心配ご無用!BOSプライス、FIPはキャリアハイ2.77

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05 /20 2016

2016序盤戦ERA6.50前後を記録していたプライスもその頃から、FIPは2.95レベルの数字を残しており、E-Fの超絶な乖離を示していたわけですが、2016現在ではFIP2.77と過去最高の値を記録しています。これだけのスタッツの乖離もBABIP357、LOB率59.7という数字でほぼ説明がつくはずです。実にわかりやすい不運ぶりを2016プライスはこれまでセイバーメトリクスでは示しています。

この不運もある意味の運不運の調整とみなすこともできるかもしれません。というのもようやく現在のプライスの通算FIPと通算ERAがピタッと一致して3.18を示しています。今までは十分に力もあったがやや運にも恵まれてきたのがプライスであったということです。

以前こういう記事を書いたことがあります。下記は2000イニング以上投げているMLBの投手の終身ERAと終身FIP。

野茂    4.24 4.23
ハラディ  3.38 3.39
サバシア  3.69 3.62
ペドロ   2.93 2.91
マダックス 3.16 3.26
ランディ  3.29 3.19

どの投手もERAとFIPは一年毎では大きな差異になるもののある程度のサンプルが確保された投手に限って言えば終身になると、多くの投手はE-Fは0.1~0.2前後に収束してゆく。そう指摘しました。これは当ブログだけが指摘しているのではなく、FanGraphsの記事にも2013年にリポートされていることです。

例えばトム・グラビンというFIP3.95とERA3.54が終身でも近似しない投手がいます。当然そんなことも知りながら、私はトム・グラビンの例を書く必要がなかったのでわざと取り上げませんでした。こうした例外的なトム・グラビンという投手を取り上げて、だからERAとFIPの振る舞いには何らの関係性もないのだとする方が、むしろ逆に恣意的であるからです。

そもそもERAとFIPはサンプルが大きくなる時、一般的には近似するという統計的な傾向がないというなら、短期的なERAとFIPの数値を比較する意味が全くなくなります。「なぜ2016プライスがERA(6.00台中盤)>FIP(2.00台後半)だと不運であると分析し、ERA(1.00を切る)<FIP(3.00台中盤)だと2016前田のように運が強く、いずれERAは確実に上がってゆくことになると予測できるのか。」それはサンプルが大きくなるにしたがって終身FIPへ向かって終身ERAが近似するという統計的な知見に基づいているからです。つまり多くの投手は一般にBABIPは300へ近似してゆく。自分が見た限り2000イニング以上になるとERAとFIPの差異は一般にはかなり近似する傾向があります。これは一部の例外を除いてほぼ逃れることができないベースボールの法則です。これが法則でないなら、ここまでFIPが普及することなどありませんでした。

ちなみにカーショウのERA1.67ですが、かつてはERA1.00台を切っていた前田とは投球内容がまるで違います。カーショウのFIP1.35であり、今後もERA1.00台を維持することが極めて高いことが予測されます。ちなみにカーショウの終身ERA2.40終身2.57であり、これまでも指摘したようにカーショウもまた終身E-Fが0.1~0.2前後に収束してゆくことにおそらくなるでしょう。

結論

セイバーメトリクス的には、BOSファンの方はERAを見てプライス獲得は失敗だったかと心配する必要も今のところはほぼありません。現在プライスはキャリアハイのFIPを記録している。ただし球速の衰えはやや心配の種でもある。つまり年齢的にもピークから衰退トレンドに入った可能性が高いことも確かであり、これからプライスがどのように衰退してゆくのかが一つの焦点になる。そのトレンドが一気にがくっと下がるのか、それともじりじり下がるのかについては神のみぞ、知るところと言える。

最後に繰り返し強調しておきたい。一部の投手を除きERAとFIPはサンプルのイニング数が大きくなる時、一般的には近似する。これは統計的な知見である。だからこそボラス・マクラッケンのDIPSは世紀の大発見であったわけです。FIPの式そのものはトム・タンゴが導き出したとはいえFIPもDIPSの一種簡易式に過ぎません。

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日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

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