イーシアはファールフライを取るべきだったのか

未分類
10 /18 2015
ふつうの投手であればあの4回表のダーノウのファールフライは取っても問題ないと考えます。しかし今回はグリンキーが投手であったということが非常に大きなポイントです。今年のキャリアハイのグリンキーのシーズン全体平均被OPSは507というものであり、超絶です。NL9番打者(代打も含む)の平均OPSが483ですから、2015グリンキーの前には投手がずらっと並んでいるようなものだったわけです。ちなみに0-2からのグリンキーの奪三振率53%です。被OPS211に過ぎません。しかもギアが一個上がっているグリンキーであり、K/9もシーズン以上のものをたたき出していたことも踏まえ、相手は右打者であり絶対に三振を狙う場面ですから、ダーノウに対して奪三振率は60を超えるレベル、被OPSも200以下になると帰納的に予測することもおかしくはありません。率直に言うとあの打球を取るイーシアを見て、個人的には「えっ、この打球取っちゃうの?」という印象でした。結果はどうなっていたかはわかりません。被OPSが200以下というデータが出ていても、打たれるかもしれない。しかしOPSが200レベルということは打たれてもシングルで1点です。しかもそのヒットされる可能性よりも遥かに三振を奪える確率が高く、ダーノウが三振する確率は50%以上間違いなくあるというシーンでした。イーシアがファールを取れば確実に1点を献上することになります。カウント及びマウンドに立っている投手の力量を鑑みて、リスクとチャンスを勘案した時、あのファールボールは取らないという選択をした外野手は皆無ではなかったのではないか。というよりも10%程度はいるものと個人的には考えています。そしてそれは隠れたファインプレーになっていた可能性があります。仮にシングルを打たれても下位打線に向かってゆくわけでおそらく、グリンキーはその1点で凌いだ可能性が極めて高いわけですから。


ザック・グリンキーの素晴らしい気迫

未分類
10 /17 2015
ペナントよりも明らかにギアを一段階上げてのピッチングでした。

絶対に負けられない大一番。短期決戦においてもそれまでの戦いならまだ負けても許される状況ではあるが、最終決戦になると1勝の持つ価値が全く変わってくることは言うまでもありません。つまり1点の持つ価値も自ずから変わってきます。2勝2敗のタイからの最終戦においては1点でも勝ち越そうとどのチームも必死であり、勝ち越されたらまずは同点を目指して必死の戦いが繰り広げられていました。

ペナントにおいてグリンキーは「何よりローテーションを崩さないことが大事であり、自分の仕事とは試合を作ること、チームに勝ちをもたらすチャンスを年間を通して安定して作ること。最低限の仕事は6回2失点(ERAに換算すれば3.00相当)」そんなことを考えながらマウンドにな立っているのではないでしょうか。グリンキーレベルならば、クオリティスタート(ERAに換算すれば4.50相当)でOKとはおそらく考えていないはずです。

しかし昨日の投球を見ると「短期決戦では試合を作ることが仕事ではなく、チームに勝ちをもたらすために相手には1点も絶対に与えないことが自分の使命である」という気迫で漲っていました。先日のスターターであったシンダーガードも101マイルを連発したように、短期決戦では先発はいけるところまで行って、リリーフにも主戦級の投手がずらっと控えているのが大きな特徴です。結果、LADは敗退しましたが、グリンキーは素晴らしいボールを投げていました。

解説武田曰く「素晴らしいボールを投げているから抑えられるわけでもないんですよ。甘いところへいっても打たれないこともある」ボールの質=結果とは必ずしもならないのが野球の面白いところです。



短期決戦において投手がギアを一段上げてくる以上、それに応じて攻撃の戦術も戦略的に柔軟に対応をしていかなくてはなりません。ペナントでは試合の序盤ではふつうにビックボールで攻撃を仕掛けていたチームも、短期決戦の最終戦ともなれば、大なり小なりどのチームにも見られたように、序盤から送りバントだ 進塁打だ セーフティだ スクイズだと、目先の1点を本能的に取りにいっています。

イチロールーレットとイエリッチルーレットでもお話したように、ペナントでは目先の数字に拘ることなく<実力>を重んじてイエリッチ起用は正しいが、短期決戦では目先の<調子>を重視でイチローの起用することも正しくなるように、攻撃の戦術でもペナントでは目先に囚われずトータルで+になるという<長期的な確率論>が比重としては大事になりますが、投手優位のロースコア接戦になりがちな短期決戦では、<目先の1点に拘った確率論>が大事になります。短期決戦においては序盤からのスモールは戦略的に見てもありです。

例えば、イーシアのファールフライ犠飛のケースでは、ペナントにおいては当然取るのが是になりますが、昨日のシーンでは、敢えてファールにするという判断をする外野手も、何人かはいたはずですね。シンキングベースボールが深く浸透しているようなチームであり、洗練された外野手であればスルーしていた可能性は大いにあります。グリンキーはおそらくこれ以上追加点の1点もやらないという気迫で臨んでいた以上、内心あのフライは取らないでくれと思っていたはずです。昨日の奪三振率を見てもシーズン中よりも明らかに高く、グリンキー自身、「ボール自体は決して悪くなかった」というコメントは頷けるものがあります。

それにしてもあの大事な決戦で監督ともめるイーシアには、がっかりしました。投手がグリンキーであればこそ、あのフライは取るべきではなかったし、まして最も一致団結しなければいけない場面で監督に楯を突いて空気を不穏なものにするとは・・・。経験豊富なベテランのすべきことだったのだろうか。ここ一番でチームにまとまりがない。マドンが最も嫌うところですがLADが勝てない要因はそんなところにもあるのかもしれません。、



スライディング規制の動き マンフレッドを支持する

未分類
10 /15 2015


「アトリーのタックルでテハダが骨折 それがベースボールだ!」この記事を書いた時から、規制の話は大きく前進、実に迅速な動きをマンフレッドは見せようとしている。歴史のトレンドが示しているものとは、ベースボールというドラマに出演している選手という代替不可能な役者の健康について最大限ケアするという方向へ流れている。外野フェンスの柔らかいラバーひとつ取ってもそうだろうし、ハービィのシャットダウンの問題から、ポージィの本塁激突事故によりルールが変更されたことなど、すべては選手の健康を最大限ケアしようというところに焦点はある。


そして今回、併殺崩しに関する新たな規制への動きである。「ショービジネスの原点に回帰して考えていった時、近い将来、ルールは改変されるものと私個人は確信している。」とも書いたように、併殺崩しによる深刻な怪我が相次いでいる以上、それに対して早急な対応を見せることはMLB機構としては極めて合理的な正しい経営判断であると考える。なぜならMLBというショービジネスにおいて選手は貴重な経営資源であるからである。


PITのカンにしてもNYMのテハダにしても、緊迫した首位争いやPOで起こった事故ではあったが、例えば現状のルールでは将来が嘱望されるシーガーが併殺崩しによっていつ同じような目に遭うとも限らないのではないのか。それもベースボールの一部という考え方もあるかもしれない。しかしファンを魅了するセカンド上のアグレシブな迫力あるプレーによって得られる<メリット>よりも、骨折による戦線離脱という<デメリット>の方が遥かに大きいという平衡感覚を多数のファンは持っているのではないのか。 少なくとも個人的には、「ルール内である以上、併殺崩しによる骨折も止む無し」という意見に対して大きな違和感を感じたのも、ひとえに歴史観によって培われたバランス感覚にある。


マンフレッドが守備シフトの規制検討した際、BABIPが下がっていない以上、シフトに規制をする必要もなければ、そもそもフィールド内の戦術まで規制するのは明らかに行き過ぎた介入であるという意見を個人的には持っているが、今回のスライディング規制への動きについては断然、マンフレッドを支持する。



シカゴの風はカブスをフォローした CHCがNLCSへ進出

未分類
10 /14 2015

HRが乱れ飛んだCHCとSTLの戦いであった。リグリーフィールドは風の向きによってヒッターズパークにもなればピッチャーズパークにもなるという球場。今回は長打力がCHCよりもかなり劣るリーグ平均以下のHR数であるSTLであったために、風はカブスをフォローする形でリグリーフィールドをヒッターズパーク化とし、その影響もあってかNLDSに決着をつけました。HR数ではSTLを圧倒。しかしワールドシリーズでもしも相手がHOUやTORといったAL屈指の長打力を誇るチームが相手の場合、シカゴの風が今回と同じように打者有利に吹けばCHCの勝利にとってはアゲンストになる可能性が極めて高いということです。戦いにおいて地の利は大事な要素であり、リグリーに吹く風も戦いに一定の影響を与えそうです。 今日のフォローの風は明日のアゲイストの風ともなる。


ところでキーマンとして挙げたSTLモリーナは体調が万全ではなく打撃も絶不調であり、怪我で最後の試合は欠場しましたが、もう一人のキーマンとして挙げたCHCシュワーバーは好調を維持していました。今日の試合結果はモリーナが欠場という時点で、ひょっとするとある意味半ば勝負は決まっていたようなものだったのかもしれません。再三繰り返して恐縮ですが、CHCのシュワーバーやHOUのラスムスのような、ワイルドカードから勝ち上がってきたチームにはそれぞれ、爆発的な力を発揮するラッキーマンが存在します。こうした無双化した選手を打線の中軸から前の打順に出して、かつ当たっている選手を集中して並べることが短期決戦では重要になってきます。特に短期決戦で戦力は集中させるべきであり、分散は禁物です。HOUで言えばコレアとラスムスという並びはベストでしょうし、ソレアーとシュワーバーもできれば分散させずに並べた方がより得点力が増すはずですが、あるいは打線の構成上難しければ、短期決戦でキーを握る5番シュワーバーでもいいかもしれません。

短期決戦では非常に期間が短いために、ラッキーマンとアンラッキーマンが明確に分かれます。ペナントであれば例えばイチロールーレットとイエリッチルーレットでも話をしたように(下記に詳細はupしています)、確率論で長期においてはより高いパフォーマンスを発揮すると思われるイエリッチを起用することが是となりますが、ある短期的な10戦を切り取った時、その期間においてイチローが打率290、イエリッチが打率180であり、そしてそれがちょうとプレーオフの期間であったなら名将であれば現状の実力は括弧に入れておいて、不調のイエリッチよりも好調のイチローを先発で使うということは十分にあります。

つまり、ぺナントでは目先の数字に惑わされずにイエリッチを起用することが戦略的にも極めて理に適っていたのが、短期決戦とはラルーサが言うようにギャンブルの要素が必然強くなるために、実力はたとえ劣っていても、期間限定で当たっているイチローを敢えて起用することが是ということがある。それは野手の起用のみならず、投手の起用いわゆる継投から、盗塁や犠打を含めた戦術面など、ペナントと短期決戦では抑えておくべきセオリーが自ずから180度違うことがあります。短期決戦であるからこそ、目先の一点を取るために手堅い作戦を採用しつつも時に、ギャンブルによって奇襲を仕掛けるというこの絶妙なバランスこそが、指揮官の采配求められます。短期決戦のキーワードは手堅さとギャンブルです。


ちなみに先日「イチローとイエリッチのルーレット」という記事を下書きで保存していたと思っていたものがupされていたもので、慌てて下げた記事です。イチローがMIAと契約を結ぶ直前にupしていた記事です。再掲します。

===

「イチローとイエリッチのルーレット」

2015序盤イチローの打率が300近い状態の時、イエリッチの打率は100台に低迷していました。なぜイチローを使わないのだ?という意見も多少が日本でありましたね。この時ルーレットの例え話を私はしました。ルーレットには円周に100等分する目盛りがついており、イチロールーレットは0~24のパイ部分が赤く塗られているのに対して、イエリッチルーレットには0~28のパイ部分が赤く塗られている。残りはすべて白です。

ランダムにルーレットを回し続けると、最初はイチロールーレットの方が最終的に赤い部分に止まる確率が高く、なぜかイエリッチルーレットを回しても白に止まることが多かった。しかし試行回数をどんどん増やしてゆくと、イチロールーレットの針はやがて白の部分に多く止まるようになり、最終的にイエリッチルーレットは赤い部分に針が止まった確率302であった。そしてイチロールーレットの赤い部分に針が止まった確率229であった。

BABIPを見るとイエリッチはやや出来過ぎであり(371)、イチローはやや不運(257)ということはあります。イチロールーレットは0~24のパイ部分が赤く塗られているのに対して、イエリッチルーレットには0~28のパイ部分が赤く塗られているという仮説はそう間違ったものでもないのではないかと考えてはいます。

イチローが打てないのは、試合に出せてもらっていないからだという個人的にも好きな田口のポジティブ解説があります。しかし試合に出れば出るほど、打率が下がってゆくことはイチロールーレットの宿命ではなかったのか、と客観的に考えている人も少なからずいるはずです。実際イチローが出場し続けていたら打率は230を維持できたのか?それとも250を超えたのか?あるいは私が帰納的に予測した240へ収束したのか?それは神のみぞ知るところではあります。

かつてのイチロールーレットは0~33の目盛りまで赤いパイでした。故に打率がシーズン途中で290であれば、試合に出れば出るほど打率は基本上がっていきました。

2015 WAR-0.7 イチロー 

平均的なマイナーレベルの選手が只今メジャーへ上がってきた時、WARは0.0に設定されています。戦力として評価を期待するのは客観的に見る限りまずありえません。ただイチローにはMLBがショービジネスである以上、戦力として以外の4256というファンを球場に向かわせる大きな武器がある。あるいは守備や走塁という限定された武器もまだ残されている。

イチローと契約を結ぶチームがあることを日本人としては期待したい。


HOUの勝利を確信した瞬間 待ち受けていたもの

未分類
10 /13 2015
7回裏コレア・ラスムスの連続HRによってミニッツ・メイドパークの盛り上がりは最高潮であった。場内のHOUファンであれば誰もが勝利をほぼ確信した次の瞬間、その手からするりとALCS出場権がすべり落ちた。

勝ち上がってくるチームには必ずチームを勝ちに導いている好調の選手が何人か確実にいるということであり、例えばそれがHOUにおいてはカイケルであったり、キャリアにおいてピークを迎えているラスムスであったりするわけですが、一方ブランクが空いているチームにはそうした勢いづいている選手がどこにいるか手探りの状態からスタートすることになります。

参考記事「なぜワイルドカードから勝ち上がるチームは強いのか?」

プレーオフは例えるなら短距離の100m競争であり、ブランクの空いているチームよりも、勝ち上がってくるチームはエンジンがかかった状態でスタートについており、飛び出す勢いが必然的に違うことがあります。短期決戦においてチームの<勢い>というアナログなファクターは、決して侮ることはできない、そう個人的には捉えています。現在の打ちまくっているラスムスのようにゾーンに入ると、もちろんシーズン通して入り続けることはあり得ないが、10試合程度であれば十分に持続することが可能です。一方ペナントはマラソンですから、必ずしも飛び出しの勢いが勝負のキーを握るわけでもありません。 ソフトバンクなどは出だしは決して良くなかった。

率直に言って、今回<勢い>と<ブランク>の方程式に唯一当てはまるワイルドカードから勝ち上がってきたHOUが有利であると私自身考えていましたし、8回表までその通りの展開でした。しかし本日の劇的な試合を見て、野球の持つドラマ性を改めて再認識した次第です。KCファンにとっては堪らない試合だったはずです。

短期決戦では5番打者が重要なキーを握るケースが多いというデータもあるようです。34番が重点的にマークされるために、時には勝負を避けられたり、あるいはチームにおいて単純に攻撃力の高い打者が34番に通常座ることから、ランナーが溜まったところで5番に回る確率が高くなる。5番というとギャティスとモラレスということになりますが、ズバリ主観で一人づつ絞り込めば第五戦、ラスムスとケインに注目して中継を見ていこうと考えています。なぜ、ケインなのか?今書くのは控えておきます。あともう一人づつ挙げるなら、守備においてHOUの継投を司るヒンチ監督と攻撃において機動力を指揮するKCのヨースト監督です。

KCクローザーのデービスも絶対的な球威を持っているわけでもないことは、今日確認できました。HOUの立場からすれば隙ありといったところです。リグリーフィールドは風がフォローであり、ビックボール全開だったようですが、KCの球場は広いためにスピードや守備力が決定的に重要な価値を持ってくる可能性があります。適当であってもキーマンやキーポイントを予め設定しながら観戦するのも悪くはないものです。



洗練されたコレアと最先端のHOU守備シフト

未分類
10 /12 2015


2015HOUの守備シフトの数がMLB全体で1位だったと今日の放送でありました。極めて興味深かったのは同じ打者でも何種類かのシフトを用意しているという点でした。たとえばヒッティングカウントではプルヒッター用のシフトにするが、カウントが2ストライクになった途端、その打者はアプローチを変えて投球に素直に打ち返す傾向を持つため、通常の守備陣形にチェンジするといったように、HOUは相当にキメの細かい守備シフトを採用しています。もっと言えば投手が右から左へスィッチしても、当然、その打者の引っ張りの度合いなどは違ってくることから、ファジーに随時対応しているはずです。守備力を現すDRSではHOU、ALリーグ2位という数字でした。セイバーメトリクスの最先端を走るHOUだけに、MLBの中でも、守備シフトについても相当に戦略的な動きを見せている模様です。守備シフトのキメにおいてもかなりの球団格差があり、今のところはMLB全体のBABIPが下がる気配を見せてはいませんが、いずれ守備シフト全体の質が今よりも格段に進化したとき、MLB全体のBABIPも目に見えて下がるものなのかもしれません。

HOUはセイバーメトリクスに基づく守備シフトのみならず下記にも示したように、HOUは基本的にはセイバーメトリクスを前面に押し出した防御戦略及び攻撃戦略を徹底して採用していることがわかります。攻撃編の分析だけでも気が向いたら読んでみてください。5月の時点においてかなり正確なアストロズの攻撃戦略の全体像を捉えていたと考えています。


「アストロズの強さの秘密 その戦略をセイバーメトリクス分析する 防御編」

「アストロズの強さの秘密 その戦略をセイバーメトリクス分析する 攻撃編」


そんな中、このHOUで感心したのはコレアですね。今日のKC戦でも状況に合わせてチームバッティングで2塁ランナーのスプリンガーを進塁させるために狙ってセカンドゴロを打つという戦術としてのスモールボールを展開。おそらくスモールを大事とするオールドスクールのヒンチ監督の指導によるものなのでしょうが、ベンチでハイタッチする姿を通してわかるのはセイバーメトリクスを全面に押し出すHOUにおいても、スモールへの意識がチーム内でも共有されており、状況に合わせたシンキングベースボールについても間違いなくコレアに教育が施されているということです。HOUの123番については特にスピードもあり、SBリーグ1位ですが、いつ盗塁を仕掛けるべきなのかといった教育もこれまたきちんとされていることが、シーズン中の動きからもなんとなく察することができます。大味のようでいて、決して単純ではないベースボールを展開しているのがHOUであり、コレアのあの一打を見ても、明らかにペナントとは違う短期決戦仕様の戦い方に臨機応変に変えています。それだけ戦略性が高いチームであり、HOUへの見方を少し変える必要性があるのかもしれません。


ちなみにCHCは昨日もオールドスクールばりばりのマドンがスクイズを連発させていましたが、投打を合わせた総合WARでもリーグ1位の戦力を着々と整えたのは新思考派のエプスタインです。時代の流れは確実にある方向性を示しています。セイバーメトリクスとスモールベースボールが戦略的に統合される時代がやって来ているということです。


ちなみにDRSでHOUの上を行くのが現在の対戦相手である1位のKCです。偶然か必然かはともかく守備への強い意識を持っているチーム同士がプレーオフを現在争っています。

アトリーのタックルでテハダが骨折 それがベースボールだ!

未分類
10 /11 2015
「ダブルプレーを阻止するために無防備な内野手へ、時には殺人的なスライディングやタックルを仕掛ける。それがベースボールの本場における文化というものなのだよ、諸君!むしろそうしたベースボールの文化に適応できず骨折した選手の方が問題なのだ」そう教え諭すかのような論調のコラムがPITのカンが骨折した際は全開でした。SNSでも通を気取る人に限って、全く問題ないという意見が支配的でした。またそうした危険を直接身に感じることもなかった解説者の元外野手田口もそう言っていました。

ラルーサは試合の勝敗よりも選手の健康が大事であると明言していましたが、素晴らしい役者がいなければ野球というドラマは始まらない以上、MLB機構も野球という筋書きのないドラマを演じている選手をもっと大事にすべきなのではないのか。もしNYMの野手なら、アトリーに対して機会を捉えて絶対に報復するスライディングをすると思うに違いない。もしNYMの投手なら、アトリーへいつか死球報復してやると思うのではないのか。チームはファミリーであれば当然です。こうした不毛の連鎖を失くするにはルールをちょっとチェンジすればそれで済むことではないのか?

ルールを改変すれば確実に防げる骨折をも許容する、それをもってほんとうにベースボールなのか。ベースボールというショービジネスを観る者の一人としてこうした怪我による戦線離脱はいい加減うんざりであり、まるで興醒めな事件であり事故であった。ショービジネスの原点に回帰して考えていった時、近い将来、ルールは改変されるものと私個人は確信している。



カーショウと心中すべきだったのか 短期決戦は継投が鍵を握る

未分類
10 /11 2015
7回グランダーソンに四球を与えて満塁になったところで、カーショウと心中せずに、マッティングリー監督はバイエズというセットアッパーに交代をしました。なぜ絶対エース・カーショウと心中しなかったのか、誰もが考えたことを私も考えました。しかし冷静になって7回のカーショウを振り返ると、BB/9が1.00台であり1試合で2個のBBすら出すことはないカーショウが、たった1回の7イニング目に3BBを与えるという投球内容から、明らかにいつものカーショウではないと監督は限界を感じ取ったのかもしれません。ちなみにLADホームで投げた試合で昨日のように4BBを出したのは2014 2015には一試合もありません。明らかな危険信号を示していたと言っても過言はありません。 唯一の4BBは特殊な気圧の低いコロラドで一回あったのみ。

このバイエズ、平均のファーストボールのベロシティが97マイルを超えており、K/BBもほぼ6.00であり、FIPも2.51というベンチの信頼を勝ち取るには十分な成績です。もしも継投ならあの場面でカーショウを繋ぐとしたら、バイエズ以外にまず有りない状況であった。


結果が出てから、さも俺は最初から分かってたよという認知バイアスを<あと知恵バイアス>と言います。プロセスを無視し、結果論によって不当に評価するバイアスです。これを防ぐには結果から逆算して見るのではなく、プロセスそのものにフォーカスするという訓練が必要です。ほんとうにカーショウと心中という結論しかあり得なかったのかどうか。カーショウを引っ張り過ぎて昨年は大失敗。もし昨日のあの場面で続投させて打たれたら、結果論によるバイアスによって続投を絶対視する人は「やっぱりカーショウは大舞台には弱い」もしくは「昨年までのミスを同じように繰り返す。引っ張りすぎ、監督の継投ミス」という言葉として必ず表現することになります。バイアスを意識化しながら野球を観るという訓練を積む人は極めて少ないです。残念ながら多数はバイアスに無自覚であり、自分が見たいように野球を見るだけです。


結果は継投のミスである。カーショウ続投でも間違いとは言えないが、しかしあの時点でバイエズへの交代する判断そのものは、失点を防ぐために確率の高い判断をしたという意味で決して間違ったものではない。結果と判断の是非を分けて私なら考えます。 もちろん、結果論ではなく広島の緒方のように判断そのものが明らかにミスしているケースも多々あります。監督で広島は負けました


それはともかくカーショウは普段通りのピッチングをどうしてもPOになると見せることができません。大舞台でいい結果を出さなくてはというメンタル面がパフォーマンスに何らかの影響を与えていると考えるのが妥当であるような気がします。7回4BB、まずシーズン中ではないことです。確実に言えるのは昨日のカーショウもふつうではなかったということです。松井やバムガーナーのように大舞台になればなるほどより心が静まり不動心によって、集中力が研ぎ澄まされてくるタイプと長嶋茂雄やオルティースのように大舞台になればなるほど、魂がバーニングし潜在能力を引き出してくるタイプの2種類のタイプがいます。大舞台に強い選手にも陰性と陽性タイプがある。


そして大舞台に強いタイプがいるということはその逆もいるということです。ARODとかカーショウが大舞台に弱いタイプとして今のところ分類されることになります。今後のカーショウがどうなるかはわかりません。ただベースボールとはメンタルのスポーツであるということ。このメンタルのスポーツであるという論点についてもいずれ記事にします。




HOUも継投ミスによって逆転されました。カズミアいいボール投げていたんですが、(2点差もあり続投でも良かったのではないかと率直に感じました)HOUには勢いがあるが経験がないことをフィールズの投球を見てまざまざと思い知らされた試合でした。KCが勝つとしたら、昨年の経験値とAL最高の勝率を残した地力という強みがある。第三戦以降の戦いが楽しみです。現在はまさに互角の状況です。短期決戦の要諦は継投の是非にあるとはラルーサの箴言です。 今後もPO共通しての大きなポイントということになりそうです。


CHCには勢いも力もあります。ただSTLにあってCHCにないものとは経験です。CHCのシーズン中の戦力分析をするとNLを勝ち抜くだけの戦力は持っています。投打の総合WARではNL1位です。映画のシナリオ通り、ヤギの呪いは解かれるのでしょうか



HOUの勢い、2015BABIPは高止まり、インターリーグAL圧勝。

未分類
10 /10 2015
「MLB全体のBABIPついに300に達す ~守備シフトを過大評価してはならない」という記事で、300がピークであり最終的には298~299へBABIPは収束する可能性が高いと予測しました。結果はMLB全体のBABIPは299。守備シフト元年2014につづいてここ5年でBABIPが最高の値を示す結果となりました。以上により、守備シフトはそれなりに有効であるが、決して過大評価をしてはいけないという意見を変更する余地はない。そう結論しました。新しいというイメージによるバイアスで物事を早計に判断してはいけないという最たる例です。本来なら「守備シフトには絶大な効果がある、実際BABIPが2014年以降はっきりと下がっていることからもわかるだろう」 という論理を展開したかったのでしょうが、数字はそうなっていません。

更にインターリーグですが結局2015もALが38個もの貯金を積み上げて終了です。10年以上にもわたって連続AL勝ち越し。圧勝です。1チームあたり平均して2個以上の貯金をたたき出しているということです。未だにリーグ間のレベル差がないと言い張る人が多いのにも驚いているのですが、彼らが何を根拠にしてそう結論づけているのか?正直全く理解できません。これまた印象だけでどうやら結論しているようです。
参考記事「なぜ日米問わずDH制のあるリーグが強いのか?」

「セイバーメトリクスに基づいた守備シフトだから、さぞすごいのだろう」という決めつけや「人材流動性がNPBよりも高いからリーグ間のレベルは変わらない」という思い込み、このようなバイアスを排除して考えるには、可能な限り数を根拠にして、論理的に思考することがある程度大事になってきます。セイバーメトリクスは故に非常に大事なツールでもあります。


最後に、先日書いた記事の続きになります。なぜワイルドカードから勝ち上がったチームが強いのか?でも触れた、短期決戦における<ブランク>と<勢い>というファクターからすれば、唯一その条件にかっちり当てはまる対決がひとつだけあります。早々と地区優勝を決め、SEA戦でも気の抜けたプレーを連発させていたKCとワイルドカードに決定したHOUの対決になります。もちろん、化学反応のようなかっちりしたものではないので絶対ということはありませんが、HOU有利ではないかと私は考えています。(この原稿は本日スプリンガーが外角のスライダーを見逃した初回の打席時に書いています)実際にHOU旋風が吹くのかどうか楽しみです。それから、STLはモリーナの復帰は非常に大きい。モリーナがいるSTLといないSTL、全く別物です。CHCの勢いはもちろんあるでしょうが、ここは激戦の中地区であったために、STLは最後までペナントを息を緩めることなく戦いました。よって短期決戦における<STLのブランクの長さ>という条件が当てはまりません。まさに野球とは筋書きのないドラマという展開になるのかもしれません。ただ率直に言うと、勢いだけでCHCがモリーナを擁するSTLも押し切ってしまう可能性を少なからず感じています。ずばりキーマンはモリーナとCHCの12番としておきます。



なぜワイルドカードから勝ち上がるチームは強いのか?

未分類
10 /08 2015

過去の歴史を見ると勢いや流れを短期決戦に持ち込むことによって、前評判を大きく覆すという例がいくつかあります。例えば2012年の無双であったバーランダーと最強打者カブレラ擁するDETとNLで激戦を勝ち上がってきたSFがいい例となります。この時、SFに敗れたSTLバークマンをはじめとする多数はSFはPOですっかり消耗している、故に戦力・休養十分のDET有利という予想でした。シーズン中の戦力をセイバーメトリクス分析をしても、力はDETが圧倒。しかしシーズン中の戦力分析よりも、短期決戦においてよりフォーカスするべきは要素は、「勢い」「流れ」である、という記事をWS直前に私は書いた記憶があります。

例えば過去の歴史の見ると、4勝0敗のストレートで勝ち上ってきたチームと4勝3敗で勝ち上がったチームの対決は3つある。


1988年 オークランド・アスレティックス対ロサンゼルス・ドジャース
2006年 デトロイト・タイガース対セントルイス・カージナルス
2007年 コロラド・ロッキーズ対ボストン・レッドソックス


3カードとも、4勝3敗で勝ち上がってきたチームがワールドシリーズを制している。2012年のワールドシリーズも4勝0敗のストレートで勝ち上ってきたDETと4勝3敗で勝ち上がったSFの戦いであった。更に言えばNPBでも2012年日本ハム(4勝0敗)と巨人(4勝3敗)もまた同様のケースであり、私自身日本ハムのファンであるにもかかわらず、過去の歴史から導き出される戦いの原理に照らせば、日米共にジャイアンツ有利という予想を立てました。結果はご存知の通りです。特にSFについては戦力的には劣るため、実際過去の法則が今回も当て嵌まるのか半信半疑ではあったのですが、やはり、4勝3敗で勝ち上がってきたチームがストレートで勝った。 キーワードは<戦いまでのブランク>と<接戦を如何に勝ち抜いてきたかというプロセス>にあります。

その考え方を日本の戦いに当てはめると、まだセリーグにCSがなかった2005年阪神とロッテの日本シリーズは下克上シリーズとも言われました。ペナント戦力分析だけ見れば阪神の総合力は非常に充実していました。その戦力の充実ぶりから阪神有利を力説した解説者もいました。しかしある解説者は、間髪入れずにペナントではCSの制度に救われたロッテが圧倒的に有利であると結論したのです。その理由とは<阪神の決戦までの長いブランク>と<激戦を勝ちあがったロッテの勢い>が複合した時、ロッテが断然有利であるというものでした。


阪神有利という解説者が金村であり、ロッテ有利という解説者が栗山です。結果は総得点33-4というスコアでロッテの4連勝で圧勝。このシリーズがひとつのきっかけともなり、クライマックスシリーズを採用した直後からパリーグが日本シリーズで完全に押し切り怒涛の3連勝したために、2007年からはセリーグもクライマックスシリーズを採用することになります。 これをサンプルが少なく偶然と見る人もいるかもしれませんが、私はセリーグが極めて賢明な判断をしたと考えています。もしあのままセリーグがCSを採用しなければ、<セリーグ優勝チームは決戦までの長いブランク>と<CS激戦を勝ちあがったパリーグ優勝チームの勢い>が融合した結果、パリーグが圧倒的な成績を日本シリーズでも残すことになった可能性は極めて高いと結論しています。



そう考えると例えば、ワイルドカードのチームの勝率はディビジョンシリーズに出てくる8チームの中で基本 7位と8位であるにもかかわらず(今年のようなCHCやPITのような例外を除く)、なぜ過去ワイルドカードのチームはリーグ優勝回数やワールドシリーズ制覇の回数を比較する限り、地区優勝チームと全く互角の成績を残しているのかある程度理解できます。ちなみに2014のWSに進出したKCとSFは共に90勝に届いていないワイルドカード同志でした。ペナントにおいては圧倒的な戦力を持っていたとは言い難いチーム同士の対決であったということです。


先日もKCはSEA戦でぶっちぎりで地区優勝目前のためなのか、すっかり気の抜けたプレーを連発していましたが、ワイルドカードのチームは161から162試合目で劇的に決まることが多く最後までエンジン全開であり更にはワンゲームプレーオフを勝ち上がるということで、ディビジョンシリーズまでの時間が非常に短く、選手はすっかり高揚した中でPOの戦いへ突入することになります。つまり<決戦までのブランク>と<勢い>と言う要素から見れば、日本のCSほど極端な影響は出ませんが<CSを行っていないセリーグ>と<CSを行っているパリーグ>の相似形として、地区優勝した3チーム(=CSを行っていないセリーグ)に対してMLBのワイルドカード(=CSを行っていたパリーグ)のチームの相似と見なす事も可能なわけです。

今年のワイルドカードで勝ち上がったHOUやCHCが勢いを持ち込んで次にどういう戦いをするのか、要注目です。もちろん短期決戦は勢いやブランクの長さだけですべてが決まるわけもないのですが、日米問わず決して見過ごすことのできない重要なファクターのひとつではあります。ちなみに勢いや流れをセイバーメトリシャンは否定することを持って理性的であると考える人が多いようですが、彼らの言うことも一理はありますが私はこの考え方には全面的に賛同できません。いずれ彼らの持っている知の限界について言及することもあるでしょう。



大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。