左の軸足が完全に浮くブライス・ハーパー  そのバッテング技術 

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06 /13 2015


ハーパーの左軸足がインパクトの瞬間、完全に浮くバッテング技術について少しだけ解説を加えてみたいと思います。

例えば目の前に大きなタンスがあって、あと5cm奥へ押し込みたい時、みなさんならどうするでしょうか?全体重をタンスの表面へ預けるようにして利き手の脇を閉めながら、タンスへ手を押しつけ前に踏み出した足で踏ん張ってタンスを押し込むのではないでしょうかか?


もしこの時、前足ではなく後足で踏ん張るとそれだけ足とタンスとの距離が遠くなり、上手に全体重をタンスへ預けることはできません。人は何も考えなくても前足で踏ん張り、力を合理的にタンスへ伝えているはずです。


ハーパーのバッテング技術もまず最初にステップした右足に全体重をかけ、親指で土をつかむようにして着地し、この時右足を曲げずにグラウンドへ突き刺すようにして体を止める。ここに揺ぎ無い<壁>ができる、その壁へ向かって前足で踏ん張りながら全体重を乗せるようにしてボールを叩く時、全体重の力がボールへきれいに伝わる。


さらに、その下半身で得られた力を今度は上半身の遠心力を駆使して無駄なくボールへ伝える。そのためにはボールが当たってから力が逃げないように頭を中心にして体の軸(体幹の強さ)を絶対にぶらさず、ちょうど室伏のハンマー投げのようにその場で軸回転をしながら上半身を絞り上げるようにひねり、体の回転をさせる。


こうすると全体重をボールへ乗せることに加えて体の遠心力によってインパクトの瞬間、より力がボールに伝わっていく。下半身の力と上半身の力を無駄なく連動させボールへロスなく伝える技術があれば、スタントンほどの体躯を持たなくてもHR数において十分に対等な勝負ができます。


そしてフィニッシュの瞬間はバッドできっちりボールを押し込むという作業をすることによって飛距離が1mとか2mとかいう具合で変わってくる。その1mとか2mとかがフェンス前で取られるか、オーバーフェンスになるかの境目ともなる。


最後の腕の押し込みについて、アベレージヒッターであった田口は力説をしていましたが、個人的にはそこは瑣末な技術に過ぎなくて、あくまでハーパーのバッティング技術における核心は、全体重を預けるための下半身によって得られた揺ぎ無い壁と軸の強さを基礎にした上半身による大きな円心運動にあると考えています。<体重をボールへぶつけること>と<体の軸を中心としたボールを運ぶ遠心力>から比べたら 腕の押し込みなどものの数ではありません。決してロングヒッターではなかった田口の解説、今一 腑に落ちませんでした。高く舞い上がったハーパーの打球はなかなか落下してこない特徴もこうした技術の裏付けがあるように理解しています。


NPB史上屈指のバッターでもあり、名伯楽でもある中西太も後ろの軸足は完全に浮いても全く問題はないと言っています。ボンズやオルティースのような後ろ足に体重を残してクルッとその場で回る<軸脚回転打法>とは対極にハーパーのバッティング技術はあります。


ハーパーの軸足が完全に浮く件について映像を観ることもせず、固定概念によって軸足が浮くわけがない、そう言っていた人もいたのですが、改めて固定概念を如何に排除するのか、とても大事であると考えています。


まもなくブログをはじめて一ヶ月です。戦略を中心とした記事を書いてきましたが、人気が薄い当ブログでも<古典「マネーボール」の正しい読み方>という記事に何かを感じた人が多かったようです。内容自体を掴んでいたのは5年前、具体的に書いたのは3年前だっただけにほんとうに全く意外でした。あの記事のテーマとは <固定概念>は知らぬ間に忍び寄り人の認識を侵してゆくというものでした。


この<固定概念>から逃れるために、最も大事なことはいったい何でしょうか?


おそらくそのひとつは時間との対話です。(もちろんすべてではないです)固定概念からほんとうの意味で逃れるには現在あるものを絶対化させず、相対化する目が大事になります。そのためには過去現在未来を俯瞰するトップビューが必要となり、歴史を学ぶ価値とはひとえにそこにあります。


歴史に関心のある人はどうしても限定されてきます。人の関心は最新情報に向かうのが常でしょうから。しかし個人的には率直に言って最新情報にはそこまで関心がありません。なぜならいずれそれらの多くは時間によって消費されてしまうからです。ちなみに最初に投稿した「LADフリードマン新社長 ゴードンを放出したその思惑」という記事は半年前に書いたものです。たぶんこれからも最新情報を求めている人にとっては必要のないつまらない記事を書くことになりそうです。


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大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

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写真は古代ギリシャの神殿。