声だし野球賭博をセイバーメトリクスする

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03 /19 2016

まずはNPBシングルヒット一本がどれだけの価値があるのかについて、セイバーメトリクスを用いてざっと求めてみたいと思います。単打の攻撃力としての価値が1.0だとすると、二塁打の価値は1.5であり、三塁打の価値は2.0であり、本塁打の価値は2.5であり、四球の価値は0.5としてOPSという指標は出来ている。更にその考え方を敷衍させてあらゆる攻撃のイベントである敬遠・盗塁・盗塁死・凡退・三振・併殺打・犠打・犠飛などについても、すべての攻撃イベントには統計的にその重みがセイバーメトリクスでは結論されています。併殺打が基本的にはもっともマイナスが大きくなるイベントとなります。

NPBリーグ全体の野手のサラリーを計算するとざっと200億円弱です。野手の年俸における守備における占める割合が25%であるのに対して打撃が占める割合は75%程度であるとセイバーメトリクス的には結論されているために、全攻撃イベントに球界が支払っているのは200×0.75=150億。

年間リーグ全体総単打数10000、二塁打数2000、三塁打200、本塁打1000・・・という数もすべてデータとして出ているわけですから、150億円が各攻撃イベントにどう按分されているかは小学生の算数でも計算ができます。こうしてみるとNPBのリーグ平均シングルヒット一本の価値おおよそは80万円前後。ということは本塁打一本の価値はシングルのおおよそ2.5倍にあたる200万前後となります。盗塁死・凡退・三振・併殺打はそれぞれ-30万円だったり-50万円だったりするわけです。

例えば9回裏一打逆転、1点差で負けてシングル一本でサヨナラ場面です。シングルヒット一本の価値80万円は平均ですからサヨナラの査定は当然それよりも大きなものになる。ケースによっては200万の価値があると査定されるかもしれません。もし一打サヨナラの場面でわざと打たずに負けたらもう5000円を支払わなくて済むので、しめしめと考える野手はいったいどれだけいるかということです。5000円を支払わなくて済むように敗退行為をする可能性をなぜ考えないのかという意見も大量にありましたが、一言で言えばこの意見はナンセンスとしか言いようがない。ヒーローになれるチャンスをみすみす逃し、声かけ如きの金額で敗退行為に臨む選手は経済学を持ち出すまでもなく100%ないと断言しておきます。敗退行為どころか、おそらく声だし賭博に限ってはパフォーマンス的には微々たるものでしょうが、個人的には行動経済学などのレポートを見る限り仕事の生産性は上昇すると結論しています。この声かけについては内心そこまで目くじらの立てることのなのかとお考えの人も結構の数、サイレントしているのではないでしょうか。たしかに声だしOKは言い出しにくい雰囲気が蔓延しています。

巨人以外にも様々なチームがやっていることがわかったら、突然、矛先をマスコミは緩めました。なぜ、巨人の時だけ朝日新聞は一面にデカデカと掲載したのでしょうか。メディアリテラシーのある賢明な読者ならば即座にその意図は見抜くはずです。つまり本質的にこの声かけが大問題であったなら、次々と明るみになった時点で大騒動になっているのが筋ではないのか。


「巨人、福田を永久追放してはならない そしてピート・ローズ」

再読すると笠原が悪の世界へ導いた根源だったことが後に明らかになるので、今から読むと一部修正を加えたいところもあるわけですが、この記事でも書いたように「八百長と野球賭博には越えがたい一線がある」ことは繰り返し言っておきたいと思います。八百長はスポーツにおけるショービジネスにおいては死に至らしめる破壊行為であり、自殺行為そのものです。というのも野球はファンは一般に<贔屓するチームが勝つまでの筋書きのないドラマ性>に惹かれて球場へ足を運ぶのであり、試合には最初からシナリオがあるというならNPBというビジネスは完全崩壊です。すべての試合が八百長であることが明らかになれば誰も見にいかなくなることは容易に想像がつきます。

バックにヤクザが絡む賭博が八百長を誘因することは確かでありそれは極めて悪質ですが、八百長とかかわっていない限りにおいて、本質的に八百長という巨悪そのものと野球賭博は一線を画すべきであると私は考えています。ベースボール最大の魅力である<筋書きのないドラマ性>を毀損するのかしないのか、そこが八百長と野球賭博の大きな分水嶺になる。

簡潔に書くならば、八百長なら永久追放。バックにヤクザいる巨額の野球賭博なら1年停止もしくは無期停止処分。声掛けによる仲間内だけの小さな賭けですが、(個人的にはそれくらい、いいやないかとも思うのですが)こうした小さな賭けを許容するところから、賭博する雰囲気がチーム内に醸成されて高木のように悪気もなく本格的な野球賭博手を出してしまったことを考えると止めた方がいいのかもしれません。

高木については珍しく素晴らしい意見をツィートした楽天の三木谷オーナーに全く賛同です。MLBの麻薬ジャンキーのジョッシュ・ハミルトンは実質、球界追放になった身です。そこから這い上がり年間MVPを獲得するに至りました。あるいはワシントン監督などはコカインを使用しても監督として留まりつづけました。これは日本の現役監督が覚せい剤をやったことに等しいわけです。MLBなら厳罰に処するところであるという風な意見も見たことがありますが、ダルビッシュも言うように実際のところ日本よりも厳罰どころかMLBはセカンドチャンスに対して遥かに寛容です。ドワイト・グッデンという一世を風靡した投手もまたコカイン中毒であったわけですがチャンスを三度ももらったわけです。清原やピート・ローズについてはまたいずれ機会を改めます。

まとめ

●八百長。ヤクザがバックにいる野球賭博。仲間内の少額な賭け事。この3つは明確に分類すべきである。
●楽天の三木谷オーナーのいうように高木にはセカンドチャンスを是非与えてやってほしい。
●文春に踊らされないようにメディアリテラシーをもっと高めよう

全体の雰囲気に流されて、八百長もしていない福田を永久追放などと声高に叫ぶ愚昧さだけは避けたいところです。

大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。