンキースを選ばないと確信したその理由 記者会見を通じて

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11 /12 2017

日本ハムが大谷翔平のポスティングに際して、もしも一つだけ大谷に対して注文をつけたとするならば、それは「メジャーへ移籍する以上、二刀流でプレイすることが条件である」というものではなかったかのかと考えています。

さてこれまで大谷のメジャー移籍についてウォッチしてきた当ブログですが、昨日の大谷のメジャー移籍への記者会見を見て、改めてヤンキースという線はまずないだろうと結論するに至りました。

なぜなのかについて、これから説明を試みます。

大谷二刀流の一つの重要なポイントは、日本ハムという強固な船とそれを率いる栗山監督という優れた船長があってこそはじめてこれだけ成功したものであるという点にあります。巨人の太田は環境を日本ハムへ変えただけで飛躍し一気に才能を開花させたように、メジャーでも二刀流を成功させるにあたって環境の重要性を賢い大谷翔平は、はっきりと認識していることが十分によくわかる記者会見でありました。一年以上も前にメジャーにおいて二刀流の受入れ体制を整えているチームが現実に存在する以上、二刀流を受け入れてくれるチームがあるかどうかというフェーズはとっくに過ぎており、本当の意味で二刀流を受け入れてくれるカルチャーのあるチームを大谷翔平は選択する段階に入っていると言えます。

チームカラー。カルチャーとして日本ハムのように新規探索性に富み常にチャレンジングでありながら、若手が多く二刀流を許容できるだけの自由な雰囲気のあるチームを大谷は必ず選択することになる。例えば巨人のような保守的であり、試合のネット配信を拒否しているような旧態依然としたチームからは二刀流は生まる発想もなければ、素地そのものがありません。

いくら二刀流を認めるとは言ってもヤンキースと言えばメジャーの中でも最も保守的なカルチャーのチームです。考えてみてください。なぜ同じニューヨークの地域にあったブルックリン・ドジャースは先駆けて黒人選手のジャッキー・ロビンソンを受け入れたのに対して、ヤンキースは白人選手に最後の最後まで固執し黒人を拒否し1960年代後半から衰退期を迎えたのか。ニューヨークに留まることによって成功したヤンキースとニューヨークからロスへ移動したことによって成功したドジャース。保守と革新。いろいろな意味でカルチャーの異なるのがこの両チームです。

大谷翔平が、日本ハムや栗山監督とのケミストリーが非常に高かったのは旺盛なフロンティア精神によるものであり、三者に共通するのはリスクを取ることを恐れない点にあります。ちなみになぜ、ドラフトで日本ハムがダルビッシュや大谷翔平、清宮幸太郎という大物を引いているのか。それはどれだけ競争率が高く外れるリスクはあっても、毎年最も良いと判断した選手を選択し続けている成果であり、日本ハムは常にチャレンジする姿勢を一貫して保ってきたからこそです。当然と言えば当然ですが、そのリスクを取ることがなかなかできない。

一方ヤンキースのオーナーは行動経済学者のダニエル・カーネマンが発見した<損失回避の心理>に最も敏感に反応するハル・スタインブレナーです。リスクを取ってでもチャレンジするという気概に欠ける人物であり、ヤンキースが保守的なチームカラーであることは明白です。ニューヨークのメディアも早急に結果を求めすぎる余り、二刀流に時間的なスペースを与えようともしません。

結論すれば、昨日の記者会見を聞いた限り、二刀流にヤンキースというチームの持つ保守的なカラーはマッチしないことを賢い大谷翔平ならすぐに察知することになると考えられるのです。誰も歩んだことのない道を歩んでゆく。そういう観点からしても大谷は日本人の田中がいるチームを果たして選択するのかという懸念もあります。

大谷翔平を獲得するために、ダルビッシュをまず確保しろという全く本質から外れた論旨を展開するのが向こうのメディアです。むしろ逆であり、大谷翔平を獲得したいなら他の日本人を取るべきではないのです。あるいはボーナスプールの金額の多寡で有利不利を論じる単純でプラグマティックな記事もあります。いずれも向こうのメディアが大谷翔平の本質的な部分についてほとんど理解していないことの証左です。

大谷の選択条件を完全にはき違えている。一年前の主張をもう一度繰り返します。

「マスコミで報道されているように、大谷翔平が最も重要視しているものとは、チームに日本人選手がいるとか、まして金でもなければ義理人情でもない、打者としても投手としても、その技術を超一流のものとして究め、己の可能性を大きく切り拓きたいという<ひたむきな志>そのものである。」

ダイヤモンドバックスの元ドジャーススカウトに代表されるようなメジャー関係者の多くが二刀流について否定的な意見を持っていた一年前から、パドレスはクリスチャン・ベタンコートを用いて二刀流の予行演習の準備を行っていたように、ドジャースカルチャーを引き継ぐパドレスが、日本ハム同様に、新たなものを受け入れる精神的な土壌があることだけは間違いありません。

パドレスのプレラーGMは、2012年元レンジャーズのスカウト統括部長でした。2012年に大谷翔平獲得に動いたチームは3チームあり、ドジャース・レッドソックス・そしてレンジャーズです。元レンジャーズのプレラーが大谷翔平に目をつけていたのは2012年の頃からということになり、言わば筋金入りなのです。

なぜ当ブログが大谷翔平が二刀流でメジャーデビューすると断言し続けてきたかと言えば、バッファーとしてパドレスが控えていることがすでに事実として明らかになっているからです。大谷翔平の二刀流は日本ハムが背後に控える巨大プロジェクトでもあり、プロジェクトを完遂すべく用意周到にパドレスを準備しつつも同時にパドレスよりも優れたオファーのできるチームがもしあれば、柔軟にそれをも受け入れるのが日本ハムというチームの持つカラーです。

もちろん選択するのは大谷翔平ですが、日本ハムはそれとは関係なく日本ハムとして大谷二刀流をメジャーへ輸出するというプロジェクトを戦略的に遂行させているということです。

またパドレスには、メジャーの世界において多数が否定していた頃から二刀流を受け入れるだけのカルチャーを持っていただけでなく、二刀流が試行錯誤できるだけの時間的なスペースも、ロースターのスペースも十分に残っています。パドレスは今は弱小かもしれませんが、カーショウの力が衰え始める4年後あたりに再び頭角を現して、勝負を必ずかけてくることが予想されます。日本ハムに入った大谷一年目の成績はリーグ6位だったところから、日本一に駆け上がるまで大谷翔平はすでに経験済みです。今のパドレスの順位などに囚われる必要もありません。

自由な空気があり北海道というスペースの大きな空間に身を置いてきた大谷にとって、保守的で窮屈な大都会のニューヨークという土地柄が合うのかどうか。パドレス以上の条件を引き出すチームと言えば、例えばDH制があり、かつ二刀流のプロスペクトを実際に育てようとしているレイズなどが挙げられるのかもしれません。

おそらくレンジャーズは右投手地獄なホームが最大のネックとなる。投手大谷はヒッターズパークを敬遠することになるのではないか。パドレスがもしもアリーグだったならば、大谷翔平の移籍先は一択であったと断言できたのですが、そうではないだけに今後の展開は未だまだ不透明であることも確かです。

結論

大谷翔平は向こうのメディアで有力視されているヤンキースを選ぶこともなければ、パドレスを差し置いてダイヤモンドバックスを選ぶこともまずない。当ブログとしてはそう結論する。

これは当ブログ最後の勝負記事です。ヤンキースはないと言い切って、ヤンキースであったなら、ほんとうに赤っ恥ですな。(苦笑)

赤っ恥をかくリスクは取る。

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ただし最後の記事から読んでもほとんど意味はありません。

大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。