なぜ広島は前進守備を敷かなかったのか

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10 /26 2016
「神様 仏様 大谷様」という言葉を彷彿とさせる大谷翔平の活躍ぶりで、ようやく日本ハムが一勝を上げました。

10回裏2死2塁、次の打者はパリーグの打点王であり、今日の全打点を上げていた中田であり、大谷へはカウントも追い込んでいる状況。歩かせてもいいという形でおそらく大瀬良は大谷に勝負しにいったはずです。実際、低めに完全なボール球を大瀬良は大谷へ投じました。最後はフォークで勝負するつもりではなかったのか。

解説者は前進守備こそが正しいと言い切っていましたが、これについては全く賛同できません。前進守備を敷くということは、シングルでもホームでアウトにできるところまで前進しなければ意味がありません。走者は日本を代表する韋駄天・西川の場合、通常の前進守備ですら、2死ということもあり、あまり意味をなさなくなります。

であるならば、2死ということもありフィールド内におけるヒットゾーンを狭めるという意味では、広島の深めに守備シフトを敷くという意味も十分に頷けるものがあります。2死2塁でサヨナラ場面、長打力のそれほどないふつうの打者に対して前進守備をするのはセオリーです。しかし実際かつて栗山監督は2死2塁でセンターだけは深めという選択を取ろうとしたが、ベンチコーチの福良に作戦は徹底させなければ意味がないという進言に従って、見事にセンターオーバーを打たれてサヨナラ負けという経験を持っています。

どういう形であれ最後のひとつをアウトにすれば、回は終了するというのがポイントです。

なぜ焦点をシングルヒットを打たれた際のホーム封殺だけに当てなければならないのか。深い外野フライへケアしフライアウトにできる確率を高めることも同じくらい大事になる。前進守備のメリットとデメリットは表裏一体。例えばシングルヒッターの中島のヒットチャートをフィールド上で表現すれば、内野を中心に打球落下点のプロットは集中し、外野のフェンスへプロットされる点は皆無です。しかし長打力のある大谷のヒットチャートを見れば一目瞭然、フェンス最深部の右へ左へスタンドへ、数多く打球落下点のプロットがなされることになります。フライアウトひとつでもフェンスぎりぎりでアウトになったケースも数多い。

打者長距離砲・大谷、走者西川。2死2塁。次の打者中田。

要は打球の前だけにケアをすればいい打者なのかそれとも、後方の打球にもケアをしなければならない打者なのか。そこがひとつの分岐点ともなり、広島の外野守備位置は必ずしも駄目でない。結果論でしか語れない解説者が余りに多すぎる。8回裏中田への守備位置も逆転阻止を目的に深めに守らせた。これも日本ハムにクローザーは不在であり、前進守備を敷く方がリスクが高いと広島は判断した。

どうしても広島の深い守備位置を完全否定するだけの根拠は見当たりません。結果論に過ぎない。

それよりもベンチワークにおける最大のミスはなぜ松山に代えて8回1点リードで、名手赤松へ代えなかったのかということです。以前も緒方監督のエルドラッド、レフト出しっぱなしによる拙守逆転負けの采配ミスについて書いたことがありますが、同じミスをしてくれました。これについては結果論でありません。セオリーに従って、広島は守備固めに入るべきでした。

●26日 夕方 新たに追記

記事を書いた時点では入っていなかった新たな情報によると大谷は広島の外野手が深めであったことを見て、シングル狙いへ変更したとありましたが、では、もし広島が前進守備を敷いていたならどうだったのか。大谷はシングル一本では帰ってこれないと判断して、外野手の頭をオーバーテイクするような打球を狙った可能性があります。

シフトは状況に合わせてバッティングを変幻自在に変えられる打者に対しては、シフトは通用しないということなのかもしれません。

ちなみにMLBのBABIPはついに300の大台に乗りました。MLBでは守備シフトが本格化し、インフィールドにおけるヒットの割合が減るどころか増えるという現象が出てきました。打者もシフトの変化に対して柔軟に対応していることがわかります。いち早くCHCのマドンは過剰な守備シフトを取らなくなったとも言われていますが、打者の変化にいち早く対応したということに過ぎません。

いずれこの守備シフトの件についてはMLBカテゴリーで書きます。


大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。