NYY 勝率500へ戻す ジラルディこそ今後のカギを握る

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05 /26 2016
なぜジラルディはピタゴラス勝率を上回ることができるのか、について今回は論じていきます。

2013年2014年が顕著であり失点差が大きくマイナス-20とか-30であり、戦力において明らかに平均以下であったチームを2年連続で勝ち越しに導いたのがジラルディでしたが、現在NYYの得失点差は-13ですが見事に勝率500へ復活しました。繰り返しジラルディは実際の勝率がピタゴラス勝率を上回っています。すなわちそこには再現性があり、監督としての技術が存在している可能性が極めて高いということになるわけですが今回もジラルディ無能論に対して反駁を試みます。前回は打順の組み方について述べましたが、今回は継投について話をしていきます。

要はジラルディは接戦時に強い指揮官であるからこそ、実際の勝率がピタゴラス勝率を上回るということになります。

参考までに1点差ゲームです。

2013年 30勝16敗 2014年 28勝24敗

では接戦に強いための条件とはいったい何か?

セイバーメトリクスのWPAという指標でも明らかなように、勝利に対する1点の価値は、終盤になればなるほど、接戦になればなるほど、投手戦になればなるほど、こうしたファクターが複合的に組み合わされる程に大きくなってきます。勝負を分けるこの1点を巡る攻防にあって、1点を攻撃によって奪うよりも1点を防ぐという方がベースボールという競技は確率的にもしやすいという大きな特徴があります。

NYYには最高のクローザーであったリベラがいました。リベラ引退後もロバートソンやベタンセス・ミラーと優秀なクローザーを配置することにジラルディは接戦をものにすることに成功してきました。KCの成功例に見習うまでもなく、セイバーメトリクスを戦術や戦略に生かす新思考派のジラルディはブルペンの重要性にとっくに気付いていますが、接戦時の勝敗は当然、ブルペンのクオリティ及び、監督の的確な継投に大きく左右されることになります。継投はヘボだが接戦に強い監督などこの地上には存在しない以上、シーズン全体を考えて一部の投手が過負担にならず、数多くの接戦をものにしてきたジラルディの技量には一定のフェアーな評価がなされるべきです。

例えばジラルディは左右病と揶揄されることがあります。ジラルディはマシーンのようにひたすら左打者には左投手を充てます。短期的には結果はどうなるかはともかく、サンプルが大きくなると左打者には左投手が抑え込むという統計的な結論が出ています。つまり目先の結果はともかくペナント全体の利益を見据えて、繰り返し左対左というスタイルへ持ち込むことは最終的にはチームの勝利を増やすことへ必ずつながる。

左右病と揶揄されようが決めたら梃でも動かない。こうした戦略的な動かざる部分にこそジラルディ最大の長所がある。マドンのような魔術師と言われるような派手さはジラルディにはありません。しかしその表層のもっと奥にあるものへ深く目を向けてゆく時、このジラルディという監督が決して無能などではないことがはっきりわかってくるのです。

このように継投といい打順の組み方といいジラルディの動きの奥には統計的な知見が存在しています。

あるいは継投についてもう一言付け加えておくならば、勝ちゲームでみせるジラルディの慎重なあり方をじっと観察していると、ジラルディが勝負の怖ろしさを良く知っている監督であることがわかってきます。隙をつくらないように5点差あっても8回無死12塁となったところでスパっと交代するようないい意味での慎重さを持っています。

例えば今ミスターXという監督がいて、下記3つの条件を満たしているとします。

●確固たる戦いのセオリーに基づいて、ピタゴラス勝率よりも高い勝率たたき出す再現性のある用兵ができる
●最優秀監督賞の受賞歴がある
(イメージとして恣意的に選出されていそうでありながら、トーリ・ソーシア・マドン・ラルーサ・ボウチー・ショーウォルターなどが過去の受賞者の名前を見ても明らかなように、伊達でこの賞は受賞できない)
●2009ワールドシリーズ制覇した実績

以上3つの条件を満たした監督を白紙の上にフェアーな観点から眺めた時、どうしたらミスターXは無能であるという結論が出てくるのか。ジラルディ無能論に決定的に欠けているものとは、フェアーな批判精神であり、客観的な論理性です。要は結果から眺めて自分の意に沿うかどうかで判断し、ジラルディの一部を切り取って欠点のみを拡大し自分が批判したいように批判しているということです。

満塁で歩かせるといったような表立った策士という監督ではジラルディはありません。監督の采配で今日は勝ったというような派手さもない。しかし着実にして目立たぬ采配の中にきらりと光るジラルディの個性がある。田口のバッシング記事をはじめ、短期的な結果から表面をなぞるものばかりでジラルディ批判において深い見識を示したものを私は見たことがない。

動かざる力。長期の利益を睨んだ構想力。こうした目立たないところにも当ブログでは光を当ててゆくつもりです。

「2016NYYお前はすでに死んでいる。」と言いつつ、直後に唯一の救いはジラルディが指揮官であることだと当ブログでは指摘しました。忍び寄る衰退NYYシリーズの中でも折に触れて、ジラルディは決して無能などではないと言い続けてきました。あのオーナーなら、大した補強をシーズン途中にするわけもない以上、チャップマンを手に入れたNYYの反抗がどこまでつづくのか、大きなキーマンとなるのが監督のジラルディです。


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日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

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写真は古代ギリシャの神殿。