ダルビッシュの提言 ロースター26人になるのか 投手の健康問題

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11 /29 2016

ダルビッシュがトミー・ジョン手術を受けることが決定した際、2015年3月ネットの某所で書いたもののダイジェストをここに掲載します。ベースボールと野球に横たわっている投手の健康についてのお話です。一部加筆修正してありますが、コンテンツについては基本そのままです。

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奪三振王も獲得し、サイヤングポイントにおいて2位に入ったこともあるダルビッシュ有はMLBにおいては歌舞伎で言うところの千両役者 相撲で言う横綱大関レベルの投手です。(実際ダルビッシュが来年のFAでどういう契約を結ぶかでもそれは明らかになるでしょう。)ダルビッシュに限らず、看板スターであるエースが次から次へと欠場するMLBというショービジネスの<興業>というものがほんとうの意味で成立するのかどうか?そうした根本的な疑問が私にはあります。

結論からすると各チームに委ねるだけでなく、MLB機構自体がスーパーエリートクラスの投手の相次ぐ 戦線離脱に本格的にメスを入れるべき改革の時期に来たと考えます。

これまでの意見を見る限り、ほぼすべてが判で押したように<中四日>はメジャーの文化であり、それに適応してゆくのがメジャーの投手の宿命であるというものばかりです。(当時の雰囲気としてはダルビッシュの提言は現実的ではないという論調一色であったと言ってもいいでしょう。)しかし過去の歴史を紐解くと 1970年代くらいでしょうか、当時の常識は<中三日>でした。あるいはボールというものも 時代によって大きくその質は変わっています。ホームからマウンドまでの距離や高さなども時代の環境に応じて 変化し続けてきているのです。今ある<ボールの皮の質><マウンドの硬さ><中四日>という現代の常識が、これからも未来永劫変わらないものとして、MLBで継承され続けてゆくものなのかどうか?この点については改めて考えてみる価値があります。歴史的観点からすれば、「時代の流れに適応して絶えず変化するもの」と「時代の流れを越えて不変であり続けるもの」、その二種類にあらゆるものは篩いにかけられることになります。

肘の故障の原因は複合的なものによって構成されていますが、最大の要因のひとつはダルビッッシュも言うように、「投球間隔の短さ」及び「投球数の多さ」による投手への過負担にあります。それはスポーツ医学を紐解くまでもなく明らかなことです。更には「マウンドの硬さ」や「ボールのグリップ」、「スプリット スライダー系の多投」や「投げ込み」などが問題として挙げられます。

この問題は各投手の個別性が高いために、一般論として括るのが非常に困難でもありますが、それ故に実にさまざまな意見が飛び交っています。しかし気をつけなくてはならないことは、ある一側面をクローズアップしそれを拡大解釈して その見方を正しいと思い込むことの愚かさです。例えばスライダーの投げ込み過ぎこそが最大のネックとなっているというセンセーショナルな意見が先日も出ていましたが(当時そうしたコラムが出ていたのです)、そうした極論では駄目だということです。

メジャーでは投手の肘を消耗品として考える文化があり、甲子園という日本プロ野球の土台を成すこの野球文化を真っ向から否定する考え方が主流となっています。そして日本人がメジャーへ来てこれだけ故障するのは甲子園に大きな原因があるとしています。ところがアメリカの投手はハイスクール時代、日本の甲子園球児以上に強力な投球制限を受けているにもかかわらず、日本プロ野球でのみプレーし続けている元甲子園投手がトミージョン手術を受ける確率よりも、遥かに高い実に30パーセント強がトミー・ジョンの手術を受けています。ハイスクール時代に強力な投球制限を受けているアメリカの方が格段に手術率が低いのなら、甲子園時代の投げ込みが故障における根本的な原因であるという説にも大いに説得力はあります。しかしそうはなっていません。むしろアメリカほど制限していないにもかかわらず、ダルビッシュにしても田中にしても和田や藤川、松坂など、日本時代には何らの問題はありませんでした。日本プロ野球ではピンピンしていた日本人投手が、メジャーにいった途端、次々と手術送りとなっているわけです。(田中は回避)

つまりアメリカの環境の中にも日本人投手が次々と故障する要因は確実にあるのであり、甲子園と田中やダルビッッシュの故障を安易に結びつけるアメリカで見られる分析は余りに恣意的であるということです。登板間隔や球数だけでなくボールの質やマウンドの硬さも含めて総合的に故障率に影響を与えている要素を考える必要があります。

ではその中でもMLB機構が着手できるものには何があるのか。

肘・肩へ与える全体の負担感の多くは

投球間隔(質)×投球数(量)=最終的な投球数(全体)

で表現できます。中一日や中二日で100~120球を投げ続けさせれば中日の権藤のように、あっという間にぶっ壊れます。実験として同じ投手を中四日100球で投げ続けるのと中五日100球で投げ続けたのとでは比較すれば、年間での登板回数が違うため中四日の方が故障するリスクは当然高くなります。

これに対するMLB機構が講じることのできる一つの対策としては、中五日に移行すべくロースターの枠を26人にするか、あるいは日本のように週一回月曜を休みの日として設けるべく開幕日を前倒しにするのかいずれかが考えられます。おそらくスターター用にロースターの枠をもうひとつ設けるというのが現実的です。あるいはボールの皮をグリップの効く日本製にするだけでも肘への負担は軽減されます。(時がやや下ってグリップの効く日本球への変更も視野に入れているといったマンフレッドのコメントも以前にはあったのですが、気が付くと立ち消えになっていました。MLB機構がやろうと思えばできることなので是非着手して欲しいところです。)またマウンドも過去の歴史でいくらでも変わってきました。上半身主導を是正すべく下半身の粘りが効くようにマウンドの硬さを調整という方法もあります。

球種か?投球間隔か?球数か?マウンドか?ボールの質感か?

「あれかこれか」ではない。何かに絞り込んでゆくような袋小路に入ってゆく方向性ではなく、むしろ「あれもこれも」という発想を選択すべきです。投手の健康問題はあらゆる手段を講じてMLB機構が対策を打つだけの価値ある問題です。全方位的にあらゆる方向から包括的な予防対策が望まれています。甲子園の安楽のような起用法は言うまでもなくNGだとは考えています。投げ過ぎによって肘や肩に<過負担>になるのは問題です。しかしながらアメリカ偏重でメジャーのように<過保護>になり過ぎるのもまた問題なのではないか。というのも手術率の低いNPBでは20歳を超えて体が出来上がってくる頃から 投げ込みをある程度すると、逆に力感の抜けたフォームを体自体が自然に探すようになり、結果 投手生命を長くするという意見も日本のプロ野球には根強くあります。この考え方を無下に否定できるものではありません。なぜなら20年間も故障しらずで馬車馬のように投げ続けたライアン本人が自らのキャリアで証明したように投げ込みを肯定しているわけです。過保護でも 過負担でも、どちらに偏っても駄目なのであり、そのギリギリのバランスを見極めながら 包括的に対策を講じてゆくことが大事になります。

故障率データを見ても明らかですが、日本のピッチャーはアメリカと比べてトミー・ジョン手術を受ける選手が率として半分です。アメリカの方法が正しく 日本のやり方が間違っているとするこうした極端な考え方こそが正しい認識を退けている。なぜ日本でのみプレーし続けているプロ野球の元甲子園球児の方が手術の確率が低く、 なぜ 日本ではピンピンだった投手がメジャーに行った途端、手術確率が格段に上がるのか、そこにはアメリカMLBが取り組むべきヒントが間違いなくあります。

結論の一つとしてMLBの歴史を私が学んできた限り、今の<中四日>という常識はスポーツ医学の革命でも起こらない限り今後変更を余儀なくされ、おそらくいずれ<中五日>へメジャーも変わってゆくことになるでしょう。ベースボールと野球の狭間にも同じ競技でありながらマージナル(境界線)が存在しています。そのマージナルを跨ぐような広い視野を持つことこそが、この問題と向き合う時、必要となるはずです。

後記)

スターター6人制についてはその予兆らしきものは垣間見えるという程度であり、実際今のところは現在も5人で回しています。正直どうなるかはまだよくわかりません。ただボールの皮を日本製にし、ローテを6人制にするだけで故障率は格段に下がることだけは間違いありません。

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「MLB 戦いの原理を求めて」をスポナビにエントリーするまで

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11 /20 2016

「大統領選で大敗北を喫したMLB天才セイバーメトリシャン、ネイト・シルバー」

前回の記事の補足となります。当ブログの主たるテーマが「戦略」です。シーズンオフということもあり番外編として「戦略」そのものに焦点を絞り込んで今回の大統領選とも絡めてお話をします。そして最後にこの記事を下敷きとして、スポナビにエントリーした経緯の話となります。4年に一度の番外編ということでもあり、どうかこの一回だけなので大目に見ていただければ幸いです。

尚、戦略や政治に全く興味のない人はスルーしてください。あるいは最後にから読んでもらってもかまいません。戦略の威力をまざまざと見せつけた大統領選でした。

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トランプ旋風とブレグジット。

元MLBセイバーメトリシャン・ネイト・シルバーによる予測はもとより、シルバーのサイトも参考にしていた日本の識者の9割は予測を立て続けに外しました。これはいったい何を意味しているのでしょうか。それは歴史のフェーズが大きく切り替わった時 過去の経験則を踏まえた識者の思考法や過去のデータに依拠した統計学を用いる予測は通用しないということです。

更に言うならば、やはりトランプが勝利を収めたその背景には巧妙な戦略があったと見るべきです。

選挙とは言葉を武器に<支持率>を争う戦争であると言ってもいいですが、言論機関たるマスメディアの99%がヒラリー支持をし、完全なる包囲網が敷かれた中、如何にトランプという優れた戦略家は、戦ったのかという点は実に興味深いものがあります。当選確率とも強い相関関係がある<選挙資金>においてクリントン陣営と比較してダブルスコア以上の差が開いていたにもかかわらず、なぜその逆境を跳ね返してこの戦いにトランプは勝ったのか、それについてこれから分析を試みます。それは戦略というものが如何に戦いにおいては大事であるのか、まざまざと思い知らせてくれるものでした。

「弱者の戦略」をどのように駆使してトランプは今回の大統領戦に勝ったのでしょうか。

弱者は主戦場をどこに設定するかを決して間違えてはなりません。マスメディアという言論空間では既にトランプは包囲されており完全にアウエイです。資金力にも大きな差がある以上、CM量においても到底、クリントンには太刀打ちできない。

トランプが自らが勝てる場所。すなわちそれはご存じのように、ソーシャルメディアこそをトランプは主戦場としたということです。

【ヒラリー】 ツイート数 9,837  フォロワー数 11,078,939
【トランプ】 ツイート数 33,989 フォロワー数 15,111,837

フォロー数において400万。ツィート数においては3倍以上。トランプ陣営は広告費全のうちネットに当てたのは5700万ドルであったのに対してクリントン陣営は1000万ドルであったと言われています。ソーシャルメディアの世界に限定した時、物量ともにヒラリーとトランプの立場は完全に逆転し圧倒したものとなっていました。これぞ弱者の戦略というものです。

今回の大統領選、最大のキーワードは、インテリ風で品の良さを身にまとったマスメディアが強調してきた「ポリティカル・コレクトネス(性別、人種や宗教での差別はいけない)」だと言っていいでしょう。この「ポリティカル・コレクトネス」の欺瞞に真っ向から戦いを挑み、率直にものを語ったトランプをマスメディアは下品だ差別主義者だと総攻撃しました。しかもマスメディアがトランプを罵れば罵るほど、マスメディアの売り上げは拡大したわけです。売り上げが伸びればマスメディアはますますトランプたたきに走る。クリントンを支持するマスメディアにとっては売り上げは伸び、ヒラリーを援護射撃ができるという意味で一石二鳥であり願ったりかなったりでした。ところが気が付くとこれによってトランプは「TVに露出する」という意味では、クリントン陣営とのCMへ投入できる選挙資金の格差を埋めることに成功しました。

更には、トランプの過激な発言は 行き過ぎたマスメディアによる「ポリティカル・コレクトネス」の反動でうっ憤をためていた一部のアメリカンピープルをターゲットとして絞り込むことに成功し、コアな一定の支持率を確保することとなりました。経営者ならではのマーケティング感覚がものを言ったと言えます。

このようにトランプはTV番組の名物司会者として視聴率は如何にしたら稼げるのかというエンターテイナーとしての資質とターゲットを明確に絞り込んで、そこへ魅力的な政治的アプローチをするという経営者としてのマーケティングの感覚を生かしてマスメディアという戦いの場を見事に切り抜けてみせました。トランプはマスメディアの総攻撃を自らのパワーへと変換することに成功したと言ってもいいでしょう。

マスメディアをマーケティングで言うところのフックとして駆使しながら、トランプはソーシャルメディアでターゲットを囲い込むという選挙戦略をとったわけです。マスメディアとソーシャルメディアのミックス戦略。この巧妙さは見事という他ありません。全くもって只者ではない。もちろん優秀なブレーンがいたにせよです。

多くの予測を外した日本のインテリ識者は、負けたとは言えクリントンの方が100万票も上回っていたではないかともっともらしい言い訳をしています。しかしはっきり言って全くナンセンスな言い訳です。なぜなら各州から選挙人を選出するという大統領選の仕組みに最善の戦略をもって打ち勝ったのがトランプであり、もしすべての投票の過半数を獲得したら当選という仕組みであったなら、トランプの戦略は全く違ったものになったからです。トランプは選挙終盤、ラストベルトと言われた激戦の州へすべての戦力を投下し、民主党の州と言われるところから票を実際に奪っています。

ちなみにヒラリーの選挙資金には大量のチャイナマネーが流れ込んでおり、大統領がヒラリーだったならビル・クリントンの時代のようにジャパンパッシングが行われ、日本の安全保障上、極めて危険な状況になっていました。日本の外交戦略においても、プーチンと波長の合うトランプと鉄のトライアングルを組んで対中国を鮮明に打ち出せる絶好の状況にあります。トランプノミクスを見ても極めて正しい経済政策を打ち出しており、プーチンに押しまくられていたオバマとは明らかに違い強力なアメリカが蘇ってくることが予想されます。

インテリ風で品の良い一部の知識人が相も変わらず、印象による先入観によってトランプを粗野であり頭が悪い素人だとしています。スポーツライターの中にはジョージ・スタインブレナーの偉大さを全く把握できない人たちがいると当ブログでは指摘したこともありますが、同様に時間が経つにつれておそらく、彼ら知識人のトランプへの見立てが如何に浅薄なものであったかと必ず思い知らされることになると予言しておきます。客観を気取ったスポーツライターよりもジョージ・スタインブレナーの方が遥かに偉大であったように、インテリを気取った識者よりも遥かにトランプの方が偉大であることがいずれ明らかになる、そんな風に見ています。もちろんあのようなキャラクターですから突っ込み満載であり、様々な誹謗中傷にも晒されることにはなるでしょうが、後世からトータルで眺めた時、どうトランプは評価されているのか、そこにフォーカスを当てています。

ちなみに従来の世論調査がもはや現代にそぐわなくなっている理由は、固定電話を持っている家庭というものは限定され、そこですでにバイアスがかかっていること。またどの地区にどの党の支持者が多いかも予めわかっており、民主党支持者が比較的多い地域限定に電話をかけて調査をするというメディアによる選択バイアスがかかっていたということもあります。更には反トランプということで「ポリティカル・コレクトネス」をマスメディアが強調したために、差別主義者扱いされたくない隠れトランプが潜伏したということもあるでしょう。

つまりサンプルがまともでなく、ネイト・シルバーはマスメディアの世論調査のデータも駆使しながら、そこに補正をかけて予測をしていた以上、予測が外れたのも当然と言えます。いずれにしても統計の予測を超えて、戦略というものが戦いを勝ち抜く上でどれだけ大事かをトランプは改めて証明しました。戦いの原理を研究している者としては非常に参考になるところが多い大統領選でした。

言論の戦いにおいて、マスメディアから完全包囲された者が勝負に勝つなどふつうはあり得ない。不可能を可能にする、それが戦略というものかもしれません。

最後に

最後にスポナビに当ブログをエントリーした経緯となります。私自身はEU離脱にしても大統領選にしても、歴史の巨大なトレンドを見据えつつも誰の意見に耳を傾けるべきか(藤井厳喜、馬淵睦夫等 結果が出る前からブレグジットとトランプ現象はコインの表裏の関係にあり、表裏一体のものであると見抜いていました)という程度のリテラシーは持っていたつもりだったので、基本的にイギリスは離脱し、トランプが大統領になるという立場でした。同様にベースボールにおいても過去何度も多数派の意見や解説者、スポーツライターの意見とは逆の意見を持つことが多かったのです。そこで一定の時間を見守って、果たしてどちらの意見が正しいと判定されるべきかじっと検証してきました。時間はやがてどちらの意見が正しかったのかを明らかにします。検証に要した時間は5年です。

ひとつだけ絶対に言えることがある。それは多数の意見や専門家の意見が必ず正しいとは限らないということです。カテゴリーは異なってもそれは同じです。大谷二刀流しかり、トランプ当選しかり。度々例として出している守備シフトが劇的に打者の攻撃力を削いでいるというライターや多数の思い込みなどもその典型です。なぜ過去5年で2016がついに最高のBABIP300に達し、カブスは守備シフトの過大評価することを修正してきたのでしょうか。おそらく守備シフトの力を過信していた多くの人には回答ができないはずです。過大も過小も駄目だということです。

数年前、多数の意見や専門家にあれだけ栗山監督は無能扱いされていましたが、今では正力松太郎賞を受賞しています。私から言わせたら経験を積むことによって能力が徐々にブラッシュアップされたことはあっても栗山監督の本質に備わっていたものは何ひとつ変わっていません。

ここをどう正確に見極めることができるかが当ブログにとっての勝負です。もちろん勝率10割などではありません。しかし結果勝率としては確実に5割は超えることが確認された時、スポナビへエントリーに踏み切りました。たまにお前の記事はプロのライターと比べて違う、だからお前の記事は間違っているという批判があるのですが、そもそも識者や多数の意見と真っ向から対立した時、それがどうであったのか数多く検証した上でエントリーしている以上、何の説得力もないのです。

すでに情報として流通していることと同じようなことをスポナビで書いて何の意味があるのでしょうか。これからも多数派の意見や解説者の意見と度々異なる意見をアップしてゆくことになります。人気のない当ブログでさえ間もなく200万ビューをゆくということはスポナビは相当に公共性の高い言論空間である。

それなりの準備はして、ブログ「MLB 戦いの原理を求めて」はスポナビへエントリーをしてきたつもりです。

リクエスト

もしここまで読まれた方で藤井厳喜、馬淵睦夫と言われてすぐにピンときたが方がいたら、この記事に支持するつもりも更々ないでしょうがそれは括弧に入れて、よかったら支持ボタンを押してもらってもよろしいでしょうか。実際のところ政治について一定のリテラシーがないと、彼らのような本物にもたどり着かないと私は考えています。現在支持数15ですがふつうは3日も経てば支持ボタンが増えることありません。是非よかったらご協力お願いします。

大統領選で大敗北を喫したMLB天才セイバーメトリシャン、ネイト・シルバー

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11 /09 2016

かつてMLB関連のコラムニストであった季啓充さんが書いた「大統領選とセイバーメトリクス」というタイトルの記事があります。セイバーメトリクスの威力が選挙戦の予測において、瞠目すべき成果を上げているという論調の記事であったわけですが、今回はその真逆の記事を書きます。なぜネイト・シルバーの予測システムは今回の大統領選で大敗北を喫したのか、その理由を最後に記しておきます。

「田口壮の解説力 その奥深さを探る」

この記事ではセイバーメトリクスのプロジェクションを通して、野球というゲームの持つ予測可能性と予測不可能性について示しました。 最も肝となる部分を一部抜粋、加筆修正


「地区優勝した2014のオフに、サイヤングを受賞したマックス・シャーザーを獲得して満を持して2015のシーズンに臨んだWSHは、セイバーメトリクスのプロジェクションでも30チームで最もPOに出る確率が高いとされていました。同じく地区最下位に沈んだTEXは、2014のオフに大した補強もせず開幕直前に絶対エース・ダルビッシュをトミー・ジョンで欠いて、もはや勝ち目は全くなしという状態で2015のシーズンに入りました。

結果的にシャーザーまでも補強し万全の体勢であったWSHは負け、最下位でありながらダルビッシュまでも欠いたTEXが地区優勝を果たしました。まさしく「野球とは筋書きのないドラマ」であり、2015このようなTEXが地区優勝し、WSHがPOすら逃すという結果になることは誰ひとり予測できた者はいなかった。一方において、CHCはセイバーメトリクス的にも2016年においては優勝の大本命であったように、間違いなくセイバーメトリクスによるプロジェクションは一定の精度を持っておりベースボールとは数のスポーツというように、統計学に基づいた<予測可能性>を帯びたスポーツであるということが言えます。

このようにベースボールの奥深さというものは、未来への予測不可能性と予測可能性の狭間にたゆたっている点にこそある。一定のドラマ性と合理性の融合にこそ、ベースボールの妙味があると言ってもいい。」


MLBという場で統計学の手法を用いて「PECOTA」というプロジェクションシステムを最初に開発したのが、ネイト・シルバーというセイバーメトリシャンでした。BSのMLB番組でもセイバーメトリシャンのダベンポートさんが選手の成績予測などを披露していますが、その魁が、ネイト・シルバーであったというわけです。

この統計的な手法を分野を跨ぎベースボールから政治へと拡張展開し選挙の予測に応用し、ネイト・シルバーは2008年の大統領選では49州の結果を的中させ、2012年の大統領選では50州すべての結果を予測し、ネイト・シルバーは現代の予言者であると持ち上げられました。

さて2016年の大統領選におけるネイト・シルバーの予測は、日々刻々と変化するものの1年以上も前から終始一貫してクリントンが勝つとしていました。しかし完全に予測は外れシステムの大敗北となりました。日本の政治に関する識者に聞いても、ネイト・シルバーの予測通り8人いれば1人トランプ当選を主張する人がいればいいという感じでした。そんな中、明確にトランプが大統領になるだろうと一貫して主張していたのは日本では私が知る限りでは下記3人です。

藤井厳喜(国際政治学者)木村太郎(政治ジャーナリスト)馬渕睦夫(元ウクライナ大使)

マスコミや多くの識者の意見を鵜呑みにしてはならない、トランプ現象を正しく洞察すべきであると指摘していたのは下記2人。

有本香(ジャーナリスト) 三浦瑠麗(国際政治学者)

トランプにも多少の体重をかけながらも佐藤優のように結局はどっちが勝つかわからんという程度の両天秤はオミットしています。

では、なぜネイト・シルバーの予測システムは外れたのでしょうか。

木村太郎の言葉にすべてが集約されています。これは藤井厳喜も全く同じことを言っていました。

「日本の識者と言われる人は何をやっているかというと、ニューヨークタイムスとワシントンポストとCNN(通称クリントン・ニュース・ネットワーク)を見てそれで判断している。 だがその3つは全部ヒラリー支持。こんなにえげつなく攻撃するのかというぐらい、ヒラリーを支持してトランプをたたいている」

アメリカの大手メディアの大統領選における世論調査のデータの取り方が最初から、クリントンを勝たせようと恣意的にチョイスしていたことに少なくとも藤井氏と木村氏ははっきりと気づいていました。(馬渕睦夫はグローバリズム対ナショナリズム という世界の流れを鳥瞰するが如き分析力によってトランプが勝つと予言。こっちの方がある意味凄い。)しかしネイト・シルバーは政治学者でもなく、一データ分析家に過ぎなかった。トランプ下ろしを目論む大手メディアから出てきたその恣意的なデータを真っ当なものとして取り扱いコンピューターに打ち込むしかできなかったというわけです。というよりもデータにメディアバイアスがかかっていることくらいネイト・シルバーもわかっておりプロジェクションでも補正することくらい当然しているはずです。それがシルバーの想定するよりも遥かに大きなものであったことを洞察できなかったと言うべきでしょう。ちなみにこうしたネイト・シルバーや多数の識者がひっかかった大手メディアのデータ収集におけるバイアスを一般に選択バイアスと言います。

参考までに馬淵睦夫はイギリスのEU離脱についても、グローバリズムとナショナリズムの相剋という文脈から見事にEU離脱を的中させました。データ分析家のネイト・シルバーの予想は残留。ネイト・シルバーの2連敗です。

ビッグデータよりも本物の洞察力は勝つことがある。

この大統領選、分析力において解説者の真贋がはっきりと示された選挙でありました。日本の世論、識者の多数は明らかにクリントンが勝つと思い込んでいました。

最後に再掲になります。

当ブログの基本理念として、「リベラルアーツの力を信じる」というものがあります。リベラルとは自由、アーツとは技術の意。リベラルアーツとはあらゆる固定概念やバイアスから真に自由になるための知的な技術ですが、当ブログが格闘している真の敵とは外からの批判ではなく己の固定概念であり様々なるバイアスである。

民意を誘導しようとしてし切れなかった、マスメディアこそが今回の大統領選、最大の敗北者であるのかもしれません。

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長谷川滋利の虚言 野村克也と共通する自己愛性パーソナリティ障害

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11 /07 2016
「栗山英樹を獲得した元・ヤクルト片岡スカウトが明かす野村克也の真実」

事実とは180度異なる発言を自らの力を誇示せんがために野村本で古田獲得を自らの意思であると既成事実化したように、今回長谷川は全く事実無根の監督要請という話を場を盛り上げるために講演会で話したとされています。

ありもしなかった話を長谷川が講演会でするわけもないだろうとマナーを問題視するコメントもあります。しかしそれこそが固定概念であり、自らの常識の延長線上で物事を捉え過ぎてはいはないかと当ブログでは考えています。野村克也のようにどれほど頭が良くても、自己愛のために過去の発言を180度塗り替えることのできる人物が実際にいるのです。

それを一般に自己愛性パーソナリティ障害と言います。

もちろん今回の長谷川のケースも野村克也と同等に見なすべきかは判然としません。しかし長谷川曰く「MLB数球団からの(メジャー契約)オファーがあったがマウンド上でのモチベーションを維持することが困難になった」との理由で2006年1月に正式に引退を表明したが、代理人は「マイナー球団からのオファーが2、3あったが、MLB球団からのオファーはなかったので引退する」と語っている。こうしたギャップが過去にもあった以上、虚言の可能性は十分にある。

そもそも2016日本ハムは破竹の15連勝に加えて観客動員も球団記録を更新し、最後の最後までNPBの主役であり続けた日本ハムが栗山監督以外の選択肢を現実に模索していたのかどうかという疑問もある。また果たして日本ハムという独特の明るいカルチャーを持つチームが長谷川へ監督のオファーするのかどうか。チームカラーから見てもし監督の要請があったとしても稲葉なら十分にわかります。

日本ハムの持つカルチャーと栗山英樹のスポーツキャスター時代の言葉に惹かれて、ここまで一貫して栗山日本ハムを支持してきましたが、果たして長谷川へ日本ハムはそこまで魅力を感じていたのか、はなはだ疑問ではある。

最後に野村克也を単にディスるブログと勘違いされても困るのでフォローしておきます。

「野村IDの源流には「カージナル・ウェイ(カージナルス流)」がある 」

という記事にもしてきたように、野村は近代野球の父としての役割を担ってきたと言っても過言ではありません。しかし人間性とは別個切り離して考えるべきであり、

「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」

とカエサルも言っているように、野村克也には好き嫌いの色眼鏡で物事を見る傾向が明らかにあります。更には自己愛のために時、事実無根のことまで既成事実化することさえもある。野球界に残してきた功績と人間性は別個切り離して考えるのが、当ブログの流儀でもあります。

結論としては、今回の監督要請については、長谷川の虚言に他ならないでしょう。日本ハムと長谷川、どっからどう眺めてもミスマッチ以外の何物でもない。私の感覚ではまず長谷川へのオファーはなかったと考えています。

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中日の閉鎖された暗さ 日本ハムに真の明るさをもたらした男は誰か

長谷川滋利の虚言 野村克也と共通する自己愛性パーソナリティ障害

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11 /07 2016
「栗山英樹を獲得した元・ヤクルト片岡スカウトが明かす野村克也の真実」

事実とは180度異なる発言を自らの力を誇示せんがために野村本で古田獲得を自らの意思であると既成事実化したように、今回長谷川は全く事実無根の監督要請という話を場を盛り上げるために講演会で話したとされています。

ありもしなかった話を長谷川が講演会でするわけもないだろうとマナーを問題視するコメントもあります。しかしそれこそが固定概念であり、自らの常識の延長線上で物事を捉え過ぎてはいはないかと当ブログでは考えています。野村克也のようにどれほど頭が良くても、自己愛のために過去の発言を180度塗り替えることのできる人物が実際にいるのです。

それを一般に自己愛性パーソナリティ障害と言います。

もちろん今回の長谷川のケースも野村克也と同等に見なすべきかは判然としません。しかし長谷川曰く「MLB数球団からの(メジャー契約)オファーがあったがマウンド上でのモチベーションを維持することが困難になった」との理由で2006年1月に正式に引退を表明したが、代理人は「マイナー球団からのオファーが2、3あったが、MLB球団からのオファーはなかったので引退する」と語っている。こうしたギャップが過去にもあった以上、虚言の可能性は十分にある。

そもそも2016日本ハムは破竹の15連勝に加えて観客動員も球団記録を更新し、最後の最後までNPBの主役であり続けた日本ハムが栗山監督以外の選択肢を現実に模索していたのかどうかという疑問もある。また果たして日本ハムという独特の明るいカルチャーを持つチームが長谷川へ監督のオファーするのかどうか。チームカラーから見てもし監督の要請があったとしても稲葉なら十分にわかります。

日本ハムの持つカルチャーと栗山英樹のスポーツキャスター時代の言葉に惹かれて、ここまで一貫して栗山日本ハムを支持してきましたが、果たして長谷川へ日本ハムはそこまで魅力を感じていたのか、はなはだ疑問ではある。

最後に野村克也を単にディスるブログと勘違いされても困るのでフォローしておきます。

「野村IDの源流には「カージナル・ウェイ(カージナルス流)」がある 」

という記事にもしてきたように、野村は近代野球の父としての役割を担ってきたと言っても過言ではありません。しかし人間性とは別個切り離して考えるべきであり、

「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」

とカエサルも言っているように、野村克也には好き嫌いの色眼鏡で物事を見る傾向が明らかにあります。更には自己愛のために時、事実無根のことまで既成事実化することさえもある。野球界に残してきた功績と人間性は別個切り離して考えるのが、当ブログの流儀でもあります。

結論としては、今回の監督要請については、長谷川の虚言に他ならないでしょう。日本ハムと長谷川、どっからどう眺めてもミスマッチ以外の何物でもない。私の感覚ではまず長谷川へのオファーはなかったと考えています。

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栗山英樹を獲得した元・ヤクルト片岡スカウトが明かす野村克也の真実

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11 /03 2016
「固定観念は悪。 先入観は罪。」と野村克也は言う。しかし野村の固定概念故に、大谷の二刀流を否定したのではなかったか。

しかも野村克也の固定概念はこれだけに留まらない。眼鏡かけた捕手は駄目だと固定概念で古田に駄目のレッテルを張ったのが他ならぬ、野村克也であった。その古田獲得を反対した野村をなんとかギリギリのドラフトの席上で説得したのが、古田の能力を高く評価していた片岡スカウトだったのである。

ところが気が付くと古田を獲得せよと指示したのは野村であると、野村本では全く真実と逆転した話として世間一般に流布されることとなっている。このような野村の人間性に完全に愛想をつかしてヤクルトのスカウトを辞職したのが栗山英樹も獲得した片岡スカウトであった。

以下、片岡スカウトの本から極めて重要な部分を抜粋しておく。当ブログの判断としては、まず間違いなく片岡スカウトの言うことこそが古田獲得に際しては真実であると判断している。

メガネのキャッチャーはいらない、と言ったはずが、
今では「古田はわしが育てた愛弟子」にすり替わっている。
そうした面がないとは言わないが、古田がどう思っているか本人に聞かないとわからない。

それより、当初は「メガネのキャッチャーはいらない」と、
野村は古田獲得に反対していたのである。
これは球団職員やスカウトが加わった会議の席での発言である。
だが、今となっては野村の中ではこの言葉はなかったことになっているようだ。
それどころか、野村は週刊文春の取材にこう答えている。

「メガネの捕手をいらんと言ったのは片岡スカウトだ。  
 わしは固定観念に捉われるんじゃない。古田をとれと言ったんだ」  

まったくバカらしい話だ。
多くの同席者がいる中での発言をなぜ180度変えることができるのか。
仮に古田が育たなかったら、
「だからメガネをかけた奴はダメだとわしは言ったんだ」と公言したのだろうか。


これを読めば、古田や栗山英樹がなぜ、野村克也と距離を取っている理由もなんとなくわかるのではないだろうか。尚最近の本ではあれだけ酷評していた栗山監督の功績を今では我が教え子が次々と活躍しているのをうれしく思っていると、自らの教育力の凄さを物語るために利用している始末なのである。

野村の栗山嫌いがいよいよ明らかになったからでしょう。1年以上前に書いたにもかかわらず、なぜか、ここ数日アクセスのあるのが「栗山嫌いの野村克也に本物の知性はあるのか?」である。

どうせなら

「メジャー通必須の知識 MLB史に聳え立つ巨人ビル・ベックを知っているか」

という記事を書くために当ブログを立ち上げたこともあり、是非この記事にこそ目を通して欲しいと考えてはいるのですが・・・・。

大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。