勝負師フランコーナの5回ミラー投入とショーウォルターのブリットン温存 そして9回大谷降板について

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10 /08 2016

レギュラーシーズンではチームにおける運不運はおおよそ相殺されるため<実力>がむき出しになるステージであり、実力が平均的に出力されるように選手の故障等、「リスク管理を徹底する」ことが大事な要素になるのに対して、短期決戦では実力よりも<運>が大きくなるステージであるために、ギャンブル(運に賭ける)を仕掛けそれが成功した際のリターンが大きいために、「<リスクを取らない>というリスク」をこそ真に怖れなければならない。

名将ラルーサは「ワールドシリーズとはラスベガスみたいなものだ」と選手にクラブハウスで語りかけたように、短期決戦においてリスクを取ってギャンブルを仕掛ける重要性を説きました。またラルーサは「短期決戦では継投が大きなキーを握る。」と言います。言うまでもなく、レギュラーシーズンと短期決戦では継投のセオリーは違ってきます。

例えば通常、延長戦における継投のセオリーは、先行ビジターチームと後攻ホームチームでは異なります。先行ビジターチームであるBALは通常の789回と同じように延長に入っても勝ちパターン投手のなかでランクの低いリーフ投手から投げさせて、勝ち越したら裏の回にクローザーを投入するというスタイルを取るべきであるのに対して、一方後攻のホームチームTORは、勝ちパターンのなかで最高の投手から注ぎ込んでいくのがセオリーとなっている。

ショーウォルターはレギュラーシーズンのセオリーに従って継投をしたということになる。結果ブリットンを投入せずに敗戦。これが果たして短期決戦におけるセオリーでもあるのかどうかということです。

レギュラーシーズンの戦いでは目先の一点にフォーカスをさせ過ぎず、常に長期的な利益の観点(リスク管理 戦力温存)も持つことが大事になるが、サドンデスの短期決戦では目先の一点にフォーカスし、フルスロットルで前倒し気味に良い投手から継ぎこんでゆくことが戦いのセオリーとなる。レギュラーシーズンとはマラソンであるならば、短期決戦とは100m走と表現することもできます。マラソンなら力(ブリットン)を温存という考え方もありですが、100m走なら基本、力を温存するという考え方はあまりなじみません。

ショーウォルターは延長の後のことを考えてリスク管理をした采配・・・?

リスク管理よりも、短期決戦ではリスクを取ってでも一か八かの勝負にでなければならないシーンがある。クローザーを温存して負けたBALとクローザー級のセットアッパーを前倒しで起用して勝ったCLE。結果論ではなく、これは勝負に出たフランコーナの方がショーウォルターよりも、短期決戦の戦い方をよく知っていたということです。

「KCヨースト監督に見る 真のリスク管理とは何か」

昨年も繰り返し書きました。

「一発勝負だからこそリスクを恐れて慎重にいく、それも大事な考え方ですが、それ以上に一発勝負だからこそ敢えてリスクを取ってでも大きなリターンを目指すという考えがより大事になる、それが短期決戦での戦いの要諦となる。」

監督の能力の差がはっきりと出た象徴的なシーンであったと言ってもいいでしょう。フランコアのあの5回ミラー投入を見て、思わずフラッシュバックしたのは青木が在籍していたKC2014のワールドシリーズの第四戦リードをしていた5回でした。この試合に限り5~6回からへレイラを前倒しで投入すればこのワールドシリーズほぼ確実に取れるという視界が一気に開けたシーンがありました。

「この試合に勝って3勝1敗。ついにKCが世界一を取れる大チャンスが来た」と思いながら観戦していましたが、結果、ヨーストはシーズン通り継投も7回からとワンテンポ遅くその試合を逆転されることにより落とし、WSでも敗退しました。目先の一点が極めて重要なPOでは、投手の継投もレギュラーシーズンとは違い、良い投手を基本的には前倒しで投入すべきです。

次の試合のことは括弧に入れてギャンブルの前倒しでミラーを投入した5回「これは面白い!フランコーナは2014ヨーストやショーウォルターよりも確実にできる。結果はどうであれ、一戦必勝の勝負に出たこの判断は決して間違いではない。」と感心しながら観戦していました。レギュラーシーズンの勝利してきた型・スタイル・方程式・定石といったものを、短期決戦においてはかなぐり捨てるべきシーンが訪れることがある。

継投で言うともうひとつあります。2年前の2014NLDS 1点差リードで9回2アウトからSFパニックを四球で歩かせて、完璧な投球をしていたWSHはジマーマンを型通りクローザーへ交代させ同点に追いつかれ、結局延長18回をSFに制されて、その年SFは世界一に輝くこととなりました。なぜ絶好調のジマーマンに最後まで任せなかったのか、決して結果論ではなくこの判断は間違いであったと言えます。

同じようなことは日本のソフトバンクと日本ハムの天王山でもありました。9回日本ハムはクローザー不在の中でなぜか絶対エース大谷を降板させ継投をしました。結果は陽の超ファインプレーによって試合には勝ったので継投ミスについて指摘する記事はほとんどありませんでした。しかしながらたとえ試合に勝とうが継投ミスは継投ミスです。あの試合をもし落としていたら、結果日本ハムはどうなったか?ソフトバンクのマジック1点灯で最終戦の楽天とSBは当たっていたということです。消化試合ともなっておりSB最終戦は松坂投入で負けていましたが、栗山監督の継投ミスで2016はSBに最終戦でリーグ優勝をさらわれていた可能性も十二分にあったと言えます。

継投などせずに絶対エースの大谷で9回もあの天王山に限り行くべきでした。結局、最後の西武戦ではそのミスに監督も気づいたのか、大谷を完封させることになります。状況は1-0か2-1というもので、1点差で9回を迎えるというものでありほとんど変わりありませんでした。昨日のSFも9回万全のクローザーがなかったために、絶対エース・バムガーナーでボウチーは完封させました。全く正しいボウチーの判断であると言えます。

結論

レギュラーシーズンのセオリーに必ずしも短期決戦ではこだわるべきではない。短期決戦における継投のセオリーに照らしてみた時、結果の如何に問わず、ブリットンを残しての敗戦はショーウォルターの継投ミスであったように、天王山での絶対エースの大谷降板も栗山監督の継投ミスである。監督の判断ミスひとつが命取りになることがある。

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大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

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「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。