なぜワイルドカードから勝ち上がるチームは強いのか?

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10 /08 2015

過去の歴史を見ると勢いや流れを短期決戦に持ち込むことによって、前評判を大きく覆すという例がいくつかあります。例えば2012年の無双であったバーランダーと最強打者カブレラ擁するDETとNLで激戦を勝ち上がってきたSFがいい例となります。この時、SFに敗れたSTLバークマンをはじめとする多数はSFはPOですっかり消耗している、故に戦力・休養十分のDET有利という予想でした。シーズン中の戦力をセイバーメトリクス分析をしても、力はDETが圧倒。しかしシーズン中の戦力分析よりも、短期決戦においてよりフォーカスするべきは要素は、「勢い」「流れ」である、という記事をWS直前に私は書いた記憶があります。

例えば過去の歴史の見ると、4勝0敗のストレートで勝ち上ってきたチームと4勝3敗で勝ち上がったチームの対決は3つある。


1988年 オークランド・アスレティックス対ロサンゼルス・ドジャース
2006年 デトロイト・タイガース対セントルイス・カージナルス
2007年 コロラド・ロッキーズ対ボストン・レッドソックス


3カードとも、4勝3敗で勝ち上がってきたチームがワールドシリーズを制している。2012年のワールドシリーズも4勝0敗のストレートで勝ち上ってきたDETと4勝3敗で勝ち上がったSFの戦いであった。更に言えばNPBでも2012年日本ハム(4勝0敗)と巨人(4勝3敗)もまた同様のケースであり、私自身日本ハムのファンであるにもかかわらず、過去の歴史から導き出される戦いの原理に照らせば、日米共にジャイアンツ有利という予想を立てました。結果はご存知の通りです。特にSFについては戦力的には劣るため、実際過去の法則が今回も当て嵌まるのか半信半疑ではあったのですが、やはり、4勝3敗で勝ち上がってきたチームがストレートで勝った。 キーワードは<戦いまでのブランク>と<接戦を如何に勝ち抜いてきたかというプロセス>にあります。

その考え方を日本の戦いに当てはめると、まだセリーグにCSがなかった2005年阪神とロッテの日本シリーズは下克上シリーズとも言われました。ペナント戦力分析だけ見れば阪神の総合力は非常に充実していました。その戦力の充実ぶりから阪神有利を力説した解説者もいました。しかしある解説者は、間髪入れずにペナントではCSの制度に救われたロッテが圧倒的に有利であると結論したのです。その理由とは<阪神の決戦までの長いブランク>と<激戦を勝ちあがったロッテの勢い>が複合した時、ロッテが断然有利であるというものでした。


阪神有利という解説者が金村であり、ロッテ有利という解説者が栗山です。結果は総得点33-4というスコアでロッテの4連勝で圧勝。このシリーズがひとつのきっかけともなり、クライマックスシリーズを採用した直後からパリーグが日本シリーズで完全に押し切り怒涛の3連勝したために、2007年からはセリーグもクライマックスシリーズを採用することになります。 これをサンプルが少なく偶然と見る人もいるかもしれませんが、私はセリーグが極めて賢明な判断をしたと考えています。もしあのままセリーグがCSを採用しなければ、<セリーグ優勝チームは決戦までの長いブランク>と<CS激戦を勝ちあがったパリーグ優勝チームの勢い>が融合した結果、パリーグが圧倒的な成績を日本シリーズでも残すことになった可能性は極めて高いと結論しています。



そう考えると例えば、ワイルドカードのチームの勝率はディビジョンシリーズに出てくる8チームの中で基本 7位と8位であるにもかかわらず(今年のようなCHCやPITのような例外を除く)、なぜ過去ワイルドカードのチームはリーグ優勝回数やワールドシリーズ制覇の回数を比較する限り、地区優勝チームと全く互角の成績を残しているのかある程度理解できます。ちなみに2014のWSに進出したKCとSFは共に90勝に届いていないワイルドカード同志でした。ペナントにおいては圧倒的な戦力を持っていたとは言い難いチーム同士の対決であったということです。


先日もKCはSEA戦でぶっちぎりで地区優勝目前のためなのか、すっかり気の抜けたプレーを連発していましたが、ワイルドカードのチームは161から162試合目で劇的に決まることが多く最後までエンジン全開であり更にはワンゲームプレーオフを勝ち上がるということで、ディビジョンシリーズまでの時間が非常に短く、選手はすっかり高揚した中でPOの戦いへ突入することになります。つまり<決戦までのブランク>と<勢い>と言う要素から見れば、日本のCSほど極端な影響は出ませんが<CSを行っていないセリーグ>と<CSを行っているパリーグ>の相似形として、地区優勝した3チーム(=CSを行っていないセリーグ)に対してMLBのワイルドカード(=CSを行っていたパリーグ)のチームの相似と見なす事も可能なわけです。

今年のワイルドカードで勝ち上がったHOUやCHCが勢いを持ち込んで次にどういう戦いをするのか、要注目です。もちろん短期決戦は勢いやブランクの長さだけですべてが決まるわけもないのですが、日米問わず決して見過ごすことのできない重要なファクターのひとつではあります。ちなみに勢いや流れをセイバーメトリシャンは否定することを持って理性的であると考える人が多いようですが、彼らの言うことも一理はありますが私はこの考え方には全面的に賛同できません。いずれ彼らの持っている知の限界について言及することもあるでしょう。



大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。