ワールドシリーズを勝ち抜くための戦略!もはや意味不明のロバーツ監督の継投

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10 /31 2017

すべての元凶は、第2戦7回のストリップリングにあったと私自身は考えている。

シーズン中でさえ、僅差勝ちパターンでストリップリングの継投は基本はなかった。そのストリップリングが投入された場面、対戦バッターは左投手を苦手としておりジャンセンからも値千金の本塁打を放ったゴンザレスであり、次の打者はレディックであった。左のシングラーニ投入で十分であったと考えている。

このストリップリングの意味不明の継投がモローの前倒しを招き、結果2イニングを跨いだジャンセンが同点弾を打たれて敗戦。

何が意味不明かというと、その2点差で勝って投入した投手を今度は第5戦の3点差で負けている9回に登板させている点にある。投手の役割を明確化できていないということである。行き当たりばったり感は否めない。前田も同点や勝っているシーンだけでなく、第3戦の序盤負けているシーンで酷使している。つまりロバーツはすべての試合に対して全力で勝利をもぎ取ろうとするあまり、結果もっとも重要なワールドシリーズの後半戦において、前田モロージャンセンとすっかりブルペンが疲れ切り勝てる試合を指揮官の戦略ミスによって落としているのである。

NYYグリーン交代のように判断として正しいが、結果打たれて負けるということもある。

しかしドジャースの場合は継投における明らかな監督の戦略ミスが響いている。どのような状況であっても均等に力をフルに出力するのは間違っているのであり、負けるべきところは負ける余裕も必要となることがある。

今回のケースは競馬で言う<鞭を入れるタイミング>を完全に早まってゴール前でスパートできないと例えればわかりやすいのかもしれない。ジラルディには攻撃における<動く力>スモールにやや難点があったとすれば、ロバーツには継投において<動かざる力>に決定的に欠ける。

ロバーツには孫子のこの戦略についての話を改めてじっくり噛みしめるべきである。田忌の話を知っている人は最後の結論へ。

http://japanese.cri.cn/chinaabc/chapter16/chapter160504.html

リンク先

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田忌、馬を競う

 競馬は当時の斉の貴族の間で最も人気のある娯楽である。国王から大臣までがよく競馬を楽しみ、大金をはたいて賭け事をする。田忌もよく国王や他の大臣とこれに加わったが、これまで負けてばかりいた。この日も彼は負けたので家に帰ってからも不機嫌な顔をしていた。これを見た孫臏は「次回は私もお供しましょう、もしかしたら何かお役にたてるかもしれませんぞ」と田忌を慰めた。

 そして次に競馬が行われたとき、孫臏は田忌について馬場に向かい、文武諸官たちと多くの庶民も見物にきていた。競馬のルールとは馬の速さに基づき、上、中、下の三つの等級分け、ことなる等級の馬はそれぞれ異なった飾りをつけ、また賭けに参加した者の馬は、自分の考に基づき、それぞれ競走に出る馬の順を決め、三試合のうち二勝すれば勝ちとなるというものだった。

 孫臏はこのルールを知った後、しばらく様子をみてから、田忌がこれまで負たのは、決して彼の馬が他人の馬よりより大きく劣っているわけではなく、ただ戦略をうまく活用しないからだと悟った。そこで孫臏は「大将軍殿、ご安心ください、私は勝つ方法を見つけました」と田忌にその策を教えた。これを聞いて喜んだ田忌、すぐに王と千金を賭けると申し出た。負け知らずの馬をもつ国王も、気軽にこの田忌の挑戦に応じたのである。

 さて、試合がはじまる直前になって田忌は孫臏の指示に従い、上等級の馬の鞍を取り外して下等級の馬につけて上等級の馬に見せかけ王の上等級の馬と対戦させることにした。こうして対戦が始り、王の馬は矢のように前を走り、田忌の馬はかなりの距離をつけられてあとに続いた。これを見た王は有頂点になって大笑い。だが第二試合、田忌は孫臏の指示に従って、自分の上等の馬を王の中等級の馬と競わせたので、田忌の馬が王の馬を抜いて前を走り、大喝采の下に第二試合をものにした。そして大事な第三試合であるが、田忌の中等級の馬と王の下等急の馬との対戦になり、田忌の馬がまたも王の馬を負かせ、結果は二対一で、田忌は王に勝ったのである。

 これまで負けたことのなかった王は驚きのばかりあいた口がふさがらない。そこで仕方なく、田忌に、どこであんないい馬を手に入れたのかと聞くと、田忌は自分が勝ったのはいい馬を手に入れたのではなく、戦略の活用にあると答え、孫臏に教わった策を教えると、王は大いに悟り、すぐに孫臏を王宮に招いた。そこで孫臏は、双方の条件が対等のときは、策を用いて相手に勝つことができ、そして双方の条件の差は大きくても、策を用いれば損失を最小限に抑えることができると王に告げた。やがて、王は孫臏を軍師に任命し、全国の軍隊の指揮権を与えた。その後、孫臏は田忌に協力して、斉の軍隊の作戦方法を変えたので斉の軍隊はその後、他国の軍隊との戦い、数え知れぬ勝利を収めたのだった。

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例えばこの孫子の策はALCSにおいて残り2戦でヤンキースが一勝すればいいという場面、第六戦バーランダーをスルーして、エース・セルベリーノを万全の状態で第七戦に当てるという応用も可能となる。一戦も落とせないアストロズは絶対に第六戦にバーランダーを使わざる得ない。

話を元に戻すならば、短期決戦の継投では基本前倒しがセオリーではある。しかし過ぎたるは及ばざるが如し。ロバーツは目先の勝利にこだわる余り、継投を前倒し過ぎるという悪しき傾向があることをまず自覚するところから始めなければならない。目先の勝利はもちろん大事ではあるが同時に、3敗までは負けが許されるという余裕も持ちつつ、7戦全体を大局的に俯瞰する力が指揮官には必要となる。

ペナントでは先発を80球前後で投球数の管理をすることによって、スターターはフレッシュな状態を保つことに成功したとする記事もあるが、裏を返せばそのしわ寄せは確実にブルペンに押し寄せており、そのつけが最も大事なワールドシリーズの後半戦に現われている。

結論

無理にすべての試合を勝ちに行こうとすれば、逆説的に勝てる試合まで落とすという事態に陥っているのが現在のドジャースである。指揮官には短期決戦を勝ち抜くための孫子の如き正しい戦略が必要である。

戦略的であるとは、必ずしも絶対に負けないことを意味してはいない。ワールドシリーズは3敗までは許される戦いであることを念頭に置いて戦略を組み立てるべきである。局所では負けても大局において勝つ。そうしたより戦いの全体を俯瞰する力がリーダーには求められている。




これまでヤンキースの戦略についてもハル・スタインブレナーの方針は一部の正しさは兼ね備えているものの根本的に間違っていると主張してきました。今でも全く変わりないのですが、ALCSに進出したから正しい方向と単純に考えているようでは、残念ながらその人物は戦略についての知識はあまり持ち合わせていないと考えざる得ないのです。この意味が果たして分かるでしょうか。

いずれこのブログを終える前に改めて話をします。またブログ続行すべきかはいずれ、別の機会でアンケートを取ります。リクエストがなければそれで終了とします。

2番ジャッジが躍動 ジラルディの真骨頂「動かざる力」

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10 /18 2017
ALCS第4戦をジャッジの大活躍もあって見事な大逆転で2勝2敗のタイに持ち込みました。34打数21三振のジャッジを2番から下位へ下げるという選択肢もあったはずです。しかしジラルディは将来も見越してどれだけ三振を重ねても2番ジャッジは梃でも動かさなかった。それで負けても甘んじて批判を受け入れて自らの責任として負う覚悟ではあったのだと思う。

何か派手に動いてそれが成功すると、変化が目に見えるだけに多くのファンはそのファインプレーにマジックと称して拍手喝采を贈る。しかし風林火山という言葉を待つまでも、<動くこと>と<動かざること>は全くの等価である。

カストロが調子が悪ければ下げるという判断もジラルディはしています。では三振率60%を超えるジャッジ2番を動かさず、それが結果として出た今日のこのジラルディの静かなる決断をファインプレーとして認識するだけの<深い目>を持つ人はいったいどれだけいたでしょうか。

ジラルディの良さを評価するには、<深い目>が必要であるというのはこのような例を示しています。そのファインプレーは派手じゃないためになかなかわからない。チャド・グリーンの使い方にしてもメンタルをケアしつつ、先回の失敗で潰れないような細心の注意が払われていることがよくわかるはずです。ここがわからなければジラルディをフェアーに評価することはまず不可能です。

例えばNLCS第2戦、9回同点でラッキーを出してサヨナラになったマドンの継投ですが、そのミスも名将だから仕方なしとして一般にはスルーされています。果たしてあの場面でラッキーは正しかったのでしょうか。では同じことをジラルディがしたらどうなるでしょうか。言うまでもなく、全く同じ判断をしてミスをしても大バッシングとなるはずです。

それがバイアスというものの正体です。ほんとうの意味で物事をフェアーに見るにはそれなりの訓練が必要となるのです。

当ブログは戦いの原理を探求してはいます。ジラルディを擁護するブログではありません。私自身ジラルディのファンでもない。ジラルディ批判の中に戦いの原理に照らして奥深いところにキラリと光るような言葉があるならば、擁護するよりもその言葉を選び取るつもりはあります。

ただどう探しても核心をついた言葉が見当たらない。

結論

2番ジャッジは固定するというこの決断にこそ、ジラルディの真骨頂でもある「動かざる力」がある。派手さもなく、全く目立たない。しかし動かないという決断にもまた力を擁するものであり、誰にでも容易にできるものではない。


ジラルディの攻撃作戦について フレイジャーに送りバントをさせるべきだったのか

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10 /17 2017

レギュラーシーズンを任せるには、新思考派のジラルディは有能でありもっていこいの監督であるとも過去、何度か書きました。

なぜ、わざわざジラルディはレギュラーシーズン(ペナントという言葉を使ったはずです)を任せるにはもってこいの監督と書いたかと言えば、裏を返せばジラルディにはスモールなセンスに欠けるため、短期決戦での作戦に関してはやや苦手であると考えていたからでもあります。

TEXのワシントン監督などは奇襲に関しては独特のひらめきの持ち主であったと思います。選手で言えば、度々、私を驚かせてくれたココ・クリスプのような創造性溢れる奇襲を仕掛ける発想がジラルディの中にはおそらくありません。

ジラルディは良くも悪くも、理知的に論理でベースボールを捉える傾向の強い人物であるために、逆に言えば直感によるひらめきのようなものにやや弱いところがある。セイバーメトリクスを理解するにはある程度の論理性を備えていなければならないように、スモールの<奇襲>については瞬間芸でもあり、論理というよりもむしろ直感や感性が大きくものをいいます。

結果が出なければすぐ批判されるジラルディですが、送りバントについては、フレイジャーのようなホームランバッターにまで要求するのは、はっきり言ってその批判している方が間違っています。例えばフレイジャーに送りバントをさせて慣れていないために、強いピッチャーゴロになり、結果ゲッツーとなりチャンスをつぶしたとします。するとフレイジャーに送りバントをさせるべきと批判していた人たちこそが、なぜフレイジャーのような打者に送りバントをさせたのだと必ずジラルディを批判することになるのです。これこそが当の本人たちは全く無自覚な結果論というバイアスというものの正体です。私が見てきた限りバイアスについてケアしている人は少数派であることは間違いありません。

しかしランナーがヒックスでバッター・エルズベリーであっても無策でゲッツーというのは、短期決戦ではさすがに愚かであると評されても仕方ありません。

ではどうするべきのか。

新思考派のジラルディにそうした特に短期決戦での攻撃作戦を苦手としているならば、ヘッドコーチにオールドスクール型の参謀を入れてその人にある程度、スモールについては任せるという方法があります。

セイバーメトリクスにも通じて、同時にスモールなセンスにも恵まれている監督というのはなかなかいません。

結論

その人の長所は短所に根差していることが往々にしてあり、表裏一体である。ジラルディの例に限らず自分の不得意分野をフォローしてくれる逆のタイプの参謀を入れて、その異なる意見を取り入れて、より広い見地から戦況を眺め、正しい判断を下すスタイルを構築すべきである。新思考派の監督にはオールドスクールの参謀を。オールドスクールの監督には新思考派のヘッドコーチを。

こうした工夫をすることによって弱点は補強されることになる。


継投については言うほど悪くはありません。批判の多くは結果論に過ぎない。ひとつだけ言えるのは、ほぼ2017年のヤンキースは開幕時ノーチャンスと言われていた中で、ALCSまで進出させた監督が能力に欠けるということはありないということです。

ほぼノーチャンスと言われていたこととALCSまで進出したことは事実です、

どのように物事を見るのも自由ですが、勝てばすべて選手の力であり、負ければすべて監督の能力へ還元させる、こうしたバイアスのかかった偏った考え方をしている限り、<マージナル>を跨ぎ、物事の本質を大局的かつ深い洞察力をもって捉えることはまず不可能だと言えます。洞察力を深めていく過程においては、マージナルを跨いでいるバランス感覚がどうしても必要となってくるのです。かつてヤクルトを優勝させたのは監督の力が99%であると言った人物が、自分の気に入らない監督が優勝した途端、そのチームが優勝できたのは監督の力ではないとするこうした恣意的なものの見方をしていてはアウトであるということです。

関連記事

この二つを読んでもらえたら、短期決戦でのジラルディの攻撃に対する采配を当ブログでどう考えていたのか、ある程度見えてくるはずです。

なぜOAKはプレーオフで勝てないのか?

敢えて最下位ヤンキースのジラルディ監督を擁護する

フライボールはガチでもう古い!これからのメジャーのトレンドとなるアストロズの攻撃戦略を紐解く

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10 /16 2017
タイトルの「フライボールはもう古い」が決して誇張ではないことが、最後まで読んでもらえたらきっと理解してもらえるものと考えています

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初戦 ヤンキースは14Kであるのに対して、アストロズは5K、第二戦もヤンキースは13Kであるのに対して、アストロズは4Kでした。なかなか三振を喫しないアストロズの攻撃陣、次々と三振を奪うアストロズの投手陣。いずれも2017年のアストロズのチームの特徴が良く出た試合であったと言えます。

30チーム中、投手奪三振率K/9・9.91はメジャ―全体で2位。チーム平均で毎試合10個を奪う驚異の奪三振力。30位のレンジャーズはK/9・6.95と比べるとその奪三振力の凄さがよくわかるはずです。一方攻撃の三振率K%においても17.3はメジャー全体で1位の低さであり、本塁打数は238本でメジャー全体2位。241本のヤンキースに肉薄しています。

ヤンキーススタジアムのHRの出やすさは1.279とメジャー最高。ミニッツメイドはメジャー最高のピッチャーズパークでありかつHRの出やすさも1.009とメジャー平均の出やすさとなっているため、パークファクターも考慮した時、アストロズはメジャーで最も本塁打を放つチームであるということも十分可能です。(ミニッツはさすがメジャー最高のピッチャーズパークであるためか2戦ともスコアが2-1で決着しました。小宮山のヒッターズパークという言にはくれぐれも騙されないように)

例えば三振することも全く厭わないギャティスという右の長距離バッターがアストロズにいます。そのK率変化です。

2013 21.2%
2014 24.2%
2015 19.7%
2016 25.5%
2017 15.5%

2017年になってK率が15.5%へと激減していることが認められます。

アストロズのチームK率の推移

2013 25.5% 30位
2014 23.8% 29位
2015 22.9% 29位
2016 23.4% 26位
2017 17.3%  1位

チームの方針が2017年になってはっきり方向転換していることがわかります。メジャー攻撃力1位アストロズにいったい何が起きているのか。

では、次にフライボール革命を行っていた2015年のアストロズ打球方向。

PULL% 3位
CENT% 29位
OPPO% 28位

フライを引っ張ってスタンドへ叩き込めというメッセージがそこから読み取ることが可能です。

ところが2017年の打球方向

PULL% 11位
CENT% 15位
OPPO% 20位

センターを中心にした無理のない打撃であることも見て取れます。

投手にとっては奪三振こそが最もリスクの少ない最強の防御となるように、裏を返せば攻撃イベントにおいてはそもそもバッドにボールに当ててインフィールドに転がすことができなければ、ノーチャンスとなる。打者にとって三振を奪われないことは攻撃力の大前提でもありその基礎条件でもある。フライボールもそもそもボールにコンタクトができなくては何も始まらない。それは大型扇風機と化したジャッジを見ても明らかです。

イチローが外角低めへチェンジアップを投げられたとします。果たして無理やりフライを打ち上げホームランを狙うことがイチローの攻撃力を最大化することになるでしょうか。おそらくは左方向へ緩いゴロを放ち内野安打を量産することこそがイチローの攻撃力を最大化するはずです。あるいはラインドライブでレフト線を狙うのもありかもしれません。内角低めのファーストボールであれば、ライナーでのライト線を狙う、あるいはゴロで12塁間を抜くでもいいですが、コースが甘ければフライボールでスタンドを狙うのがOPSから見れば現実可能な最強の攻撃イベントとなる。

フライボールレボリューションを地で行くOAKの2017年FBはメジャー全体1位、唯一の41.1%と40超えで、本塁打数も234本と成果も出してはいます。しかしFB率が高ければBABIPも低くなり、シングルヒットIBはメジャー最小の790本となっており、フライボール革命が諸刃の剣であることがよくわかります。結果、オークランドの打率は24位となっています。ところがアストロズは三振が最も低くFB率がそこまで高くなく、フィールド90度を満遍なく使っているためにIBシングルヒットもメジャー全体4位であり、2Bもメジャー全体1位を記録し、あらゆるヒットを量産しているのです。アストロズの打率はメジャー全体1位なのですが、2017年のアスレティックスこそ、ちょうど2年前にフライボールレボリューションの最先端にいた2015年のアストロズの姿そのものでもあったということになります。

真の攻撃力とは果たして何なのか。

真の攻撃力がホームランの数だけを争っているならば、アスレティックスが実践している古き<フライボールレボリューション>で十分です。

ラインドライブ  AVG 628 SLG 955 OPS 1583 BABIP 615 HR 595
フライ      AVG 211 SLG 676 OPS 887 BABIP  90 HR 2748
ゴロ       AVG 245 SLG 267 OPS 513 BABIP 245 HR 0

ゴロのBABIPは245に対して、わずかフライのBABIPは90に過ぎないのも事実であり、投球の質によってはイチローのようにゴロを狙うことがセイバーメトリクス的にも攻撃においては最善の選択である可能性がある。状況に応じてある時はフライボールヒッターであったジェイソン・ジアンビーになり、ある時はグラウンドボールヒッターであったイチローにもなる。こうしたより戦略的な柔軟性を帯びた打撃スタイルをアストロズは選択していることが想定されるのです。

■2015年のアストロズの攻撃戦略を簡略化して書くならば典型的なフライボール攻撃

<三振もかまわない>とにかく<フライボール><引っ張り専門>で<ホームラン長打狙え>というものです。

分析記事

アストロズの強さの秘密 その戦略をセイバーメトリクス分析する 攻撃編

■2017年のアストロズの攻撃戦略を簡略化して書くと

<攻撃というイベントはボールにコンタクトし、インフィールドへ飛ばすところから始まる>
<ラインドライブ、フライボール、ゴロボール>のそれぞれの打球の特徴、良さを生かし
<引っ張り、センター返し、流し>とフィールド全体を使い
<内野安打からホームラン>まで

投じられるボールの質に応じて、あらゆる攻撃イベントをフル活用しようとするマルチ攻撃戦略。

つまり2015年のアストロズがアダム・ダンをモデルとするものであるならば、2017年のアストロズの理想モデルこそ、他ならぬホセ・アルトゥーベということになる。

アルトゥーベは三振もほとんどすることなく、引っ張っては3打席連続で豪快なホームランを放ったかと思えば、センター返しゴロ内野安打から盗塁、決勝ホームインするという八面六臂の活躍。2017年のアストロズの攻撃戦略において、フライボールレボリューションもオプションのひとつとして消化されているということになるのです。

ちなみにアストロズのコンタクト率81.2%はメジャー全体1位で唯一80超えとなっている。

すなわち「どれだけ三振したとしても一発で仕留めればいい」という日本のファンが口癖にするステレオタイプなメジャーの打撃文化を2015年版のアストロズは地で行ったとするならば、2017年版はそれを打ち壊し新たな創造性あふれる攻撃戦略をアストロズ率いるルーノウは打ち出しているということです。

セルベリーノの奪三振力は非常に高いものがありますが、ALCSにおいて対アストロズは4回で降板するまで、奪三振をいくつ奪っていたでしょうか。アストロズの戦略の重要なキーを握るスタッツがKであることを知る者としては当然チェックしながら見ていたのですが、見事にゼロでした。すべてアストロズの打球はインフィールドへ飛んでいました。それに対して、ヤンキースの攻撃はバットがくるくると空を切ることが多かったということになります。

つまりたしかに得点は2-1と僅差なのですが、得点可能性という意味では両者には遥かに大きな攻撃力の差が潜在していることを意味しています。セルベリーノのその試合のBABIPは0.083でした。BABIPがセルベリーノの平均レベルに戻るだけでアストロズは、一気に試合のけりをつける攻撃力を内在させていたということになります。

2014年当時スポナビにエントリーしていないので記事のリンクを張ることのできないのが残念ですが、フライボールレボリューションの原型はオークランドが2014年の夏場までぶっちぎりの地区優勝する勢いだった年に行われていたものであることも、すでに当ブログではセイバーメトリクスの分析を通じて掴んでいました。なぜセイバー分析をしたかというと、田中がデビューした年でもあり好調OAK戦に投げる際、ダルビッシュもOAK打線を極端に苦手にしていたということもあり、調子の良い打線の奥に秘められたものを読み解くために分析していたというわけです。

ビーンGMに<フライボール革命>についてどう思うかと訊ねたら、もし本音ベースで話してくれるならおそらく数年前からOAKでもチーム全体で取り組んでいると答えるはずです。そのフライボール路線を相も変わらず継続して今に至るOAKやTBとそこから更に理論を進化させてきたHOUがあり、センサーの鈍いチーム群が流行に乗って後からようやく追いついてきたというのが実相です。

タイトルの「フライボールはもう古い」というフレーズは決して誇張したものでもないのです

結論

<コンタクト・マルチ打撃革命>とも名付けたい最先端の打撃理論が、アストロズの内部において密かに構築されている。未だその全貌はシークレットであるが、このアストロズの攻撃戦略こそがおそらくこれからのメジャー全体の攻撃トレンドをリードしてゆくことになるだろう。



ここ最近、しょうもない記事を連発してきた当ブログでしたが、下記のふたつの記事はこれからのメジャーのトレンドを読み解く上において、何らかの気づきとなるようなヒントがあるものと自負しています。いずれジラルディの継投ではなく、攻撃の采配についても記事にします。

関連記事

フライボールレボリューション、超攻撃革命を起こすアストロズの戦略を読み解け! その2

アストロズ・ルーノウGMにみる戦略的思考力 あるひとつの仮説


下馬評を覆しヤンキース大逆転勝利を掴む。ジラルディ監督の出身大学を調べてみたら、凄かった!

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10 /12 2017

ワールドチャンピオンの最右翼と見られていたインディアンズをALDSで撃破したヤンキース。

そのチームを率いるジラルディ監督に能力がないとなぜ結論できるのか、私には全く理解不能なのですが、当然のことながらミスは誰でもあります。しかしそれはジラルディに限ったことでもありません。例えばマドンのミスについてはスルーし、ファインプレーについては絶賛の声を上げる強い傾向が見受けられる一方、ジラルディ監督については批判ばかりでファインプレーについて評価する声は全くと言っていいほど聞かれることはありません。

このアンフェアーぶりはいったい何のか。その正体こそがバイアスというものなのです。

マドンのファインプレーは、マジシャンとも言われるように派手でわかりやすいために素人受けもいいが、ジラルディのファインプレーに派手さはないためにベースボールを観る者のたしかな深い眼が必要となるからでもあると思う。

ジラルディの指揮を見ていると理性が強くかなり頭がいい人ではないかという印象がずっと個人的にはあり、おそらく大学出だろうとは思い、今更ながら調べました。

名門ノースウェスタン大学の生産工学を出ているそうです。

世界大学ランキングTOP100【2018年度】

順位 大学名 国
1 マサチューセッツ工科大学(MIT) USA
2 スタンフォード大学 USA
3 ハーバード大学 USA
4 カリフォルニア工科大学(Caltech) USA
5 ケンブリッジ大学 UK
6 オックスフォード大学 UK
7 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL) UK
8 インペリアル・カレッジ・ロンドン UK
9 シカゴ大学 USA
10 スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHZ) スイス
11 南洋理工大学(NTU) シンガポール
12 スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL) スイス
13 プリンストン大学 USA
14 コーネル大学 USA
15 シンガポール国立大学(NUS) シンガポール
16 イェール大学 USA
17 ジョンズ・ホプキンス大学 USA
18 コロンビア大学 USA
19 ペンシルベニア大学 USA
20 オーストラリア国立大学 オーストラリア
21 デューク大学 USA
21 ミシガン大学 USA
23 キングス・カレッジ・ロンドン(KCL) UK
23 エディンバラ大学 UK
25 清華大学 中国
26 香港大学 香港
27 カリフォルニア大学バークレー校(UCB) USA
28 東京大学 日本
28 ノースウェスタン大学 USA
30 香港科技大学 香港

東大と同レベル。予想通りであり、その采配ぶりの理知的な部分は理系出身ならではといったところなのかもしれません。感性で野球を捉える武田に理知的なジラルディの良さを理解することはかなり難しいでしょう。

結論

「マドンは名将、ジラルディは能ナシ」というバイアスをまず外すところから始めなければ、ジラルディの能力について適正に評価することなどできるわけがありません。もっとフェアーに評価すべきであり、当ブログが見る限り、最優秀とまではいかないかもしれないが、ジラルディは間違いなく有能な監督の一人である。

でなければワールドシリーズで優勝できるわけがない。


雑感

サンチェスが今日の隠れたMVPというのか、ピッチャーへ駆け寄り間を取るタイミングとか、配球も素晴らしいように感じた。短期決戦はキャッチャーを大きく成長させるというのはほんとうなのかもしれません。最終回カストロの守備も凄かった。ジグザグ打線にしたジラルディの判断も良かった。MVPは言うまでもなくグレゴリウスでしょう。ロバートソンのカーブとカットのコンビも良かったし、サバシアが今日だけ別人になっていた。そして審判がなぜかヤンキースに有利なストライクボール判定もしてくれた。運もあった。

日本人なのでCSもヤンキースとドジャースを当然、応援します。


ヤンキースいよいよ決戦!勝負をかけろジラルディ

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10 /12 2017

「短期決戦で重要な鍵を握る<継投> シャーザ―を降板させたベイカー監督の是非」というタイトルでもともとは2日前に下記の途中までアップしようと考えていました。



現在シャーザ―が降板しカブス戦の試合状況は7回1-1の同点。結果がどうなるかはわかりませんが、これほど愚かな継投を見たのは2014年10月4日、ナショナルズVSジャイアンツのNLDS第2戦以来かもしれません。ジョーダン・ジマーマンが先発し9回2アウトまで1-0で、被安打3と完璧な投球を披露。9回2アウトからパニックを四球で歩かせたところで監督がベンチから飛び出し交代。球数がちょうど100球。

結果はナショナルズのクローザーが同点に追いつかれ18回の死闘をジャイアンツが制して最終的に世界一になりました。

今回もエース・シャーザーがNO-NOペースで7回初安打を喫したところで交代。98球だからという理由なのか、次に控えるシュワーバーが前の打席で大ファールを打たれたからか左のソリスへ交代させました。故障明け、100球、対左。交代の理由がざっとこんなところなのかもしれませんが、この最も大事な一戦に終盤1点差で、サイヤング賞の最有力候補であるシャーザーから3流レベルのブルペンへという継投。

シャーザ― FIP 2.90 ERA 2.52
ソリス   FIP 4.50 ERA 5.58



ちなみにジャンセンのFIP1.32、キンブレムのFIP1.42がそれぞれリーグ1位2位を記録。グリーンはFIP1.75であり、fWARは1位ジャンセン、2位キンブレムらにつづいてメジャー全体でも第6位、ヤンキースの中では最優秀。ナショナルズのサイヤンガーから平均以下のブルペンという継投はないが、ヤンキースの4番手スターターからリーグ最優秀レベルのブルペンへの継投は十分にありと当ブログでは考えている。

ALDS第5戦、ジラルディがヤンキース最後の試合になる可能性はある以上、マスコミなどに忖度することなく、自分が思ったように采配をすべきだろう。すべての責任はジラルディ自身が負う以上、グリーンがいけると思えば重要な場面で使っていくべきであり、シーズン中ではない以上、ロバートソンやケインリーを3回や4回から投入するのもありであり、8回9回はチャップマンで目一杯いくのもよし。仮に延長に入っても田中がいる。

結論

ヤンキースの監督として最後の仕事になるかもしれない以上、ジラルディは守りに入ることなく全能力を振り絞って、ポストシーズンだからこそより大胆に勝負をすべきである。ジラルディ擁護の記事が支持数100を超えたように、決してジラルディを批判している者だけではない。

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「ジラルディの継投ミスについて 武田の解説はほんとうに正しかったのか」

「8年連続で最優秀監督賞ポイントを獲得しているジラルディは、もっと評価されるべきである」


ジラルディの継投ミスについて 武田の解説はほんとうに正しかったのか

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10 /08 2017
サンディー・コーファックスが受賞していたその設立初期、サイヤング賞は両リーグからたった一人しか選ばれないものでした。おそらく初期の厳しい基準をも満たしているサイヤング最有力候補でもあるクルーバーが逆転本塁打を打たれた瞬間に、交代させるべきだったと解説をしていたのが武田です。これほどフィーリング重視かつ結果論で語る解説者もきわめて稀だと言っていいでしょう。

調子がどうであれ2017年メジャー最高の投手を序盤3回、同点で交代させる監督など、どこにもいるはずがありません。解説者武田は自分の過去の経験や限られた知識に極端に依存してベースボールを眺めるという特徴があり、結果論をはじめとする様々なバイアスについてのケアも微塵もなされていない典型的な解説者であると言えます。

田口やワールドスポーツニュースMLBで解説をしていた石井は違います。武田とは違い田口や石井ははっきりと結果論というバイアスに嵌ってはならんことを自覚して、試合の状況を眺めています。

この試合の前に記した記事の中で、私はジラルディの継投が重要になり、最大のキーマンはチャド・グリーンであると言いました。振り返ってみて指摘していたポイントとしては正しかったわけですが、なぜグリーンを最大のキーマンに挙げたかと言えば下記が2017年のヤンキースブルペンにおけるFIPです。

チャップマン 2.56
ベタンセス  3.22
ロバートソン 2.10
ケインリー  2.32
グリーン   1.75

このグリーンFIP1.75はどうイメージすればいいのか。2016年無双であったミラーFIP1.68と比較してみると非常にわかりやすい。2017年のミラーFIP1.99。ミラーと同等のFIPを記録していたグリーンを密かにシラルディはブルペンの中で、ある意味、最も信用していたはずです。

サバシア   4.49

6回の大量得点差でサバシアを交代させたことは結果的に継投ミスにはなりました。しかし、継投した判断自体ほんとうに間違っていたのでしょうか。解説者石井は結果は括弧に入れて、グリーンへ交代したこと自体は決して間違っていないとしました。当ブログも全く同意見です。

なぜならばサバシアよりもグリーンの方が抑える確率がセイバーメトリクス的には格段に高かったからです。結果的に継投ミスではあるが、断じて判断ミスではない、そう考えます。

武田は如何にも自分の方がジラルディよりも継投についてはたしかな判断ができる風なことを話をしています。しかし解説者であるにもかかわらず結果論というバイアスについてすら満足にケアできず、セイバーメトリクスについても全く知らないフィーリングでしか語れない武田よりも、ジラルディの判断の方が遥かに信頼できると一貫して私は考えています。

ジラルディ批判一色の中で、もしスポナビもかろうじて公共に開かれたひとつの言論空間であるならば、せめて当ブログだけでも、武田の適当なフィーリング解説に代表される結果論に陥ってはならない。巨人・福田の永久追放の大合唱の中で当ブログが福田を擁護した時と状況はやや近いものがあると言えるかもしれません。

おそらくセイバーメトリクスについて理解や知識がある人なら武田の解説については大なり小なり、私と同じような意見を持っているのではないだろうか。武田は数字に余りに疎く、少なくとも解説に論理を求める人にとってはまともには聞いていられるレベルにはありません。

例えばミラーをジャッジのところで9回サイドハンドのスミスに交代させたフランコ―ナに対して、私自身の内心の声をほぼ忠実に再現するとこんな感じでした。「ミラーのボールが切れていないのはやっぱりフランコ―ナにはばれていたのか、今日のミラーなら打てるボールだけに代えないでほしかった。ヤンキースサイドからすれば実にいやらしい交代、さすがに絶妙な判断力」。昨年のミラーの切れなら続投ではあるが、今年のミラーの切れでは無理だと思えば即座に交代させることができるフランコ―ナの優れた判断力。

ちなみに武田は「意外な継投」と感想をもらしていました。フランコ―ナの実績・過去の結果に気圧されてか、武田は続投させるべきという話を封じました。意外などころか、あそこで代えられるのがフランコ―ナの真骨頂だったのではないのか。正直、交代のコールを聞いた時、意外というよりも気づかれたか、フランコ―ナにしてやられたと感じました。

グリーンが打たれたシーンでは継投よりも、短期決戦におけるゲーリー・サンチェスのインスティンクスの低さが、守備力の低さとともに非常に気になる部分ではありました。チゼンホールとグリーンの問題シーンではノーボール2ストライクに追い込んでからも、ひたすら4シームを投げ込んでいたわけですが、すべてファールで逃げられていました。4シームはグリーンいつも切れはないことは明白。ふつうなら低めにボールの変化球でも挟んで目先の緩急をつけるのは当然ですが、キャッチングに自信がないからか、オール4シームでした。さすがにあのリードは酷過ぎました。いつものグリーンの4シームならOKでも、調子はその日によっても微妙に違う以上、リードにも柔軟に変化をさせるべきだったのではないか。

キャッチングもまずく、インスティンクトも疑問視される中、ヤンキースは短期決戦をサンチェスに任せて果たして勝てるのか、かなり不安にも感じさせるシーンではありました。

またチゼンホールの本来は三振でチェンジだった際にチャレンジが30秒ルールのためできなかった件ですが、ポストシーズンでは2度までチャレンジすることができる以上、これからはベンチ裏を経由せずともフィールドにいる選手を信頼して予めサインを決めて<ギャンブルチャレンジ>をする体制を整えていくべきでしょう。野村克也が西武との戦いで3塁ランナー広沢へ早めにスタートをさせる教育をしなかったために、1点で負けてからギャンブルスタートを発案したように、短期決戦では<ギャンブル>を仕掛けていくことが非常に重要な要素になることは今更指摘するまでもありません。<ギャンブルチャレンジ>という言葉が生まれるシーンであったのかもしれません。

判断の遅れたビデオ解析者の責任することなく、自ら責任を負ったジラルディは立派であると言えます。

ここからのヤンキースが逆転することはまず不可能に近いものがあります。しかしここから逆転できるとすれば、ヤンキースは途轍もない勢いをもってALCSへ進出することが可能となります。

ピンチは常にチャンスを孕んでいる。

結論

バイアスに嵌った解説者の話はリテラシーをもって適当に聞き流すべし。解説という仕事をある意味、武田は舐めてかかっている。大した勉強もしていないことなど、視聴者はとっくに見抜いているのである、


ピンチをチャンスへ変えろ!ヤンキース

未分類
10 /07 2017

ALDSでおそらくメジャーで現在最強と言っても過言ではないCLEと対戦できることは、ある意味、ヤンキースにとっては僥倖であると私自身は考えています。なぜならばたしかにピンチと言えばピンチですが、3勝をもぎ取れば次のステージへ行けるわけであり、弱者にとっては強者から4勝をもぎ取るよりも、それだけシリーズを勝ち抜ける難易度は低くなることを意味しているからに他なりません。

もしALDSでヤンキースがCLEを破ればチームは一気に勢いに乗れる。

当ブログがピックアップするこのシリーズのキーマン。

打者では、アーロン・ジャッジとエカルナシオン。投手では、チャド・グリーンとアンドリュー・ミラー 。

このALDS、一発と継投が勝負を分けるシリーズになる。言うまでもなく、メジャーチーム最多本塁打を記録しているのはヤンキースです。

===

実はシリーズ前にここまで書いてPOシーズンの記事は放り出して、大谷の記事を書いていました。

キーマンにあげたエンカルナシオンが負傷退場した第2戦の序盤、もし第2戦をヤンキースが取ることがあれば、エンカルナシオンに相性が非常に悪かった田中が第3戦で無双すれば、第4戦でセルベリーノで一気にけりをつけるというシナリオも描くことは可能です。

下馬評でもオッズが最も低いのはインディアンズ。つまりメジャーで最強のチームはインディアンズであると社会学でいう集合知は語っています。

しかし強者は必ずしも勝者ではないように、弱者は必ずしも敗者ではない。

ジラルディの采配、特に継投の見極めが極めて大きなキーポイントとなりそうです。キャッシュマンがGMとしての力量を遺憾なく発揮した2017年。それをジラルディが活かすだけの手腕と勝ち運があるならば、このALDS、十分に勝機はある。

ちなみになぜエンカルナシオンをキーマンに挙げたかと言えば、ロートルのホリデーでお茶を濁すことなく、ヤンキースはエンカルナシオンを獲得すべきであるという考えをシーズン前から明確に持っていたからです、

もちろんエンカルナシオンでははなくホリデー獲得の最終判断を下しているのは、誰かはわかりますね。


「4番・ピッチャー大谷」は、二刀流という芸術作品をメジャーへ送り込む栗山監督の強い所信表明でもある

未分類
10 /06 2017

未だに中四日のメジャーでは二刀流など不可能であるとして、打者か投手かどちらにすべきか、ああでもないこうでもないとする人たちは、この大谷翔平のメジャー移籍に関しては周回遅れというよりもスタートすら切っていない状況下にあると言ってもいいでしょう。将来的にはDHのクローザーに収まるかもしれないし、肩を壊して打者一本になっているかもしれない。いろいろなシナリオは考えられるものの、大谷翔平の2018年のメジャーキャリアはスターターかつ打者としてデビューすることになるのは確実です。

大谷翔平の目的が投手一本で単にメジャーへ移籍することならば、日本ハムを経由する必要など全くなく、直接ドジャースへ入団すれば良かっただけの話なのです。

大谷翔平の移籍先は、9月にローテを6人で回したパドレスになるだろうとも言いました。

しかし書いている途中でタブロイド紙とまったく同じ土俵にのっていることに気づき、先日の記事の後半から少し色合いを変えました。大谷がどこへ行くのかも大事ではあるが、それはタブロイド紙に任せるとして、当ブログではより奥深いものを探求することをテーマとしてゆくこととする。

イチローとジョー・ジャクソンを結ぶ 偉大なるベースボールの力

この記事は栗山英樹という野球人のオマージュとしても、書いたものです。

何の利益にもならないのに、なぜ、栗山英樹は億にもならんとする大金と自らの膨大な時間を使って「マイ・フィールドオブドリームス(栗の樹ファーム)」を作るために尽力をするのか。栗山英樹という人物の行動は、常人では理解しがたいものがあります。しかしこういう打算を度外視できるような理想家肌の人物でなければきっと大谷翔平を説得できなかっただろうし、指導もできなかった違いありません。

デビュー一年目、あれだけのバッシングを浴びても栗山英樹の断固として大谷二刀流を守り抜いた後姿を、大谷翔平はしっかり見ていたはずです。あの逆境を共に潜り抜け、日本一も達成し、メジャー移籍まで確かな道筋をつけた監督への信頼。この師弟の深い絆は、周囲からはちょっと計り難いものがある。

一方でこの二人をバッシングしていた野村克也は未だにかく語りき。

「もし俺が監督で、今の大谷を預かったとしたら、二刀流はやらせない。迷わずピッチャーに専念させるね。」

固定概念は最大の敵であると野村克也は自説を散々述べつつも、「二刀流などプロ野球でできるわけがない」という固定概念に自ら嵌り込んだのが野村克也自身であったのは、余りにも皮肉であり、この固定概念に縛られなかった、唯一の人物こそが野村克也が嫌いな栗山英樹であったというのも紛れもないファクトでもある。

投手としてだけなく打者大谷をも視察するメジャーのスカウトを日本に集結させるという揺るぎない二刀流の実績によって、野村克也の固定概念を露にした張本人こそが栗山英樹でもあり、野村克也にしてみれば恥をかかされたという思いはどこかにきっとあるはずです。

大谷二刀流とは大谷翔平だけの力によってなされたものではなく、<栗山英樹という監督の指導力>と<日本ハムの組織力>が三位一体となって、はじめて成立した一つの芸術作品でもある。メジャーのスカウトが集結する姿を見ても大谷の日本ハム入りは大成功であったと言える。しかしプライドか根深い嫉妬からか原因はよくはわからないが、いずれにしても栗山英樹を賞賛する言葉を野村克也はただの一言も未だに贈ることができないのです。

結論

大谷だけを称賛するのは、絶対に何かが違う。「4番・ピッチャー大谷」は、二刀流という作品をメジャーでもデビューさせるという日本ハム・栗山監督の強い所信表明でもある。

固定概念に囚われないためにはいったい何が必要なのか。そこに必要とされるものこそ<真のリベラルアーツ>である。



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イチローとジョー・ジャクソンを結ぶ 偉大なるベースボールの力

この<偉大なるベースボールの力>というテーマをにした記事を通して、タブロイド紙との差別化を計ることに成功することができたのかは、よくわからない。ただ当ブログの基本理念でもある「リベラルアーツの力を信じる」というポリシーだけはこれからも掲げ続けていこうと思う。

大谷翔平の移籍先は、おそらくメジャーで唯一この9月に6人ローテを実践したチームになる!

未分類
10 /04 2017

結論から申し上げるならば、大谷翔平はおそらく、メジャーで唯一この9月に6人ローテを実践したチームへ移籍することになるでしょう。

メジャーは5人ローテで回さなければならないという固定概念。メジャー通を自認する程、この固定概念に拘泥する余りに大谷二刀流の可能性はまずないと早計に結論しがちなわけですが、それこそが張本的な固定概念に他ならないことに気づかねばなりません。

「誰も歩んだことのない道を僕は歩いていきたい。」大谷翔平

この記事の中で戦略性の高いGMであるならば、5人ローテに拘ることもなく目的のためにいくらでも柔軟な姿勢を見せるはずだとも言いました。

パドレスが2017年9月に6人ローテをひっそりと試していた事実に気づいている人はそれほど多くはありません。パドレスは何のために6人ローテを実施し、何のためにクリスチャン・ベタンコートを用いることによって二刀流の調整方法についてもいち早く、予行演習をしていたのでしょうか。この二刀流に対するパドレスの本気度、準備にかけた時間や様々なコストは他のチームの追従を許しません。大谷翔平の移籍先・本命はパドレスであると改めて結論しておきます。逆転があるとすれば二刀流に対してパドレス以上の条件を出せるチームであり、DH制のあるアリーグのどこかになる。

(仮に外れようが恥をかくのは自分だけであり、むしろ予め明確に結論をしておいた方が記事としては格段に面白い、どれだけ外れようがこの姿勢はこれからも堅持します。)

来年ダイヤモンドバックスの施設を日本ハムが来春キャンプで使用することとどうして大谷がバックスへ移籍するという結論に結びつくのか、その因果を直結させる理由が私にはよくわからない。バックスの元ドジャーススカウトは2016年末時点でも尚、二刀流について懐疑的なスタンスを崩していなかった以上、大谷のバックス入りという話はにわかには信じがたいのです。

あるマスコミの記事では契約金の上限が30万ドルのペナルティーをくらった11チームにチャンスはないと結論しています。しかしそれはその記者の経済観念、常識、損得感情の物差しによる憶測に過ぎないわけであり、大谷翔平の行動原理とは何らの関係もありません。

またある記事では義理人情に従って、大谷翔平は行動することになるだろうと結論しています。もし義理人情に大谷翔平が縛られるというなら、2017年自らの手術はしないという判断ミスで怪我によって満足にシーズンを働けなかったことを理由に、ファンや栗山監督への恩返しするためにも、もう一年日本でプレーしてからメジャー移籍を決断するという運びになっていたに違いありません。実際、もう一年日本で大谷はプレーするだろうと多くのファンはそう想定していました。

マスコミで報道されているように、大谷翔平が最も重要視しているものとは、金でもなければ義理人情でもない、打者としても投手としても、その技術を超一流のものとして究め、己の可能性を大きく切り拓きたいという<ひたむきな志>そのものである。

翻って結果的にもし仮に予想通りパドレスへ入団しようが、予想が外れてダイヤモンドバックス入団しようが、率直に言ってどこへ行くのかを当てられたかなどは、さしたる問題ではありません。

今回の一連の動きの中にあって最も大事にすべきことは、大谷がどこへ入るか以上に、その意思決定を如何にしたのかというプロセスを通じて、その人物像の深奥に宿る本質を正しく理解することにあります。誰もが選択するであろう何百億円もの大金を確実に得るというルートを敢えて取らない大谷翔平という人物のその背後に、<打算を遥かに超えた巨大な意志>が蠢くのをどうしても私は直感せざる得ない。

人間心を遥かに超えた偉大なる意志をもし<野球の神>というならば、文字通り、大谷翔平は<選ばれし者>ということになる。

選ばれし者とは何か。それは不可能を可能にする者でもある。

メジャー通の人たちが二刀流を否定すればするほどに、大谷翔平はその高い潜在能力をより顕在化させ、自らが何者であるかを明らかにすることになる。

成功が保証されているわけでもなければ、本来手に入る大金が保証されてもいないこの壮大な二刀流というチャレンジがどのような結果になろうとも、当ブログでは大谷翔平をフォローし続けてゆく。「ほら、だから怪我をすると言っただろう」このような高見の見物を決め込む言葉を吐く者よりも、勇気と志を持って「誰も歩いたことのない道を歩む」大谷翔平をこれからも支持してゆく。

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2017年、大谷翔平に待ち受けるインターナショナルFA・ボーナスプールの壁

金銭的な条件によって大谷の選択するチームは限定されるという批判に対して、金でおそらく大谷は動かないとした記事。自らの小さなものさしで<選ばれし者>の価値観を決して推し測るべきではない。

2017年、大谷翔平の移籍先としてパドレスが最有力な理由

パドレスが如何に用意周到に大谷獲得のために戦略を立てているのかを示した記事

大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。