ピート・ローズは復権するのか

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10 /04 2015

コミッショナーのマンフレッドがスポーツベッティング合法化に向けて前向きの動きを見せている。平たく言えば賭博合法化に向けてそれが実現すれば、MLBにも相当の収益が入ってくることは想像に難くなく、利益をもってすればオーナーたちを説得するのも時間の問題だろう。選手会もその収益で最終的に潤うことにもなる。
その前段としてどうしてもクリアしておかなければいけない懸案が、闇賭博で永久追放されたピート・ローズの復権である。昨年セリグがお膳立てしたピート・ローズのシンシナティ始球式を契機として、段階を踏んで時間をかけながらピート・ローズを球界復帰させ、最終ターゲットであるスポーツベッティング合法化へというシナリオをマンフレッド描いているのではないのか。なぜなら、もし「ギャンブルは悪魔だ。疑惑を生み、スポーツを破壊する」と言ったセリグのように断固とした姿勢をマンフレッドが持っているならば、今冬において再び復権について話い合うという余地を残すこともない。面会をきっぱりと断り、復権はないと宣言すればそれで終了となる。


世間からローズ復権で相当の拒否反応が出ることも承知の上で、マンフレッドは自ら嫌われ者役を買って出て、スポーツベッティング合法化を己のミッションと課しているのかもしれない。ちなみにジョー・ジャクソンの殿堂入りに対しては、マンフレッドはNOを突き付けた。もしローズばかりでなくジョー・ジャクソンも許していたら、おそらく世間からの逆風によってマンフレッドはすっかり四面楚歌に置かれてしまい、今後満足に仕事ができなくなってしまうことは想像に難くない。


ピート・ローズという偉大な選手の過去行った罪は重いことは確かである。また実に悪役がよく似合うキャラクターでもあり、イチロー曰く「悪そうな顔をしている」。万人受けするタイプではもちろんない。多くの人はインテリ哲学者でもあったジアマッティを善玉としてローズを悪玉として見ているだろう。そうした単純な勧善懲悪というフレームによって眺めればピート・ローズの復権など、問題外ということになる。

しかし事はそう単純でもない。「もう一つのブラックソックス事件」マービン・ミラーの慧眼、この記事にも記したとおり、FAのオーナー共謀事件そのものについては誰もが知っているだろうが、この事件がローズの野球賭博よりも遥かに深刻なこのもう一つのブラックソックス事件であるという本質的な認識を持っている者は、マービン・ミラーも言うようにほとんどいない。



八百長はたしかにスポーツビジネスにとって絶対悪である、たしかに賭けた対象が対象だっただけに看過できない問題であるにせよしかしひとまずピートローズについては括弧にくくるとして、そもそも、賭博そのものが果たしてほんとうに絶対悪なのだろうか?もしも絶対悪だとしたらサッカーくじやブックメーカーもこの地上からすべて殲滅させるべきである。しかし仮に賭博を表の舞台から殲滅させても、禁酒法よろしく絶対に闇で賭博は必ず行われることになり、結果、トータルで大きなマイナスを社会へ波及させることになることは容易に推測がつく。一歩下がってシビアな視線で眺めた時、人間の営む社会と賭博は切っても切り離すことはおそらくできないものがあるのではないか。
(自分はパチンコ競馬競輪など賭博は基本全くしないが、スポーツナビのアクセスランキングでも競馬がある日は軒並み上位は競馬予想で占められていることからもわかるというものだ)
人間の闇を見据え続けた世界的文豪ドストエフスキー(賭博の常習者)ではないが、賭博の持つ魔力にはそれだけの力がある。であればむしろ賭博を公のものにして貴重な収益源とするのも一手ではある。 賭博を公のものとしつつ、闇の勢力との接触を如何に断ち八百長を誘発させないようにするのか?ここがマンフレッドの手腕の見せ所となる。


結論としては、スポーツベッティング合法化へ向けたコミッショナーの描いている戦略の一貫として、最終的にピート・ローズは復権する可能性はまだ残されている。その復権という決断を下すまでに、どこまでマンフレッドは根回しをして世間の逆風を耐えしのぐ体制を内側で整えることができるのか、最終的に、すべてはタイミングに集約されてくるのかもしれない。


時代のトレンドは、NBAをはじめスポーツ界においてスポーツベッティング合法化に向けて動いている。特にNBAの動きには細心の注意を払いながら、マラソンでいうぴったり後ろに位置しながら自ら前に出る機会を伺っているというのがほんとうのところなのかもしれない。

このローズに関するステレオタイプの世間で流通している教条的な大多数の意見になぜかどうしても納得できない自分がいる。未だ自分自身その理由を探り当てることができないでいるのだが、マービン・ミラーの洞察力の鋭さにピート・ローズの特にファンでもない私が直感的に本物を感じていることだけは確かだ。

世間のローズに対する視線はまだ冷たい。ローズ復権はこうしたコミッショナーが目論む巨大ビジネスの思惑とリンクしながら、果たしてどこへ着地することになるのだろうか。実際のところどのような展開になるのかは、正直全く確信はない。


ただふつうに考えて偉大な前任者のセリグと違った独自色をどこかで打ち出したいと思うのが人間の性なのではないかとも思う。良いか悪いかはともかくその独自性が、ローズ復権に象徴される可能性は残されている。




大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

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「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。