ラストに圧巻のピッチングをみせた田中は、ほんとうに給料泥棒なのか

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10 /01 2017

7回15K0BBで締めくくったヤンキースの田中ですが、2017年のfWARは2.8で締めくくりました。1WARは800万ドルであり、2200万ドルの仕事をしたとセイバーメトリクスのファングラフスというサイトでは算定されています。つまりどれだけ印象が悪かろうが、セイバー的には給料相応の仕事を田中はしたと判定されています。

ところがこれまた出鱈目な記事が出ていました。あるスポーツライターは1WARは400万ドルなどと10年以上前の数値を持ち出し、事実無根の数値を出したばかりか、fWARも最終戦の直前の2.2で試算し、田中は給料の半分くらいの仕事しかしていないと悪しき印象操作をしようとしているのです。

記事を見た瞬間に、「この出鱈目な試算は何なのか」あ然としたのですが、MLBではインフレが進行中であり、現在、1WARは800万ドル相当であるのは常識です。こんな常識レベルのことも知らない人がセイバーメトリクスを持ち出して出鱈目な記事を書いている以上、やはりリテラシーが重要となる。

つまりリテラシーはないと記事の印象操作にまんまと嵌るが、リテラシーがあればすぐに記事の嘘が見抜ける。先日も大谷がダイヤモンドバックス入り有力というこれまたすぐに考えればわかる出鱈目な記事もありましたが、リテラシーが低いとアクセス稼ぎの飛ばし記事等にだまされるのは案外、簡単である。

たしかに田中はfWARでは給料通りの仕事をしたと判定される一方、rWARは1.2という評価であり、リファレンスというセイバーメトリクスサイトでは田中は2017年に限り給料泥棒と判定されるのも事実です。投手のサイヤングを決定するにも、この一年限定ではfWARよりもrWARで評価する方がどちらか言えば適切ですが、その分、2016年ではrWARは田中は5.4という評価を受けているのに対して、fWARでは4.6となっています。rWARが5.4から1.2へと評価のふり幅が大きいのに対して、fWARでは4.6から2.8と評価のふり幅が小さくなっていることに注目してください。

いずれにしても、キャリア全体ではfWARやrWARも評価の調整もそれぞれの指標に応じて効いている。

rWARという評価軸がそれだけ目先の結果重視であり、まるでニューヨークのメディアのようにジェットコースターの如く、常に上がり下がりの振幅も大きいものと言えます。それに対してfWARの方が標準偏差も小さく、運を排除し田中の実力について評価する設計となっています。

2017年

田中 ERA 4.74 FIP 4.34 xFIP3.44

これらの数字からもわかるように、田中は運に見放されたシーズンであったことがわかります。特にFIPとxFIPがこれだけかい離しているケースは極めてレアであり、今ざっと見た限り、スターターの中ではメジャーで最もかい離の激しい投手でした。つまり田中はメジャーで最も運がなかったスタータであると判定することも十分に可能です。

結論

客観的にセイバーメトリクスの算定で見る限り、キャリア通算において田中は決して給料泥棒などではない。少なくともfWARを基準にした時、セイバー的には2017年の田中は相応の仕事をしたと言える。出鱈目なセイバー記事や飛ばし記事も数多いために、読者はリテラシーを高める必要がある。

これまではずっとスルーしてきた数多くの出鱈目な記事や解説を最近、片っ端から糺す記事の内容となっています。糺すシリーズを通して、リテラシーを如何にして高めるべきか、そのよすがになるべくこれからも気が付いたら可能な限り書いていくつもりです。


追記

先日のダルビッシュについて、スライダーを絶賛する記事を書いた一方で、最後に2017年は特に波が激しいと当たり障りのないことを書いてしまったことを反省しました。ポストシーズンでのダルビッシュの活躍を信じます。エクスキューズとしての予防線を張るよりも、大外れしようが結論をきっぱり言う哲学はなるべく大事にしたい。

コロラドにせよ、バックスにせよ強力な打線をダルビッシュは果たして抑えられるのか、運命のポストシーズンは目の前に迫っている。


大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。