フライボール革命と守備シフトの関連性についてセイバーメトリクスする

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09 /03 2017

守備シフトとフライボールレボリューションの関連性について、GB率とFB率から分析を試みます。

(2007~2011年と2012~2016年という5年くくりのフェーズで捉えるとわかりやすい構造となっている。)

GB率

2007 43.5
2008 43.9
2009 43.3
2010 44.3
2011 44.4

2012 45.1
2013 44.5
2014 44.8 守備シフト元年
2015 45.3
2016 44.7

2017 44.1 フライボールレボリューション

FB率

2007 37.9
2008 35.9
2009 37.8
2010 37.5
2011 36.0

2012 34.0
2013 34.3
2014 34.4 守備シフト元年
2015 33.8
2016 34.6

2017 35.6 フライボールレボリューション

まず最初に抑えておくべきことは、守備シフトが真に機能するにはGB率を高めなければならないというセイバーメトリクスの分析結果があります。実際に守備シフトで大成功を収めたパイレーツのGB率はリーグ最高レベルをずっと維持しており、守備シフトを機能させるためにも如何にGB率を高めるかに多くのチームは腐心しています。守備シフトの影響もあって10年を経年で眺めると2012~2016年のGB率が相対的に高くなっていることがわかります。言うまでもなく守備シフトが2014年になって突然出現したわけでもなく、当然そのトレンドは数年前から静かに潜航し2014年に至り一気に爆発したわけです。

一方フラレイボールレボリューションが2017年から本格的に流行したわけですが、35.6という数値は2012~2016年よりは高いが、2007~2011年の数値よりも低くなっています。

グラウンドボールレボリューション(GB率を高めなければ守備シフトの効果は薄れる)という呼び方もしましたが、守備シフトを機能させるためにGB率が2012~2016年において高くなっていたものが、フライボールレボリューションによって2017年になってGB率はやや下降していることがわかります。

過去10年ベースでみると2017年のFB率は過去11年でど真ん中の6番目の数値となっており、2017年が飛びぬけて高い数値とはなっていないが、ここ数年ベースでみると、守備シフトの影響でこれまでFB率が低い傾向にあったためにFB率が反発し上がったということもできます。

どこに基準を置くかで2017年のFB率の取り扱いも変わってくる。

結論

歴史の運動法則の一つとして、絶えず相反する力の鬩ぎ合いの中で、バイオリズムも形成される。FB率とGB率の推移も守備シフトとフライボールレボリューションの相関の中で俯瞰してゆく歴史的な視点が大事となる。

守備シフト 余話

BABIP

2010 297
2011 295
2012 297
2013 297

2014 299 守備シフト元年
2015 299
2016 300
2017 300

ライターたちはBABIPが守備シフトによって劇的に引き下げられており、メジャーに守備シフトの革命が起きていると主張し、多くの人もそれを鵜呑みにしていました。ディビッド・オルティースやクリス・デービスのBABIPは守備シフトによってこれだけ下がった、あるチームは守備シフトによってBABIPがこれだけ引き下げられたと喧伝されていました。しかしそれは記事の結論に都合のいい数字だけを切り取った恣意的なものであり、メジャー全体のBABIPを客観的に数字を見る限り、2010~2013年のBABIP最高値は297、2014~2017年のBABIP最低値が299。総合判断するとき、守備シフトがBABIPを劇的に下げるという結果になっていません。守備シフトの効果がないというのではありません。特にプルヒッターには劇的に効果を発揮しますが、守備シフトを過大に評価すべきでないということに尽きます。

小早川はメジャーでは守備シフトによってゴロを打ってもなかなかヒットにならないから、フライボール革命が起きたと、一見もっともらしい分析していましたが、とても説得力のある分析であるとは思えません。

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