「誰も歩んだことのない道を僕は歩いていきたい。」大谷翔平

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08 /31 2017
二刀流を題材にして 戦略家とはどういう思考をするのかをテーマにした記事です。戦略的な意味で頭が柔軟であるとはどういうことなのか。

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大谷二刀流はメジャーの中四日では現実的には不可能である、よってどちらかに絞り込むべきであると考える人がいます。

2016年大谷は現実にイチローの日本時代のキャリアハイの成績を超えるWARをたたき出しました。イチローがメジャーでもALリーグ最高のfWARを全盛期にたたき出した年もあったように、ポテンシャル的には大谷がメジャーへ行って、リーグ最高とは言わずともチーム内において最大級のWARを生産する可能性は十分にある。何よりも二刀流がメジャーファンの注目を一身に浴びることは議論の余地がありません。ルース以降誰もチャレンジすらしてこなかった二刀流。成功するかどうかは誰にもわからないが、不可能を可能にしようとする大谷のチャレンジする姿には、メジャーファンを虜にして酔わせるだけの世阿弥の言う<花>がある。

つまり日本ハムでも実証したようにメジャーにおいてもチームの戦略の目的と大谷二刀流の方向性は一致する可能性があります。強さと人気という<戦略の目的>と中四日という<制約条件>を比較した際に、戦略家とは<制約条件>に縛られず目的を選択できる人のことです。

では具体的にはどうしたらいいのか。

中四日でローテは回すものというこれまでの既成概念を白紙に戻して、目的のために<制約条件>を解除する柔軟な発想をすることになります。もちろん、中四日という<制約条件>を解除することにはデメリットも生じる。しかし二刀流のメリットと比較考慮した際に、総合判断としてメリットの方が大きいと判断した時、戦略性の高いGMならば中四日という<制約条件>を動かすアイデアを必ず出してくる。

今ある中四日も数十年前は中三日が常識であった。どうしても中四日で回さなければならない理由はありません。物事を相対化して眺める視点を獲得した時、はじめて発想を柔軟に転換することが可能となる。

「誰も歩んだことのない道を僕は歩いていきたい。」

そう大谷翔平は言ったそうです。高校卒業後、すぐにメジャーへ挑戦するのか、それとも日本で二刀流という壮大なるチャレンジをするのか。いずれも誰もが通ったことのない道であった。その二択の岐路に立った時、大谷翔平が最終的に選択したのは後者の二刀流であった。

ポスティングによるメジャー挑戦、すでに投手としてメジャーへ移籍するだけなら数多くの日本人がその道を歩いてきました。現時点での大谷翔平にとって「誰も歩んだことのない道」とは投手としてのメジャー挑戦ではなく、二刀流によるメジャー移籍に他なりません。

すでにパドレスが二刀流の体制を他に先駆けて整えている以上、移籍先がパドレスかどうかはともかく(パドレスよりも大谷にとって魅力的なオファーをするチームがある可能性は否定できない。)もはや大谷が二刀流のオファーしたチームへ移籍することだけは100%確実となる。

結論

<戦略の目的>と<制約条件>を明確に区別し、戦略家とは条件によって現実の動きを規定される人ではなく、条件を動かすことによって目的を達成しようとする人のことである。



「誰も歩んだことのない道を僕は歩いていきたい。」

この言葉こそが大谷翔平における行動原理であり、大谷翔平が野球をやる最大の自己表現でもある。金銭の多寡などで所詮、大谷にとっては条件に過ぎない。もちろんプロである以上、金を稼ぐことを目的化する選手も数多く、それを否定するつもりも更々ないが、おそらく金を稼ぐことを大谷翔平という野球人が目的化することはないのではないか。大谷翔平にとって目的と条件の主客が転倒することはおそらくない。

大谷争奪戦の勝負。どれだけ具体的に大谷二刀流の体制をプランとして提示できるかに、ポスティングの行く末にすべてはかかっていると言える。ずばり、パドレスよりも魅力的なオファーを他のチームが出せるかどうか。個人的には、日本ハムと業務提携しているパドレスが本命であるという考えにブレはありません。

金では大谷翔平は動かない。プライスレスな大谷翔平の志を揺さぶる何かがキーを握ると私自身は考えている。


日本ハムの壮大なるボールパーク構想と大谷二刀流とパドレスと

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08 /26 2017

ある夏の夕暮れ、緑の芝生豊かなサンディエゴの公園を若い女性が、犬を連れながらのんびりと散歩をしている。一点、この公園が他と違うのは、メジャーリーグを代表するペトコパークの一部というところにある。ペトコパークの右中間スタンド奥には試合のない日には街の人々がふつうに訪れることのできる公園となっており、試合の日に限り、その公園は観客席となるような実に斬新なスタイルとなっている。

ボールパークとはベースボールがプロとして興行する以上、無銭観戦を防ぐべくプレイが行われるフィールドを高い塀で取り囲む構造になるのは必然です。 パークの語源とは<パラダイス>であり、もともとは「囲ってある場所」という意味。

「囲ってある場所」であるべきボールパークの一部がふつうの公園となっており、街に解放されたスペースとなっているペトコパーク。そのレフトスタンドには歴史的に価値のあるビルが鎮座し、ビルの一角をレフトポールにするというアイデアも含めて常識に縛られない自由闊達な遊の精神がパドレスのペトコパークにはあります。つまり本来、街にあるはずのビルと公園が球場の中にそっくりそのまま入っているのがペトコパークだということです。

こうした遊の精神に富んだボールパークのアイデアの源泉には、メジャーの歴史を辿ると「スポーツマーケティングの父」と呼ばれているビル・ベックにつきあたるわけですが、日本ハムのフロントはこのビル・ベックはもちろんのこと、その息子でもありマイナーリーグのチームを運営し大成功をしているマイク・ベックのボールパーク作りの発想・アイデアもまず間違いなく参考しています。ボールパークを構想するにあたって、ベック親子だけは絶対に避けて通ることはできません。野球界におけるスポーツマーケティングの原点がベック親子にあることは業界における常識となっています。

日本ハムの新球場構想も、業務提携しているパドレスのペトコパークを換骨奪胎し、更に一歩進んでボールパークを中心に、街全体を野球のテーマパーク化とするような新たなる地域振興・文化創造をコンセプトとした新球場構想が練られることになるのかもしれません。

大谷二刀流という常識破りのアイデア性が新野球場つくりの場面でも如何なく発揮されることになるでしょう。既成の概念に日本ハムが囚われることはまずありません。

ちなみにブルックリンからロサンゼルスへ本拠地を移転したドジャースの元オーナーウォルター・オマリーは、ドジャースタジアムのお披露目にあたり、従業員全員に最高のテーマパークでもあるディズニーランドを見学させた逸話があります。このウォルター・オマリーの息子であるピーター・オマリーがパドレスの経営に2012年から参画しています。

2017年、大谷翔平の移籍先としてパドレスが最有力な理由

にも示したように結論としては、日本ハムの大谷翔平はパドレスに行く確率は80%あると私自身は考えています。なぜならば他のチームとは大谷を受け入れる準備の厚みが全く違う。

一部メジャーでは大谷の二刀流を許さないという頓珍漢な意見があります。いずれはどちらかに絞り込まれる可能性は否定しませんが、大谷が二刀流でメジャーへ乗り込むことは確定しています。考えても見て欲しいのです。もしメジャーへ行くというのが大谷の最優先事項であったならば、高校卒業直後に直接メジャーへ挑戦すれば良かっただけの話なのです。メジャーよりも二刀流の方が大谷にとっては、一野球人としてよりプライオリティが高かったことは議論の余地はありません。日本ハムと業務提携をしているパドレスがすでに着々と二刀流の準備を具体的に重ねている中、仮に他のすべてのチームが二刀流を認めないなら大谷はパドレスを選択するだけのことです。それは水が高きから低きへ流れるが如きこれほど単純な道理もありません。

メジャーでは二刀流認めないというそれこそ既成概念の最たるものであり、その思考スタイルたるや張本となんら変わるところがない。そうした張本に代表される既成の概念を打ち破る企業文化を持っているのが日本ハムであり、それに同調したのが大谷翔平であったということなんですね。こんなことなら後出しで星野や中畑は大谷を指名しておけばと後悔を口にしていますが、横浜や楽天の指名であればまず大谷はメジャーへ行っていました。二刀流という発想をしたのは繰り返しになりますが、当時、日本中で栗山英樹ただ一人だけでした。当の大谷でさえ、二刀流をプロが認めてくれるとは考えていなかったわけですから。栗山監督はまだまだ過小評価されていると感じます。プロ野球の歴史を本当の意味で大きく変えた監督なのであり、大谷の活躍次第ではメジャーの歴史にも変化を与えうる人物でもある。

結論

単にメジャーへ行くことが大谷翔平の目的であったなら、高校卒業後すぐにアメリカへ渡っていた。完全な大谷の超売り手市場である以上、大谷が二刀流でメジャーへ乗り込むことだけははっきりしている。選択権は大谷にあり。


プロ野球ファンの方にとっては、というよりもスポーツマーケティングについて関心のない人はベック親子はそれほど馴染みがないかもしれませんが、是非、関連記事にも目を通してもらえたら幸いに存じます。

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ドジャースが更なる補強 グランダーソン獲得その理由

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08 /22 2017

クラッチヒッターは存在する!そのセイバーメトリクスの常識を疑え

でもザイディについて少し述べたように、ドジャースの首脳陣はデジタルで論理的な思考だけでなく、アナログなものに対しても十分に価値を見出す極めて柔軟性の高い集団です。<数で表現されるもの>に対してのみならず、<数では表現されないもの>に対しても、偏見を抱くことなく両者に適切な距離感をもって知的なアプローチする姿勢を持っているのがドジャースの首脳陣です。ロバーツを監督として選択した最大の理由も、ルースの呪いを破った一大転換点ともなった「the steal」を決め世界一にもなった経験もありますが、闘将として燃えるような勝利への情熱を持っていたからに他なりません。

さて、なぜグランダーソンを補強したのかということですが・・・。

第一には世界一を目指すにピーダーソンでは心もとなく、グランダーソンのプレーオフの経験値、特に2015年のロイヤルズとのワールドシリーズでも3本塁打を打った大舞台での勝負強さを買っての補強だというところでしょう。大舞台での実績についても、単なるセイバーメトリクス信者であらばたまたま偶然である結論しがちですが、クラッチをひとつの能力として認めるドジャースはそこが違います。

先日も100m「9秒台のカウントダウン」というNHKスペシャルがありましたが、キーは最新のスポーツ科学でも明らかになっているようにメンタルを整えるにありとありました。ライバルの猛追する姿が視界に入った途端に、メンタルに動揺が走り、明らかに筋肉の連動性に支障が出て走りに乱れが生じることが科学の面からもはっきりしてきました。平常心を保てれば勝てるレースも、それを失ったために勝てるものも勝てなくなる。

星野ジャッパンの惨敗などは、監督の明らかな采配ミスもありましたが、同時に強面の星野では慣れない国際舞台で選手たちの過緊張を解すことは到底できなかったことが大きな要因だったのではないでしょうか。ベンチには悲壮感のようなものが漂い、ふつうのレフトフライさえGG佐藤は落球しました。

大舞台でも力を発揮できるメンタルをグランダーソンは持っている。

第二は

LAD新社長フリードマンのゴードンを放出した戦略とその誤算

にも示したように、世界一をターゲットにした時、POにおいてチームケミストリーを上げることの重要性も熟知しており、グランダーソンはクラブハウスでの評判がすこぶる良いという面は見過ごせません。グランダーソン個人として大舞台での経験や勝負強さのみならず、他の選手への良い影響力が大である点を評価しての獲得ということです。おそらく想像している以上にドジャースは、孫子が大事とした人の和・チームケミストリーの重要性を認識しています。ちなみに一時期取り出されていたケミストリーを乱すプィーグをなぜ放出しなかったと言えば、交渉チームから完全にドジャースの足元を見られ、厳しい条件を相手が提示してきたためにそこまでしてプィーグを安売りをすべきでもないと現実的な判断を下したからです。

ダルビッシュやグランダーソンの補強を通じて、ドジャースのベンチもフロントの本気度に意気に感じており、モチベーションをより一層高くしていることはブランドン・モローはじめ選手たちのインタビューからもはっきりわかっています。アストロズのカイケルとは全く逆の反応を示しているということですね。

結論

大舞台での経験及び勝負強さ・チームケミストリーの更なる改善を期待してのグランダーソン獲得であり、ワールドシリーズにあたって精神的なチームにおけるアンカ―役をドジャースはグランダーソンには期待している。


失速するアストロズ 虎視眈々のインディアンズ 

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08 /17 2017
8月に入ってからも順調に勝ち星を伸ばすドジャースとは対照的に、コレアの欠場もあってか全くと言っていいほど補強をしなかったアストロズは5勝9敗と失速しています。結果論ではなく、フラッグディールで何らのインパクトのある動きをしなかったルーノウの判断は果たして正しかったのか、大きな疑問は残ります。交渉材料としてのプロスペクトは十分にアストロズは持っていました。ゲーム差が開き過ぎていたためにルーノウに慢心のようなものがなかったもかどうか。

こうした中、着々と戦力のバランスを整えて2年連続でリーグ優勝を果たす勢いのあるのが、インディアンズです。

wRC+<パークファクター補正された攻撃力>が30チーム中5位であり(ドジャースは2位)、投手WAR<パークファクター補正された投手力>もドジャースと並んで30チーム中1位となっています。それだけの戦力が整っているにもかからわず、ブラントリーの戦線離脱に即座に対応し マイク・チャーノフGMは早速、ジェイ・ブルースを補強しました。これでキプニスにつづきチゼンホールなども復帰すれば、昨年よりも一段と力強さを増した戦力でもって、POへ進出ということにもなりそうです。

というのも昨年にはいなかったブルースに加えてDHにはエンカーシナオンが加わっており、先発もクルーバーだけでなくサラザー・カラスコが復活し健在ぶりを発揮しているのが非常に大きいと言えます。現在チーム全体のK/9 10.18はメジャー全体1位の驚異的な奪三振力を誇っています。こうしてセイバーメトリクス的に見ると、総合的なチーム力においてドジャースとがっぷり四つに戦える陣容を整えている一番手が実はインディアンズであることがわかります。

また2017年のフラッグディールにおいて最高のパフォーマンスを見せたヤンキースのキャッシュマンGMではありましたが、ジャッジが予想を遥かに超える不振に陥ってしまい、かつチャップマンも本来の力を発揮していないため、投打の歯車がかみ合わず思うような結果が出ていません。しかしセイバーメトリクス的にはwRC+<パークファクター補正された攻撃力>が30チーム中4位、投手WAR<パークファクター補正された投手力>も30チーム中4位であり、<ジャッジ・チャップマン・田中>のキーマンとなる3人が10月に照準を合わせて本来の力を取り戻せば、十分にワールドシリーズ制覇のポテンシャルを秘めていると言えそうです。特にブルペンの強さはメジャー全体1位であり、終盤接戦時になった時、ヤンキースはどのチームよりも強さを発揮する力量を本来的には持っており、自らの土俵へどう相手を引きずり込みめるかが大きなポイントとなっています。ヤンキースはシーズン終盤までに確固たる「勝利の方程式」を作り上げることができるかが重要なキーとなるでしょう。果たして最終的に誰をクローザーに配置するのか、それによってチームの命運は決するかもしれません。

要は過程はともかく、滑り込みセーフでも良いのでPOへ進出した時、チームの状態はどうなのかが最も重要であるはずです。過去を見ても116勝と余裕で勝ち上がったマリナーズがリーグ優勝すらできなかったように、滑り込みでワンゲームプレーオフの権利を得たKCがワールドシリーズ優勝目前までいったように、POへ入る勢いとチームの戦力がどう整備されているかが最大のポイントです。

ボストンもデバーズとヌネスの新加入の選手が大活躍をしており、2017年最高の投手である絶対エース・クリス・セールを擁するボストンももちろん十二分に力を持っている言えます。こうしてみると前半の大本命と見られていたアストロズの圧倒的な強さは影を潜めつつあり、虎視眈々と戦力を整えて満を持してインディアンズらが後ろから勢いをもって駆け上がってくる姿が見えて参ります。

敢えて、まだPO進出すらままならないインディアンズとヤンキースに着目して、これからのレギュラーシーズンを眺めていくつもりです。

強さと人気を取り戻すヤンキース最高の切り札こそ、ブライス・ハーパー獲得である

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08 /11 2017
後半戦は失速しているものの昨年わずか打率179、OPS608に過ぎなかったアーロン・ジャッジが覚醒し、OPS1.000を超えるスーパースターへとのし上がってきました。よって事情が変わって当初予定していたブライス・ハーパーを2018年のFAで獲得する必要性が疑問視されてきているという話もあるそうです。MLBの知識や情報についてとても詳しい人にありがちなのですが、残念ながら戦略についての知識が決定的に欠如している言わざる得ません。そういう凡庸な発想では、ヤンキースの黄金期を形成することは到底できないのです。

もしジャッジが今回のスランプを克服しリーグを代表する本物のスターとなれば、ハーパーと2枚を並べることにより戦略的にもより大きな価値が出てくるということです。2017年オールスターで人気1位だったのはハーパーであり、2位はジャッジでした。ハーパーは左であり、ジャッジは右です。ともにHRは軽く40本を超えて、出塁率も400を有に超える。この2枚をMLB史上最強のデュオとして売り出すことは、投手からのマークが分散されるだけでなく、一時期大きく落ち込んでいた観客動員を取り戻せる大きな契機にもなります。

あるいは両者ともに98マイルの強肩を持っているために、左翼と右翼でダブルバズーカ砲として売り出してみるのも一案であろう。そしてセンターには100マイルを超える超強肩のアーロン・ヒックスを配置する。こういうスケール感のある夢をヤンキースはファンの目の前へ展開しなくてはならない。誠に不思議なのですがジャッジが出現したからハーパーは取らなくてもいいという貧弱な発想をする人に限って、贅沢税回避が戦略的にも理にかっているなどと頓珍漢なことを言い出す傾向にあります。繰り返し断言しておきますが、贅沢税回避などは戦術的な枝葉末節に過ぎません。 

本物の戦略家であれば、贅沢税についてもドジャースのような判断を必ずします。これは必ずです。なぜならそれこそが戦いの原理に適った判断であるからです。(収益も資産価値もドジャースをヤンキースは圧倒している。)

【ベーブ・ルース、ルー・ゲーリック】【デビット・オルティス、マニー・ラミレス】【ウィリー・メイズ、ウィリー・マッコビー】 【ホゼ・カンセコ、マーク・マグワイヤ】 など過去にも歴史に名を残したデュオはいます。1+1=2ではなく揃えて固めることによって3にも4にもなる。しかし1を孤立させれば1は1のままです。やはり強力なデュオはチームの黄金期に大きな貢献を果たしてもいるものです。

話は逸れますが、個人的に今シーズン最も印象的な日は4月29日です。なんでもないこの4月29日は、スタートダッシュにつまづいてドジャースが借金を返して、ようやく勝率500に戻した日です。戦いの原理原則について研究してきた限り、どう考えてもドジャースのこれまでの判断する力は極めて正しいものでした。しかし目先の結果は出ていない。衆人環視の中で、それでもやはり調子の出ない中、4月29日にドジャースを一貫して支持する記事をここで書かなければ、ブログの生命そのものが失われることになる。巷によくありがちな結果が出てからの後出しジャンケンだけは絶対に避けなくてはならない、そう考えて、あの記事は書きました。

田中がFAになった2013年、私が最もおすすめしていたチームは言うまでもなくドジャースでした。多くの選手として至上の価値のあるものはチャンピオンリング以外にないことはカーショウのこれまでの言動を見てもはっきりわかります。2016年ファイアーセールをしたヤンキースを見て、田中はこんなことになるならヤンキースに入るべきではなかったというコメントも見たことがありますが、ヤンキースの衰退を予言してきた者としては完全な想定内でした。それは後出しジャンケン(後知恵バイアス)に対して最大限ケアしてきた当ブログの姿勢を見てくださっている人の中には、ご理解いただける方も少なからずいると思います。ちなみに2013年にスポナビへエントリーしていたなら「田中にドジャースを強く推奨する理由」というタイトルの記事を間違いなく書いていました。

しかし、超スーパースター候補のジャッジが出現した今、事態は大きく変わりつつあります。このチャンスを生かすためにもヤンキースが2018年オフに決断すべきことはただ一つです。

結論

ヤンキースがヤンキースであるために、強さと人気を取り戻すヤンキース最高の切り札こそ、ブライス・ハーパー獲得である。歴史に名を残こす最強のデュオをジャッジとハーパーで完成させることにより、ヤンキースの新たな黄金期を迎えることが可能となる。

常に未来は可変的であり、正しいジャッジをすることによって本来のヤンキースらしさを取り戻すチャンスはあります。その最大のチャンスこそ、ブライス・ハーパーがFAとなる時です。このチャンスを逃すことなく是非 ヤンキースに再び王者として君臨してもらいたい。

貧弱なる発想は王者ヤンキースに必要はない。




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「忍び寄る衰退 ヤンキース帝国の黄昏」

「ヤンキースタジアム観客数の減少が止まらない 続 ヤンキース帝国の黄昏」

「最終章 ヤンキースの黄昏と強者の戦略」

ひさびさに最終章を読み返したのですが、自分で言うのもなんですが面白かったです。(笑)

ダルビッシュ、ドジャースへ移籍して明らかに変わった3つのこと

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08 /06 2017

簡潔に3点にまとめました。

●ドジャースのバックアップ体制が万全であること

「LAD新社長フリードマンのゴードンを放出した戦略とその誤算」

にも示したようにDRS+30は30チーム中第4位でありメジャー屈指の守備力、数年前よりドジャースは戦略的に着々と守備力強化に努めていたことが明らかになっています。攻撃力もWARの高さはアストロズについで2位。更にに言うならば、ブルペンもナリーグ最高レベルにある(30チーム中2位)。メジャー全体ではヤンキースのブルペンが1位。

つまりダルビッシュはメジャーでも最高レベルのサポート環境において先発の役割に徹することができる。

●キャッチャーが変わった

決して精密なコマンドのないダルビッシュにとって、ボールをストライク判定にしてしまうフレーミング技術に卓越したグランダルは大きなプラスになると同時に、配球がドジャース独自のセイバーメトリクスに基づくデータにより良い方向へ改善される可能性がある。

サンプルも三か月くらいたまってくるとある程度の傾向性は出てくるものです。当ブログもサンプルが小さいときは右往左往した部分もありましたが、肉体改造の結果、ダルビッシュの4シームは改造前よりも明らかに威力を増している一方、腕の可動域が狭くなったためかスライダーの切れが落ちたことはデータ的には明らかになってきました。つまりダルビッシュの投球の主力を4シームへ移行させることが大事になることをドジャースはデータ的にも把握しており、特に高めの4シームを決め球としてグランダルも再三要求していたことは一目瞭然。現時点ではいつまでも魔球スライダーに拘り過ぎないことが新しいダルビッシュの活路になるのかもしれません。

ちなみにこの配球のデータにひょっとすると先進的なチームでは人工知能も使われている可能性があると、先回の記事でも取り上げました。各球種のクオリティが判明した時、4シーム・2シーム・スライダー・カーブ・チェンジアップをどれくらいの割合で配合し、どう緩急を駆使し、どう高低を使うべきなのか、対戦チームに応じてカスタマイズされたものが、アウトプットされるような時代がまもなくやってこうようとしているのではないか、当ブログではそういう仮説を立てています。

●ホームがDH制のあるヒッターズパークからDH制のないナリーグのピッチャーズパークへ

心理的には格段にリラックスできるはずですが、同時にリーグを跨いで対戦がまだ浅いシーンでは、基本的に有利なのはボールを持ち、打者を攻めるピッチャーであることは明らかです。

以上3点が相乗効果となり、ダルビッシュのメンタルも心機一転し、好循環を作り出す可能性を秘めていると言われています。

現在メジャー最強のチームは紛れもなくドジャースですが、最強のチームが優勝するとも限りません。なぜなら運というものがベースボールには介在するからです。ドジャースはダルビッシュを獲得して果たして目標を達成することができるのか、しばしウォッチしていくこととします。


ドジャース ダルビッシュのスタッツが劇的に改善される可能性あり

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08 /05 2017

この記事のタイトル、アップする直前までは「アストロズ、カイケルの意見を支持する」というものでした。最後にダルビッシュにも言及しています。いずれにしてもこの記事を貫くテーマは<メンタル>です。

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「ベースボールは数のスポーツである」という考え方を基盤として、セイバーメトリクスはデジタルな思考を元に発達してきたわけですが、一方において数では表現できない<メンタル>や<クラッチ(大舞台での勝負強さ)><チームケミストリー>などのアナログなものを重視するGMがいます。過去の言動や動きを見てきた限り、実はその両方をバランスよくケアしているのがドジャースのフリードマン社長であり、ザイディGMです。だからこそ当ブログ的には一貫して支持もしてきました。

ところで話は全く変わりますが岩隈が一年目のことです。「なぜ岩隈は開幕して一か月してもブルペンでぶらぶらしているのか?」という質問が4月下旬に知恵袋でありました。

回答は判で押したように、スプリングキャンプで打ち込まれたからでありかつ、フィジカルチェックで肩の筋力が弱いと判断されたからであるというものがずらっと並んだ。しかしそうした中でそれは表向きの理由に過ぎなくて、ビーバンやノエシといったスターターがERA5.00台であるにもかかわらず、岩隈が投げさせてもらえないほんとうの理由は140イニング20先発から始まるインセンティブ契約にあり、これからの動きを注視していけば「なぜ岩隈が先発で投げさせてもらえないか」ほんとうの理由が明らかになるという仮説を示した回答が一つだけありました。

そして何の脈略もなく唐突に7月初旬に岩隈は初先発を果たすことになります。この7月初旬から岩隈が何回先発できるかを中四日で計算した結果、その仮説はほぼ正しかったことを私は確信しました。ちなみに岩隈はそこからフル回転し、16回先発の125イニングで初年度を終えて、後はみなさんご存知のようにフロントがコスト削減を目的に岩隈の先発時期を調整していたことが明らかになりました。同様に昨年青木との延長契約を結びたくないために、最も大事な8~9月の時期に好調の青木を3Aで飼い殺しにしていたのもマリナーズでした。

であるからドジャースもインセンティブ契約を結んでいる前田にも、スィングマンへ降格させたという話もあります。しかし結論から言うとマリナーズとラグジュアリーなドジャースを混同するのは全くナンセンスであり、その洞察力はいささか浅すぎると言わざる得えません。

顧客第一主義を貫くドジャースはチームの優勝という最大のファンサービスを提供するべく、選手の<フィジカル・テクニカル・メンタル>のすべてを全力でサポートする体制を整えているのがフロントの仕事であると考えています。プロである以上、前田も一個人としては、最大のモチベーションはサラリーと直結する先発ローテーションを守るということになります。チーム経費削減を目的にこれからも長い付き合いになる前田のモチベーションをわざわざ下げ、チームへのロイヤリティを損なう真似をドジャースが果たしてするのだろうかということです。

私がウォッチしてきた限り、ドジャースはそういう発想をするチームではありません。目先のコストカットによる利益を生み出すよりももっと長期的な展望をドジャースというチームは持っています。チームに対して不信感を抱かせモチベーションを下げて前田を腐らせるよりも、むしろサラリーが上がろうとも前田がそれ以上に優れたパフォーマンスを発揮してチームの優勝に貢献してもらうならば、後者の方が最大の顧客サービスになるのであり、最終的にはチームの大きな利益をもたらすとドジャースは考えている組織だということです。今年で前田の契約が終わるならわからなくもないですが、契約は7年近くも残っている以上、中継ぎへ降格した前田にもスターター復帰のチャンスは必ずあり、モチベ―ションを下げないように随時フォローしてきたと考えるのが本筋です。経済合理性も大事にするが、何よりも顧客サービスを第一に貫く組織こそドジャースというチームだということです。

つまり中継ぎへの降格は姑息なコスト削減策ではなく、単純に前田の調子が悪くERA5.00台であり、ドジャースの先発が質量ともに豊富だったがために中継ぎへ押し出されたに過ぎません。

本題に戻ります。

カイケルは本当に世界一を目指す意思があるのか、2017年の夏に大きな勝負の姿勢をみせなかったアストロズのフロントに対して不満を漏らしたと言います。ここが良くも悪くも、経営コンサルタント出身らしいルーノウの特徴であると言えます。外から理知的に戦略を組み立てるのは得意ではあるが、現場にいる者たちへのメンタルに対するフォローが足りない。そしてこのメンタルに対するフォローがドジャースの首脳陣との違いでもあります。

フロントの仕事には、補強を通じてチーム全体を鼓舞するという一面があることをドジャースの首脳陣は十二分に弁えている。

ジャイアンツが独走していた2016 7/5に書いた記事です。

「カーショウ復帰の目途立たず しかれども2016LADはまだ終わらない」

カーショウ離脱にともない迷うことなく間髪入れずにノリスを補強し、ドジャースはコンテンダーであり続けることを内外に知らしめ、フロントの諦めない姿勢をはっきり示すことにより、チーム全体のモチベーションに対するダメージを最小限に留めることに成功しました。ほとんどの人が2016ドジャースは終わったと言っていた中、最終的にチームは地区優勝しました。まさしく絶妙のタイミングの補強でした。GMであそこまで迅速な動きを入れることができる人物はほぼ皆無でしょう。

目先の勝利と将来の勝利への可能性を如何にバランスさせるかに、GMの手腕が大きく問われていると言っていいでしょう。今年アストロズは世界一を狙える絶好のチャンスを迎えています。盤石な態勢を整えるためにも、ブルペンもしくはスターターに大きなインパクトのある補強はあってしかるべきであったと客観的には分析されていました。補強できるだけのマイナー組織もあった。しかしアストロズのフロントが世界一になるためにできることをほぼ何もしなかったことでエース・カイケルをがっかりさせたのと同時に、チームメイトの気持ちを代弁したものとも言えます。

結論

チームの最終結果を問わず、その姿勢においてダルビッシュを補強したドジャースを支持するとともにアストロズのカイケルの意見を支持する。すなわちこの絶好期に、ほぼ何の動きも見せなったアストロズは明らかなミスを犯したと結論する。

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とここで記事を打ち切るつもりでしたが、ここからがダルビッシュの話になります。

サム・ダイソンというレンジャーズでダルビッシュで同僚でありERA10.80でDFAになった投手が、ジャイアンツに拾われてERA2.65とスタッツを劇的に改善させました。過去、チームが変わってスタッツが急激に変わる投手はダイソンに限らず、数多くいます。いくつかの要因はあるもののその最大の要因はメンタルがリフレッシュされるからです。新天地で心機一転ダルビッシュ本来のパフォーマンスを取り戻せると踏んでのドジャースの獲得でしょう。2017年TEXのダルビッシュERA4.01のパフォーマンスで十分と見込んでの獲得ではないはずです。

ドジャースのターゲットはワールドシリーズ制覇であり、あくまでカーショウにつぐ二番手としてグレインキ―レベルのものをダルビッシュには求めています。

2016年までのダルビッシュの通算ERAが3.29。アーリントンを本拠地に右投手がこのERAをたたき出すということの意味、それは少なくとも肉体改造前のダルビッシュがメジャーの右腕でも5本の指に入る証明だと言ってもいい。DH制のある屈指のヒッターズパークから、投手も打席に立つピッチャーズパークを本拠地にするナリーグのチームへ移籍となれば、ダルビッシュの無意識下かかっていた無駄なプレッシャーからも解放されることは容易に想像できます。メンタルの影響は決して侮れない。

ドジャースのダルビッシュ スタッツが劇的に改善される可能性あり。

というよりも単純にドジャースでは大活躍するダルビッシュを期待します。最近スポーツ心理学の本も読んでいますが、そこにはセイバーメトリクス同様に極めて奥深いものがありそうです。

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大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

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「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。