なぜエンジェルスを大谷翔平は選んだのか?ソーシアと栗山監督の違いを明らかにする

大谷翔平
12 /18 2017
日本ハムとエンジェルスがどれだけ違うチームかまず分析する。

日本ハムはセイバーメトリクスに基づいた「ベースボール・オペレーション・システム」(通称BOS)を運用し、それを土台として1軍2軍も含めた現場とフロントの全体に対してオープンとなった情報を共有し、互いの意識に齟齬がないように民主的に話し合い、戦略的に一体となってチームの理想的な未来像に向かって力を合わせるカルチャーを持っている。

一方、エンジェルスはオーナー・モレノの直下にソーシア監督がおり、チーム最大の権限を握っている。新思考派のGMとオールドスークルの監督で意見が違えるとき、パイレーツなどは互いの立場に理解を示し、フィールドに立つ現場の知恵とフィールド外においてコンピューターによる数理解析を担当する新思考派の知恵がアウフヘーベンされて、より高次なものへ昇華する理想的な姿が現出することがあるが、エンジェルスの場合は監督とフロントが歩み寄るというよりもこれまではしばしば監督がGMの首を切るという形で問題を解決してきた歴史がある。

つまり、日本ハムのカルチャーが民主的かつボトムアップ式で組織の運営を戦略的に推進させてきたのに対して、エンジェルスは独裁という言い方がふさわしいかはともかく、オールドスクールのソーシアによるトップダウン式によって組織を運営してきたという特徴がある。新思考派の意見を上手に取り入れて、思考をアウフヘーベンさせずソーシアのオールドスクールの意見がまかり通る時、だんだん時代に適応できず古くなり、エンジェルスの最近の停滞の一つの要因となっている可能性はあるかもしれない。

このようにチームのカルチャーが大きく違うのが日本ハムとエンジェルスである。

またマーケットにしても、日本ハムはスモールマーケット故にオークランドやレイズのようにFAやポスティングで次々と育成した選手を国内外問わず放出してきたのに対して、エンジェルスは2000年代ディケ―ド最高のプレイヤーでもあるプホルスやサイヤンガーであったグリンキーも獲得したように、大きなマーケットを持っている。事実、おそらく2018年のペイロールは贅沢税のラインを優先課題としているヤンキースとほぼ変わらない金額になることが予想される。35歳キンズラーも獲得し、完全に勝負モードに入ったエンジェルスではあるが、終盤においてチームの勝利を優先する状況が来たとき、果たして大谷を育成することは最優先事項になるのだろうか。現実的に考えて、大谷が上手にメジャーの環境に適応できず、シーズン終盤でPO争いをしている時、育成の話がいったん保留状態になる可能性がある。

ビックマーケットとスモールマーケットという違いが、日本ハムとエンジェルスの育成も含めた根本的な戦略において明らかな違いを生み出している。

更には監督自体もソーシアと栗山もタイプが全く違う。奇策を好んで使うマジック系統の栗山とセオリーとデータを重視するオールドスークル系統のソーシアと分類することも可能である。(ただしここで言う奇策とは、ヒットエンドランやスクイズの類のスモールにおける奇襲の事を言っているのではない。奇襲ならソーシアは好む。成果の出た二刀流を運用するならともかく。成功するかどうかなど全くわからない二刀流をフロンティアととしてやってみるという発想はソーシアに基本的にない。)

このマジック系統の監督は二刀流に代表されるように奇策を用いるのを信条とするの同時に、ドラマを演出したがるという大きな特徴がある。一方、オールドスークルはデータを重視セオリーし、とことん拘り手堅く勝つこを好む傾向にある。

例えば、オールスターで投手イチローを采配したのは、仰木監督であり、それに乗らなかったのは野村監督である。水と油と言ってもいいこの両者が、なぜここまで違うのかというとその出自に答えはある。野村監督が大変尊敬していた監督は川上監督であり、はじめてドジャース戦法を日本に輸入した監督こそ川上であり、無死でランナーが出れば型通り送りバントをする手堅いスタイルが川上野球であった。このV9の頭脳でもあった森監督と野村監督は昵懇であり、現役時代から日本シリーズの始まる直前になると森が敵の情報を収集すべく夜を徹して森と野村は野球論議に花を咲かせ、この森との会話の中で、野村は川上野球のエッセンスを盗んだとも言われている。

この巨人の型にはまり鉄壁の強さを誇った野球を面白くないと一蹴し、プロとはファンをワクワクさせてナンボであると打倒巨人を掲げて数多くのドラマを演出したのが三原脩であった。「野球とは筋書きのないドラマである」という言葉を遺した三原脩に終生慕い、仰木彬は心服していたと言われている。仰木の采配ぶりは極めて三原に似通っていると言われ、三原マジックならぬ、仰木マジックと言われた。仰木彬の墓は三原脩の対面に立てられているからも仰木の三原脩に対する念いの深さは窺い知れよう。

三原脩同様に仰木の監督人生は極めてドラマティックなシーンに彩られていた。近鉄時代の10・19最終決戦やラルフ・ブライアントの4連発など球史にそのドラマは刻まれている。またイチローという名で世に出した仰木のプロデュース力も、三原脩譲りと言ってもいい。

同様に三原脩を師とする栗山英樹もまた、栗山マジックと言われ数多くの奇策を用いてファンをアッと言わせると共に、昨年の奇跡の大逆転優勝を「2016 ドラマ 北の国から」と命名したように。よくもわるくもドラマ仕立てにすることを信条とする監督である。奇策とドラマがこの魔術師系の監督の大きな特徴である。

一方ドジャース出身のソーシアは現役時代よりドジャース戦法を信条とし、データ好きであり、歴史的にもドジャース戦法をルーツに持つ野村克也と同じく分類することができる。野村とソーシア、キャッチャー出身のづんぐりむっくりとしたデータ好き、知将とも称されどこか似ていると感じるのは決して私だけではあるまい。野村克也と栗山英樹とそりが合わないのも、監督として巨人の野球のアンチテーゼとして出現した三原脩を支持する栗山と川上の野球に傾倒する野村との違いとも言えるかもしれない。

以上まとめると歴史的な日米の野球の歴史から眺めても、栗山監督は仰木マジック、三原マジックという三原脩をルーツに持つ魔術師系統に類するのに対して、ソーシアは野村IDや西武森監督の典型的なオールドスクール系統に属すると言える。つまりメジャーで言うと、栗山監督はフロンティア精神旺盛な守備シフトを最初に大々的に取り入れたマドンのマジック系統になると言ってもいいだろう。マドンも現役時代のめぐり合わせ上、出身はオールドスクールでありソーシアの弟子筋ではあるが、徐々に魂の奥底に眠っていた魔術的なものが目覚めて本領が発揮されるようになったと言える。

青は藍より出でて藍より青し。

師のソーシアを弟子のマドンが超えていった様を表す言葉である。メジャーにおける大谷の活躍如何によってはソーシアを野村、マドンを栗山と入れ替えても後世の歴史家は何の違和感も抱かない可能性がある。新思考派の考えを「現場を知らぬ戯言」と一蹴せずに、セイバーメトリクスに対しても心をオープンにして貪欲に新しいものを取り入れる姿勢がマドンにはある。

このように日本ハムとエンジェルスはきちんと分析すれば似ているどころか、対極にあるチームであると言ってもいい。

以上まとめる。

●ボトムアップ型の民主的な日本ハムとトップダウン型の監督の独裁的なエンジェルス。
●マーケットが小さい故に育成重視の日本ハムとプホルスやグリンキーも獲得したようにFAに積極的なエンジェルス。
●魔術師系の栗山監督とデータとセオリー重視するオールドスクール系のソーシア監督。

分析をした限り、なぜ大谷がエンジェルスを選択したのか今一腑に落ちなかった。ではなぜこうした大きな違いがあるにもかかわらず、大谷翔平はエンジェルスを選択したのか。

その最大の理由はモレノ―オーナーにある。直々に、交渉の場で大谷と話した結果、二刀流でもって育成することをオーナーが確約したとされる。

通常オーナーがフィールド上のことに対してあれこれ口を挟むことはない。しかしながらこの大谷二刀流については、オーナー直々のお達しであり、ソーシアと言えどもその方針に逆らうことはできない。

以上 大谷翔平がエンジェルスを選択した最大の理由である。ソーシアへの警戒は杞憂のものとなる可能性があると言えるかもしれない。 ただソーシアをあまり信用することはしない方がいいとは思っている。

松井をスケーブゴートにしたソーシア、大谷翔平はいずれ栗山監督が如何に優れた指導者であったか改めて知るだろう。

大谷翔平
12 /14 2017
松井がFAで2010年にLAAに入団し、OPS820とピッチャーズパークを本拠地にしている割にはそこそこの結果は残したものの失敗と判定されるような成績もなかったが期待に大いに応えたというものではなかった。LAAのチーム成績はケンドリック・モラレスの負傷を境にして失速した。

この時、痛烈に松井をスケープゴートとしてこき下ろし、不調に終わったチームの責任を主砲松井に押し付けるかのようなコメントをソーシアがしたことは今でもはっきりと覚えている。

大谷二刀流が大バッシングにさらされても栗山監督は守り抜いたように、どんなにバッシングされてもトーリ監督は断固として松井を守り抜いた。あるいはソーシアの弟子筋であるマドンもレイズ時代には全く打てない松井を最後まで使い続けて、徹底して擁護する姿勢を見せてくれた。

松井がオークランドに移籍してもゲレン監督時代には、ベンチウォーマーとして蔑ろに扱われていたが、シーズン途中にメルビンに監督が代わってからは、松井への信頼感を采配によって態度を明らかに示し、以後、松井は別人のように働いてみせた。苦しい時、その人物の本性が現れる。負けた責任を主砲松井に押し付けるソーシアの姿を見てきた者としては、どうにも信頼できかねる部分がある。

ある外国人選手が慣れない日本の野球に適応できずにとても苦しんでいた。しかし監督は我慢強くその外人を使い続けた。やがてその助っ人は野球に適応するようになり才能を開花させ、本塁打王を獲得するまでになる。その外国人とはレアードであり、監督は栗山英樹である。他の監督なら駄目外人としてレアードは終わっていた可能性が極めて高いと一般に言われている。おそらく栗山監督でなければレアードをの力を開花させることはできなかったに違いない。

もし松井がヤンキースに入って、トーリのように我慢強い監督でなければ全く違うメジャー生活になっていた可能性は誰も否定できないだろう。選手が力を発揮するのに、監督との相性や力量というものが如何に大事かをこれらの例は示している。

松井に対する監督の接し方でも明らかなように、忍耐強い監督もいればそうでない監督もさまざまにいる。メジャーでは日本の栗山監督のように甘くないというのは、見方は余りに画一的なモノの見方をしており、メジャーを注意深く良く見ていない証拠でもある。

大谷二刀流が結果が出ない時に、とくに打撃において不振になった時、ソーシアは果たして栗山監督のように身を呈して守るだろうか。松井が不振の時、ソーシアは本音を覆い隠して、通り一遍のコメントをしていた時期はあったが、トーリのように松井に対する深い信頼感が、そのコメントの奥底にはなかった。

栗山監督は選手のせいだけには絶対にしなかったし、これからもどれだけ聞き飽きたと批判されようとも「使った監督の俺が悪い」と言い続けるに違いない。

理想があるからボヤくという自己正当化するための詭弁を弄する監督もいたが、オフィシャルな場で選手を擁護することはあっても、決して批判したりしない栗山監督に理想はないのだろうか。実は理想があるかないかと、ボヤくボヤかないを結び付けるには、そこには明らかな論理的な飛躍があることをはっきりと指摘しておきたい、これを詭弁という。

また1番ピッチャー大谷のようなドラマ演出する発想もまずないのがオールドスクールのソーシアという監督でもある。レアードといい、大谷二刀流といい、栗山監督でなければここまで大成することはおそらくなかったに違いない。監督としてはソーシアと栗山はその歴史的な背景からその出自を分析しても180度違うタイプの監督と言っても過言ではない。もし機会があればその根拠についても突っ込んでいずれ話をしてみたい。

結論

大谷が順調であれば何の問題もないしソーシアもニコニコでそれを願っているが、苦境に陥った時、必ずソーシアの地が出てくる。見切りも早い監督である。GMよりも権限がある。トーリのような我慢強さはない。栗山監督はどんな時でも監督は選手の味方であったが、ソーシアは決して同タイプの監督ではない。大谷翔平はこれからの長いメジャー人生の中で栗山監督が如何に優れた指導者であったかを改めて知ることになるに違いない

お祝いムードに流されて、どういうわけか何を根拠にしているかは不明であるが日本ハムとエンジェルスが似ているとか(客観的に見て私には全然似ているとは思えない。いったいどこが似ている?)単純にソーシアは知将でいい監督であるとされているが、ほんとうにそうなのか今一度踏みとどまって思考するのも悪くはない。

少なくともそうしたものに流されないことを常に当ブログでは信条としてきた。

ちなみにジラルディは9年連続で最優秀監督賞ポイントを獲得したことに気づいている人はそうは多くない。ジラルディを無茶苦茶言っていた田口荘が同じ立場を与えられたとしても、ジラルディと同程度の仕事を成すことはほぼ無可能に近い。

最優秀のモリタ―、22連勝のフランコ―ナ、世界一のヒンチの3人以外でジラルディはポイントを獲得した唯一の監督でもある。地区優勝のBOSのファレルにはポイントは入っていない。ジラルディの欠点についても当ブログでは分析済みではあるが、総合判断としては9年連続ポイント獲得、910勝710敗の通算成績が物語るように、間違いなく有能な監督である。このジラルディについても周囲の意見に当ブログは流されることは断じてなかった。

リスクを取ってリアルタイムで指摘していただけに説得力もあると思うが、例えば守備シフト。

2011 295
2012 297
2013 297
2014 299 守備シフト元年
2015 299
2016 300
2017 300

2014年に爆発的にシフト数が増えて、シフトによって攻撃力が劇的に下がったとライターたちは書きたて、大多数の人たちは解説者も含めてその情報を見事なまでに鵜呑みにした。守備シフトが爆発的に増えて以降、BABIPは下がっていないどころか、むしろ上がっているのである。BABIPが高止まりすることを当ブログのように予見していた記事はほとんどない。事実として当ブログはライターの垂れ流す情報に決して流されることはなかった。

大谷のDバックス入りだけはないとも当ブログでは断言してきたが、タブロイド紙の情報にまんまと乗せられた人は決して少なくなかった。

情報を精査する本当の意味でのリテラシーの力を常に我々は試されている。

「オープンな、まっさらな気持ちで」という大谷翔平の言葉の真意を曲解してはならない

未分類
12 /11 2017
「理想的な環境だけを純粋に求めた結果、一切の義理や金銭という条件を括弧に入れて、すべてを白紙の上において眺めて比較考慮した結果、エンジェルスを選択した大谷翔平という人物の決断力の凄まじさを痛感させられた。」

大谷が入団記者会見をする前にそう当ブログでは書きました。「すべてを白紙の上において眺めて」というフレーズを実際の記者会見で大谷は「オープンな、まっさらな気持ちで」と表現したのではないかと個人的には解釈しています。

11/12の記者会見でもはっきりしたように、二刀流にとって理想的な環境を求めて、チームを選択してゆく意志を大谷翔平は示しました。すなわち理想的な環境を足らしめるいくつかの条件を大谷翔平自身が想定していたのは間違いありません。

例えばほぼ同じような条件のチームがあったとして、唯一決定的に違う条件が人工芝と自然芝であれば、大谷はどちらを果たして選択するか。むろん自然芝をホームにしているチームを選択するでしょう。あるいは他はほぼ同じ条件で、温暖と寒冷であれば大谷はおそらく温暖な地をホームとするチームを選択するはずです。

以下同様に、DH制のあるなしであれば、条件がほぼ同じならばDH制のある方が日本ハムで実践済みであり、大谷にとってより理想的な条件はDH制ありのチームであることは間違いない。なぜならばDH解除するという手がALにはあっても、NLにおいてその逆のDHを付加することはできないからです。(交流戦は除く)

あるいはもし超ヒッターズパークと緩やかなピッチャーズパークであれば、戦略的に眺めても緩やかなピッチャーズパークの方を大谷二刀流はおそらく選択するはずなのです。

つまり、このように二刀流にとっての理想的な環境を足らしめるいくつかの重要なファクターが現実に存在し、それらの条件が複雑に絡み合い最終的に総合判断し、最も理想的な環境と判断したエンジェルスを実際に選んだわけです。27チームも手を挙げてラッキーセブンの中に一切東海岸のチームはありませんでしたが、これも偶然ではなくそこには明確な大谷の基準があったと考えるのが自然です。

例えば表向きは日本人選手がいるかいないかは関係ないと、大谷は言っていました。ただしこれも真正直にその言葉を受け取ってはなりません。

なぜならば実際に元エンジェルス出身・高橋尚成付のトレーナーでもあった寺田さんは、高橋尚成が退団後もエンジェルスに残り、大谷との交渉の場で通訳を担当しました。その際に「同じチームに日本人選手がいない方が同僚のペースを乱さずに済むので、できればいない方がいい」という希望を大谷から直に聞いているのです。ウィンターミーティング直前に移籍先を即決したように人を気遣う大谷翔平らしい側面がそこにはあります。

更にはその後、日本ハムの関係者もその点、移籍先決定後、明らかにしているとのことです。

ではなぜ前田が在籍するドジャースをラッキーセブンに選んだのか。

つまり繰り返しになりますが「日本人選手がいない方がいい」は希望の条件の一つではあるが、その一つの条件を絶対化することはせず、オールオアナッシングで日本人選手がいるチームは絶対に駄目だという風に大谷は必ずしも考えなかったということになります。

結論

まっさらな気持ちで相手と対峙するとは、大谷翔平が理想として考えているチームのいくつかの条件を決して絶対化せず、様々な条件を勘案してフラットな立場から総合判断し最終判断を下す意味であり、理想がある以上、そこには当然条件は存在している。結果的に大谷が二刀流の環境に好ましいと考えたアナハイムは西海岸の温暖な気候であり、DHもあるピッチャーズパーク、日本人選手もおらず、郊外に球場があり、日本人コミュニティもしっかりしている二刀流に対しても理解を示したチームであった。

ここに大谷翔平が理想を考えていたチームの条件の答えが完ぺきではないにせよ、ある程度まで表現されていると見なすことは可能である。

そしてそう考えた時、温暖な気候、ピッチャーズパークであるというホームの特性、二刀流に対する受け入れ態勢、日本人選手の有無や常勝チームではなかった点も含めて、エンジェルスに最も肉薄していた条件のあったチームは、やはりパドレスだったのだと私は推測している。今回の落選に対してパドレスのフロント陣の落胆ぶりは想像に難くない。弱小パドレスにとって大谷の入団は悲願であったはずであり、最大限の努力もしてきた。しかしDH制を付け加えることはもはや努力の範疇を超えていたものでもある。

大谷翔平にはもちろん、おそらく最も落胆しているであろうパドレスにも頑張れとエールを贈りたい。

したたかな日本ハムの戦略と大谷翔平の決断に凄みを感じたエンジェルスへの移籍劇

未分類
12 /10 2017
大谷翔平の大争奪戦は獲得に対して最も遅い時期に手を挙げたチームであり、誰もが予想しなかったまさしく大穴のエンジェルスが獲得しました。

日本ハムは中垣征一郎トレーナーをすでにパドレスへ送り込んでいたように、業務提携もしているパドレスにおいて実に戦略的に二刀流受け入れの体制を築いていたことは間違いありません。たとえポスティングをしても二刀流を受け入れるチームが複数存在する保証など1年前にはなかったわけであり、日本ハムの用意周到ぶりに私は一目も二目も置かざる得なかった。パドレスがあったからこそ、私も大谷は二刀流でメジャーへ移籍すると断言できた。一年前にはメジャーで二刀流はあり得ないという意見は実はかなり根強かったのです。

一方で移籍する際には大谷翔平に日本ハムから通訳とトレーナーをつけると言っていたように、パドレスよりも理想的な環境があればどこへでも柔軟に対応できるように別途準備しており、パドレス以外に移籍しても問題のないように日本ハムは二段構えの戦略的な準備をしていたということになります。

つまり、今回のケースになることも十分に見越していたのであり、日本ハムの大谷二刀流を絶対に成功へ導くという戦略のとりあえずの目標はパドレスへ大谷翔平を送り込むことに設定して動いていたが、あくまでより一段高い戦略の目的は二刀流にとって理想的な環境ありきであった。

戦略の目標と目的は必ずしも一致しないケースがある。

過去の記事より。

「大谷翔平の二刀流は日本ハムが背後に控える巨大プロジェクトでもあり、プロジェクトを完遂すべく用意周到にパドレスを準備しつつも同時にパドレスよりも優れたオファーのできるチームがもしあれば、柔軟にそれをも受け入れるのが日本ハムというチームの持つカラーです。」

「これは決して出来レースというのでもなく、パドレスを超えてより理想的な環境を用意してくれるチームがあれば単純に大谷翔平はそこを選択することになる。ただそれは相当の難易度を極めるものとなる。」

「2012年ドジャースこそ大本命と言われた中で、日本ハムが大逆転したように大谷翔平との面談によって他のチームがパドレスをひっくり返す可能性はまだ十分に残されている。あくまでパドレスが本命ではあるが、出し抜いてくるチームが出てくる可能性があるかないかと言えば、0とまでは言い切れない。」

ちなみにエンジェルスについての考え。

「エンジェルス

ここも西海岸ではあるがそこそこのビックマーケットであり日本人選手はいない。気候も温暖快適、DH制もあるが、すでにプホルスがいる。高校時代からウォッチしてきたという話も聞かない。

率直な感想

個人的には全くのノーマークであり、万一ここへ決まったらカブス同様にそれこそ最大のサプライズ。しかしプホルスは一塁へコンバートすればいいだけであり、DHを用意できれば気候も抜群、ピッチャーズパークでもあり意外に大穴なのか。」

なぜ大穴という言葉をエンジェルスにだけ使ったかというと、プホルスさえ一塁へ動かせるならば温暖なピッチャーズパークをホームに持つエンジェルスはちょうどパドレスにDH制が加わったようなものではないかと考えたからなのです。

「パドレスがもしもアリーグだったならば、大谷翔平の移籍先は一択であったと断言できたのですが、そうではないだけに今後の展開は未だまだ不透明であることも確かです。」

とも書きました。

完全な出来レース、悲報パドレスで決まりというような考えを固定化させるのも間違っているが、同様に本命も大穴もないという物事を安易に相対化させるような一見もっともらしい考えも明らかに違う。なぜならば戦略的であるとは物事の優先順位を明確にするということだからである。何が大として何を小とするのか。最終候補が3つに絞り込まれたとしてその中にパドレスは確実に残るだろうというところまでは断言しました。

戦略的に柔軟であるとは、絶対(パドレス移籍が出来レースで100%と思い込む)と相対(本命も大穴もあるものか)という両極を去った狭間に揺らいでいるものであり、保険をかけるということとは本質的に意味が違うものです。

結論

●ヤンキース、ダイヤモンドバックスは選ばれることはない
●パドレスこそ最有力の大本命であり、最終候補の3つの中には入る

と断言し、予測はパドレス。そしてまさかの大穴のエンジェルスでthe end。見事に私の予測は外れた。

今後どういう情報が出てくるのかわかりません。ただ最後はパドレスとエンジェルスの一騎打ち、二択だったのでがないかと私自身は考えている。甲乙つけがたい状態の中で、最後はDH制の有無と面談した結果、大谷のフィーリングがぴったりとエンジェルスのフロント陣と理屈抜きに合ったことが決定打になったのかもしれない。

ふつうの人ならば金で動かされるものです。あるいはパドレスがどこよりも早い段階で二刀流の受入れ態勢を敷いていたことくらい大谷は知っていたはずであり、情に動かされたとしても決しておかしくはなかった。

しかし理想的な環境だけを純粋に求めて、一切の義理や金銭という条件を括弧に入れてしまい、すべてを白紙の上において眺めて比較考慮した結果、エンジェルスを選択した大谷翔平という人物の決断力の凄まじさを痛感させられた今回の移籍劇であった。日本ハムという組織の持つ極めて戦略的な柔軟性と大谷翔平という人物の真の意味での戦略眼に、今回は大変学ぶべきものが多い移籍劇であったと個人的には回想できるだろう。



「今回の一連の動きの中にあって最も大事にすべきことは、大谷がどこへ入るか以上に、その意思決定を如何にしたのかというプロセスを通じて、その人物像の深奥に宿る本質を正しく理解することにあります。誰もが選択するであろう何百億円もの大金を確実に得るというルートを敢えて取らない大谷翔平という人物のその背後に、<打算を遥かに超えた巨大な意志>が蠢くのをどうしても私は直感せざる得ない。

人間心を遥かに超えた偉大なる意志をもし<野球の神>というならば、文字通り、大谷翔平は<選ばれし者>ということになる。

選ばれし者とは何か。それは不可能を可能にする者でもある。

成功が保証されているわけでもなければ、本来手に入る大金が保証されてもいないこの壮大な二刀流というチャレンジがどのような結果になろうとも、当ブログでは大谷翔平をフォローし続けてゆく。「ほら、だから怪我をすると言っただろう」このような高見の見物を決め込む言葉を吐く者よりも、勇気と志を持って「誰も歩いたことのない道を歩む」大谷翔平をこれからも支持してゆく。」


続編捕捉 なぜ野村克也は大谷二刀流がメジャーで失敗に終わって欲しいのか 30チームに拡張されたメジャーのレベルはほんとうに下がったのか

未分類
12 /08 2017

挙げ足取りレベルの反応があったようなので、ふだんは一切言わせるがままに放置ですが、今回は珍しく一言書き添えておきたい。

ジャイアンツが日米野球で張本や野村に衝撃を与えた年は、エキスパンション直前の1960年。

1960年 16チーム  アメリカの人口 1億8600万人 

アメリカ 574人 その他13か国  63名 (ドミニカ 7名 プエルトリコ11名 ベネズエエラ3名 キューバ25名他) 

2017年 30チーム アメリカの人口 3億2600万人

アメリカ 1055人 その他24か国  439名(ドミニカ 170名 プエルトリコ30名 ベネズエエラ112名 )

例えば1960年、海外63名のメジャーリーガーを輩出できる州の人口はどれくらいかとざっくり考えると、1960年全人口の9.8%、ほぼ10%。1800万人規模の州があれば63名の人材を供給することが可能とみなせる。すなわち16チームは2億400万の母数から選ばれたエリートと捉えることが可能です。30チーム換算にすると3億8250万人の比率となる。

一方 2017年の海外439名はメジャー全体の29.8%に相当するためにそれだけの人材を単純に供給するには9500万人程度の州があれな439名の人材を供給できる、すなわち30チームは4億2100万の母数から選ばれたエリートと捉えることができる。

1960年が30チーム換算にした3億8250万人と2017年が30チームは4億2100万の比率では後者の方が競争が厳しいことがわかるはずです。

しかもこれには話の続きがあります。2017年の日本人8名に対してこのざっくりした計算では例えばメジャー供給する日本の人口は約300万人程度と見積もっている。果たして神奈川県の1/3もない人口からメジャー球界全体を揺るがしている大谷翔平や1000奪三振に最小登板数で達成したダルビッシュ、ヤンキースのエース田中、殿堂入り確実なイチローやK/BBで史上最高を記録している上原等を輩出できると考えるのが現実的であるのかどうか。

1960年にはなかった2017年には300万人の日本州が新たに生まれたと捉えると理解しやすいかもしれない。

メジャーへ人材を供給する日本州(便宜上、話をわかりやすくするために州とつけています。ご了承ください)を300万人の人口であるとする数字は余りに過小に見積もっていること明らかです。単純に日本州の人口を300万という数字に設定しているのは、日本からメジャーへ行くボリューム人数が少ないから必然的そうなっているだけであり、ボリュームだけでなくメジャーへ送り込まれる選手のクオリティも考慮すれば、つまり量だけでなく質も総合的に考慮すればメジャーからみて日本州の人口は1000万前後、神奈川県レベルの人口から選ばし者たちが日本州からメジャーへ渡っていると考えてもそれほどおかしくはありません。

実際、1億2000万もいる野球大国の日本から選ばれしトップ中のトップがメジャーへ渡っているわけです。

つまりこの2017年の4億2100万という母数も、より厳密に人材のクオリティも含めて突き詰めていけばほぼ確実に増えることは明らかなのです。敢えて今回は自分の意見を弱体化させる形で数字をピックアップしてみました。これ以上、細かい作業突き詰めてても正直、本質的にあまり意味がないし、どういう突っ込みを入れるかも想定できています。

前回話を単純にわかりやすくするために数字を意図的にピックアップしたのは確かです。しかしそれは自らの意見を強化するために恣意的に数字をピックアップした<確証バイアス>とは全く違う。細かいところへ入って興趣をそぐことを回避したに過ぎないことを率直に明言しておきたい。これは詭弁でもなんでもなくガチです。

まるでこのミスを待ってましたとばかりの一部の反応もありましたが、話をよりわかりやすく伝えるために意図的に数字をピックアップした私の本意をくみ取ってくださったその他の方々に感謝します。30チームになったからレベルが下がったという野村たちの一見もっともらしい意見に対してどういうアプローチを取ればいいのか、ざっくりとではあるがそれを明示した点にこそあの記事の主旨がある。

結論

ミスを虎視眈々と狙っていた人たちには申訳ないが、確証バイアスに簡単に嵌る程、当ブログは残念ながらそこまで単純ではない。




ちなみに日米野球の勝敗についてもわかりやすさを優先させてデータをピックアップして掲載しました。決して印象操作をしようしたのではありません。wikiでも確認できるように、日米野球の勝率0から500へ向かって右肩上がりのトレンドを形成していることは、データを見れば一目瞭然です。

1955年までに行われた日米野球の全13回までは全日本はメジャーに対して0勝もしくは1勝だったのが、14回目の1956年にはじめて4勝14敗となり 1966年には8勝9敗と肉薄し、(2006年だけは0勝5敗を除く)、2014年は4勝3敗、1990年は4勝3敗、1970年6勝3敗と勝ち越した年も複数あり、負け越しの年であっても、7勝9敗の1974年など実力差は初期の13回に比べるならば経年で小さくなっていることが明らかなのです。

すべての数字をだらだら並べても、記事が間延びする。実力差が小さくなっていることが日米野球の勝率の上昇でもはっきりと長いスパンでは認められるために、敢えて数字はピックアップはしたことも付け加えておきます。


大谷翔平の移籍先、本命であるパドレスの対抗馬は果たしてどこか

未分類
12 /06 2017

大谷二刀流はチーム(組織)で動いているプロジェクトであり、パドレスにおいて二刀流のサポート体制を作るために、日本ハムは出来得る限り重要なキーとなる人材や情報をパドレスに投資していることにほぼ疑いの余地はない。

日本ハムはパドレスにおいて最高の二刀流に対する環境を作り上げようと努力してきたことを、主役である大谷翔平は当然のことながら十分に知っている。よって他のチームがパドレスが現時点で整えている二刀流の受入れ態勢と肩を並べる程度のクオリティを示すことは、極めて困難ではある。

しかしこれは決して出来レースというのでもなく、パドレスを超えてより理想的な環境を用意してくれるチームがあれば単純に大谷翔平はそこを選択することになる。ただそれは相当の難易度を極めるものとなるだろう。

以下6チームについての個人的な感想

ドジャース 

大谷幼少期からの憧れのチーム。夢の中にはドジャースに入ってワールドシリーズで優勝するというものが入っている。フリードマンは革新的な考え方の持ち主であり、余剰戦力があるからこそ投手も野手もゆったりとローテーションを戦略的に組むという方針を採っている。ロースターに空きはないが、それを逆手にとって余力を持って大谷二刀流を受け入れることが可能なメジャーで唯一のチームでもある。気候は温暖、ピッチャーズパークをホームにしており、おそらくサポート体制も万端に整えることのできるチーム。5年連続で地区優勝と常勝チームであり実は非の打ち所がほとんどない。

大都市で金満、日本人の前田も所属。

ふつうの選手ならば条件がこれだけ揃っていれば、パドレスなどよりもドジャースということになりそう雰囲気ではある。しかし、大谷の場合は本質的に開拓者たらんとするフロンティア精神に溢れていればこそ、条件が揃い過ぎていることが逆にネックになってしまっているかもしれない。十二分にパドレスの対抗馬になり得るチーム。

率直な感想

戦いの原理を求める過程において、日本ハムとドジャースをウォッチしてきた者としては、大谷翔平の移籍によってこの2チームがきれいに繋がるのもありかなと思う。しかし地方のスモールマーケット、日本人選手がいないチームという観点からすれば(これは情報からというよりも私の大谷分析による観点)、パドレスにやや分があるか。もともと高校からドジャースへ行こうとしていたくらいであり、ずばり相当の強敵と見る。

マリナーズ

ディポートGMが本気で二刀流を検討していることが言葉によってひしひしと伝わってくる。この言葉の力をもってすれば大谷の心に琴線にふれる可能性がある。日本人の岩隈がいるものの、DH制があり、典型的なピッチャーズパークでもある。レフトが深く右打者地獄のホームではあるものの左打者からのライト方向へ特別にホームランが出にくいということもない。打者大谷にとってはそれほど苦にはならないだろう。気候はいつも曇り空。サンディエゴに比べるべくもない。

率直な感想

日本人からして新鮮味にかけるチームでもあり、大谷が新たなるチャレンジをする場所としてはふさわしいのかどうか。GMの意気込みは相当なモノ。DH制の魅力を前面に言葉によって大谷の心を揺さぶることができれば可能性はある。決して侮れるチームではない。

レンジャーズ

ダニエルズGMが本気も本気であり、高校時代からも縁がある。ただし気候が温暖を通り越して酷暑であり、決して快適な場所であるとは言い難い。ホームも右投手地獄であり、投手大谷はダルビッシュのテキサスでの苦しんでいる姿も散々見てきたはずであり、その点をどう考えるのか。西海岸でもなく、マーケットもそこそこ大きい。

率直な感想

単純にホームの特性及び気候が大きなネックになる。

カブス

マジシャンとも言えるマドン監督と感覚の新しいエプスタインが率いるチームではある。二刀流も融通を効かせるだろう。すでにワールドシリーズも制覇しファンもつがつしていない。しかし西海岸ではないため気候も決して温暖であるとは言えない。というよりもどちらかというと寒冷地に属する。日本人はいないが、決してスモールマーケットでもない。

率直な感想

個人的にはカブスの大谷は全くイメージできない。マドンマジックの炸裂はあるか。個人的にはここに決まったらかなりのサプライズ。

ジャイアンツ

反日チャイナタウンと化しているサンフランシスコを本拠地としている。気候も決して温暖であるとは言えない。極端なピッチャーズパーク過ぎるのも打者大谷にとっては不都合になる可能性はある。基本大谷二刀流にとってはミドルからややピッチャーズパークが、ちょうどいい塩梅のボールパークになるだろう。日本人選手はいないがふつうにビックマーケット。すでに3回2010年に入ってからワールドシリーズを制覇。それが逆にネックになる可能性もある。

率直な感想

サンフランシスコは日本人からすれば純粋に応援しずらくやめてほしいという声は多数。また二刀流についても本気なのかボウチーの一貫性のない発言を聞いても大いに疑問。

エンジェルス

ここも西海岸ではあるがそこそこのビックマーケットであり日本人選手はいない。気候も温暖快適、DH制もあるが、すでにプホルスがいる。高校時代からウォッチしてきたという話も聞かない。

率直な感想

個人的には全くのノーマークであり、万一ここへ決まったらカブス同様にそれこそ最大のサプライズ。しかしプホルスは一塁へコンバートすればいいだけであり、DHを用意できれば気候も抜群、ピッチャーズパークでもあり意外に大穴なのか。

結論

言うまでもなく改めて本命はパドレスである。

いずれにしてもどこへ行こうが大谷翔平の二刀流挑戦をこれからも限りなく温かい気持ちでウォッチしていきたい。


大谷翔平の移籍先予測にまつわる いい加減な解説者たち

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12 /06 2017
この記事は完全にリラックスして書きます。

金村という解説者はある信頼できる関係筋からダイヤモンドバックスだと断言していました。ふたを開けてみればタブロイド紙の受け売りだったことが判明しました。やけに自信満々でダイヤモンドバックスと断言していましたが、ぶっちゃけ金村が言うならばメジャーのこともほとんど知らないし大丈夫だろうとも思っていました。(笑)

「大谷の賢い選択 ヤ軍は二刀流不向き/福島良一の目」という記事もありますが書いたご本人は、当ブログで「大谷翔平がヤンキースを選ばないと確信したその理由 記者会見を通じて」という記事を書いた同じ日に、実は移籍先としてヤンキースをおすすめのチームの一つに挙げていらっしゃったのです。もともと二刀流など絶対にあり得ないと断言されていた方でもあったが、1か月前にヤンキースをおすすめしておいて、大谷がヤンキースを選択肢から外した途端に、大谷の賢い選択はさすがに何か違うだろうと。

(その他、ヤンキースを大本命視していたマスメディアは言うまでもなく論外)

話は変わりますがスポナビレベルになるとそれなりに公共性を帯びるようになってきて、過去の記事が公衆の面前でピンで留められている状態になるので、ツィッターや掲示板、ヤフコメでつぶやくのとは正直訳が違います。ある程度公共性の高い言論空間で予測するのはそれなりにリスクを伴うのはたしかです。

「ヤンキースないやろ」「パドレスで決まりだろ」とヤフコメでつぶやくことは外れても全くリスクがないので簡単にできますが、スポナビに書いてみると予測することが如何にリスキーか実感できます。実際、スポナビは誰でも参加できるしツィッターやヤフコメに書くのとほとんど要領は変わらないのに、なぜかあまり書く人がいません。特にMLBカテゴリーがそうです。実は心理的な敷居が相当に高い場所ではあります。

正直、どのチームへ行くのか当てるクイズでたまたま正解だったとか、外れたとか、それについては通常そう大した問題ではないとは思っています。上原や青木がどこへ行くのか、当てたから偉いわけでもなければ外れたからと言って、どうということもない。

ただこの大谷翔平がパドレスに入るかどうかを当てられるかは、実はどうでもいい単なるクイズ問題とは様相が違っているのではないかと現時点では考えています。

前回の記事の最後で

大谷翔平がパドレス入りすることは野球の神様によって宿命づけられている。

と書きました。もし予想が当たればこの言葉を書いた真意を明らかにします。外れたらお蔵入りです。野球の神様がいると私自身は考えていますし、見えざる力が今回の移籍劇においても働いているのではないかとは考えています。

「野球の神様によって宿命づけられていた 大谷翔平のパドレス入り」

この記事をアップして、できればこのブログを終えたい。書くチャンスを与えられるかどうかが問題です。


大谷翔平の移籍先、やはり本命はパドレス!ヤンキース、ダイヤモンドバックスは脱落する

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12 /05 2017

まだ霧がかかったような薄らぼんやりとした中で、当ブログでは一年前から大谷翔平は金では絶対に動かない、超売り手市場故に、どちらか一本に絞り込むことなく必ず二刀流でメジャーへ移籍することなる。その移籍先はパドレスこそが最有力であると断言してきました。

「2017年、大谷翔平の移籍先としてパドレスが最有力な理由」

そして今やパドレスが本命であることはもはや疑いようもなくなってきました。例えば最終候補の7チームの中から3つ程度に候補が絞り込まれるとしても、まず間違いなくパドレスはその中に入ることになる。そこまでは断言できる。

しかし2012年ドジャースこそ大本命と言われた中で、日本ハムが大逆転したように大谷翔平との面談によって他のチームがパドレスをひっくり返す可能性はまだ十分に残されている。あくまでパドレスが本命ではあるが、出し抜いてくるチームが出てくる可能性があるかないかと言えば、0とまでは言い切れない。

ここまでのダイジェスト。

「大谷翔平は戦略的にチームを厳選すべきである 二刀流にフィットするチームの条件を戦略的に考える」

「保守的な常勝が義務づけられている大都会のビックマーケットで大谷はキャリアをスタートさせるのがベストなのか、それとも育成に力点を置きながらも、いずれはジャイアントキリングを模索している革新的な地方のスモールマーケットからキャリアをスタートさせるべきか、どちらを大谷二刀流は戦略的に選択すべきかは自明なものとなってくる。」

「大谷翔平の移籍先は、おそらくメジャーで唯一この9月に6人ローテを実践したチームになる!」

「来年ダイヤモンドバックスの施設を日本ハムが来春キャンプで使用することとどうして大谷がバックスへ移籍するという結論に結びつくのか、その因果を直結させる理由が私にはよくわからない。Dバックスの元ドジャーススカウトは2016年末時点でも尚、二刀流について懐疑的なスタンスを崩していなかった以上、大谷のバックス入りという話はにわかには信じがたいのです。」

「大谷翔平がヤンキースを選ばないと確信したその理由 記者会見を通じて」

「結論

大谷翔平は向こうのメディアで有力視されているヤンキースを選ぶこともなければ、パドレスを差し置いてダイヤモンドバックスを選ぶこともまずない。当ブログとしてはそう結論する。」

「プレゼンするにあたって大谷翔平を獲得するための最重要ポイントとは何か、かくしてヤンキースは選ばれない!」

「なにより二刀流に対するチームの姿勢、哲学、歴史観、その本気度こそが最終的に推し測られようとしている。新たな歴史を作るという一種の使命感のようなものに突き動かされている感覚がとても大事になるのではないだろうか。

そうした感覚を随所に言葉によって表現できるチームがこの争奪戦を制することになる。」

ふつうに考えれば二刀流をするにはDH制があるところを選ぶのが当然であると今のいままで考えていたのですが、だからこそ大谷翔平ならば敢えてナリーグで二刀流をチャレンジして結果を残そうと考えるのかもしれません。

たとえば大谷翔平の気質を知っていればこそ、こういうプレゼンはどうだろう。

「DHのないナリーグで二刀流でとても満足な結果が出せるわけがないとみんなは思っている。だからこそパドレスで二刀流の結果を出すことに価値がある。そのためにはわれわれはあらゆる努力を惜しまない」

結論

大本命はパドレスである。大谷翔平がパドレス入りすることは野球の神様によって宿命づけられている。

また外れるのだろうか。(汗)

なぜ野村克也は大谷二刀流がメジャーで失敗に終わって欲しいのか 30チームに拡張されたメジャーのレベルはほんとうに下がったのか

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12 /01 2017
大谷二刀流の成功によって日本のプロ野球の歴史を大きく変えたと言っても過言ではない栗山監督への世間の高い評価が認めがたく、強烈な嫉妬も相俟って、野村克也はどうしてもメジャーで大谷二刀流が失敗に終わってほしいことが先日のインタビューでも透けて見えてきました。もしこのまま大谷二刀流がメジャーでも成功すれば、栗山監督への評価は日米の野球とベースボールの歴史を変えた人物ということになり、栗山監督へ向けられる更なる高い評価を野村克也は率直に認めることができないということなのでしょう。

大谷翔平自身でさえ、プロに入れば投手か打者かどちらか一本に絞らなくてはならないと思い込んでいたことが日本ハムの入団記者会見等でも明らかになっています。そこへ魔術師・三原脩を心服する栗山監督が、「誰も歩いたことのない道を歩む」ことを大谷が目標としているならば<二刀流>を現代に蘇らせるというアイデアがあるとプレゼンし、100%日本球界入りはないと断言していた大谷獲得への奇跡の大逆転勝利を収めることになります。

そして現在、大谷二刀流はMLB全体を揺るがすほどのインパクトを持ち、大谷翔平のポスティングは2017年ストーブリーグ最大の関心事となっています。

知性を売り物にする野村克也について、本物の知性があるのか、野村克也こそ反知性主義者の典型的な人物であると当ブログでは記事にしてきました。その記事の支持数は100や200を超えてしまっているわけですが、今回は張本や野村克也が言う我々の頃は16チームしかなかっためにメジャーのレベルが高かったという意見について反駁を試みます。

さてところで張本や野村の全盛期に入る1962年には、MLBでもエクスパンションが行われており16チームから20チームへと既に増えていました。当時のアメリカの人口がざっくり2億人弱です。そして現在の人口は3億超に突入しています。

1960年には2億から選ばれし20チームに所属するメジャーリーガーだったのが、現在では3億から選ばれし30チームに所属するメジャーリーガーということになります。母数の大きさに鑑みた時、必ずしもチームの数が増えたからレベルが落ちたという理屈にはなりません。

更に1962年当時と決定的に違うのは、ドジャースが1980年代に入って中南米の選手発掘を皮切りに、1990年代に入ってからは韓国や日本にも進出し、選手のマーケットが一気に国際化した点を見落としてはなりません。

メジャーリーガーの出身国人数です。

1962年 20チーム

アメリカ 692人 その他13か国  68名 (ドミニカ 9名 プエルトリコ13名 ベネズエエラ2名 他) 

2017年 30チーム

アメリカ 1055人 その他24か国  439名(ドミニカ 170名 プエルトリコ30名 ベネズエエラ112名 他 日本11)

1962年に比べてヒスパニック系が爆発的にシェアを伸ばしていることがわかります。

典型的なヒスパニックの名前 (思い当たるはずです。複数います)

ペーニャ
ロドリゲス
ゴンザレス
ロペス
フェルナンデス
マルティネス
ラミレス
サントス
オルティース
クルーズ
カブレラ
ソリアーノ
ゲレーロ
モリーナ
イズトュリス

複数はいないもののバティースタ、カノ、プホルスなどももちろんヒスパニックですが、例えばイヴァン・ロドリゲス、Aロッド、Kロッド。ロドリゲスだけでも3人メジャーを代表する選手がいます。彼ら抜きに近代のメジャーは語れません。こうしたヒスパニック系の選手たちが張本や野村が絶賛するウィリーメイズの頃はほとんどいませんでした。カブレラにしても、3冠王のミギーのみならず数多くのカブレラがMLBに在籍していることは指摘するまでもありません。

20チームの方が30チームよりも少ないために、だからそれだけ昔の方がエリートクラスの選手が集まっていたためにレベルが高いと考えるのは余りに浅はかなのであり、実に恣意的なモノの見方をしていると言わざる得ない。むしろ客観的に母数との対比で眺めた時、20チームであった昔よりも、母数は格段に増えており、ベースボールの国際化が一層の拍車がかかっているために、競争の原理が強く働くようになり、30チームに増えてもむしろレベルは上がっていると結論できるのです。

母数が変わらず20チームから30チームへ増えているならば、野村や張本の説にも一理はあったのですが、現実に母数は増えていることを見落としてはならない。

守備シフトにフライボール革命に進化の歩みが象徴されるように、野球文化を歴史的に眺めても クイックや投手分業制 エンドラン 100球制限など あらゆるものが システマティックに磨き上げられているはずです。技術も洗練され 練習方法から肉体や食事の管理 トレーニング方法かなどあらゆるものが総合的に進化していきます。セイバーメトリクスひとつ取っても日進月歩です。選手の体の大きさも昔よりも統計的には大きくなっています。4シームのの平均球速もここ10年でもはっきりと上がっています。グローブの開発等によって 内野の守備率なども大幅に向上をしています。投手も昔の球種としてはなかったバックドアだフロントドアだカットだと実に多彩になっています。

野茂や松井といった10年以上メジャーリーグに在籍していた選手たちが口を揃えて、自分たちがプレーしていた頃よりも現在の方が10年前よりもレベルが上がってきているとも証言しています。16チームから30チームへ・・・だからメジャーがレベルダウンしているという張本や野村の見せ掛けの論法に惑わされてはなりません。

日米野球の勝敗を見てください。

1934年 MLB選抜 16勝0敗 全日本
1951年 全米選抜 13勝2敗2分 全日本
1960年 SF    11勝4敗1分 全日本、巨人
2014年 MLB    3勝4敗  全日本

1934年委来日した際にはルースは一塁に日傘を差しながら守ったとか、時には寝っ転がりながら守備につくというエピソードも日米野球には残っています。それでもルースの頃はほぼ完勝でメジャー選抜は戦いを終えています。それだけ日本とアメリカではレベルに差があったわけです。張本や野村の1960年頃はまだ歯が立たなかったものの、全敗ということはなくなり、ここ10年における勝敗はいい勝負をしており、事実、2014年にはMLB選抜に勝ち越しを決めています。レギュラーシーズンでは勝ち目はないもの、短期決戦ではひっくり返す可能性あるところまで日米のレベル差が埋まってきたことを意味しています。

WBCでも日本が2回連続も優勝したわけですが、それは単に運だけではない。WBCではアメリカ代表は本気ではなかったなど見苦しい言い訳をしつつも、一方でデービットソンの疑惑の誤審を重ねるという醜態まで晒しています。

なぜ四割打者は絶滅種と化したのか?

にも示したように、この世界に時間が流れる限り、あらゆるものはライフサイクルの中を流転するものです。物事には必ず誕生があり、黎明期があり、やがて成長期が訪れ、いずれは成熟期へ移行する。この成熟期へ入ると進化できるスペースが必然的に狭くなるために、仮に日米ともに進化の歩みをしていても、成熟期に入った途端に進化は必ず鈍化するために、後から追いかける日本の野球から見ればMLBのベースボ―ルのレベル差が野村や張本の頃よりも相対的に差が縮まっていると見なすことが可能です。すなわち、メジャーのレベルが下がっているのではなく、あらゆるものがライフサイクルにある以上、その宿命として日米間のレベル差が経年で小さくなっていることが日米野球の勝敗でも明らかになっているということなのです。

張本が言う昔の日本のプロ野球の方が今よりもレベルが高かったということなど絶対にあり得ないように、野村が言うように現代のメジャーのレベルが下がっているということも絶対にありないことです。ちなみに張本や野村のようなモノの見方をノスタルジアバイアスと言います。昔はよかった 素晴らしかったという思い込みであり、残念ながら知性の欠如が成せる業であるとしか言いようがありません。

ではどうしてこのようなバイアスに張本や野村は嵌ってしまうのでしょうか。

「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」

ユーリウス・カエサル

結論

野村克也が栗山監督への嫉妬故に、未だに二刀流が失敗に終わってほしいという潜在的な願望を通して、今ある状況も眺めているならば、万一大谷二刀流がメジャーで成功した場合、自らのプライドを守るために上手に辻褄を整合させようとすれば、メジャーのレベルが下がったと結論すれば、栗山監督を絶賛しなくて済むことになる。

野村克也はカエサルの言葉を十分に噛みしめるべきではないのか。

野村克也という人物は非常に頭もいいし勉強家であることは言うまでもありません。ただこの件に限らず、どうしても固定概念やバイアスを排除しきれないのは否めない。例えば、弱者の戦略に拘るのもいいのですが、発想を転換させて、弱者を強者にして勝つという発想に野村は至りません。こうした自らは弱者でなければならないとするのも一種の野村的な固定観念であり、そうしたものに囚われず弱者の戦略も駆使するが、強者の戦略も状況によっては駆使できる融通無碍な態度を示したのが三原脩でした。

なぜ当ブログにおいて野村克也よりも三原脩の方を高く評価するかというと、カエサルの言葉を三原脩は自覚していることが自伝などを読んでいるとはっきり伝わってくるからです。三原脩、栗山英樹というラインは野球界においては極めて珍しいリベラルアーツの系譜にあり、この三原-栗山ラインは野球界においても、かなり特殊であると言えます。

リベラルアーツの系譜とは何か。固定概念やバイアスを排除できるだけの幅広い教養を持ち、リベラルアーツをベースボールを捉える際の重要な源泉としている極めて数少ないタイプであるということです。すなわち絶滅危惧種でもある<真の知将>に類型される監督たちであると言えます。

もしブログが閉鎖する前に機会があれば「なぜ栗山監督には固定概念がないのか」というタイトルでも記事を書いてみたいと思います。

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大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。