ジラルディの継投ミスについて 武田の解説はほんとうに正しかったのか

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10 /08 2017
サンディー・コーファックスが受賞していたその設立初期、サイヤング賞は両リーグからたった一人しか選ばれないものでした。おそらく初期の厳しい基準をも満たしているサイヤング最有力候補でもあるクルーバーが逆転本塁打を打たれた瞬間に、交代させるべきだったと解説をしていたのが武田です。これほどフィーリング重視かつ結果論で語る解説者もきわめて稀だと言っていいでしょう。

調子がどうであれ2017年メジャー最高の投手を序盤3回、同点で交代させる監督など、どこにもいるはずがありません。解説者武田は自分の過去の経験や限られた知識に極端に依存してベースボールを眺めるという特徴があり、結果論をはじめとする様々なバイアスについてのケアも微塵もなされていない典型的な解説者であると言えます。

田口やワールドスポーツニュースMLBで解説をしていた石井は違います。武田とは違い田口や石井ははっきりと結果論というバイアスに嵌ってはならんことを自覚して、試合の状況を眺めています。

この試合の前に記した記事の中で、私はジラルディの継投が重要になり、最大のキーマンはチャド・グリーンであると言いました。振り返ってみて指摘していたポイントとしては正しかったわけですが、なぜグリーンを最大のキーマンに挙げたかと言えば下記が2017年のヤンキースブルペンにおけるFIPです。

チャップマン 2.56
ベタンセス  3.22
ロバートソン 2.10
ケインリー  2.32
グリーン   1.75

このグリーンFIP1.75はどうイメージすればいいのか。2016年無双であったミラーFIP1.68と比較してみると非常にわかりやすい。2017年のミラーFIP1.99。ミラーと同等のFIPを記録していたグリーンを密かにシラルディはブルペンの中で、ある意味、最も信用していたはずです。

サバシア   4.49

6回の大量得点差でサバシアを交代させたことは結果的に継投ミスにはなりました。しかし、継投した判断自体ほんとうに間違っていたのでしょうか。解説者石井は結果は括弧に入れて、グリーンへ交代したこと自体は決して間違っていないとしました。当ブログも全く同意見です。

なぜならばサバシアよりもグリーンの方が抑える確率がセイバーメトリクス的には格段に高かったからです。結果的に継投ミスではあるが、断じて判断ミスではない、そう考えます。

武田は如何にも自分の方がジラルディよりも継投についてはたしかな判断ができる風なことを話をしています。しかし解説者であるにもかかわらず結果論というバイアスについてすら満足にケアできず、セイバーメトリクスについても全く知らないフィーリングでしか語れない武田よりも、ジラルディの判断の方が遥かに信頼できると一貫して私は考えています。

ジラルディ批判一色の中で、もしスポナビもかろうじて公共に開かれたひとつの言論空間であるならば、せめて当ブログだけでも、武田の適当なフィーリング解説に代表される結果論に陥ってはならない。巨人・福田の永久追放の大合唱の中で当ブログが福田を擁護した時と状況はやや近いものがあると言えるかもしれません。

おそらくセイバーメトリクスについて理解や知識がある人なら武田の解説については大なり小なり、私と同じような意見を持っているのではないだろうか。武田は数字に余りに疎く、少なくとも解説に論理を求める人にとってはまともには聞いていられるレベルにはありません。

例えばミラーをジャッジのところで9回サイドハンドのスミスに交代させたフランコ―ナに対して、私自身の内心の声をほぼ忠実に再現するとこんな感じでした。「ミラーのボールが切れていないのはやっぱりフランコ―ナにはばれていたのか、今日のミラーなら打てるボールだけに代えないでほしかった。ヤンキースサイドからすれば実にいやらしい交代、さすがに絶妙な判断力」。昨年のミラーの切れなら続投ではあるが、今年のミラーの切れでは無理だと思えば即座に交代させることができるフランコ―ナの優れた判断力。

ちなみに武田は「意外な継投」と感想をもらしていました。フランコ―ナの実績・過去の結果に気圧されてか、武田は続投させるべきという話を封じました。意外などころか、あそこで代えられるのがフランコ―ナの真骨頂だったのではないのか。正直、交代のコールを聞いた時、意外というよりも気づかれたか、フランコ―ナにしてやられたと感じました。

グリーンが打たれたシーンでは継投よりも、短期決戦におけるゲーリー・サンチェスのインスティンクスの低さが、守備力の低さとともに非常に気になる部分ではありました。チゼンホールとグリーンの問題シーンではノーボール2ストライクに追い込んでからも、ひたすら4シームを投げ込んでいたわけですが、すべてファールで逃げられていました。4シームはグリーンいつも切れはないことは明白。ふつうなら低めにボールの変化球でも挟んで目先の緩急をつけるのは当然ですが、キャッチングに自信がないからか、オール4シームでした。さすがにあのリードは酷過ぎました。いつものグリーンの4シームならOKでも、調子はその日によっても微妙に違う以上、リードにも柔軟に変化をさせるべきだったのではないか。

キャッチングもまずく、インスティンクトも疑問視される中、ヤンキースは短期決戦をサンチェスに任せて果たして勝てるのか、かなり不安にも感じさせるシーンではありました。

またチゼンホールの本来は三振でチェンジだった際にチャレンジが30秒ルールのためできなかった件ですが、ポストシーズンでは2度までチャレンジすることができる以上、これからはベンチ裏を経由せずともフィールドにいる選手を信頼して予めサインを決めて<ギャンブルチャレンジ>をする体制を整えていくべきでしょう。野村克也が西武との戦いで3塁ランナー広沢へ早めにスタートをさせる教育をしなかったために、1点で負けてからギャンブルスタートを発案したように、短期決戦では<ギャンブル>を仕掛けていくことが非常に重要な要素になることは今更指摘するまでもありません。<ギャンブルチャレンジ>という言葉が生まれるシーンであったのかもしれません。

判断の遅れたビデオ解析者の責任することなく、自ら責任を負ったジラルディは立派であると言えます。

ここからのヤンキースが逆転することはまず不可能に近いものがあります。しかしここから逆転できるとすれば、ヤンキースは途轍もない勢いをもってALCSへ進出することが可能となります。

ピンチは常にチャンスを孕んでいる。

結論

バイアスに嵌った解説者の話はリテラシーをもって適当に聞き流すべし。解説という仕事をある意味、武田は舐めてかかっている。大した勉強もしていないことなど、視聴者はとっくに見抜いているのである、


大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。