やはりラルーサは名将である 短期決戦の箴言 

未分類
09 /28 2015
雑誌を読んでいるとラルーサのインタビュー記事の一文に目が奪われました。

いつもベンチでよく言ったものだ。「ワールドシリーズはベガスみたいなものなんだ。だから細かいことは気にしないで、恐れずにトライしろ」

この意味するところを自分流に噛み砕けば「ペナントのように最後は実力がものをいうステージとは違い、運が大きく左右する短期決戦を勝ち抜くには一か八かのギャンブルを仕掛けるラスベガスモードに切り替えることが重要であり、リスクを恐れることなくチャンスに対してより敏感になることが大事だ。いけると思えばレギュラーシーズン以上にどんどんチャレンジし仕掛けてゆけ」というものです。風林火山にもあるように、ペナントでは山のようにじっと動かないことが非常に重要なシーンがあります。例えば栗山監督やジラルディ監督にこの動かざる部分に非凡さを感じることもあるのですが、しかし短期決戦でこれをやったら間違いだということです。たとえば動かずにオリンピックで惨敗したのが星野JAPANでした。ぺナントと短期決戦では当然、戦い方を変えるべきであり、それが戦いの原理というものです。


KCヨースト監督に見る 真のリスク管理とは何かで私はこういう記事を書きました。

「一発勝負であればあるほどに実力よりも運に左右されるために、<奇襲性><ギャンブル性>というファクターはリターンが大きいために短期決戦においてはより大きな価値が出てきます。よってペナント時以上にリスクを取ってでも前に出るという姿勢は基本的に正しいあり方です。

ところがALCSまでは縦横無尽に走り回っていたにもかかわらず大事なワールドシリーズの一戦を目の前にして、KCはほぼ全く走らなくなりました。切り札のゴアは一体何のためにベンチ入りしていたのか、さっぱりわからないという状況でした。ベンチコーチのワカマツいわく「盗塁は失敗した時のリスクが大きいためにサインを出しづらい」であり、大事に試合を運んでゆく慎重な選択をKCはしたということになります。結論から言いますとKC最大の武器であった<機動力>を自ら封印してしまったのはヨーストの完璧なベンチワークミスであり、監督自らが失敗のリスクを怖がって、チーム全体の勢いに大きなブレーキをかけてしまったということです。」

大事な一戦にかける姿勢として、ギャンブルを推奨する指揮官とリスクを恐れる指揮官。同じような状況にあっても、180度違う判断を下しているわけです。結論からすればセイバーメトリクス的にもラルーサの言うことが正しいと言えます。一事が万事なのであり、様々な場面で監督によって判断は180度違うシーンがたくさんある。つまり監督によって大きく戦局は変わる可能性があることをこれらは示唆しています。ラルーサの師でもあるスパーキー・アンダーソンはMLB史上最高のワールドシリーズに数えられる1975年の対レッドソックス戦を回顧するにあたって、シリーズ中盗塁が6個あったことの重要性についてさりげなく述べています。

昨年のワールドシリーズのKCからすれば最大のポイントは第4戦の中盤継投にあったと私は考えています。あの急所を抑えれば80~90パーセントこのシリーズをものにできるという場面に対して、シリーズ全体を俯瞰し的確にクリーンヒットしてくるのがラルーサなのに対して、ヨーストという人のピントはややずれており勝負の山場にどうしてもフォーカスできない。これは指揮官としての才覚の問題です。

昨年のKCに限れば、盗塁を失敗したことが問題なのではない。大舞台でリスクを恐れる余り、盗塁そのものを企画しなかったことこそが最大の問題であったのである。


パークファクターの基本 ドームランを考察する

未分類
09 /26 2015
一番最後に簡単なパークファクター理解度チェックを出します。すぐに何が問題なのかを見抜けたら、パークファクターについて平均的な理解度はあると見ていいです。是非最後だけでも試してみて下さい

ヒッターズパークか?ピッチャーズパークか?いわゆるパークファクターを決定する二大要因とは HR率とBABIP率の二つによって構成されています。しかしながら1年単位で眺めてもそのボールパークの特性がわからないことがあります。例えば、2011にTEXアーリントンは1.5近くとMLB最高のヒッターズパークでしたが、2012には1.00を切るという数字になっています。1年だけで早計に判断できないのがパークファクターという指標です。純粋な球場の特性を把握するには経年で見る必要があるということですね。


ではドームランを分析する前に、いくつかを例にしてまずこのパークファクターを決定するファクターについて考察を加えることとします。

例えば BOSのフェンウェイ最大の特徴は球場の狭さを補うグリーンモンスターです。グリーンモンスターという巨大な壁のためにHR率を経年で10年近く追跡すると平均かやや低いボールパークです。しかしグリーンモンスターという巨大な壁のためにBABIP率が高い。特にモンスターがあるから2塁打の出る確率がメジャー屈指の数値になります。更にはファールエリアが極端に狭い。ファールフライも少ない。よってBOSのフェンウェイ総合判断としてはヒッターズパークになります。その逆でOAKのコロシアムなどはグラウンドも広いが、ファールエリアも広く、唯一3Bが出やすいという典型的なピッチャーズパークです。

SEAのセーフィコフィールドは、湿気が高くボールが飛びにくく球場も比較的大きいサイズであるので、典型的なピッチャーズパークであり、リグリーフィールドはシカゴが「風の街」(Windy City)と呼ばれているように、風が打者有利フォローの吹き方をするケースが多いため、典型的なヒッターズパークとなる。 TEXのアーリントンなどは乾燥が激しく湿度が低く風が打者にとってフォローであり狭い球場であって打者有利の条件がずらっと揃っています。

例えば USセルラーフィールドやグレートアメリカンボールパークはとにかく狭く経年で見るとHR率が高い。しかし 狭いということはまずこの球場三塁打の出る確率がかなり低くなり、二塁打も同様に低い。狭ければフェンスにぶつかっても外野からの返球次第ではアウトになりやすいということがある。よって基本ヒッターズパークですが、メジャーにはそれ以上の遥かに打者有利の球場があります。

メジャーでの屈指のヒッターズパークこそはメジャーでも1.2を争う巨大な面積を有するクワーズフィールドとチェイスフィールドです。ともに海抜が高く気圧が低くて乾燥しているのでボールがよく伸びる。だから広大にボールパークを設計し、HR率も高いことはすっかり有名ですが、外野が広大なために2.3塁打の長打も出やすいのは無論、打球が飛びやすいので外野手もやや深めに守るのでシングルまでも出やすい。HRも含めたあらゆるヒットも出やすいとなれば最も打者有利になるのは必然です。

球場が狭い=ヒッターズパークと言い切れるか?

基本言い切れます。しかしより打者有利になる球場がメジャーには2つ存在しており、いずれも高地に存在する通常の球場よりもビックサイズである。以上をまとめるとパークファクターを決定する要因は全部で5つあるということになります。

球場の広さ→広いほど投手有利になる(他の諸条件を揃えたら)
フェンスの高さ→高いほどHRは出にくくなる
気圧の高さ→気圧が低ければボールはよく飛ぶ
湿度の高さ→湿度が低ければボールはよく飛ぶ
風の向き 強さ→風がフォローならボールはよく飛ぶ

これらが変数となってそのボールパークの特性は導き出されることになる。以上よりドームランの原因を探求します。


東京ドームは左中間右中間までが極めて短いという特徴のあるとても狭い球場である。フェンスの高さはドーム球場としてはふつうであり、狭さを補いHRを阻むような高さではない。気圧については送風によって内部の気圧を高くしてドームを膨らませているので、気圧というファクターのみからすればどドームのボールは飛ばないという結論になる。(クワーズフィールドのようにドーム内の気圧が低いならもちろん、ボールは飛ぶようになるが気圧が低ければドームは潰れて野球はできなくなる。)東京ドームの湿度は空調で低く抑えられているので空気が乾燥し当然ボールは飛ぶ。

また風についてはカクテル光線がグラウンドの中央に向かって照射されているために、グラウンドの中央の空気の温度が高くなりそれが上昇し、風呂を焚くと下の冷たい水が温められ次第に上がり水の循環ができるように、このグラウンド中央部に上昇気流が緩やかに生じドーム内を還流している可能性はあります。またドーム内の気圧を上げるのに送風している以上、東京ドームには風が吹いているのに相違なく、ドーム内の特に外野上空をどう風が巡っているのか可視化できないために早計に結論できないわけですが、もし風が打者にとってフォローなら間違いなくドームランの一因とは成り得る。しかしアゲンストの可能性もあるわけです。尚、風速1mのフォローの風だけでも飛距離は4m伸びるとの報告もある。


結論としては、異様にホームランが出にくい名古屋ドームなどの打球の飛び方を比較すると、打者フォローの風がドームに吹いている可能性は個人的には捨てきれない。もっとも風については風速計をドーム外野上空の各所に置いて計測できない以上、個人的な推測の域を出ないしドーム内の風が打者フォローの可能性を示唆するだけに今回は留めておきたい。しかしもし仮にこの風を度外視しても客観的にドームの狭さと湿度の低さはドームランの確実に大きな要因となっていると考えてもいい。

最後にパークファクター理解度チェックです。

解説者大島がTBの本拠地でベルトレのHRが出た瞬間「ドームは気圧の関係で、よくボールが飛ぶんですよね」と言いました。この言葉の問題点がぱっと頭に浮かぶようですと、平均的な理解度はあると見ていいです。気圧の間違いについてはさすがにすぐ気づくでしょう。

まず第一にトロピカーナフィールドは気圧式のドーム型ではなく、体育館のようなかっちりした密閉式ドームである。故に大島が言うような内外の気圧差は基本ない。もし仮に大島が言う気圧式であっても気圧を高めてドームを膨らませているので、ボールが気圧によって飛ぶということは物理的に有り得ない。更には、トロピカーナフィールドはここ10年で見るとメジャーでも屈指のピッチャーズパークである。だからこそ、フリードマンGMはセイバーメトリクスを駆使してスモールなチームを作った。マドンはデータを駆使する典型的なオールドスクールであり、ソーシアの優秀な門下生である。
解説者の大島が東京ドームとトロピカーナフィールドを同一視し、気圧式ドームの典型的なヒッターズパークであると思い込んでいることが一瞬で透けて見えてくればしめたものです。トロピカーナフィールドは決して広い球場でもなければフェンスも高くもないために、大島が勘違いするのもわからなくはないのですが、密閉式ドームの典型的なピッチャーズパークである。


「もう一つのブラックソックス事件」マービン・ミラーの慧眼

未分類
09 /18 2015
今から3年前に、マービン・ミラーは逝去されました。その報に接した瞬間、思わず私は「あっ」という声なき声を発し、とても厳粛な気分に包まれた記憶があります。MLB史上において有数の枢要な人物の一人である、フリーエージェントをもたらした最大の立役者であるマービン・ミラーが書いた「FAへの死闘」という本を先日読了しました。実務能力はもちろん透徹した洞察力の落ち主であり、相当の切れ者であることは文章の端々から伝わってきます。その本の中でミラーが委員長を務めた選手会の敵として立ち現れてきた<オーナー>と<コミッショナー>の面々について、マービン・ミラーが彼らをどう評価しているのか、について書かれている章がありました。まずオーナーのトップバッターで出てきたのは、やはりと言うべきでしょうビル・べックでした。

マービン・ミラーのビル・べックへの評価は概ね下記2つの記事通りとほぼ齟齬はなかったように考えています。
「メジャー通必須の知識 MLB史に聳え立つ巨人ビル・ベックを知っているか」

「ボールパーク戦略の極意は<花>にあり」

<花>を大事とする超一流のスポーツプロモーターであり、かつカラーラインを突破するともに、オーナーでありながら唯一FA制度に賛成をした人物でありビル・べックへの最大限の賛辞をマービン・ミラーは綴っていました。尚、「ボールパーク戦略の極意は<花>にあり」という記事はゲーデルの写真が消えてしまっていたので貼り付けました。もし知らない人は是非 小人ゲーデルの姿を写真で確かめてください。OBP1.000の選手の姿がそこにあります。


ところで二ヶ月前に私が書いた記事で、全く誰からも支持されなかった「ピート・ローズの賭博とフィールド・オブ・ドリームスに描かれた夢」という記事があります。実に支持の数は0。その記事で言いたかったことのひとつは<野球賭博>が<八百長>を誘発するという意味で密接な関連性はあるもの、この両者には越えがたい一線があり、もっとはっきり言えば次元が違うマターであることだけははっきりさせたかった。ピート・ローズは野球賭博はしたが、八百長に手を染めていなかったということは強調してもし過ぎることはない。

「八百長>>>野球賭博」

という方程式が成り立つと認めるのは私だけではなかったことがミラーの本を読んで確認できました。マービン・ミラーは<八百長>のブラックソックス事件とローズの<野球賭博>の根本的な事件の質の違いについてはっきりと指摘しながら、野球賭博でピート・ローズを永久追放をしたジアマッティ・コミッショナーこそ、ブラックソックス事件にも劣らない広義における八百長行為をしたと舌鋒鋭く話を展開するのです。


この意味するところをこれから説明します。

1985~1988年にかけて、MLBでは26チームのオーナーが共謀し、FAになった選手に対して他の球団から一切オファーをしないことにより、全球団のペイロールを下げることを目的とした動きが、暗躍していました。経費を抑えることができれば結果それはオーナー全体の利益と適うものとなります。もし八百長を「己の経済的利益のために謀(はかりごと)を巡らしてグランドで戦うに際して全力を敢えて出さないこと」と定義できるならば、このアンドレ・ドーソンやジャック・モリスなどの超大物のフリーエージェントに対しても敢えてオファーしないという、オーナーたちによる共謀事件こそ、まさに近代野球のブラックソックス事件であるとマービン・ミラーは喝破します。その際に共謀の犠牲になった一人が現役のボブ・ホーナーであり、FAで契約ができずMLBのバリバリでありながらヤクルトへ来日し旋風を巻き起こすことになります。実はこの共謀にはオーナーだけでなく当時ナリーグ会長であったジアマッティも同席していたようです。 後にこのジアマッティがコミッショナーとなりピート・ローズを永久追放することになります。

以下、マービン・ミラーの言葉を引用します。


「ブラックソックス事件は、選手たちが勝たないことを約束して金を受け取った点に最大の問題があったのではなかったのか。一方、近代野球で起きた<ブラックソックス事件>全く事情が違った。一球団のわずか八人の選手によって八試合のシリーズに限って行われたことではない。すべてのオーナーすべてのGM、両リーグの会長(当時ジアマッティ)、ユベロス・コミッショナーが関与し、三年間も続いた大スキャンダルだった。しかも1919年のブラックソックス事件では選手たちは法廷で無罪であったに対して、近代の事件を起こしたオーナーたちは有罪判決を受けている。 (しかし球界における処分ではブラックソックス事件のエイトメンは永久追放であり、オーナーたちは無罪放免である。)
オーナーが利益を得るためにチーム力を高める可能性を持つFA選手と契約しないことを共謀するということは、お互いに最高のチームをグラウンドへ送り込まないことを打ち合わせしたことに他ならない。しかも数試合だけでなく、ペナント全体、プレーオフ、ワールドシリーズも含めてリーグ全体を八百長にかけたに等しい行為である。それは<野球の尊厳>への侮辱そのものに他ならない。


選手たちが共謀して全力を試合で出さないこと(簡単に言えば八百長)をすればコミッショナーは永久追放の処分にするし、それは正当な処分だろう。では、オーナーたちなら同じ行為でも許されるのか?」

ミラーが結論としていることを要約すれば、ピート・ローズがやってしまった野球賭博そのものよりも、ジアマッティも含めたオーナーたちの共謀の方が遥かに<野球の尊厳>を傷つける行為であるということです。

このマービン・ミラーの意見について人それぞれの意見はあるでしょう。詭弁という人もいるかもしれない。しかし私は、こうした正鵠を得るマービン・ミラーの如き洞察力をこそ手に入れたいのだということが本を読んでよくわかりました。個人的にはこのマービン・ミラーの本を読んで、べックやピート・ローズに関わらず、ブラックソックス事件のジョー・ジャクソンとコミスキーについて、あるいはジョージ・スタインブレナーについて、その見解において共通するものを見出すこともでき、培ってきた歴史観に一定の自信を持つことができました。

なぜ歴史を知り、歴史観を磨く必要があるのでしょうか?


それは過去・現在・未来の時間の流れから抜け出て、MLB全体の動きに対して見下ろすような遥かなるパースペクティブを確保するためです。

ただ今起きている事象の本質を言葉の矢で射抜くにも、磨き抜かれた深い歴史観が必要であるような気がします。歴史の話が人気のないことをわかっています。それでも、私は記事としてこれからもたまにupしてゆくつもりです。

かくしてSEAは最もプレーオフから遠ざかるチームとなる

未分類
09 /13 2015
「パット・ギリックの法則」という言葉をご存知でしょうか?

2015年、ついにTORはこの「パット・ギリックの法則」の呪縛から解き放たれて、超強力打線を擁してPO進出ということなりそうです。1992年と1993年の連続ワールドシリーズ制覇という輝かしい年から22年ぶりです。つまり自分の不正確な記憶が間違いでなければ、SEAは最もプレーオフから遠ざかるチームとなることを意味しています。

今から22年前にその最強TORを編成したのはパット・ギリックGMでした。そのパット・ギリックGMが次に移籍したのがBALであり、1996年と1997年に2年連続でプレーオフに出場させてSEAに移籍しました。2001年にはMLB史上最多の116勝という圧倒的な強さを発揮する最強SEAを作り上げ、その後PHIに移籍し2008年ワールドシリーズ制覇をし輝かしい実績を残して殿堂入りしたのがパット・ギリックGMです。

「パット・ギリックの法則」とは移籍したそのチームで必ず優れたチーム編成をし、一定の成果を出すのですがパット・ギリックが移籍した途端、その残されたチームはギリック以後、極めて長い低迷期を迎えることになり、PO進出まで浮上するまでに軽く15年とか20年程度はかかるという歴史の法則です。

TORは22年。BALがPOにパット・ギリック抜けてから浮上するまで15年、SEAもまたPO進出まですでに14年の時を要しています。

かれこれ4年前くらいでしょうか?まだPHIがまだPOには当たり前のように進出していた黄金期に、「パット・ギリックの法則」が今回のフィリーズのケースについても当て嵌まるなら、やがて長い低迷期に入ることになるだろうという記事を書いたことがありました。 そして今回もその法則にPHIは見事に嵌ってしまう可能性があります。

もっともPOには5チーム出れるようになっており、PHIは比較的財政には恵まれているでしょうから、浮上するまで期間がこれまでの法則どおり15年とか20年ではなくもう少し短い期間で済むのかもしれません。
尚「パット・ギリックの法則」という言葉は私の造語です。(笑)TORの次に「パット・ギリックの法則」から抜け出すのはSEAなのか?それともPHIなのか?そんな観点からMLBの戦いを観ることもありではないでしょうか。



「マネーボール」という本を中日の落合GMはほんとうに理解しているのか?

未分類
09 /12 2015
今回はかなりさっくりした軽いセイバーメトリクス記事です。

「マネーボール」という本を持ち出して落合は社長にGM就任の打診を図ったと言われています。しかしいったい何を根拠にして選手の年俸を落合GMは決定しているのか?個人的にはその査定に大きな疑問に感じています。

現在2015MLBの1.0WARは800万ドルに相当しているはずです。毎年どんどん1.0WARに相当する年俸のインフレが進んでいます。NPBとMLBの平均年俸はおおよそ4000万と5億ですが、NPBの1.0WARは5000万前後と考えて良いというセイバーメトリクスの記事を見ました。おそらく現実的にMLBと比較して考えても、1.0WARは5000~6000万前後に帰着することになりそうです。

WARの欠陥があることも十分にわかっていますが、それでもセイバーメトリクスで最重要視するのは客観的に理解している限り、やはりWARなのです。日本のブログ記事では 大島や平田のSB率や守備率、得点圏打率といった重箱の隅をつつくような指標を持ち出しては極めて恣意的な分析がなされており、そうした瑣末な指標が高いの低いのと言っては、大島や平田の年俸が妥当であるとか、ないとかされていました。はっきり言うならば彼らが持ち出している指標からして私はその記事に全く説得力を感じませんでした。話が枝葉に終始しているからです。やはり選手の総合的な能力を把握するにはSB率や守備率などもすべて込みこみのWARで評価せざる得ない。

そこで中立的な立場から私は2014の大島と平田のWARを調べました。どうやら大島のWARは4.0前後であり、平田は2.5前後であることがわかってきました。セリーグでも野手において5~10位に相当するのが大島であり平田ということなりそうです。日本ハムにはBOSという日本においては最先端のセイバーメトリクスに基づくオペレーションシステムが存在していますが、この中日には落合の極めてアナログな匙加減に基づく査定が行われているようです。チーム事情もあり大島のWAR4.0だから2億が妥当だと単純に言っているのでもないですが、さすがに低すぎる。現状大島が7000万であるということは、同じWAR4.0で4億近くもらっている日本人選手も他にいるということです。

将来のチームの財産となるベテラン生え抜きであった井端やドラフトで上位で指名した吉川の首もばっさり切りました。落合GMがコストカットの手法を多用し、この<アナログケチケチ路線>を突っ走る限り、選手が中日という球団をどんどん回避してゆくようになり、長期的にはおそらく中日は下降トレンドへ入ることに必ずなるでしょう。

平田や大島の査定を冷静に眺めても、落合GMはほんとうに「マネーボール」という本を読解したのか?大いに疑問です。

日本ハムのBOSというセイバーメトリクスに基づいたオペレーションシステムはその点、落合のアナログ感覚よりも格段に優れた戦略性を有しています。


なぜメジャーのボールパークは個性的でおしゃれなのか?

未分類
09 /11 2015
メジャーの球場には球場内に高さ何十メートルもある巨大な滑り台があったり、汽車が外野スタンド奥で走ったり、芝生のある本格的な公園そのものが外野スタンドに埋め込まれていたり、きれいな噴水があったり、泳げるプールがあったりと日本の球場と比べて実に個性的です。この記事のタイトルの裏を返せば、なぜ日本の球場は個性に乏しいのか?という設問へ切り替えることも可能です。
なぜメジャーのボールパークは個性的でおしゃれなのか?

こうした問いについても日米の野球の歴史や文化的背景について、抑えないことにはよくは把握できません。日本の野球文化の土台となっているのは、甲子園というプレステージを持つ高校野球にあることに異論を挟む人はいないはずです。国営放送が高校生の部活の一回戦から決勝までフルタイムですべて放映するのは、野球部の全国大会以外にありません。卓球やバスケ・剣道など他の部活の全国大会が一回戦からフルタイムで放映などまずされるわけもない。高校野球の甲子園は夏の風物詩でもあり、野球文化の根幹を成しています。
この高校野球の歴史を更に遡るとその伝統の中には<武士道精神>がはっきりと流れていることがわかります。飛田穂洲という日本野球界の重鎮が、第二次大戦下において敵性スポーツとして指定された野球を時代性に適合させ生き残り戦略として「野球こそは単なるスポーツではなく、武道にも通じるものを内包しており心身の鍛錬を積むには最適なスポーツである」ことを表立って大きく打ち出しました。精神修養のために徹底したシゴキにも近い鍛錬を行うことはもちろん、もっと言えば軍事的な上下関係等、儒教の影響もあってか目上の者には絶対服従といったスタイルまで、戦時下仕様のいささか偏った形で武士道精神を野球に持ち込むことよって当時の政府の目を掻い潜ったわけです。その影響は<巨人の星>の世界にダイレクトに反映されています。その色合いは時代と共に薄れていくにせよ、今の野球界にも<武士道精神>が流れていることを端的に表す例としては、武道が礼に始まり礼に終わるというように、今でもプロ野球関係者の心ある人は、野球場に入る時は必ずグラウンドに対して一礼をし、グランドを去る時も必ず一礼をして去ります。

なぜグランドに対して一礼をするのでしょうか?

それはグラウンドには野球の神様がほんとうにいるという汎神論的な世界観があるからではないでしょうか。グラウンドとは武道における神聖な道場のような位置づけにあるのが日本の野球文化です。よって無闇にグラウンドに日本人は唾を吐きつけたりすることもありません。あるいはイチローの「野球を通して自らの魂を磨く」という野球観などは実にわかりやすいです。野球道と言ってもいいものであり、相撲道と呼ばれるものや柔道や剣道と言ったように、すべてに通じているのは<道>を求める精神です。日本の野球には時代を超えて<武士道精神>が流れています。

この武士道精神は<フェアネス>なものの考え方を重視するが故に、ズルをしてまで勝とうというスポーツ文化は日本には相対的に認められない国です。例えば東京オリンピックのプレゼンでもありましたが、オリンピック参加国においてもPEDの使用率は他国に比べて格段に低いことがそれを物語っています。フェアネスなものの考え方はPED使用率だけでなくグラウンドの形状にも影響を与えています。「もしもですが、仮に甲子園が左右非対称でありライトスタンドまでが異様に狭かったらどうでしょうか?」右投手が左投手よりも不利になることは間違いのないところです。左打者が極端に有利になると言ってもいいです。こうしたアンフェアーなものを受け入れる文化が、果たして日本人のメンタリティーにあるのかどうか?これは理屈でもありません。武道における試合の場がシンメトリーであるように、優劣を決するにあたって、球場の形状が大きな影響を与えることを是とするような精神風土は、日本にはないのではないでしょうか。それはプロ野球の世界にも通じることであって左右非対称の球場は基本的にありません。

ところがアメリカの野球文化の基本は<National Pastime>です。野球とはアメリカ人にとって国民的娯楽というベースがある。Take Me Out to the Ball Gameでも、勝つこともあれば負けることもある、それがベースボールだと歌っています。もちろん応援する地元チームに勝ってもらいたいと思い応援もしますが、そうした勝負を抜きにして国民的娯楽という以上、ボールパークへ行き、観戦そのものも心行くまで寛ぎながら堪能する文化がアメリカにはあると言ってもいいです。それに対して、<武士道精神>が底流にある日本では、シンプルにプロ同士の戦いを純粋に観に行っているわけであり、たとえば応援スタイルにしてもトランペットと一糸乱れぬ応援というスタイルを確立させています。グラウンドは神聖な道場であり、故に球場にコテコテした飾りも必要はありません。シンプルに贔屓のチームが勝つために応援しに行くのが日本の観戦スタイルです。そこに日米の決定的な文化の違いを感じるのです。

ボールパークに行って寛ぎながらベースボールに触れること自体が、歓びであるとする文化にアメリカのベースボールが根ざしているなら、左右対称の無個性なボールパークは実に退屈なものになります。できればいろんな仕掛けもあって欲しい。またMLBでは日本以上に地域密着度が高くフランチャイズシステムが浸透しているため、その地域の特性や文化、民族に合わせてボールパークそのものも個性的で魅力的に演出するのは、スポーツマーケティングの観点からしても当然です。


アメリカのベースボールの文化には<National Pastime>という理念があり、日本の野球文化には<武士道精神>が流れている。それが日米の野球文化の相違として、応援スタイルから球場の形状や選手の野球観に至るまで大きく影響を与えています。シーズンオフにはオプショナルツアーでボールパークをじっくり鑑賞する観光文化がアメリカでは成り立ちますが、日本では基本的に成り立つはずもありません。


例えばイチローが極めてバッドやグローブを大事にするのも、その根底には道具には神が宿るという日本神道の影響に大きく拠ったものです。それはチチローもはっきりと認めています。キリスト教的な神はあくまで天に在り、ホームランを打つと信仰深いメジャーの選手は天に指をかざします。しかしグラウンドや道具までに神は宿るという宗教観ではない。キリスト教の世界観とは、「神がすべてを創造した、神は人を自分に似せて作った。だから宇宙(自然)のすべては神に託された人間のものである。」こうした自然や他の生命体よりも上位に人間を据え置くというヒエラルキーがキリスト教には厳然として存在しています。グラウンドに自らの頭を下げるべき野球の神などは存在していない。故にメジャーの選手は一般に 道具の扱いもぞんざいでありグラウンドへ唾を平気で吐くということになります。
このように宗教観や文化の違いが、野球とベースボールを似て非なるものへ変質させ、現在があります。よくMLBのボールパークは個性的で雰囲気がたまらない、それに比べて日本の球場は・・・たしかにこの意見に一理はあります。しかしもし甲子園がメジャー風に左右非対称であり、球場内に滑り台や機関車やプールなど、コテコテした飾りがついているとしたらどうでしょうか?


やはり夏の甲子園にはシンプルなスタンドにカチ割りと、ブラスバンドに調子を合わせ懸命に声を嗄らしながら応援をする姿がよく似合っている。個性的なメジャーの球場を殊更に持ち上げるような日本人ファンは実に多いがメジャー至上主義もちょっと違う。

それぞれに素敵な文化がある。そうした真の意味で文化の多様性を認める目を育てることがとても大事なのではないだろうか


関連記事

なぜメジャーの球場は左右非対称であるのか?


ボールパーク戦略の極意は<花>にあり

未分類
09 /07 2015

アメリカでは球場について3種類の呼び名があります。スタジアム、フィールドそして<ボールパーク>です。


パークの語源とは<パラダイス>であり、もともとは「囲ってある場所」という意味です。例えば世界で最も人気のあるディズニーランドというテーマパークにはウォルト・ディズニーの魔法がかけられ、祝祭化されその囲われた場所は<パラダイス>と化し、人々はその強力な磁場に惹きつけられて何度でもテーマパークへ足を運びます。


今ではMLBの文化としてすっかりお馴染みとなっているホームランが出れば<ボールパーク>では華やかな花火が打ち上げられ、特別な日に来場すればレプリカのユニフォームやバブルヘッドなどの景品がもらえたり、イニングの間にはチームのマスコットがさまざまなイベントを繰り広げるといった取り組みも、すべて今から半世紀以上前にその始まりがあります。こうした野球場のテーマパーク化へ独自の取り組みをした最初の人物がビル・べックでした。花火が球場で打ち上げられることも最初から決して当たり前のことではなかったということですね。当時からべックは女性のために託児所を設けたり、トイレを清潔に保つといった施策を打ち出し、女性客まで取り込むという非常にフレッシュな経営感覚を持っていたようです。

そんなビル・べックの魔法にかけられたCLEの本拠地であったクリーブランド・スタジアムは、ボールパーク化戦略によって続々と人が集まり、オーナー就任前はわずか観客動員は大戦中ということもあって50万人弱に過ぎない状況から、一気に5倍に跳ね上がり、1948年には260万を越えるという大盛況振りを示しました。全盛期であったヤンキースをも越えて1948年には観客動員メジャー全体の1位を獲得します。 まさにビル・ベックの魔術でした。


CLEにはかつて火の玉投手と言われたボブ・フェラーという快速球投手がいました。スライダーの開発者としても有名であり、投手の歴史に大きな足跡を残した人です。スライダー出現前と出現後で投手の時代のフェーズを分けることは十分に可能です。テッド・ウィリアムズもスライダーの出現が、打者を大きく戸惑わせる要因となったと証言もしています。

そのスライダーの開発者であるボブ・フェラーの真骨頂は言うまでもなく剛速球です。投球フォームを後ろから写した映像もありますが、個人的な感覚としてはダルビッシュの4シームよりも速いというものです。現実的にボブ・フェラーはどう少なく見積もっても100マイルは出ていたと考えています。もっともフェラーの速球を見た全ての関係者が170km/hを超えていたと証言しています。1997年のワールドシリーズでロブ・ネンが104マイルを計時した時、ボブ・フェラーは「それは俺のチェンジアップの数字だ」とコメントしたそうですが、そんな快速球自慢のボブ・フェラーでさえ「サチェルの投げるボールがファーストボールなら、俺の投げるボールはチェンジアップだよ」とも語ったそうです。


サチェルとノーラン・ライアン両者の球を受けた捕手はサチェルの球速をおおよそ179km/h位ではないかとコメントしています。179kmかどうかはともかく100マイルは確実に出ていたフェラーやライアンよりも、間違いなく速いとされるサチェルが投げた球速は、チャップマンレベルにあったことはほぼ間違いありません。ちなみにサチェルのファーストボールはベーブ・ルースを青ざめさせたとも言われています。サチェル最盛期の1930年のメジャーリーグ選抜との交流戦では22奪三振完封勝利を記録しています。当時のメジャー平均K/9は3.00前後という時代でした。

そのボブ・フェラーをエースとしてワールドシリーズでCLE優勝をした1948年のことです。史上最速投手ではないかとも言われる、黒人サチェル・ペイジを1948年にCLEからデビューさせたのも、実はビル・べックでした。ジャッキー・ロビンソンのデビューのわずか一年後の出来事でした。当時、サチェル42歳。今の40歳に対する感覚でもっては、間違いの元になります。今でいうとサチェルは山本昌レベルのレジェンドということになるのでしょうか。べックの常識破りのアイデアでした。

1951年に登場した背番号1/8 ゲーデルについても、小人症のゲーデルはもともともファンサービスのイニング間のアトラクションで活躍しており、これは選手として登録すれば全打席四球となり、OBP1.000の選手として十分に戦力になるとビルベックは閃いたようです。代打で背番号1/8がグランドに登場するやスタンドはどよめきました。べックの魔術に観客はすっかり魅入られます。ゲーデルはすべてのボールを予定通り見送り、四球で出塁します。しかしこれを知ってコミッショナーは健全な判断をすぐに下します。即座にゲーデルの出場権は剥奪されました。尚、ゲーデルはメジャーの選手としてその歴史にOBP1.000の選手として残っています。







球場をボールパーク化しようとした魔術師ビル・べックを眺めてゆくと、肌の色が白であるとか黒であるとか、選手の年齢がいっているとか、健常者であるとかないかとか、そうした既成の社会通念が作り上げた境界線(マージナル)に縛られず、ビル・べックはそのマージナルの上を自由に行き来する人であったことがわかります。魔術の源泉には常識を超えてゆく発想力が大事となるのかもしれません。


ここまで書いてふっと想起したのが、世阿弥という超一流のプロモーターの思想書、「花伝書」でした。能の達人でもあり花伝書を書いた世阿弥は、人々を惹き付けて止まない魅力のことを<花>と表現しました。世阿弥は「珍しきが花」と言います。

「住する(とどまる)ところなきを、まづ花と知るべし」

「ただ花は、見る人の心に珍しきが花なり」
平たくいうと今までの芸に安住せず、常に斬新なものを提供し続けることで、観客は感動を味わうと世阿弥は言います。(これってビル・べックの演出そのものじゃないか!)世阿弥という超一流のプロモーターが書き残した「花伝書」を読むと、常に新しいアイデアを汲み上げチャレンジし続けてきた<スポーツマーケティングの父>と言われるビル・べックが、花伝書の極意である<花>を体得している人物であることがよくわかります。こうしたビル・ベックの<花>を大事とするスポーツマーケティングの理念は、やがて時を越えて現代において受け継がれ、あらゆるMLBのボールパークをより個性的で魅力あるものにする形で多元的に展開されていきます。 メジャーリーグのボールパークにはそれぞれに個性があり、<花>がある。

ビル・ベックが一流のプロモーターでなければ、珍しき花であるところの史上最速の投手サチェルや背番号1/8のゲーデルがMLBでプレイすることもなかったはずです。**ちなみにべックがもし現代MLBのオーナーなら、絶対にイチローと契約を結び観客動員につなげるはずです。

2016のイチローには数字に纏わる様々な<花>がありますから**。

尚、この記事は「メジャー通必須の知識 MLB史に聳え立つ巨人ビル・ベックを知っているか」の続編です。

関連記事

なぜメジャーのボールパークは個性的でおしゃれなのか?


大谷レベルのファーストボールを投げる投手は3Aにゴロゴロいる

未分類
09 /04 2015
という意見を聞いたことは一度はあるのではないでしょうか?


彼らが何を根拠にしてそう言っているのかは不明ですが、実際に数字を調べるとスターターにおいて大谷レベルのベロシティを有する投手はメジャーでも数人しかいません。それはpitchF/Xで調べれば明らかです。例えば昨年2014年において、投球回数をクリアして100mphを越えたことのあるスターターは KCのベンチェラとNYYに入ったネイサン・イオバルディのみ。ちなみに2014大谷の平均が95mphですから、メジャー全体のスターターの中も平均球速でも全体の第4位となっています。

同様にオコエレベルのスピードを持った外野選手ならMLBにゴロゴロいるという意見もあります。そこでストップウォッチでオコエが甲子園3塁打の到達時間を調べました。オコエ3塁打時10.77秒。MIAのゴードンがインサイドパークホームランの3塁に到達していた時間、10.55秒。ゴードンは3塁到達においては駆け抜けていたわけでありオコエは3塁到達時は体が止まっています、当然駆け抜ける方が速く、更にはバッターボックスも左と右で違うこともあり、スピード自体は互角と見なすことは十分可能です。イチローで10.91秒でした、オコエレベルの3塁到達時に11秒を軽く切る選手はメジャーでも全体の5パーセントはいないでしょう。オコエレベルのスピードを持った選手がMLBにゴロゴロなどいないことが数字からもはっきりとわかります。川崎や青木レベルではおそらく11秒の壁は越えられないと考えています。


2014に限っては2014大谷のように100mphを何度も越えてくるスターターはメジャーでたった一人ベンチェラのみでした。大谷は二刀流であり まだ体も出来上がっていない。一本に絞れば、まだベロシティが上昇する余地は十分にあります。数字を何よりの根拠にすべきです。もっともいくら速くてもMLBでは、切れや制球 変化球とのコンビネーションがないと2014イオバルディのようにERA4.37ということになります。


では なぜ上原がメジャーのクローザーでありながら、あのベロシティのファーストボールでも打たれないのか?


140kmそこそこのクローザーなど常識的にはありえません。それはコマンドの能力もさることながら、もう一つの要因に4シームのベロシティは遅くても、縦方向の浮き上がりがメジャー最高レベルのものであり、ふつうの投手よりも3インチ分高く浮き上がることがセイバー的にも明らかになっています。



<3インチという数字は何を意味するか?>



ちょうどボールの直径を意味しています。一個分 ふつうの投手に比べて縦方向に伸びるのが上原の4シームです。大谷はボールは回転数が少ないので、空振りがやや取れにくい。質的にボールがまだまだ浮き上がらない。4シームの質を決するものに3つあります。 すなわちベロシティ コマンド トルク、以上3点です。この3つの要素がそれなりのバランスで揃わないとメジャーでもなかなか抑えることは 難しい。


結論としては、大谷レベルのファーストボールが3Aでもゴロゴロいるなら、時間と金をかけてわざわざ日本にランディ・ジョンソンが来たりはしないと考えるのが常識的です。大谷を上回るベロシティを有するMLBのスターターはほんの数人です。

最後に

私はこのブログを立ち上げた直接的な理由はビル・べックの偉大さを周知させるためと言っても過言ではありません。よかったらぜひ一読頂けたら幸いです。

「メジャー通必須の知識 MLB史に聳え立つ巨人ビル・ベックを知っているか」


大谷翔平についてのスタンス

日本ハムOB・野球評論家・プロ野球ファン・日ハムファンから二刀流・大バッシングのまさしく四面楚歌だった新人時代から一貫して栗山監督及び大谷二刀流の擁護する立場を貫く。

メジャーに大谷レベルの選手いくらでもいるとした二刀流否定派・メジャー通による「ゴロゴロ大谷説」も日本ハム時代から一蹴。

当ブログのポリシー

「これは現代に繰り広げられる壮麗なサーガであり、神話という文脈の中で大谷翔平という選手を捉えなければ、その実相は決してわからない。」

写真は古代ギリシャの神殿。