「一番ピッチャー・大谷」 魅せて勝つ!それが三原イズム

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07 /04 2016
球界における最高の花形であった大学野球から、その人気の座を職業野球(プロ野球)が奪い取りプロ野球のステータスを一気に押し上げた最高の立役者こそが<長嶋茂雄>であったとは、当時の証言を検証する限り誰もが認めるところです。とりわけ天覧試合のサヨナラホームランこそは一大エポックメイキングであり、プロ野球そのものが文字通り天皇に見守られながら<国技>となった瞬間でもあったわけです。

日本プロ野球、史上最高のカリスマ<長嶋茂雄>。

MLBの歴史において最大の功労者は文句なしにベースボールをナショナルパスタイム<国民的娯楽>へと押し上げた<ベーブ・ルース>であるように、プロ野球の歴史において 最も重要な人物と言えば、王でもイチローでもなく<長嶋茂雄>以外にありません。フェアーに歴史を学べば、ルースと長嶋こそが日米の野球の歴史において最大のキーパーソンであることはまず間違いのないところです。

戦前の日米野球の時、アメリカ選手の話を聞いて後にプロ野球第一号の選手ともなった三原脩は衝撃を受けたといいます。

「プロ野球とは、(観客に魅せる)何かが必ず起こるのがプロ野球であって、何も起こらないのはプロ野球ではない」

プロ野球とはあくまで興行であり、原点としてショービジネスでなければならない。

人気と強さが同居するV9の巨人のような状態こそプロ野球というショービジネスから見れば最高ではあるが、もし「ものすごく強いが野球に今ひとつ魅力がなく球場は閑古鳥が鳴いているチーム」か「決して強くはないが、次は何が起こるのかファンをワクワク感で大いに魅了し、球場に人が集まるチーム」か、どちらか一つを選べと言われたら、プロ野球は文句なしに後者の魅せる野球を大事にしなければならない。

なぜならば実際にアメリカン・アソシエーションというMLBとして認定されていたプロリーグは人気がなくなって潰れているからです。ちなみに潰れたアメリカン・アソシエーションに所属していた現在のPIT・CIN・STL・LAD4チームは、ナショナルリーグへ吸収され今に至ります。

「プロ野球という場では長嶋の(魅せる)野球が正しい。長嶋のおかげで今の(繁栄した)野球界があるのだから、野球に携わる者は長嶋の悪口を言っちゃいかん」

そうプロ野球の真髄をズバリと言葉で射抜いてみせた三原脩はさすがです。しかしその逆説として、長嶋の悪口を見世物にまで昇華させたショーマン野村克也の話芸もまた是となる。長嶋の悪口を言う言わないが真のポイントなのではなく、プロとは観客を魅了してナンボということ。

では、ファンを魅了するにはどうすればいいのか?

ボールパーク戦略の極意は<花>にあり

にも示したように、結局は世阿弥の言う<花>をどう演出できるかにすべては集約されてくる。花とは、観客を魅了して止まない力の源泉。ビル・ベック同様、世阿弥もまた喝破したように珍しきこそが花であり、サプライズを演出することがショービジネスにおける<花>の第一義となる。

三原チルドレンと言ってもいい栗山監督が、大谷を一番打者起用したこの奇策にこそ、ファンを驚かせ魅了して止まないショービジネスの原点がある。果たして「4番ピッチャー・大谷」が札幌ドームでコールされる日はくるのか。4番打者でHRを放ちながら、160連発で完封勝利。大谷の二刀流は日本ハムというチームを完全に超えたプロ野球ファン全体の夢となっている。

単に勝つだけではなく、魅せて勝つ。それが真のプロというものである。そう考えたのが初代社長に三原脩を戴く日本ハムの流儀でもある。

追記

ここまで書いてきてスポーツマーケティングの父と呼ばれ、ボールパーク戦略の極意を体現したビル・ベックと魔術師・三原脩の共通点がようやく見出せた気がします。いずれも固定概念がなく感覚がフレッシュで奇策が得意である。キーワードは<花>。

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日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

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写真は古代ギリシャの神殿。