守備シフトの有効性を過大に評価してはならない

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06 /03 2015
先日、HOU戦をTVで見てたら、初回にいきなり満塁となりました。すべて守備シフトの逆をついて内野安打3本。シフトが裏目に出たと実況の方もおっしゃっていました。

まずは事実を列挙します。

●守備シフトが機能しBABIPを確実に下げているチームがいる一方で、逆に守備シフトが裏目に出てBABIPを上げているチームがある。
●2014年 守備シフトが爆発的に増えた元年にもかかわらずリーグBABIPは過去5年で最低どころか最高BABIP299を記録している。
●一方で投手の時代を反映するかのように打率は過去5年で最低を記録。堅調に打率は低下の一途を辿ってきました。

以下、守備シフトの歴史についてざっくりと書きました。少なくとも現時点において、私は下記を論拠として、プロの評論家が言っている程、守備シフトの有効性を過大に評価はしていません。もちろん過少にも評価していません

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大きく分けるとプルヒッターとスプレヒッターという二種類の打者がいます。


スプレーヒッター(広角打法)
グラウンドの90度すべてのフィールドを使い、右へ左へとヒットを打ち分けるボッグスやグウィン イチロー 張本のような巧打者が代表的です。

プルヒッター(引っ張り専門)
グラウンドの45度だけを使い、 反対方向、半分のフィールドは使うまでもなくスタンドインさせればいいという考える テッド ウィリアムズや王などの強打者が代表的です


そして これらを両極として、大多数の選手が この両極の狭間に位置するはずです。 日米の歴史を振り返るに守備シフトの起源を求めるならば、その嚆矢として日本史上最強打者である王貞治対策として講じられた 王シフトがあり、メジャー史上最強打者であると言っても過言でない テッド・ウィリアムズ対策として講じられた ブードロー・シフトがありました。 (テッド・ウィリアムズはルースがいずれも手にしてない4割打者にしてトリプルクラウンを2度も奪取、おまけに二度の兵役で計5年全盛期を潰されています)


守備シフトの歴史を俯瞰すれば、このプルヒッターにしてリーグ史上最強打者であった王およびテッド対策を原点として、やがて 2000年代に入ると一般的なプルヒッター対策として数多く講じられることになり、ついには2014年 プルヒッターでもスプレーヒッターでもない一般的な打者に対しても 個別的にデータに基づいて対応していったというのがおおまかな 守備シフトの歴史だと言っていいでしょう。純然たるスプレヒッターには従来どおりのシンメトリーな守備陣形にならざる得ません。


2013年以前においても プルヒッター対策としての守備シフトは有効でありましたしここ10年ほどすっかり定着していたはずです。それは織り込み済みとして 2014年に大々的に一気にシフトの数が前年比3倍強にも上った。


この2014型の歴史的な守備シフトというものが どれだけ機能していたかを物語るに、既に2013年以前から 織り込み済みである プルヒッター対策のBABIPを見て、さあ 守備シフトはすごいだろうと数字を並べても どれだけ説得力があるのか大いに疑問です。要は プルヒッターでもスプレーヒッターにもカテゴライズされないような一般的な打者に対して 守備シフトが有効であったのかどうか2014のBABIPのデータが重要ではないのか?


結果を見ると プルヒッターにはもちろん、相変わらず守備シフトは有効です。直感的に小学生でもおそらくわかることでしょう。45度しか使わない打者に対してそのフィールド半分に野手を固めたら、BABIPは下がるのは当然です。 しかしそれは2014になって突然始まったことでもない。


結局 リーグ全体のBABIPが上昇しているということは、裏を返せば プルでもスプレーでもない一般的な打者に対して敷いた シフトが有効ではなかったことの証明と言えるのではないか?確実にひとつ言い得るのは 前年比3倍増となったセイバーに基づく守備シフトが真にメジャーの歴史に対して革新的な出来事であったなら、リーグ全体のBABIPは目に見えて下がらなければおかしいはずです。しかし実際はシフトを敷いてBABIPが上がっているチームすらあり、それどころかリーグ全体のBABIPも299へ上がっている。


昨年の2014リーグ全体の打率の更なる低下の原因は少なくとも 守備シフトを起因としたリーグ全体のBABIPの大幅な低下に求められることはありません。数字ではっきりしているように 投手の奪三振率の更なる向上 および 被本塁打率の低下に打率の低下原因は求められます。

改めて、リーグ全体のBABIPを押し下げる機能を十分に果たしていない守備シフトをそこまで過大に評価すべきなのか?この疑問は昨年末から消えることがありません。

今年も昨日時点でBABIPは296でした。これから夏に向かって、投手は体力が奪われ力が衰えるトレンドにあるのに引き換え、投球に対して慣れてくる打者の力は相対的に上がってくるのが毎年起こる現象です。春に比べて相対的に夏に打者は強者になってくる。ふつうに帰納的な予測をすれば現在のBABIP296は将来的には上がる可能性が大であるということになります。

2010 BABIP 297
2011 BABIP 295
2012 BABIP 295
2013 BABIP 297
2014 BABIP 299
2015 BABIP 296


2015 BABIPの推移についてもうしばらく見守るつもりです。


大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。