ドジャース ダルビッシュのスタッツが劇的に改善される可能性あり

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08 /05 2017

この記事のタイトル、アップする直前までは「アストロズ、カイケルの意見を支持する」というものでした。最後にダルビッシュにも言及しています。いずれにしてもこの記事を貫くテーマは<メンタル>です。

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「ベースボールは数のスポーツである」という考え方を基盤として、セイバーメトリクスはデジタルな思考を元に発達してきたわけですが、一方において数では表現できない<メンタル>や<クラッチ(大舞台での勝負強さ)><チームケミストリー>などのアナログなものを重視するGMがいます。過去の言動や動きを見てきた限り、実はその両方をバランスよくケアしているのがドジャースのフリードマン社長であり、ザイディGMです。だからこそ当ブログ的には一貫して支持もしてきました。

ところで話は全く変わりますが岩隈が一年目のことです。「なぜ岩隈は開幕して一か月してもブルペンでぶらぶらしているのか?」という質問が4月下旬に知恵袋でありました。

回答は判で押したように、スプリングキャンプで打ち込まれたからでありかつ、フィジカルチェックで肩の筋力が弱いと判断されたからであるというものがずらっと並んだ。しかしそうした中でそれは表向きの理由に過ぎなくて、ビーバンやノエシといったスターターがERA5.00台であるにもかかわらず、岩隈が投げさせてもらえないほんとうの理由は140イニング20先発から始まるインセンティブ契約にあり、これからの動きを注視していけば「なぜ岩隈が先発で投げさせてもらえないか」ほんとうの理由が明らかになるという仮説を示した回答が一つだけありました。

そして何の脈略もなく唐突に7月初旬に岩隈は初先発を果たすことになります。この7月初旬から岩隈が何回先発できるかを中四日で計算した結果、その仮説はほぼ正しかったことを私は確信しました。ちなみに岩隈はそこからフル回転し、16回先発の125イニングで初年度を終えて、後はみなさんご存知のようにフロントがコスト削減を目的に岩隈の先発時期を調整していたことが明らかになりました。同様に昨年青木との延長契約を結びたくないために、最も大事な8~9月の時期に好調の青木を3Aで飼い殺しにしていたのもマリナーズでした。

であるからドジャースもインセンティブ契約を結んでいる前田にも、スィングマンへ降格させたという話もあります。しかし結論から言うとマリナーズとラグジュアリーなドジャースを混同するのは全くナンセンスであり、その洞察力はいささか浅すぎると言わざる得えません。

顧客第一主義を貫くドジャースはチームの優勝という最大のファンサービスを提供するべく、選手の<フィジカル・テクニカル・メンタル>のすべてを全力でサポートする体制を整えているのがフロントの仕事であると考えています。プロである以上、前田も一個人としては、最大のモチベーションはサラリーと直結する先発ローテーションを守るということになります。チーム経費削減を目的にこれからも長い付き合いになる前田のモチベーションをわざわざ下げ、チームへのロイヤリティを損なう真似をドジャースが果たしてするのだろうかということです。

私がウォッチしてきた限り、ドジャースはそういう発想をするチームではありません。目先のコストカットによる利益を生み出すよりももっと長期的な展望をドジャースというチームは持っています。チームに対して不信感を抱かせモチベーションを下げて前田を腐らせるよりも、むしろサラリーが上がろうとも前田がそれ以上に優れたパフォーマンスを発揮してチームの優勝に貢献してもらうならば、後者の方が最大の顧客サービスになるのであり、最終的にはチームの大きな利益をもたらすとドジャースは考えている組織だということです。今年で前田の契約が終わるならわからなくもないですが、契約は7年近くも残っている以上、中継ぎへ降格した前田にもスターター復帰のチャンスは必ずあり、モチベ―ションを下げないように随時フォローしてきたと考えるのが本筋です。経済合理性も大事にするが、何よりも顧客サービスを第一に貫く組織こそドジャースというチームだということです。

つまり中継ぎへの降格は姑息なコスト削減策ではなく、単純に前田の調子が悪くERA5.00台であり、ドジャースの先発が質量ともに豊富だったがために中継ぎへ押し出されたに過ぎません。

本題に戻ります。

カイケルは本当に世界一を目指す意思があるのか、2017年の夏に大きな勝負の姿勢をみせなかったアストロズのフロントに対して不満を漏らしたと言います。ここが良くも悪くも、経営コンサルタント出身らしいルーノウの特徴であると言えます。外から理知的に戦略を組み立てるのは得意ではあるが、現場にいる者たちへのメンタルに対するフォローが足りない。そしてこのメンタルに対するフォローがドジャースの首脳陣との違いでもあります。

フロントの仕事には、補強を通じてチーム全体を鼓舞するという一面があることをドジャースの首脳陣は十二分に弁えている。

ジャイアンツが独走していた2016 7/5に書いた記事です。

「カーショウ復帰の目途立たず しかれども2016LADはまだ終わらない」

カーショウ離脱にともない迷うことなく間髪入れずにノリスを補強し、ドジャースはコンテンダーであり続けることを内外に知らしめ、フロントの諦めない姿勢をはっきり示すことにより、チーム全体のモチベーションに対するダメージを最小限に留めることに成功しました。ほとんどの人が2016ドジャースは終わったと言っていた中、最終的にチームは地区優勝しました。まさしく絶妙のタイミングの補強でした。GMであそこまで迅速な動きを入れることができる人物はほぼ皆無でしょう。

目先の勝利と将来の勝利への可能性を如何にバランスさせるかに、GMの手腕が大きく問われていると言っていいでしょう。今年アストロズは世界一を狙える絶好のチャンスを迎えています。盤石な態勢を整えるためにも、ブルペンもしくはスターターに大きなインパクトのある補強はあってしかるべきであったと客観的には分析されていました。補強できるだけのマイナー組織もあった。しかしアストロズのフロントが世界一になるためにできることをほぼ何もしなかったことでエース・カイケルをがっかりさせたのと同時に、チームメイトの気持ちを代弁したものとも言えます。

結論

チームの最終結果を問わず、その姿勢においてダルビッシュを補強したドジャースを支持するとともにアストロズのカイケルの意見を支持する。すなわちこの絶好期に、ほぼ何の動きも見せなったアストロズは明らかなミスを犯したと結論する。

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とここで記事を打ち切るつもりでしたが、ここからがダルビッシュの話になります。

サム・ダイソンというレンジャーズでダルビッシュで同僚でありERA10.80でDFAになった投手が、ジャイアンツに拾われてERA2.65とスタッツを劇的に改善させました。過去、チームが変わってスタッツが急激に変わる投手はダイソンに限らず、数多くいます。いくつかの要因はあるもののその最大の要因はメンタルがリフレッシュされるからです。新天地で心機一転ダルビッシュ本来のパフォーマンスを取り戻せると踏んでのドジャースの獲得でしょう。2017年TEXのダルビッシュERA4.01のパフォーマンスで十分と見込んでの獲得ではないはずです。

ドジャースのターゲットはワールドシリーズ制覇であり、あくまでカーショウにつぐ二番手としてグレインキ―レベルのものをダルビッシュには求めています。

2016年までのダルビッシュの通算ERAが3.29。アーリントンを本拠地に右投手がこのERAをたたき出すということの意味、それは少なくとも肉体改造前のダルビッシュがメジャーの右腕でも5本の指に入る証明だと言ってもいい。DH制のある屈指のヒッターズパークから、投手も打席に立つピッチャーズパークを本拠地にするナリーグのチームへ移籍となれば、ダルビッシュの無意識下かかっていた無駄なプレッシャーからも解放されることは容易に想像できます。メンタルの影響は決して侮れない。

ドジャースのダルビッシュ スタッツが劇的に改善される可能性あり。

というよりも単純にドジャースでは大活躍するダルビッシュを期待します。最近スポーツ心理学の本も読んでいますが、そこにはセイバーメトリクス同様に極めて奥深いものがありそうです。

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大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

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写真は古代ギリシャの神殿。