クレバーさが光る田中将大 fWARはメジャー上位にランクイン

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08 /25 2016
2015年HR/9被弾率1.51がリーグワーストレベルでもあった田中のFIPは3.98を記録し、このままの投球内容ならば、すなわちFIPが3.98前後ならば2016田中のERAは4.00を超えて大きなバッシングを受ける可能性があるという記事を昨年書きました。この記事の結論自体については今もって何らの問題もないと考えています。しかし現在田中のERAが3.11ということは余程の運に恵まれているのか、あるいはピッチングスタイルを2015から大きく変化させたことを意味しています。

2016田中の課題は「被弾率を如何に低くすることができるのか」という一点に絞りこまれていました。2015のセイバーメトリクスサイトで球種別にみるとライジングファーストボールの被OPS983と圧倒的に悪く、田中の4シームはメジャーの打者にとってはちょうどバッドの芯の少し上あたりに当たりやすいホームランボールだったことがわかります。

実際4シームのベロシティもリーグスターターの平均にさえ届かず、垂直方向のホップもリーグ平均レベルであることはデータも含めてすでにレポートとして田中の元へ届けられており、田中は熟慮の末、課題であった被弾率を下げるべく田中は2016シーズン開幕当初は完全に被OPS983であった4シームを捨てるという決断を下すことになります。

2シーム、いわゆるシンキングファーストボールならば、ボールが高速でバッターの手元で沈んでゆくために4シームに比べるならば被弾するリスクは低くなります。試行錯誤の上プレート左端ぎりぎりを踏みシンキングファーストボールを投げるコツのようなものを覚えていった経緯は報道にもあった通りです。結果被弾率は1.51から089まで低下し、4シームについては2シームに打者が絞り込みをかけたところを逆手にとって、絶妙な場面でライジングファーストボールも織り込むという戦略を打ち出すになります。よって4シームの配球の比率は19.4%→5.4%と大きく減り2シームは16.3%→22.8%へと増えていきました。

ヤンキースの先輩でもあった黒田がメジャーへ渡ってからは日本時代の決め球であった4シームをほとんど投げなくなったように、田中もまたメジャーという異質な環境に適応するべく黒田と同じように対応していったことがわかります。自らの力をメジャーという戦いの場で発揮するべく如何に環境に対して柔軟に対応できるかという戦略性の有無が、長くメジャーでプレーできるどうか最大のポイントとなると松井秀喜や黒田も口を揃えて言いました。まさにその対応力を2016田中は発揮し見事に被弾率を下げることに成功し、2016田中fWARは4.2でありこの数値はメジャー30チームにおいても第4位を記録しています。(1位はシンダーガード)ニューヨークのメディアもきまぐれにたたきまくっているようではありますが、この数値は2017に仮に契約を田中が解除しマーケットに打って出てもそれ以上の評価を得られる可能性が出てきたことを意味しています。

課題を明確にし、それを解決するべくアイデアを出し、実践をし修正を加え技術をブラッシュアップしてゆくというクレバーさが、田中将大には備わっている。思えば田中は楽天時代からいつもそうでした。一年目、全く速球で空振りを奪えなかった時、どうすればキレのある速球を投げることができるのかという明確な課題を持ってダルビッシュなどの先輩に食らいついてでもアドバイスを聞き、技術を磨いていったはずです。このように課題を常に明確に絞り込み、解決策を見出し課題をひとつクリアするたびグレードを段階的に上げてきたのが田中将大でした。

単に身体能力の問題だけではなく、斎藤祐樹はたしかに大学を出ていても、プロとしての本質的なクレバーさにおいては高卒の田中には到底及ばない。もし斎藤に田中のようなクレバーさがあったなら、もっと優れた投手になっていたはずである。



余話)BB/Kも気が付けば1.00を切り、イチローの打率は見事な下降トレンドを描いています。個人的にはBB/Kの推移をずっと眺めてきました。300を超えるには高いBB/Kが今のイチローには必要であるとは一貫した持論です。若いころならBB/Kが低くても問題はなかった。最終的には打率はどうなるのか。

大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

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「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。