プレゼンするにあたって大谷翔平を獲得するための最重要ポイントとは何か、かくしてヤンキースは選ばれない!

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11 /26 2017

大谷翔平の軸足である左足が浮いて右足一本打法で打っていたバッティング練習のシーンが流れた際、昔、書いたハーパーの記事のアクセス数が伸びたことがありました。

それがこの記事。

左の軸足が完全に浮くブライス・ハーパー  そのバッテング技術

大谷はハーパー好きでその打撃技術を研究しているから、同じ軸足の使い方をしているのだということが最近知りました。いきなりタイトルとは全く関係のない話でしたね。

さてこれまでドジャースについてはコメントを全くしてきませんでしたが、もとは守備シフトもマドンが始めたというよりも正しくはフリードマンこそが守備シフトを本格的に導入したGMであり、データを揃えてそのアイデアを出したのは他ならぬフリードマンです。もともとレイズ出身でもあり、革新的な発想の持ち主であることは間違いないでしょう。大谷二刀流についても限りなく柔軟な対応を見せるはずです。

ワールドシリーズ制覇にあと一勝まで迫り、現在地区5連覇中の強豪に対して、ふつうの選手ならば高校時代の経緯も踏まえれば、すんなり入団ということも考えられるもの、「誰も歩いたことのない道を歩む」を信条とする大谷翔平はふつうの価値観では推し測ることができないだけに、正直どうなるかはよくわかりません。

一方マリナーズのGMのコメントを見る限り、「最悪のシナリオとは、保守的になりすぎて球団の歴史を変えるようなチャンスが巡ってきても何もしないでいることだ。」とも言っているように本気度が言葉によってはっきりと表現されています。ドジャースは投手のパイオニアである野茂を獲得し、マリナーズは野手のパイオニアであるイチローを獲得して以降、この両チームは数多くの日本人メジャーリーガーを輩出してきました。

マリナーズに岩隈がおりドジャースにはマエケンがいる、だからこの両チームは大谷の選択肢から絶対に消えるというものでもありません。しかし先発の大谷にはまっさらなマウンドがよく似合うように、二刀流のパイオニアとして全く新しいことを始めるにあたって、日本人がいないチームで一からメジャーのスタートを切りたいという気分が大谷翔平にあったとしても、決してわからない話ではありません。

ヤンキースの首脳陣がボーナスプールの金額やブランド力によって自軍有利であると勘違いしていることは、よもやないでしょうが、もしそう考えているとしたらその時点でこの争奪戦の負けは確定したも同然でしょう。巨大な大谷翔平の才能についても、一粒で二度おいしい的なヤンキース首脳陣の発言を見る限り、極めてプラグマティックかつ表層的に二刀流の価値を捉えているような気がしてならない。

大谷翔平を獲得するにはもっと深い目が必要となるのではないだろうか。

日本ハム最下位の初年度に大谷二刀流は大バッシングを受けました。にもかかわらず、どうして諦めることなく大谷翔平はここまでたどり着くことができたのか。最下位当時、栗山監督を擁護する記事・コメントなど全体の15%もなかったはずであり、打てない近藤をなぜ使う、二刀流ふざけるなという論調で物事を観る目のない数多くの偽物たちが罵詈雑言を栗山監督に浴びせかけていました。

大谷二刀流が再びこのメジャーの世界でも試される時は必ず来る。

そうした試しにあったとしても、メジャーの歴史を切り拓く同志として、フロンティア精神をもってこの二刀流を是非ともに成功させたいという強い意志を言葉と熱意で示したところが、おそらくこの争奪戦を勝ち抜くことになる。もし二刀流が駄目なら、簡単に諦めてその時は投手一本に切り替えればいいという生半可な覚悟では、到底、パートナー足りえない。二刀流の育成プランや起用プランも大事ではあるが、何より初志貫徹、その覚悟の程を大谷翔平はチームを選ぶ際、ひとつのキーポイントとして考えているのではないのか。

メディアも含めて環境ということになるが、例えばニューヨークメディアのバッシングに晒された時、最下位でバッシングにあった栗山監督のように身を呈して、ヤンキースには二刀流を守り抜くような気概が果たしてあるだろうか。これまでの様々な動きを見てきた限りハルにもキャッシュマンにも、それだけのパイオニア精神もなければ哲学も持ち合わせていないように私の眼には映るがいかがだろう。

コストパーフォーマンスに異様にこだわるハル・スタインブレナーからすれば観客動員の点からも大谷は有用であり実に好都合ではあるだろうが、ボーナスプールの金額の多寡や見せかけの二刀流起用プランでもって大谷翔平のゲットすることはおそらくできない。栗山監督は大谷二刀流をやるにあたって、一年や二年で結果が出ないからと言って、すぐに放り出すわけにはいかないと不退転の気持ちでもって事に当たったことは間違いありません。

コストパフォーマンスや有用性というプラグマティックな自軍都合の物差しだけで、大谷二刀流を眺めているようでは、その時点でアウトであるということです。どのような厳しい現実にも怯むことなく立ち向かうだけの確固たる歴史観、栗山監督自身が大谷二刀流の深奥に夢を見ているような知性を内包したロマンティシズムを互いに共有することがどうしても必要となる。

結論

日本ハムのカルチャーに最も近しいチームこそが、大谷獲得レースのゴールまでの最短距離にいるはずであり、メジャーの中で最も日本ハムのカルチャーを熟知しているチームは必然有利となる。もし日本ハムの革新性をもテイクオーバーするチームがメジャーにあるならば、そのチームに決まることになるだろう。セイバーメトリクス的には選手の一般的なピークは28~29歳だと言われている。保有期間6年。大谷翔平、弱冠23歳。入団にあたっては甘い顔をして2年や3年でいざとなれば二刀流を放り出せばいいという皮算用はこの争奪戦においては絶対に通用しない。なぜならば本物のパイオニア精神を持ったチームを見抜くだけの心眼を大谷翔平という選手は持ち合わせている、そう当ブログは信じている。

大谷翔平が日本ハムに入った経緯について、よく思い出してもらいたい。二刀流という現実ではあり得ない餌で栗山監督は大谷翔平を釣り上げたとする下種そのもののコメントが散見されたが、栗山監督は二刀流についてその本気度は彼らの思惑を超えてガチだったということが、歴史をもって証明された。

条件も大事ではあり言わずもがなではあるが、なにより二刀流に対するチームの姿勢、哲学、歴史観、その本気度こそが最終的に推し測られようとしている。新たな歴史を作るという一種の使命感のようなものに突き動かされている感覚がとても大事になるのではないだろうか。

そうした感覚を随所に言葉によって表現できるチームがこの争奪戦を制することになる。キーワードは継続性。日本ハムからはじまった大谷二刀流をメジャーにおいてもリレーのようにバトンを継承する意志のあるチームを選ぶはずであり、入ってしまえばこっちのものと考えているチームを大谷翔平は選ぶことはない。

最有力視されているヤンキースはないだろうと思う。


大谷二刀流を実践できるポテンシャルを持ったメジャーリーガーにゴロゴロいる、というメジャー通の言説に惑わされるな

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11 /22 2017

例えばアーロン・ジャッジは強肩であり、最速97~8マイルのスピードは出せる。しかしアーロン・ジャッジは実際にマウンドにあがって後ろから勢いもつけずに、制球や時にはランナーを気にしながらいったい何マイルの4シームを投げられるというのか。

イチローというメジャーでもレジェンドレベルの強肩外野手がいる。実際にそのイチローがマウンドから投げた4シームは若いころの全盛期でもせいぜい93マイル程度である。イチローファンにも申訳ないが客観的に見れば、投手イチローはもちろんメジャーでは通用しない。

あるいは新庄剛という間違いなくイチロー以上の強肩であり、動画を見ても確実にアーロン・ジャッジよりも強烈なボールを外野から返球するアウトフィルダーがいた。その超強肩の新庄が阪神時代に投手をやってもせいぜい150km程度だったのである。動画を見ても一目瞭然、当時における外野手新庄の強肩は現在のMLBにおいても指折りの強肩として十分に通る。

マウンドから実際に投げてNPBを完封できるレベルのピッチングを展開しかつ160kmを軽く超えることと、外野からの送球で97・98マイルあるいは100マイルを投げられることは全く意味が違うことをまず我々は知るべきだろう。

また打者大谷のように東京ドームの天井に直撃できるだけのパワーを全盛期のイチローや新庄はもちろん持っていなかったが、筒香にも外野の天井に直撃できるだけのパワーはない。松井レベルでなければ外野のドーム天井直撃弾は無理である。

結論

マウンドから100マイルを連発し、かつドーム外野の天井直撃を放つだけの身体能力を持っている選手はメジャーでもゴロゴロいないことなど明らかである。例えばハーパーに外野天井直撃弾は十二分に可能であるがマウンドから100マイルを連発できるだけの投手としての才はガチであるだろうか。

並外れた柔軟性と筋力のバランスを兼ね備えた身体能力がなければ、大谷翔平の二刀流ようなパフォーマンスをたたき出すことは不可能である。桁外れの身体能力の持ち主。それが大谷翔平だということになる。

大谷翔平が二刀流でメジャーデビューすることは確実ではあるが、それを真っ向から否定してきたのは他ならぬメジャーの厳しさを知っていると言ってはばからないメジャー通を自認する人たちであったことは改めて強調しておきたい。


大谷翔平は戦略的にチームを厳選すべきである 二刀流にフィットするチームの条件を戦略的に考える

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11 /18 2017
メジャーの歴史においてセイバーメトリクスを戦略に組み込んで目覚ましい結果を出したチームと言えば、言うまでもなくマネーボールでも有名なオークランドです。スモールマーケットのチームを如何に強いチームにするのかとビーンが考え抜いた結果、それまでの常識を捨て去って、セイバーメトリクスを駆使することによって、一定の成果を出しメジャーの歴史に大きな足跡を残すことになります。

そのオークランドの成功を後ろから見てセイバーメトリクスの有効性をはっきりと確認したエプスタインは、その技術を用いて、ビックマーケットのチームが実践したらどうなるのか実験をやってみた結果、ルースの呪いを破ることに成功しました。強者の戦略としては、OAKの弱者の戦略を包摂してしまえば、後はマーケットの大きさによって一気にアドバンテージを得ることが可能になる。

マネーボールのオークランドに限らず守備シフトの革命を起こしたのはレイズのマドン監督であり、フライボール革命のフロントランナーであったのは、弱小時代のアストロズである。

オークランド、レイズ、アストロズ。いずれも共通するのはスモールマーケットであるという点にあります。およそ革新的な出来事というものは、成功を収めている強者、伝統を重んじる保守的なメインストリームからは生じないことを歴史的にも示唆しています。

「大谷の二刀流に反対していた人たちは誰か 改めて検証する」より抜粋

「幕末好きで日本のプロ野球の歴史に革命を起こしたいという栗山監督と大谷の意志が二刀流というアイデアによってがっしりとベクトルを一にした。すなわち二刀流によって時代に革命をもたらそうとした点において、栗山監督と大谷翔平は監督と選手という垣根を超えた同志であったのではないのか。」

なぜ大谷翔平が惹かれる明治維新は、薩長土肥から始まったか?

中央にいた幕府そのものがこれまでの既得権益に縛られて時代の変化を正しくを読み解くことができず、自ら変革することはできなかったからであり、既成概念に囚われない、中心から遠く離れた地方の雄藩から身軽な数多くの志士が誕生しはじめて革命は起きました。

これらを踏まえて考えていった時、保守的な常勝が義務づけられている大都会のビックマーケットで大谷はキャリアをスタートさせるのがベストなのか、それとも育成に力点を置きながらも、いずれはジャイアントキリングを模索している革新的な地方のスモールマーケットからキャリアをスタートさせるべきか、どちらを大谷二刀流は戦略的に選択すべきかは自明なものとなってくる。

平たく言えば、ヤンキースは二刀流の大谷が戦力になるかどうかという観点を重視して捉えているのに対して、大谷は本来の力を発揮するためにも育成に力点を置いてチームを見ている。ここに大きな認識の齟齬がある。

また投手と打者のプロスペクトがメジャーへ上がるまでの時間を統計的に眺めても、圧倒的に投手の方が早くメジャーへ昇格しやすいというデ―タもあるように、大谷二刀流を順調にテイクオフさせるには、ピッチャーズパークの方を選択するのが戦略的にも理にかなった選択であると言える。

なぜならば二刀流を出来る限り早くチームメイトにも認知させることを考えた時、まずはメジャーという異質な世界に適応がよりしやすいピッチングで実績を作る方が、セイバーメトリクス的には容易いと考えられるからです。この順番を間違ってはいけません。

ヒッターズパークであれば投手大谷とっては不利だが、同時に打者大谷にとっては好都合であるとして発想を変えればいいと物事を単純に相対化して眺めることをもって、戦略的とは言わない。物事には優先順位というものがある。パークファクターという観点から考えていった時、二刀流は投手大谷に重きを置くべきであり、それが戦略的であるということです。

短所となる可能性の高いものを引き上げるというよりも、まずは長所となる可能性のあるものを伸ばす方向性が大事になる。

なぜダイヤモンドバックスをおすすめできないのかというと、チェイスフィールドがクワーズフィールドにつぐメジャー屈指のヒッターズパークであるということ。更には二刀流はフロントも含めたチームの組織全体がベクトルを一にできないとなかなか成功しにくい中、果たして未だに二刀流を否定する頭の固い人物がいるバックスのようなチームで大谷二刀流は成功するのかという疑問は大いに残る。

ほんとうに義理人情だけで、二刀流を否定しているようなフロントが一部にいるチームへ大谷は行くのだろうか。それよりも大バッシングの四面楚歌の中にあっても、共に志をもって耐え抜いた栗山監督との絆の方が今の大谷にとっては数段、大事であることは推察するまでもありません。

戦略的には目的に向かって意識も含めてベクトルが一つに集約されていることが極めて大事になってくる。

結論

大谷二刀流にフィットするチームの条件。

●戦略性が高くローテ5人制などには決して縛られない革新的で柔軟性のある組織であること。
●大谷二刀流を育成し起用するだけの猶予をたっぷり与えてくれるチームであること。
●できればDH制がありホームが天然芝でかつピッチャーズパークであることが望まれる。

もしも大谷翔平が二刀流によって革命をメジャーで起こそうと思うならば、戦略的な観点からしてナリーグ限定で考えればダイヤモンドバックスよりも、パドレスを選択すべきなのではないか。言うまでもなく、ペトコパークはメジャー屈指のピッチャーズパークでもある。

大谷二刀流というプロジェクトは、大谷個人の手を離れて不可能であると思われている世の常識を根本からひっくり返す<革命>を野球の枠を超えてベースボールの世界においても起こそうと静かな野望を抱いている。

分業化こそが進化の歴史そのものであったメジャーの歴史において、大谷二刀流を成功させることのインパクトを正しく捉えることができるのかが争奪戦の勝負の分かれ目になる可能性もある。メジャーのGMはともすれば自らのチームの人気や力を戦略的に如何に強くするのかと考えがちではあるが、栗山監督や日本ハム、大谷翔平が見据えているものとは、一チームの勝利という範疇を超えてもっとその先の遥かなる地平線を睨んでいる。

一つだけ言えるのは最速165kmを投げられる投手でありながら、日本のプロ野球においてとは言え、5試合連続本塁打、OPS1.000を超える野球選手は世界でただ一人だけです。バムガーナーに165kmを投げることはできません。

まさしく世界の一人の逸材。しかしそうした天才も置くべき環境を見誤れば、成功する革命もとん挫する可能性は否定できない。大谷二刀流を成功させるにあたっては戦略的にチームを厳選すべきである。

お知らせ

もしブログを継続する際のお知らせは 本日作ったツィッターでお知らせします。記事はまだしばらくここでアップしていきます。


大谷翔平がヤンキースを選ばないと確信したその理由 記者会見を通じて

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11 /12 2017

日本ハムが大谷翔平のポスティングに際して、もしも一つだけ大谷に対して注文をつけたとするならば、それは「メジャーへ移籍する以上、二刀流でプレイすることが条件である」というものではなかったかのかと考えています。

さてこれまで大谷のメジャー移籍についてウォッチしてきた当ブログですが、昨日の大谷のメジャー移籍への記者会見を見て、改めてヤンキースという線はまずないだろうと結論するに至りました。

なぜなのかについて、これから説明を試みます。

大谷二刀流の一つの重要なポイントは、日本ハムという強固な船とそれを率いる栗山監督という優れた船長があってこそはじめてこれだけ成功したものであるという点にあります。巨人の太田は環境を日本ハムへ変えただけで飛躍し一気に才能を開花させたように、メジャーでも二刀流を成功させるにあたって環境の重要性を賢い大谷翔平は、はっきりと認識していることが十分によくわかる記者会見でありました。一年以上も前にメジャーにおいて二刀流の受入れ体制を整えているチームが現実に存在する以上、二刀流を受け入れてくれるチームがあるかどうかというフェーズはとっくに過ぎており、本当の意味で二刀流を受け入れてくれるカルチャーのあるチームを大谷翔平は選択する段階に入っていると言えます。

チームカラー。カルチャーとして日本ハムのように新規探索性に富み常にチャレンジングでありながら、若手が多く二刀流を許容できるだけの自由な雰囲気のあるチームを大谷は必ず選択することになる。例えば巨人のような保守的であり、試合のネット配信を拒否しているような旧態依然としたチームからは二刀流は生まる発想もなければ、素地そのものがありません。

いくら二刀流を認めるとは言ってもヤンキースと言えばメジャーの中でも最も保守的なカルチャーのチームです。考えてみてください。なぜ同じニューヨークの地域にあったブルックリン・ドジャースは先駆けて黒人選手のジャッキー・ロビンソンを受け入れたのに対して、ヤンキースは白人選手に最後の最後まで固執し黒人を拒否し1960年代後半から衰退期を迎えたのか。ニューヨークに留まることによって成功したヤンキースとニューヨークからロスへ移動したことによって成功したドジャース。保守と革新。いろいろな意味でカルチャーの異なるのがこの両チームです。

大谷翔平が、日本ハムや栗山監督とのケミストリーが非常に高かったのは旺盛なフロンティア精神によるものであり、三者に共通するのはリスクを取ることを恐れない点にあります。ちなみになぜ、ドラフトで日本ハムがダルビッシュや大谷翔平、清宮幸太郎という大物を引いているのか。それはどれだけ競争率が高く外れるリスクはあっても、毎年最も良いと判断した選手を選択し続けている成果であり、日本ハムは常にチャレンジする姿勢を一貫して保ってきたからこそです。当然と言えば当然ですが、そのリスクを取ることがなかなかできない。

一方ヤンキースのオーナーは行動経済学者のダニエル・カーネマンが発見した<損失回避の心理>に最も敏感に反応するハル・スタインブレナーです。リスクを取ってでもチャレンジするという気概に欠ける人物であり、ヤンキースが保守的なチームカラーであることは明白です。ニューヨークのメディアも早急に結果を求めすぎる余り、二刀流に時間的なスペースを与えようともしません。

結論すれば、昨日の記者会見を聞いた限り、二刀流にヤンキースというチームの持つ保守的なカラーはマッチしないことを賢い大谷翔平ならすぐに察知することになると考えられるのです。誰も歩んだことのない道を歩んでゆく。そういう観点からしても大谷は日本人の田中がいるチームを果たして選択するのかという懸念もあります。

大谷翔平を獲得するために、ダルビッシュをまず確保しろという全く本質から外れた論旨を展開するのが向こうのメディアです。むしろ逆であり、大谷翔平を獲得したいなら他の日本人を取るべきではないのです。あるいはボーナスプールの金額の多寡で有利不利を論じる単純でプラグマティックな記事もあります。いずれも向こうのメディアが大谷翔平の本質的な部分についてほとんど理解していないことの証左です。

大谷の選択条件を完全にはき違えている。一年前の主張をもう一度繰り返します。

「マスコミで報道されているように、大谷翔平が最も重要視しているものとは、チームに日本人選手がいるとか、まして金でもなければ義理人情でもない、打者としても投手としても、その技術を超一流のものとして究め、己の可能性を大きく切り拓きたいという<ひたむきな志>そのものである。」

ダイヤモンドバックスの元ドジャーススカウトに代表されるようなメジャー関係者の多くが二刀流について否定的な意見を持っていた一年前から、パドレスはクリスチャン・ベタンコートを用いて二刀流の予行演習の準備を行っていたように、ドジャースカルチャーを引き継ぐパドレスが、日本ハム同様に、新たなものを受け入れる精神的な土壌があることだけは間違いありません。

パドレスのプレラーGMは、2012年元レンジャーズのスカウト統括部長でした。2012年に大谷翔平獲得に動いたチームは3チームあり、ドジャース・レッドソックス・そしてレンジャーズです。元レンジャーズのプレラーが大谷翔平に目をつけていたのは2012年の頃からということになり、言わば筋金入りなのです。

なぜ当ブログが大谷翔平が二刀流でメジャーデビューすると断言し続けてきたかと言えば、バッファーとしてパドレスが控えていることがすでに事実として明らかになっているからです。大谷翔平の二刀流は日本ハムが背後に控える巨大プロジェクトでもあり、プロジェクトを完遂すべく用意周到にパドレスを準備しつつも同時にパドレスよりも優れたオファーのできるチームがもしあれば、柔軟にそれをも受け入れるのが日本ハムというチームの持つカラーです。

もちろん選択するのは大谷翔平ですが、日本ハムはそれとは関係なく日本ハムとして大谷二刀流をメジャーへ輸出するというプロジェクトを戦略的に遂行させているということです。

またパドレスには、メジャーの世界において多数が否定していた頃から二刀流を受け入れるだけのカルチャーを持っていただけでなく、二刀流が試行錯誤できるだけの時間的なスペースも、ロースターのスペースも十分に残っています。パドレスは今は弱小かもしれませんが、カーショウの力が衰え始める4年後あたりに再び頭角を現して、勝負を必ずかけてくることが予想されます。日本ハムに入った大谷一年目の成績はリーグ6位だったところから、日本一に駆け上がるまで大谷翔平はすでに経験済みです。今のパドレスの順位などに囚われる必要もありません。

自由な空気があり北海道というスペースの大きな空間に身を置いてきた大谷にとって、保守的で窮屈な大都会のニューヨークという土地柄が合うのかどうか。パドレス以上の条件を引き出すチームと言えば、例えばDH制があり、かつ二刀流のプロスペクトを実際に育てようとしているレイズなどが挙げられるのかもしれません。

おそらくレンジャーズは右投手地獄なホームが最大のネックとなる。投手大谷はヒッターズパークを敬遠することになるのではないか。パドレスがもしもアリーグだったならば、大谷翔平の移籍先は一択であったと断言できたのですが、そうではないだけに今後の展開は未だまだ不透明であることも確かです。

結論

大谷翔平は向こうのメディアで有力視されているヤンキースを選ぶこともなければ、パドレスを差し置いてダイヤモンドバックスを選ぶこともまずない。当ブログとしてはそう結論する。

これは当ブログ最後の勝負記事です。ヤンキースはないと言い切って、ヤンキースであったなら、ほんとうに赤っ恥ですな。(苦笑)

赤っ恥をかくリスクは取る。

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大谷二刀流のルーツを知っているか?

この記事にリンクしているシリーズを最初から読んでもらうと、日本のプロ野球の歴史の中で、日本ハムと栗山監督と大谷翔平が二刀流というキーワードによって深くつながり関わっていることがよくわかるものとなっています。

ただし最後の記事から読んでもほとんど意味はありません。

グリエルにみせたダルビッシュの寛容さの中には、思索しうる者だけ持つたしかな知性がある

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11 /02 2017

私自身、世間における多数の意見は反対の立場を取ることが極めて多く、最下位のジラルディを擁護するかと思えば、二刀流・大谷がバッシングにさらされた時も栗山監督を擁護しました。

殿堂入り 私ならバリー・ボンズへ投票する ジャーナリズムの精神とは何か

にもあるようにボンズも擁護すれば、永久追放の大合唱に晒された巨人の福田も擁護し、賭博はしても八百長はしていないピート・ローズに対しても擁護する姿勢を当ブログは保っています。そして、覚せい剤で捕まった清原和博に対しても、その罪を擁護することは断じてないものの、ダルビッシュや楽天の三木谷社長と全く同じ意見であり、清原にはセカンドチャンスを与えるべきというこれまた少数派の立場を選び取ってきました。

一方で

アトリーのタックルでテハダが骨折 それがベースボールだ!

メジャー通と言われる人が、それもカルチャーであると危険なアトリーのスライディングを擁護していた際には、間髪入れずに、必ず近い将来、ルールが改定されることになると予言し、そこでは寛容さを示すことはありませんでした。

三木谷オーナーは、例えば福田に始まる賭博問題について、賭博そのものはもちろんいけないことと批判しつつも「人間は完璧ではないし間違いも起こす」「俺は賭博した選手でも雇うよ」とあります。おそらく三木谷オーナーとダルビッシュのスタンスはかなり近いものがあることが推定されます。しかし清原の覚せい剤の時も、清原を擁護した三木谷オーナーやダルビッシュさえもひっくるめてバッシングに晒される有様でした。

有名人である清原が転落していく姿をバッシングすることによって、日頃の欲求不満を解消するかのようなヤフコメに見る世の多くの意見に対して、どうしても私が一線を画したい思ってしまうのは、その言葉に一種の知性の欠如を感じてしまうからです。

グリエル的なる差別意識は、ダルビッシュの中にももちろん、私自身の中にもあり、自分はグリエルとは違うと言わんばかりにグリエルを叩きまくっている人の中にも気づいていないだけで確実に内在するものです。グリエル的なる差別意識が人類の中に普遍的なものとして内在していることを少なくとも、ダルビッシュの知性はキャッチしています。

だからこそ、グリエルはそれなりの処分は受けるべきという立場はダルビッシュは堅持しつつも、自らが100%正義になってグリエルを徹底して糾弾することがダルビッシュはできないでいるのです。賭博も、覚せい剤も、差別も、その罪そのものは裁かれるものです。しかし人間そのものまで社会的に抹殺し、完全に否定すべきなのでしょうか。そうあってはならないと考えるのがおそらくダルビッシュであり、当ブログもその立場に同意するものです。

「完璧な人間はいない。彼もそうだし、僕もそう。彼が今日したことは正しいことではなかった。でも我々は、彼を責めるよりも、学ぶ努力をしたい。もしこの経験から学べるなら、それは人類にとって大きな一歩だ。私たちはこの素晴らしい世界に生きているのだから、怒りにフォーカスするよりも、前向きにとらえ、前に進んでいこう。みんなの大きな愛を頼りにしている」
ダルビッシュ有

ハンナ・アーレントという偉大な哲学者がいます。彼女もまたドイツ・ナチスの罪を見つめ、深く思索し続けてきた人物でした。

ハンナ・アーレントは「誰もが悪を犯し得る」と言います。アーレント自体、ユダヤ人であり差別される側の立場にあったにもかかわらず、アイヒマンというドイツ・ナチスのユダヤ人を収容所へ送り続けた役人に対してある種の寛容さを示すに至るのです。社会はアーレントにアイヒマンに対して激しく糾弾する姿勢を期待していたために、そのアーレントもまた当時の社会から強烈なバッシングを受けることになります。

その一連の流れを映像化した先日見た映画「ハンナ・アーレント」。そこに示めされた透徹した哲学者の知性に、私自身の魂は激しく揺さぶられました。間もなく終了する当ブログが読者のターゲットとしてきたのは、例えば映画「ハンナ・アーレント」に思わず反応してしまう人たちです。少数派ではあっても確実にこの記事を読んでいる人の中にもいます。

結論

ダルビッシュにみる寛容さの中には、思索し得る者だけ持ち得るたしかな知性がある。

さて、当ブログでは戦いの原理を探求してきた中で、カブスやボストン、インディアンズなど強いチームは他にもたくさんありますが、度々取り上げてきたのがアストロズであり、ドジャースであったことはこれまで当ブログを読んできた方には了解いただけることと思います。

特にドジャースについては一貫して、正しい戦略を取っていると主張し続けてきました。

いよいよ本日 その結論が出ます。

戦略なき者は敗れる!ワールドシリーズ、すべてを勝ちにいかないという戦略

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11 /01 2017
前回の記事の補足

===

例えば、立憲民主党の躍進があったその背景には、共産党との共闘がありました。60以上もの選挙区で共産党が立候補を取りやめたからこその立憲の躍進。もし立憲も共産も、全力で全選挙区で勝ちにいけば、共倒れになったことは明らかです。弱者である立憲や共産が選挙で議席を確保するためには、当然そこには戦略が求められます。

スポーツでもインパクトの瞬間に至るまで、如何に力を抜いて、ここぞというポイントで一気に力を爆発させるが大事であるように、戦略も同様であり、勝負所を見極めて一気に戦力を投下することが大事となる。これは戦略にとってのイロハです。

もしX Factor が前田であるとした時、カーショウから5回へ交代させたこと自体、実は判断自体は間違っていないと当ブログでは考えています。なぜならばカーショウのスタッツを見ても明らかなようにもはや限界でした。絶対エースだからと言って引っ張るシーンではなかった。交代時期としては間違っていない。もちろん、絶対エースを信じるという判断が完全に間違っているかというと必ずしもそうでもない。結果は神のみぞが知るところです。

ではロバーツの判断の戦略的に何が間違っているかというと、 X Factor はここぞという勝負所で投入してこそのものならともかく、ビハインドの状態で既に酷使させていた中で使ったことが戦略上大きなミスであるということなのです。

これはロバーツの戦略ミスです。

すべての競馬に勝とうとして負け続けた田忌と、負けを許容しつつも、勝負所を見誤ることなくエースを投入して、最終的な勝利を得た孫子の戦略。同じ戦力であっても、敵との力が拮抗している時、戦略なき者は敗れることを田忌の逸話は伝えています。

このワールドシリーズ、もしドジャースが負けた場合、戦力自体は若干上であった以上、責任はロバーツにあると結論されると言ってもいいでしょう。しかし戦略としてはミスをしても、選手の力があればそのミスもカバーすることも可能です。

第6戦がいよいよ始まります。

大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。