ヤンキースは今こそ売り手へ転じるべきである

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07 /17 2016
ヤンキースの経営戦略において最も重視するべきは27回の世界一にも代表されるように絶対強者としての<ブランド化>である。ブランドとは本来経済合理性を超えたプライスレスなものであり、時として、経済合理性よりも優先しなければならない価値があることをヤンキースのリーダーは知らなければならない。

ところがその最も大事にすべきものを括弧に入れて、小賢しい目先の経済原理によって生え抜き殿堂入り可能であったカノを平気で放出し、コストカットという芸のない手法を好んで使うヤンキースというブランドの破壊者こそがハル・スタインブレナーである。もしリーダーの経営戦略が正しければ観客動員は増えて、チーム資産価値も強力なインフレトレンドに乗り上がっていかなければならない。

しかしオーナーが切り替わってからというもの、観客動員は下降トレンドにあり、資産価値の伸びも相対的に抑え込まれていることが先般明らかになりました。ここまでチームを劣化させてしまった以上、フェーズが完全に切り替わっており、ヤンキースは今こそ大きく売り手へと転じることが戦略的にも正しい判断となる。半年前とは違いフェーズが切り替われば、導き出される結論も180度異なる。定石通りキャッシュマンは解体する意向を持っているが、よもや有能なオーナーはそこにブレーキをかける始末となっている。

本来大胆に勝負に出なければいけない時期にブレーキをかけたのはハル・スタインブレナーであったように、大胆に解体すべき時期にもまたブレーキをかけているのがハル・スタインブレナーである。こうした判断力の欠如というものは生まれ持ったセンスであり、これからも何度となく必ず繰り返すようになります。ヤンキースが衰退するトレンドに入るであろうと予測したのも、ひとえにハル・スタインブレナーのリーダーの資質に焦点を当てた結果にあります。

「明日伸びむが為に、今日縮むのであります」

かっこよく言えば、「創造的破壊」をすることによって戦略的にヤンキースを再生させる道を歩むことができると自らが絶対正義であることを疑いもしなかった一群の賢い人たちがいました。まさしく深謀遠慮であり、今日縮むことが将来の利益につながるのだと、今ハル・スタインブレナーが行っているぜいたく税回避も、一時的に戦力は弱体化するが長期的な利益には適うというわけです。

この「明日伸びむが為に、今日縮むのであります」「創造的破壊」といった真っ当にも見える言葉は、実は昭和初期に日本経済が苦境になった時に大流行したものです。当時のインテリも「明日伸びむが為に、今日縮むのであります」の考え方を大いにバックアップしたために勇気百倍、蔵相だった井上準之助は「これこそが正しい方向である」と緊縮均衡路線を取りました。

結果どうなったのか?昭和恐慌へとまっしぐらに突入したわけです。そこに救世主として現れたのが高橋是清でした。縮む方向性とは全く逆のケインズばりの積極財政を打ち出し恐慌から日本を救い出したわけです。

今から1年前にも衰退の危機にあるヤンキースが採るべき道は、ケチに徹した井上準之助ばりのハル・スタインブレナーが推し進めていた緊縮均衡路線が正しいのか それとも日本経済史に燦然と輝きを放った高橋是清流のソフトバンクの孫正義が推し進めているような拡大均衡路線が正しいのか、意見は真っ二つに分かれていたと言っていいです。

当ブログの結論は今でも全く下記の考え方で変わりはありません。

「忍び寄る衰退 ヤンキース帝国の黄昏」

「NYYのペイロールは3億ドルへ増やすべきである」

誤解のないように補足しておけば、ヒューストンのようなスモールマーケットであるならば、一時的に「明日伸びむが為に、今日縮むのであります」「創造的破壊」という考え方はジャストフィットします。大事なことは「戦略的な正しさとは、TPOに応じて常に変化する」ということにあります。スモールマーケットとビックマーケットのチームとは自ずから戦略的正しさも異なってくる。

例えばスモールマーケットのヒューストンが無理をしてバークマンと経済合理性を超えた契約を結ぶことは間違いとなる。同じことをしてもあるチームとっては戦略的に正しいことも、あるチームにとっては間違いということがある。

確かにオーナーとしていろいろと問題もあったが、絶対強者足らんとし、ヤンキースというブランドを徹底して守り抜こうとしたジョージ・スタインブレナーがリーダーであれば現在のような体たらくにヤンキースは絶対になっていなかった。

草葉の陰からジョージは今のヤンキースをどう眺めているのだろうか。「その調子でいい、今進んでいるこの道こそが正しい。」とボスがにっこり微笑んでいる姿を想像することが果たしてできるだろうか。私の目に浮かんでくるのは、眦を下げた困惑したジョージの姿である。


大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。