8年連続で最優秀監督賞ポイントを獲得しているジラルディは、もっと評価されるべきである

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12 /13 2016
これは2016の最優秀監督賞ポイントの順位です。

1 Terry Francona CLE
2 Jeff Banister TEX
3 Buck Showalter BAL
4 John Farrell BOS
5 Joe Girardi NYY
6 Scott Servais SEA

PO進出した地区1位もしくは2位の監督に多くのポイントが入っていることがわかります。しかしながらPO進出のTORのギボンズ監督は1ポイントも入っていません。NL2016でも世界一のマドンはリーグ2位であったように、2009の世界一に輝いたヤンキース時代にあってもジラルディのポイントはリーグ3位でした。ちなみにジラルディが最優秀監督賞を受賞した年、マーリンズは勝率500にすら届かず4位という成績でしたが、一時はPO争いにも絡む躍進を見せた年であり、そのチームの総額年俸はリーグ最下位のわずか3000万ドルに過ぎませんでした。ふつうの監督ならばマーリンズはPOにかすりもしなかった戦力だと言ってもいいでしょう。だからこそのジラルディ、2006年最優秀監督賞受賞でした。最優秀監督賞のポイントを獲得するためには単に、チームを勝ちに導けばそれで獲得できるものでもないことがわかります。2016年もNYYは地区4位。

ジラルディが唯一ポイントを逃しているのは、貯金16も獲得したがPO進出を逃した2008年のみとなっています。いずれにしても揺るがぬ事実としてここ8年連続でポイントを獲得しているのはジラルディただ1人だけであるということです。この8年連続の中にはヤンキースが衰退期に入り地区3位や4位という結果の年も入っています。地区3位や4位でポイントはふつうではまず獲得できません。

言葉が悪いですが2013年では3番ウェルズ4番オーバーベイ5番ハフナーというまるで廃品回収で寄せ集めたようなクリーンナップで勝ち越し、2014年黒田以外、「先発ローテはそして誰もいなくなった」という状態、フィリップス、カプアーノ、ヌーノ、グリーン、ウィットリー、マッカーシー等のお世辞にも一線級とは言えない脆弱な先発陣を率いても勝ち越しを決め、2016年においても鮮やかなファイアーセールを敢行しながら尚もジラルディはPO争いにも持ち込み勝ち越してみせました。戦力は他のチームから見ても明らかに劣り、すべて大きく得失点差はマイナスであった結果です。

こうした例を出せばわかりやすいでしょうか。野球は得点を争う競技と言ってもいいでしょう。ヤンキースの4番グレゴリウス・5番カストロはあの狭小なホームでようやく20本に乗せたというものでした。他のTB・BOX・BAL・TORの中心打者の平均はいずれも35~40本レベルのHRを放っています。

偶然に何度も、得失点差がマイナスであって、チームを勝ち越しに導けるとも思えません。そこには何らかの技術のようなものがきっとあるはずです。当ブログのテーマには戦略がありそれなりの視点を持っているつもりですが、ジラルディの行動原理の奥にあるものへ光を投げかけるだけの透視力がなければ、なかなかその力量を正当に評価することは難しいのです。はっきり言えば多くの批判している日本のファンよりも、ジラルディの方が遥かに戦略や戦術についての確かな目を持っているように少なくとも私には見えます。

ちなみに今年の150試合目前後のことでした。NYYとLAAの得失点差が全くイコールとなった日がありました。片や貯金を10近く稼ぎ、片や借金10を軽くオーバーするというものでした。


参考までに 最優秀監督賞のポイント 3者比較

ジラルディ

2009 AL Manager of the Year - 3rd
2010 AL Manager of the Year - 6th
2011 AL Manager of the Year - 5th
2012 AL Manager of the Year - 5th
2013 AL Manager of the Year - 4th
2014 AL Manager of the Year - 6th
2015 AL Manager of the Year - 5th
2016 AL Manager of the Year - 5th

ソーシア

2009 AL Manager of the Year - 1st
2010 ×
2011 AL Manager of the Year - 6th
2012 ×
2013 ×
2014 AL Manager of the Year - 2nd
2015 AL Manager of the Year - 7th
2016 ×

マドン

2009 ×
2010 AL Manager of the Year - 3rd
2011 AL Manager of the Year - 1st
2012 AL Manager of the Year - 4th
2013 AL Manager of the Year - 5th
2014 ×
2015 NL Manager of the Year - 1st
2016 NL Manager of the Year - 2nd

重要なポイントはジラルディは2009年のヤンキースのような典型的な強者を率いることができるだけでなく、マーリンズや衰退期に入ったヤンキースのような弱者をも率いることのできる監督だということです。8年連続ポイント獲得からもわかるように、おそらくメジャーの監督が10人いたら、その優秀さは低めに見積もっても3番手から4番手に位置すると考えるのが妥当です。間違っても平均レベルの5~6位という順位ではない。平均レベルで8年連続でポイントを獲得したり、最優秀監督賞を受賞したり、ワールドシリーズを制覇することなど絶対に不可能なことです。

無能とは一般に8~10位に位置する監督のことです。繰り返しになりますが日本で跋扈するシラルディ無能論には何らの数字的な裏付けもなければ、明快な論理性もありません。個人的にはジラルディのファンということでもないのですが、感情論に終始する無能論に大きな疑問を持っているだけのことです。

チャップマンを出して、すぐにFAで獲得したキャッシュマンの手腕も相応に評価されるべきであると考えています。ヤンキースは今こそ売り手へ転じるべきであるとも2016シーズン中に記事にもしたように、あのような器量のないオーナーに仕えているという限定条件の中では、それなりに上手く立ち回っていると考えても良さそうです。

よくも悪くもほぼ全く予想を裏切らない動きをするのが今のNYYですが、あの夏、ヤンキースは思い切って売り手へ回った点においてはある意味正しい戦略を取っているとも言えますし、一方大局的に眺めた時、決して全面的に支持などできないというのが当ブログの微妙な立場です。いずれかの機会にヤンキースの話はまたします。

それにしても随分ジラルディも日本のファンからは嫌われているものです。

参考までに当ブログでジラルディを正当に評価すべきであると最初に言ったのは5月のはじめ、今から振り返れば最も借金の多い時期のことです。

「敢えて最下位ヤンキースのジラルディ監督を擁護する」


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ヤンキースは今こそ売り手へ転じるべきである


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日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

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