「MLB 戦いの原理を求めて」をスポナビにエントリーするまで

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11 /20 2016

「大統領選で大敗北を喫したMLB天才セイバーメトリシャン、ネイト・シルバー」

前回の記事の補足となります。当ブログの主たるテーマが「戦略」です。シーズンオフということもあり番外編として「戦略」そのものに焦点を絞り込んで今回の大統領選とも絡めてお話をします。そして最後にこの記事を下敷きとして、スポナビにエントリーした経緯の話となります。4年に一度の番外編ということでもあり、どうかこの一回だけなので大目に見ていただければ幸いです。

尚、戦略や政治に全く興味のない人はスルーしてください。あるいは最後にから読んでもらってもかまいません。戦略の威力をまざまざと見せつけた大統領選でした。

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トランプ旋風とブレグジット。

元MLBセイバーメトリシャン・ネイト・シルバーによる予測はもとより、シルバーのサイトも参考にしていた日本の識者の9割は予測を立て続けに外しました。これはいったい何を意味しているのでしょうか。それは歴史のフェーズが大きく切り替わった時 過去の経験則を踏まえた識者の思考法や過去のデータに依拠した統計学を用いる予測は通用しないということです。

更に言うならば、やはりトランプが勝利を収めたその背景には巧妙な戦略があったと見るべきです。

選挙とは言葉を武器に<支持率>を争う戦争であると言ってもいいですが、言論機関たるマスメディアの99%がヒラリー支持をし、完全なる包囲網が敷かれた中、如何にトランプという優れた戦略家は、戦ったのかという点は実に興味深いものがあります。当選確率とも強い相関関係がある<選挙資金>においてクリントン陣営と比較してダブルスコア以上の差が開いていたにもかかわらず、なぜその逆境を跳ね返してこの戦いにトランプは勝ったのか、それについてこれから分析を試みます。それは戦略というものが如何に戦いにおいては大事であるのか、まざまざと思い知らせてくれるものでした。

弱者の戦略」をどのように駆使してトランプは今回の大統領戦に勝ったのでしょうか。

弱者は主戦場をどこに設定するかを決して間違えてはなりません。マスメディアという言論空間では既にトランプは包囲されており完全にアウエイです。資金力にも大きな差がある以上、CM量においても到底、クリントンには太刀打ちできない。

トランプが自らが勝てる場所。すなわちそれはご存じのように、ソーシャルメディアこそをトランプは主戦場としたということです。

【ヒラリー】 ツイート数 9,837  フォロワー数 11,078,939
【トランプ】 ツイート数 33,989 フォロワー数 15,111,837

フォロー数において400万。ツィート数においては3倍以上。トランプ陣営は広告費全のうちネットに当てたのは5700万ドルであったのに対してクリントン陣営は1000万ドルであったと言われています。ソーシャルメディアの世界に限定した時、物量ともにヒラリーとトランプの立場は完全に逆転し圧倒したものとなっていました。これぞ弱者の戦略というものです

今回の大統領選、最大のキーワードは、インテリ風で品の良さを身にまとったマスメディアが強調してきた「ポリティカル・コレクトネス(性別、人種や宗教での差別はいけない)」だと言っていいでしょう。この「ポリティカル・コレクトネス」の欺瞞に真っ向から戦いを挑み、率直にものを語ったトランプをマスメディアは下品だ差別主義者だと総攻撃しました。しかもマスメディアがトランプを罵れば罵るほど、マスメディアの売り上げは拡大したわけです。売り上げが伸びればマスメディアはますますトランプたたきに走る。クリントンを支持するマスメディアにとっては売り上げは伸び、ヒラリーを援護射撃ができるという意味で一石二鳥であり願ったりかなったりでした。ところが気が付くとこれによってトランプは「TVに露出する」という意味では、クリントン陣営とのCMへ投入できる選挙資金の格差を埋めることに成功しました。

更には、トランプの過激な発言は 行き過ぎたマスメディアによる「ポリティカル・コレクトネス」の反動でうっ憤をためていた一部のアメリカンピープルをターゲットとして絞り込むことに成功し、コアな一定の支持率を確保することとなりました。経営者ならではのマーケティング感覚がものを言ったと言えます。

このようにトランプはTV番組の名物司会者として視聴率は如何にしたら稼げるのかというエンターテイナーとしての資質とターゲットを明確に絞り込んで、そこへ魅力的な政治的アプローチをするという経営者としてのマーケティングの感覚を生かしてマスメディアという戦いの場を見事に切り抜けてみせました。トランプはマスメディアの総攻撃を自らのパワーへと変換することに成功したと言ってもいいでしょう。

マスメディアをマーケティングで言うところのフックとして駆使しながら、トランプはソーシャルメディアでターゲットを囲い込むという選挙戦略をとったわけです。マスメディアとソーシャルメディアのミックス戦略。この巧妙さは見事という他ありません。全くもって只者ではない。もちろん優秀なブレーンがいたにせよです。

多くの予測を外した日本のインテリ識者は、負けたとは言えクリントンの方が100万票も上回っていたではないかともっともらしい言い訳をしています。しかしはっきり言って全くナンセンスな言い訳です。なぜなら各州から選挙人を選出するという大統領選の仕組みに最善の戦略をもって打ち勝ったのがトランプであり、もしすべての投票の過半数を獲得したら当選という仕組みであったなら、トランプの戦略は全く違ったものになったからです。トランプは選挙終盤、ラストベルトと言われた激戦の州へすべての戦力を投下し、民主党の州と言われるところから票を実際に奪っています。

ちなみにヒラリーの選挙資金には大量のチャイナマネーが流れ込んでおり、大統領がヒラリーだったならビル・クリントンの時代のようにジャパンパッシングが行われ、日本の安全保障上、極めて危険な状況になっていました。日本の外交戦略においても、プーチンと波長の合うトランプと鉄のトライアングルを組んで対中国を鮮明に打ち出せる絶好の状況にあります。トランプノミクスを見ても極めて正しい経済政策を打ち出しており、プーチンに押しまくられていたオバマとは明らかに違い強力なアメリカが蘇ってくることが予想されます。

インテリ風で品の良い一部の知識人が相も変わらず、印象による先入観によってトランプを粗野であり頭が悪い素人だとしています。スポーツライターの中にはジョージ・スタインブレナーの偉大さを全く把握できない人たちがいると当ブログでは指摘したこともありますが、同様に時間が経つにつれておそらく、彼ら知識人のトランプへの見立てが如何に浅薄なものであったかと必ず思い知らされることになると予言しておきます。客観を気取ったスポーツライターよりもジョージ・スタインブレナーの方が遥かに偉大であったように、インテリを気取った識者よりも遥かにトランプの方が偉大であることがいずれ明らかになる、そんな風に見ています。もちろんあのようなキャラクターですから突っ込み満載であり、様々な誹謗中傷にも晒されることにはなるでしょうが、後世からトータルで眺めた時、どうトランプは評価されているのか、そこにフォーカスを当てています。

ちなみに従来の世論調査がもはや現代にそぐわなくなっている理由は、固定電話を持っている家庭というものは限定され、そこですでにバイアスがかかっていること。またどの地区にどの党の支持者が多いかも予めわかっており、民主党支持者が比較的多い地域限定に電話をかけて調査をするというメディアによる選択バイアスがかかっていたということもあります。更には反トランプということで「ポリティカル・コレクトネス」をマスメディアが強調したために、差別主義者扱いされたくない隠れトランプが潜伏したということもあるでしょう。

つまりサンプルがまともでなく、ネイト・シルバーはマスメディアの世論調査のデータも駆使しながら、そこに補正をかけて予測をしていた以上、予測が外れたのも当然と言えます。いずれにしても統計の予測を超えて、戦略というものが戦いを勝ち抜く上でどれだけ大事かをトランプは改めて証明しました。戦いの原理を研究している者としては非常に参考になるところが多い大統領選でした。

言論の戦いにおいて、マスメディアから完全包囲された者が勝負に勝つなどふつうはあり得ない。不可能を可能にする、それが戦略というものかもしれません。

最後に

最後にスポナビに当ブログをエントリーした経緯となります。私自身はEU離脱にしても大統領選にしても、歴史の巨大なトレンドを見据えつつも誰の意見に耳を傾けるべきか(藤井厳喜、馬淵睦夫等 結果が出る前からブレグジットとトランプ現象はコインの表裏の関係にあり、表裏一体のものであると見抜いていました)という程度のリテラシーは持っていたつもりだったので、基本的にイギリスは離脱し、トランプが大統領になるという立場でした。同様にベースボールにおいても過去何度も多数派の意見や解説者、スポーツライターの意見とは逆の意見を持つことが多かったのです。そこで一定の時間を見守って、果たしてどちらの意見が正しいと判定されるべきかじっと検証してきました。時間はやがてどちらの意見が正しかったのかを明らかにします。検証に要した時間は5年です。

ひとつだけ絶対に言えることがある。それは多数の意見や専門家の意見が必ず正しいとは限らないということです。カテゴリーは異なってもそれは同じです。大谷二刀流しかり、トランプ当選しかり。度々例として出している守備シフトが劇的に打者の攻撃力を削いでいるというライターや多数の思い込みなどもその典型です。なぜ過去5年で2016がついに最高のBABIP300に達し、カブスは守備シフトの過大評価することを修正してきたのでしょうか。おそらく守備シフトの力を過信していた多くの人には回答ができないはずです。過大も過小も駄目だということです。

数年前、多数の意見や専門家にあれだけ栗山監督は無能扱いされていましたが、今では正力松太郎賞を受賞しています。私から言わせたら経験を積むことによって能力が徐々にブラッシュアップされたことはあっても栗山監督の本質に備わっていたものは何ひとつ変わっていません。

ここをどう正確に見極めることができるかが当ブログにとっての勝負です。もちろん勝率10割などではありません。しかし結果勝率としては確実に5割は超えることが確認された時、スポナビへエントリーに踏み切りました。たまにお前の記事はプロのライターと比べて違う、だからお前の記事は間違っているという批判があるのですが、そもそも識者や多数の意見と真っ向から対立した時、それがどうであったのか数多く検証した上でエントリーしている以上、何の説得力もないのです。

すでに情報として流通していることと同じようなことをスポナビで書いて何の意味があるのでしょうか。これからも多数派の意見や解説者の意見と度々異なる意見をアップしてゆくことになります。人気のない当ブログでさえ間もなく200万ビューをゆくということはスポナビは相当に公共性の高い言論空間である。

それなりの準備はして、ブログ「MLB 戦いの原理を求めて」はスポナビへエントリーをしてきたつもりです。

リクエスト

もしここまで読まれた方で藤井厳喜、馬淵睦夫と言われてすぐにピンときたが方がいたら、この記事に支持するつもりも更々ないでしょうがそれは括弧に入れて、よかったら支持ボタンを押してもらってもよろしいでしょうか。実際のところ政治について一定のリテラシーがないと、彼らのような本物にもたどり着かないと私は考えています。現在支持数15ですがふつうは3日も経てば支持ボタンが増えることありません。是非よかったらご協力お願いします。

大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。