「ビリー・ゴートの呪い」を解けるのか?カブスの戦略に迫る

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05 /30 2015

ここ数年、エプスタインは「ビリー・ゴートの呪い」を解くべく、戦略的に集中して野手のプロスペクトを集めてきたことはご存知なはずです。スラッガーという雑誌でも 集中して野手のプロスペクトを集めているという情報だけは載っていますが、なぜそういう動きをしているかまでは解き明かしていません。そう大した話でもないのですが、これからエプスタインという人物がどういう戦略を持っているかについて考察をしていきます。

ではなぜ、エプスタインは投手ではなく野手を集中して集めてきたのでしょうか?


野球とは投手力であるという言葉が人口に膾炙していますが、それは統計的には明確な根拠がなく誰もが陥るバイアスに過ぎず、セイバーメトリクス的にはペナントで勝ち抜くために大事なのはチームの総合力であるという結論が出ています。まさに得失点差を争う競技であるために全うな結論であり、故にチームスタッツで勝敗の次に最重要スタッツとは<得失点差>です。アストロズの戦略をセイバーメトリクス分析する という記事も冒頭書いたように、まず<得失点差>からチーム分析に入るのが基本と言ってもいいです。


(しかしながら、POを制するという意味では ペナントよりも防御力に力点をややシフトするのが戦略的には正しいという記事も書きました。実際PO対策としてそれを裏付けるような2014のビーンやフリードマンの動きもそうなっています。戦うステージがペナントから短期決戦になれば自ずからその戦略も微妙に異なるということですね。)


さて、ところで「マネーボール」という本では高校生よりも大学出身の方がメジャーに昇格する確率が高いために、ドラフト戦略としてはOAKは大学生を重点的にドラフトしたという話はすっかり有名です。


では少し観点を変えて野手と投手のプロスペクトがメジャー昇格する時間のコストについてはどうでしょうか?


投手がメジャーに昇格する時間に比べて、2~3倍の時間を要するのが野手であるというセイバーメトリクスのデータがあります。テッド・ウィリアムズも言うように打撃ほど難しい技術はないのであり、打者が投手のさまざまな攻撃に対して十分に対応するまでは相当の時間を要するということなのでしょう。


投手が1~2年でものになるなら、野手は3~5年と言う時間を必要とする。つまり投手についての戦力補強の方が戦略的にフィレキシビリティが高い。故に野手を重点的にまず集めて、戦力にある程度の見通しが立ったところで、投手へシフトしても時間的には遅くはないということです。


エプスタインのチーム作りの戦略は「まず野手からはじめよ」と考えてもいいです。野球は投手力だという言葉には決して振り回されていないエプスタインの戦略家としての姿がそこにはあります。

もちろん投打ともに同時に揃えることができるならそれに越したことはないのですが、物事には優先順位があるそのことをカブスの戦略に見て取ることが可能です。 ですから2014ビーンはPOを睨んでサマージャを獲得するのと引き換えに、エプスタインはまずはペナントを抑えるためにラッセルという野手最高のプロスペクトを獲得したという点、互いに戦略的には実に理にかなっていると言えます。
焦点を絞り込み、正しい方向へチームを導いてゆくならば その先には必ず勝利が待っているはずです。「ビリー・ゴートの呪い」が解けるのかどうか?戦略を決定するGMの役割は決して少なくありません。



大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。