必ずしもカブスは絶対優位ではない ドジャース ワールドシリーズへ一歩前進 

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10 /19 2016
さて2016NDCSですが、LADの歴史においてひとつの転換点になる可能性をも秘めたディビジョンシリーズの勝ち上がり方だっただけに、LADにも勝機はあると漠然とした記事を先日は挙げました。今回は少しデータを眺めていきます。

レギュラーシーズンでは得失点差というスタッツを通してチームの総合力を把握するのが定石です。この得失点差を見ると30チーム中1位。CHCは投打の総合WARといい30チーム中1位です。CHCが圧倒的な戦力を持っていることはデータでも明らかです。ところで一試合におけるスターターの持つ力の及ぼす影響というものは大きく、特に短期決戦においては、バムガーナーの例を引くまでもなく絶対エースの存在が極めて重要です。そしてその投手の力を短期決戦において計算するにはERAよりも、FIPの方が断然あてになる。

そこでスターターのLADとCHCの4人に絞り込んでFIPを並べました。

カーショウ 1.80
ヒル 2.07
ウリアス 3.02
前田 3.58

ヘンドリックス 3.20
レスター 3.41
ラッキー 3.81
アリエタ 3.52

FIPが2.00台に入ると一流の投手です。こうしてみると絶対エースはCHCには実質一人もいないことがわかります。レギュラーシーズンはチームの総合力を競うために、試合を作れるFIP3.50前後の投手が平均して揃っていることは極めて重要です。しかし短期決戦においては試合をつくることが至上命題ではありません。絶対エースの存在の有無、確実に勝利を計算できる投手の有無はより大きな価値を持つ。漠然とチームの総合力だけを眺めて、CHCはすごいという印象論もいただけません。

スターターのFIPを比較してもLADにこのNLCSに十分にチャンスはあるというのが当ブログの見解です。少なくともCHC圧倒的優位という下馬評は全くあてにならないデータがある。ロバーツの采配一つでおそらくLADは勝ち上がることは十分に可能です。初戦、チャップマンを引っ込めるために勝負の満塁策を8回に出したこと自体は問題ないと考えています。問題だったのは、なぜ満塁にした時にブラントン続投だったのかということです。その前段で左打者をブラントンは敬遠していたはずです。向こうがチャンプマンに代打の左で勝負したなら、LADも勝負をしジャンセン投入の一択だったのではなかったのか。昨日8回2死4点差でわざわざジャンセンを出すくらいならば、チャップマンをCHCが引っ込めた時点で、同点の満塁時にこそジャンセンで勝負すべきであったと考えます。初戦は監督の采配で落とした試合と言われても仕方ありません。

もちろん戦力的にはCHCの方が上であり、勝つ可能性は当然であるわけですが、言うほど短期決戦での強みを持ったチームでもないといったところです。野球は筋書きないドラマであり、まだどちらにも勝つシナリオはあります。しばし成り行きを見守ります。


最後に余談になりますが、戦いの原理に照らして見た時に、正しい方向性を取っていると一貫して当ブログが支持してきたのは、これまでの記事をご覧いただいてきた方にはご承知いただいているかとは存じますが、日本ハムとドジャースでした。それぞれ11.5ゲーム差からの日本ハム大逆転と、絶対エース・カーショウ不在に加えて故障者リスト入り続出であり、すでに終わったと言われた中、首位と8ゲーム差からドジャースもまた逆転劇でここまで勝ち上がってきました。日本ハムはFAに補強を頼まない育成中心の弱者の戦略を採用しているのに対して、LADは典型的な強者の戦略を取っているという違いがあります。

ドジャースはヤンキースのように断じて日本ハムの真似をすべきではありません。

それは完全に戦略的には間違った考え方です。強者には強者の戦略があり、弱者には弱者の戦略がある。ヤンキースの戦略について決定権のある実質的なGMでもあるハル・スタインブレナーは、エクスキューズ・予防線としてまず「金をかけたからといって必ずしも強くなるわけではない」ところから話を始めるようであり、若手への切り替え、コストパフォーマンスを何よりも重視すべきとお考えの良識派に属する方々もその考えに賛同しているようです。(いっそキャッシュマンはGM補佐という役割で考えた方がすっきりわかりやすい。)

2016の短期決戦の戦いのセオリーにおいて当ブログが繰り返し強調していることの一つは、「リスクを承知で勝負を前倒しで仕掛ける」ことの重要性です。監督にも勝負を仕掛けるべきポイントを知る監督とそうでない監督がいるように、これは監督だけではなく、勝負を仕掛ける大胆さはGMにおいて極めて重要な資質です、はっきり言えば、ハル・スタインブレナーの言っていることは勝負度胸がない金持ちオーナーが自らのケチを表面上、正当化するために理論武装した詭弁に過ぎないということです。

ヤンキースの現在進行中の底なしともいえる観客動員の減少トレンド、及び、ピタゴラス勝率の推移でみる戦力の圧倒的な衰弱ぶりは目に余るものがあります。ここ4年で3年も大きく得失点差が-なのがヤンキースであり、実際の勝率はずっと貯金をキープしているためにその深刻さに気付かない方も多いようです。監督がヘボであれば実際の勝率は500を下回るのがもはや恒常化していたのが今のヤンキースであると言えます。

最大のキーマンであるオーナーのリーダーとしての資質に焦点を当てることによって、スポーツナビにエントリーした昨年よりも遥か前にヤンキース帝国の衰退をはっきり当ブログでは予言をしていましたが、ほぼ予想通りの展開になっています。

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大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。